JIS L 1017:2002 化学繊維タイヤコード試験方法 | ページ 3

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8.13 吸水率 吸水率の試験は,6.の試料(17)を図3に示すような装置のコンペンセータに通して,約0.64N
の荷重を与え,誘導ローラを経て引っ張り,ローラに挟んだ後,浸せき長が18±0.5cmになるように20±
2℃の水を容量500mlのビーカーに入れ,ビーカーを上皿天びん(感量0.1g)でバランスさせながら,ビ
ュレットから水(18)を滴下しながら毎分4.5mの速さで引っ張り,この間に試料45m間の水(18)の滴下量を測
定する。次の式によって吸水率を算出し,JIS Z 8401によって小数点以下1けたに丸める。
Ar 100
ここに, Ar : 吸水率 (%)
P : ビュレットの水(18)滴下量 (ml)
m : 45m試料の標準状態における質量 (g)
注(17) 試料は,検尺器で測定前の誘導用として9mを採取して印を付け,続いて測定用として45mを採
取し,同様に印を付け,更に測定後の誘導用として9mを採取し,合計約63mのかせとする。こ
のかせを水分平衡に至らせ,45mの標準状態における質量を算出する。試料は,小形木製ボビ
ン又はチーズ木管に巻き返して用いる。
(18) IS K 0557に規定する水を用いる。
図3 吸水率の測定装置
8.14 沸騰水収縮率 沸騰水収縮率の試験は,次のとおりとする。
a) 6.の試料をよりが戻らないようにして300mm以上の長さのループとし,その一端を固定し,初荷重を
かけて原糸長を正確に測定する。
b) 次に,これを無荷重で沸騰水中に浸せきし,30分間放置する。その後,ろ紙などで試料の水分を十分
吸い取り,標準状態の試験室に3時間以上放置した後,初荷重をかけて糸長を測定する。
c) 次の式によって沸騰水収縮率を算出し,5回の平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下1けた
まで求める。
L L3
WCr 100
L
ここに, WCr : 沸騰水収縮率 (%)
L : 原糸長 (mm)
L3 : 浸せき後の糸長 (mm)
8.15 ディップピックアップ ディップピックアップの試験は,次のとおりとする。
a) 溶解法 繊維の種類によって,次のいずれかの方法で行う。

――――― [JIS L 1017 pdf 11] ―――――

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1) ナイロンの場合 6.の試料約3gを5mm以下の長さに切り,よくほぐした後,105±2℃の乾燥機に
移し,恒量になるまで放置し,デシケーター内で冷却後,質量を正確に測定する。これを容量500ml
のビーカーに移し250mlのぎ酸(19)を加えて室温でかくはんしながら溶解させ,質量既知のガラスフ
ィルター(1G2又はこれに相当するもの)でろ過する。この残さを25mlのぎ酸(19)で2回洗い,ぎ
酸(19)をろ過後,約100mlの水で4回に分けて洗い,ろ過する。残さの入ったガラスフィルターを
105±2℃の乾燥機に移し,恒量になるまで放置し,デシケーター中で冷却後,質量を正確に測定す
る。次の式によってディップピックアップを算出し,2回の平均値を求め,JIS Z 8401によって小
数点以下1けたに丸める。
m
Di 100
m m
ここに, Di : ディップピックアップ (%)
m : 試料の絶乾質量 (g)
m' : 残さの絶乾質量 (g)
注(19) IS K 8264の特級を用いる。
2) ポリエステルの場合 6.の試料約3gを5mm以下の長さに切り,よくほぐした後,105±2℃の乾燥
機に移し,恒量になるまで放置し,デシケーター内で冷却後,質量を正確に測定する。これを,あ
らかじめ塩化亜鉛(20)30mgと沸石を入れた容積50mlの三角フラスコに移し,エチレングリコール
(21)25mlをホールピペットを用いて注入する。加熱器の上で冷却器(例えば,リービッヒ冷却管な
ど)を取り付け,沸騰し始めたらときどきかくはんしながら2.5時間加熱し,溶解させる。溶解を
終えたら加熱器から取り外し,栓をして放冷し,質量既知のガラスフィルター(1G2又はこれに相
当するもの)でろ過する。さらに,0.5mol/lの塩酸(22)10mlを加えガラス棒でかくはんし,再びろ過
する。次に,60℃に熱した水500mlで洗浄し,ろ過する。以下,1)と同様にしてディップピックア
ップを算出する。
なお,接着剤の種類によって補正係数を求める。
注(20) IS K 8111の特級を用いる。
(21) IS K 8105の特級を用いる。
(22) IS K 8180の特級を用いる。
3) レーヨンの場合 6.の試料約3gを5mm以下の長さに切り,よくほぐした後,105±2℃の乾燥機に
移し,恒量になるまで放置し,デシケーター内で冷却後,質量を正確に測定する。これを容量300ml
のビーカーに移し,2530℃の硫酸(23)(7072%) 150mlをかくはんしながら加え,溶解後,さらに
20分間かくはんし,質量既知のガラスフィルター(1G2又はこれに相当するもの)でろ過する。残
さを水で酸性がなくなるまで洗う(メチルレッドで判定)。以下,1)と同様にしてディップピックア
ップを算出する。
注(23) IS K 8951の特級を用いる。
4) ビニロンの場合 6.の試料約3gを5mm以下の長さに切り,よくほぐした後,105±2℃の乾燥機に
移し恒量になるまで放置し,デシケーター内で冷却後,質量を正確に測定する。これを500mlの三
角フラスコに移し10%塩酸(22)を200ml加え,沸石を入れ,サンドバスに載せ,冷却器(例えば,リ
ービッヒ冷却管など)を取り付けて,加熱器で2時間以上加熱して溶解させる。溶解後,質量既知
のガラスフィルター(1G2又はこれに相当するもの)でろ過し,残さを7080℃に熱した水100
200mlで3回洗う。以下,1)と同様にしてディップピックアップを算出する。

