5
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b) コードの上より数 コードの上より数は,上よりを完全に解ねんして,その解ねん数を2.5で除し,
10cm間の上より数を算出する。
c) コードの下より数 コードの下より数は,b)に引き続き,上よりを完全に解ねんして平行になった下
より糸の1本を残し,他を切り捨て,下より糸1本に対する初荷重を加えて,そのときに長さLを0.1cm
まで測定した後,解ねんし,その解ねん数をLで除し,10倍して,10cm間の下より数を算出する。
d) コードのより縮み率 コードのより縮み率は,c)の下よりを完全に解ねんして平行になった原糸の長
さの増加分を測定し,増加分の原長 (25cm) に対する百分率を算出する。
8.5 引張強さ及び伸び率 引張強さ及び伸び率の試験は,次のとおりとする。
a) 標準時試験 6.によって採取した試料をより数が変わらないようにして初荷重をかけ,表1の引張条
件で試験を行う試料が切断したときの荷重を最小目盛の21で測定し,かつ,伸びを0.1cmまで測定し,
次の式によって標準時引張強さ及び伸び率を算出する。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS
Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。ただし,表1の引張条件によらない場合は,条件を付記
する。
表1 引張試験条件
試験機の種類 つかみ間隔 引張速度
定速伸長形 25cm 30±2cm/min
Fd
Ft
d
ここに, Ft : 引張強さ (cN/dtex)
Fd : 切断時の強さ (cN)
d : 試料の正量繊度 (dtex)
Er 100
ここに, Er : 伸び率 (%)
E : 切断時の伸び (cm)
L : つかみ間隔 (cm)
b) 絶乾時試験 6.によって採取した試料を絶乾状態にした後,乾燥機から取り出して(8),一定時間内(9)
にa)と同様な方法で乾燥時引張強さ及び伸び率を求める。合成繊維(ナイロン,ビニロン,ポリエス
テル及びアラミド)の場合は,乾燥剤在中のデシケーター中で24時間以上真空乾燥し,加熱すること
なく絶乾状態にした試料を用いてもよい。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によ
って小数点以下1けたに丸める。
注(8) 試料をスプール(金属,プラスチック製など)にとる場合は,試料が直接スプールに接しない
ように紙や布などで包み,加熱時の収縮が可能で加熱が均一に行われる状態とする。この際,
より数が変わらないように横取りにし,巻き崩れがないように注意する。次に,スプールを乾
燥機に入れ,糸口を乾燥機の糸出口から出しておき,絶乾状態とする。試料を取り出すときは
糸口から約2mを除き,直ちに測定する。
(9) レーヨン及びビニロンの場合は,試験1回につき30秒とし,ナイロン,ポリエステル及びアラ
ミドの場合は60秒とする。
備考1. 無ねん原糸の場合は10cmにつき8回のよりをかけて測定する。よりをかけないで測定する場
合は,その旨を付記する。
2. 試料のつかみ又はつかみから3mm以内で切断した場合は,その数値を除く。
――――― [JIS L 1017 pdf 6] ―――――
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3. つかみ切れの多いときは,柔らかい紙などで試料を挟み,つかみ切れを防ぐ。
4. 引張強さには,初荷重が含まれる。
5. 標準時引張強さ及び伸び率試験の場合,試験室が標準状態に保たれていないときは,試験時
の温度及び湿度を付記する。
6. 真空乾燥した絶乾試料を用いた場合は,その旨を付記する。
7. 引張試験機は,当分の間,応力が従来単位によって表示されたものを用いてもよい。
8.6 一定伸長時荷重 一定伸長時荷重の試験は,次のとおりとする。
a) 標準時試験 6.によって採取した試料を8.5a)と同様な方法で試験を行って,表2に示す一定伸長時
の引張荷重を最小目盛の21まで求める。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によっ
て少数点以下1けたに丸める。
なお,試験結果には,伸長率を付記する。
表2 一定伸長条件
単位 %
繊維の種類 未処理の原糸・コードのディップ処理したコード
場合の伸長率(10) の場合の伸長率(10)
レーヨン 6 3
ナイロン 14 7
ビニロン 4 2
ポリエステル 10 5
アラミド 1 1
注(10) 引張試験機のつかみ間隔に対する百分率を示す。
b) 絶乾時試験 6.によって採取した試料を絶乾状態にし,8.5b)と同様な方法で表3に示す一定伸長時
の引張荷重を最小目盛の21まで求める。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によっ
て小数点以下1けたに丸める。
なお,試験結果には,伸長率を付記する。
表3 一定伸長条件
単位 %
