JIS R 3410:2006 ガラス繊維用語

JIS R 3410:2006 規格概要

この規格 R3410は、ガラス長繊維及びその製品において用いる主な用語について規定。

JISR3410 規格全文情報

規格番号
JIS R3410 
規格名称
ガラス繊維用語
規格名称英語訳
Glossary of terms relating to textile glass
制定年月日
1987年12月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.59, 59.100.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1987-12-01 制定日, 1994-07-01 確認日, 1999-03-20 改正日, 2004-03-20 確認日, 2006-09-20 改正日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS R 3410:2006 PDF [22]
R 3410 : 2006

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,硝子繊維協会(GFA)
/財団法人 日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があ
り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS R 3410:1999は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

――――― [JIS R 3410 pdf 1] ―――――

                                                                                   R 3410 : 2006

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  3.1 ガラスの基本・・・・[2]
  •  3.2 ガラス繊維製造工程(ガラス溶融及び紡糸)・・・・[2]
  •  3.3 ガラス繊維加工工程・・・・[4]
  •  3.4 ガラス繊維製品・・・・[7]
  •  3.5 検査及び試験・・・・[13]
  •  3.6 品質・・・・[18]

(pdf 一覧ページ番号 3)

――――― [JIS R 3410 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 3410 : 2006

ガラス繊維用語

Glossary of terms relating to textile glass

1. 適用範囲

 この規格は,ガラス長繊維及びその製品において用いる主な用語について規定する。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1321 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法
JIS C 6480 プリント配線板用銅張積層板通則
JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法
JIS L 1096 一般織物試験方法
JIS R 3103-1 ガラスの粘性及び粘性定点 − 第1部 : 軟化点の測定方法
JIS R 3411 ガラスチョップドストランドマット
JIS R 3412 ガラスロービング
JIS R 3413 ガラス糸
JIS R 3414 ガラスクロス
JIS R 3415 ガラステープ
JIS R 3416 処理ガラスクロス
JIS R 3417 ガラスロービングクロス
JIS R 3420 ガラス繊維一般試験方法
JIS R 3421 集じん用処理ガラスクロス
JIS R 3425 表面ばり用ガラスクロス
ISO 472:1999 Plastics Vocabulary

3. 定義

 用語及び定義は,3.1から3.6による。
なお,参考のために対応英語を示す。
備考1. 用語に丸括弧が付いている場合,括弧内は,読み又は同異義語などを示す。
2. 対応英語に丸括弧がついている場合,括弧内は,省略することができる。
3. 用語及び対応英語において,二つ以上の字句を並べた場合は,その記載の順に従って優先使用
する。
4. 用語の並べ方は,六つの項目別に分類した後,各項目の中を五十音順とした。
5. 索引は使用の便宜を考えて日本語索引及び英語索引を併記した。

――――― [JIS R 3410 pdf 3] ―――――

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R 3410 : 2006

3.1 ガラスの基本

  番号        用語                              定義                          対応英語(参考)
1001 Eガラス はん用繊維用ガラス。電気絶縁性に優れている。アルカリ E-glass
(Na2O,K2O)含有率が,2.0 %以下の組成のガラス。無アル
カリガラスともいう(JIS R 3413参照)。
1002 ECRガラス 電気絶縁性と耐酸性の両方に優れた繊維用ガラス。 ECR-glass
1003 alkali resistant glass
ARガラス,ARG 耐アルカリ性に優れた繊維用ガラス。セメント強化用に用いら
れる。 AR-glass
1004 Aガラス A-glass
アルカリを多く含む繊維用ガラスの一つ。含アルカリガラスと
もいう。ガラス短繊維に用いられる。
1005 Sガラス 高強度繊維用ガラス。 S-glass
1006 Cガラス C-glass
アルカリを多く含む繊維用ガラスの一つ。耐酸性に優れる。一
般的に5~20 %程度のアルカリ酸化物(Na2O+K2O)を含む。含
アルカリガラスともいう。
1007 Dガラス 低誘電率の繊維用ガラス。 D-glass
1008 軟化点 softening point
近似的にこれより低い温度では,そのガラスのほとんどの成形
操作が不可能な温度。一般的にはJIS R 3103-1により測定され
る。
1009 ベアガラス bare glass
マッフル炉で625±25 ℃,15分間熱処理し,正味質量をはか
るために脱油,脱サイジングしたガラス(JIS R 3420参照)。