――――― [JIS L 1017 pdf 12] ―――――

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備考 試験に用いる器具は,JIS K 0050の規定による。
b) 質量法 コードについては,次の式によってディップピックアップを算出し,JIS Z 8401によって小
数点以下1けたに丸める。
m m
Di 100
m
ここに, Di : ディップピックアップ (%)
m : ディップ前の未処理コードの絶乾質量 (g)
m' : ディップ処理後のコードの絶乾質量 (g)
備考 繊維付着油剤の脱着量が無視できない場合は,これを補正する。
8.16 溶剤抽出分 溶剤抽出分の試験は,繊維の種類によって,次のいずれかの方法で試験を行う。
a) アルコール・ベンゼン抽出分(レーヨン,ビニロン及びアラミドの場合) 6.の試料から水分既知の
試料約5gを正確に測定し,ソックスレー抽出器(24)に円筒ろ紙を用いずに軽く入れた後,附属フラス
コに約150mlのアルコール・ベンゼン混合液(25)(容量比1 : 2)を入れ,水浴上に載せて抽出液が弱く
沸騰を保つ程度(26)に4時間加熱した後,試料部にたまった溶液をフラスコに戻し,フラスコ内容物を
1015ml以下に濃縮した後(必要に応じて1G1又は3G1のガラスろ過器でろ過する。),あらかじめ
105±2℃で恒量を求めたはかり瓶に移す。抽出フラスコは,5060℃のアルコール・ベンゼン混合液
で洗浄し,洗液(ガラスろ過器を用いた場合は,前記ガラスろ過器でろ過後)をはかり瓶に合わせ,
水浴上で溶剤を揮発した後,105±2℃の恒温乾燥機中に1.5時間放置し,デシケーター内で冷却し質
量を測定する。抽出分は,アルコール・ベンゼン混合液抽出量の絶乾質量に対する百分率で表す。試
験回数は2回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。
注(24) ソックスレー抽出器は,JIS R 3503に規定するものを用いる。
(25) IS K 8102及びJIS K 8858の特級を用いる。回収したアルコール・ベンゼン混合液を使用する
際には,水分が1.7±0.5%となるように調製して用いる。
(26) 加熱は,10分間に1回サイホン管を通じて溶剤が還流する程度とする。
b) ジエチルエーテル抽出分(ナイロンの場合) 6.の試料から水分既知の試料約5gを正確に測定し,ソ
ックスレー抽出器(24)に円筒ろ紙を用いずに軽く入れた後,附属フラスコに約150mlのジエチルエーテ
ル(27)を入れ,水浴上に載せて,抽出液が弱く沸騰を保つ程度(26)に1.5時間加熱した後,試料部にたま
った溶液をフラスコに戻し,フラスコ内容物を1015mlに濃縮した後(必要に応じて1G1又は3G1
のガラスろ過器でろ過する。),あらかじめ105±2℃で恒量を求めたはかり瓶に移す。抽出フラスコは
ジエチルエーテルで洗浄し,洗液(ガラスろ過器を用いた場合は前記ガラスろ過器でろ過後)をはか
り瓶に合わせ,水浴上で溶剤を揮発させた後,105±2℃の恒温乾燥機中に1.5時間放置し,デシケー
ター内で冷却し質量を測定する。抽出分は,ジエチルエーテル抽出量の絶乾質量に対する百分率で表
す。試験回数は2回とし,その平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。
注(27) IS K 8103の特級を用いる。
c) メタノール抽出分(ポリエステルの場合) 6.の試料から水分既知の試料約5gを正確に測定し,ソッ
クスレー抽出器(24)に円筒ろ紙を用いずに軽く入れた後,附属フラスコに150mlのメタノール(28)を入
れ,水浴上に載せて抽出液が弱く沸騰を保つ程度(26)に3時間加熱した後,試料部にたまった溶剤をフ
ラスコに戻し,フラスコ内容物を5ml以下に濃縮した後(必要に応じて1G1又は3G1のガラスろ過器
でろ過する。),あらかじめ105±2℃で恒量を求めたはかり瓶に移す。抽出フラスコはメタノールで洗
浄し,洗液(ガラスろ過器を用いた場合は,前記ガラスろ過器でろ過後)をはかり瓶に合わせ,溶剤