繊維の種類 未処理の原糸・コードのディップ処理したコード
場合の伸長率(10) の場合の伸長率(10)
レーヨン 6 3
ビニロン 4 2
8.7 一定荷重時伸び率 一定荷重時伸び率の試験は,次のとおりとする。
a) 標準時試験 6.によって採取した試料を8.5a)と同様な方法で試験を行い,次の式によって算出した
一定荷重時の伸び率を求める。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点
以下1けたに丸める。
なお,試験結果には荷重条件を付記する。
44 d2
F
d1
ここに, F : 一定荷重 (N)
d1 : 基準繊度であって,表4に示すもの (dtex)
d2 : 試料の表示繊度 (dtex)
――――― [JIS L 1017 pdf 7] ―――――
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表4 各繊維の基準繊度
単位 dtex
繊維の種類 原糸 コード
レーヨン 1 840 3 680
ナイロン 940 1 880
ビニロン 1 330 2 660
ポリエステル 1 100 2 200
アラミド
b) 絶乾時試験 6.によって採取した試料を絶乾状態にし,8.5b)と同様な方法で試験を行い,a)の式によ
って算出した一定荷重時の伸び率を求める。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401に
よって小数点以下1けたに丸める。
8.8 初期引張抵抗度 初期引張抵抗度の試験は,6.によって採取した試料を8.5a)と同様な方法で試験を
行い,図2の荷重−伸長曲線を描き,この図から,原点の近くで伸長変化に対する荷重変化の最大点A(切
線角の最大点)を求め,次の式によって初期引張抵抗度を求める。試験回数は10回とし,その平均値を求
め,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
F
Rd
L
d
L
ここに, Rd : 初期引張抵抗度 (cN/dtex)
F : 切線角の最大点Aにおける荷重 (cN)
d : 正量繊度 (dtex)
L : 試験長 (mm)
L' : THの長さ (mm)
(Hは垂線の足,Tは接線と横軸との交点)
図2 荷重−伸長曲線
備考1. 測定誤差を少なくするために,初期の荷重−伸長曲線のA点における接線が,伸び軸に対し
て45°ぐらいになるようにチャートスピードを調節する。
2. 初期引張抵抗度と見掛ヤング率との関係は,次の式のとおりである。
E'=100× Rd
ここに, E' : 見掛ヤング率 (N/mm2)
Rd : 初期引張抵抗度 (cN/dtex)
繊維の密度 (g/cm3)
3. 試験機は,原則として定速伸長形引張試験機を用い,引張条件を付記する。ただし,その他
の試験機を用いた場合は,試験機の種類及び引張条件を付記する。
――――― [JIS L 1017 pdf 8] ―――――
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8.9 耐熱強さ 耐熱強さの試験は,次のとおりとする。
a) 絶乾時耐熱強さ(A法) 6.によって採取した試料を耐熱試験用スプール(11)にとり,所定温度(12)の乾
燥機に入れ,所定時間(12)加熱した後,直ちに105±2℃の乾燥機に移し,30分間以上放置し,8.5b)と
同様な方法で絶乾時耐熱強さを算出する。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によ
って小数点以下1けたに丸める。その後,耐熱強力比を次の式によって算出し,JIS Z 8401によって
整数に丸める。
Sh
Sr 100
Sd
ここに, Sr : 耐熱強力比 (%)
Sh : 絶乾時耐熱強さ (N)
Sd : 絶乾時強さ (N)
注(11) 試料をスプール(金属プラスチック製など)にとる場合は,試料が直接スプールに接しないよ
うに紙,布などで包み,加熱時の収縮が可能で,加熱が均一に行われる状態にする。
(12) 加熱温度及び時間は,次のいずれかとする。
a) 180±3℃で4時間
b) 180±3℃で2時間
c) 160±3℃で5時間
d) 140±3℃で24時間
b) 標準時耐熱強さ(B法) 6.によって採取した試料を耐熱試験用スプール(1)にとり,所定温度(12)の乾
燥機に入れ,所定時間(12)加熱した後,標準状態の試験室に放置し,水分平衡に至らせ,8.5a)と同様
な方法で標準時耐熱強さを算出する。試験回数は10回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によって
小数点以下1けたに丸める。その後,耐熱強力比を次の式によって算出し,JIS Z 8401によって整数
に丸める。
Sh'
Sr 100
Sd '
ここに, Sr : 耐熱強力比 (%)
Sh' : 標準時耐熱強さ (N)
Sd' : 標準時強さ (N)
備考 測定条件を付記する。
8.10 乾熱収縮率 乾熱収縮率の試験は,次のとおりとする。