――――― [JIS L 1017 pdf 13] ―――――

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を揮発させた後,105±2℃の恒温乾燥機中に1.5時間放置し,デシケーター内で冷却し,質量を測定
する。抽出分は,メタノール抽出量の絶乾質量に対する百分率で表す。試験回数は2回とし,その平
均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。
注(28) IS K 8891の特級を用いる。
備考 試験に用いる器具は,JIS K 0050の規定による。

――――― [JIS L 1017 pdf 14] ―――――

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附属書1(参考) 衝撃切断仕事量,疲労強さ,接着力及び
ディップピックアップ(アラミド)試験方法
この附属書(参考)は,タイヤコード及びタイヤコードすだれ織物の衝撃切断仕事量,疲労強さ,接着
力及びディップピックアップ(アラミドの場合)試験方法についての代表例を記述するものであり,規定
の一部ではない。
1. 衝撃切断仕事量 衝撃切断仕事量は,振子形衝撃強さ試験機を用い,試験片のつかみ間の距離を30cm
として衝撃振子を60°の角度から落下させ,衝撃振子が反対方向に上昇する角度を,試験片を用いない場
合と用いた場合についてそれぞれ測定し,次の式によって算出する。試験回数は10回とし,その平均値を
求め,JIS Z 8401によって小数点以下2けたに丸める。
A=F・s(cos懿 cos 愀
ここに, A : 衝撃切断仕事量 (J)
F : 衝撃振子が試験片に衝突するときの力 (N)
s : 重心と支点の距離 (m)
愀 試験片を用いない場合の上昇角度
懿 試験片を切断した場合の上昇角度
備考1. コードつかみと接する点で切断したものは除く。
2. 試験機の形式は,試料のたて方向に衝撃を与える方式でも,試験片のよこ中央部に衝撃を与
える方式でもいずれでもよい。ただし,その形式を記録に付記する。
3. 必要に応じて,F,s及び衝撃部分の径を付記する。
2. 疲労強さ
2.1 圧縮・曲げ疲労強さ 圧縮・曲げ疲労強さの試験には,次のファイアストン法(A法)又はデマチ
ア法(B法)がある。
2.1.1 ファイアストン法(A法)
a) 附属書1図1に示すような圧縮・曲げ試験機を用い,試験片をゴム付コード(1)の状態にして,このゴ
ム付コードを埋め込んだ試験用パッド(2)(3)の試験片側が試験機のスピンドル面にくるように取り付け,
71±15℃で所定荷重(4)をかけ,250rpmの速さで圧縮・曲げ処理を行う。

――――― [JIS L 1017 pdf 15] ―――――

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