a) 加熱時乾熱収縮率(A法) 6.の試料から,300mm以上の試験片を採取し,その一端を固定して初荷
重をかけ,よりが戻らないようにして原糸長を正確に測定する。次に,これを初荷重をかけた状態で
所定温度(13)の乾燥機に入れ,所定時間(13)放置した後,加熱の状態で糸長を測定する。次の式によっ
て加熱時乾熱収縮率を算出し,5回の平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
L L1
ACr 100
L
ここに, ACr : 加熱時乾熱収縮率 (%)
L : 原糸長 (mm)
L1 : 加熱時の糸長 (mm)
注(13) 所定温度及び時間は,次のいずれかとする。
1) 150±3℃で30分
2) 160±3℃で30分
――――― [JIS L 1017 pdf 9] ―――――
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3) 180±3℃で30分
備考1. 試験機は,定荷重をかけることのできる装置と,試料の長さの変化を読み取ることのできる
装置を備えたものとする。
2. 測定条件を付記する。
b) 加熱後乾熱収縮率(B法) 6.の試料から,300mm以上の試験片を採取し,その一端を固定して,初
荷重をかけ,よりが戻らないようにして,原糸長を正確に測定する。次に,これを無荷重の状態で所
定温度(13)の乾燥機に入れ,所定時間(13)加熱する。加熱後,試料を乾燥機から取り出して標準状態の
試験室に30分以上放置した後,初荷重をかけて糸長を測定する。次の式によって加熱後乾熱収縮率を
算出し,5回の平均値を算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
L L1
BCr 100
L
ここに, BCr : 加熱後乾熱収縮率 (%)
L : 原糸長 (mm)
L1 : 加熱後の糸長 (mm)
備考 測定条件を付記する。
8.11 乾熱時収縮応力 乾熱時収縮応力の試験は,次のとおり行う。
a) 6.の試料の一端を上部つかみに取り付け,初荷重をかけて固定する。
b) 次に,これを所定温度(14)の乾燥機に入れて5分以上放置した後,生じた力の最大値を読む。
c) 次の式によって乾熱時収縮応力を算出し,5回の平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下2け
たに丸める。
F F
Sf
d
ここに, Sf : 乾熱時収縮応力 (cN/dtex)
F : 試料に生じた力 (cN)
F' : 初荷重 (cN)
d : 正量繊度 (dtex)
注(14) 所定温度は160±3℃とするが,その他の条件を用いてもよい。この場合は,温度を付記する。
備考 試験機には,試料を生じる力の変化を読み取ることのできる装置を備えたものを用いる。
8.12 クリープ率 クリープ率の試験は,次のとおりとする。
a) 6.の試料から300mm以上の試験片を採取し,その一端を固定し,よりが戻らないようにし,初荷重を
かけて原糸長を正確に測定する。
b) 次に,所定の荷重(15)をかけ,所定の温度(16)で60分間放置した後,糸長を測定する。
c) 次の式からクリープ率を算出し,5回の平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸め
る。
L2 L
Cr 100
L
ここに, Cr : クリープ率 (%)
L : 原糸長 (mm)
L2 : 加重後の糸長 (mm)
注(15) 所定の荷重は,表示繊度に0.008 8を乗じた数値とし,単位はNとする。
(16) 所定の温度は,常温又は135℃とする。
備考 試験条件を付記する。
――――― [JIS L 1017 pdf 10] ―――――
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JIS L 1017:2002の国際規格 ICS 分類一覧
- 83 : ゴム及びプラスチック工業 > 83.160 : タイヤ > 83.160.01 : タイヤ一般
JIS L 1017:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8103:2013
- ジエチルエーテル(試薬)
- JISK8105:2013
- エチレングリコール(試薬)
- JISK8111:2007
- 塩化亜鉛(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8264:2020
- ぎ酸(試薬)
- JISK8858:2007
- ベンゼン(試薬)
- JISK8891:2006
- メタノール(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISL0101:1978
- テックス方式
- JISL0105:2020
- 繊維製品の物理試験方法通則
- JISL0208:2006
- 繊維用語―試験部門
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8806:2001
- 湿度―測定方法