3.2 ガラス繊維製造工程(ガラス溶融及び紡糸)

  番号        用語                              定義                          対応英語(参考)
2001 アプリケータ applicator
紡糸工程で繊維束に集束剤又はバインダを付着させるための
装置。バインダアプリケータともいう。 binder applicator
2002 アプリケータロ applicator roller
サイズをフィラメントに転写塗布するための円筒状のローラ。
ーラ 回転させ,サイズをフィラメントに塗布するのが一般的。
2003 traverse stroke
あや(綾)振り幅 ワインダにストランドをあや(綾)がけしながら巻き取るとき
のあや(綾)がけ幅。
2004 エアバブラ air bubbler
ガラスをつくるとき,均質なガラスにするため,溶解炉内の溶
融ガラスを炉底から発生させた気泡によりかくはん(攪拌)す
るための空気供給装置。
2005 窯,炉 ガラス溶融窯(炉),又は溶解炉。 furnace
2006 ガラス組成 glass composition
ガラスを構成する成分の百分率。一般の化学式では表現できな
いため,通例は酸化物の形式で記述する。
2007 ガラスマーブル glass marble
再溶融紡糸法(MM法)に用いるガラス原料。通常は球状であ
マーブル るが,ペレット状などのものもある(2014参照)。
2008 ガラス溶解窯, glass melting furnace
組成調合した原料(バッチ)を溶解して,均質なガラスを作る
ガラス溶解炉, ための装置。耐火物でつくった炉又は窯と呼ばれる箱型の装置
ガラス溶融窯, で,重油,ガス,電気などを加熱熱源として利用する。
ガラス溶融炉
2009 カレット cullet
ガラス溶融時に原料に加えて使用される廃ガラス繊維及び廃
ガラス。

――――― [JIS R 3410 pdf 4] ―――――

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R 3410 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2010 ギャザリングシ gathering shoe
紡糸工程で,紡糸繊維を1本又は複数本のストランドに束ねる
ュー gathering wheel
ための部材。ギャザリングホイールともいう。同じ機能をもつ
部材として,ギャザリングコムがある。 gathering comb
2011 クーリングフィ cooling fin
紡糸工程で,ブッシングノズルから流下する溶融ガラスを均一
ン, に冷却するための金属製の板状水冷冷却装置。
冷却フィン
2012 ケーキ,ケーク cake
紡糸工程で,ブッシングから繊維化された直後のストランドを
巻き取った,筒状に巻かれた糸の塊。
2013 ケーキ水分率 巻取り機で巻き取った糸の塊(ケーキ)の含水率。 cake water content
2014 原料ガラス glass marble
マーブルメルティング法(MM法)用ガラス原料。あらかじめ
溶融炉で溶解し,マーブル又はペレット状に成形し,取り扱い
やすくなっている(2007参照)。
2015 合ねん(撚)機 糸を引きそろえてよ(撚)りをかける機械。 doubling and twister
2016 コレット 紡糸工程でブッシングから繊維を高速で巻き取る回転ドラム。 collet
2017 サイジング剤 サイズに使用される液剤(2020参照)。 fiber size
sizing agent
2018 サイズ size
紡糸工程で繊維を保護するために付与される塗布剤。カップリ
primary saize
ングサイズ(プラスチックサイズ),でんぷん(澱粉)系サイズ
がある。一次サイズとも呼ばれる。
2019 集束剤 size
紡糸工程で紡糸した単繊維をストランドに束ねるために塗布
するもの(2018,2033参照)。 binder
2020 集束本数 繊維束を構成する単繊維の本数。 number of filaments
2021 ダイレクトカッ direct cutting method
紡織用繊維を紡糸工程で繊維化後,巻き取らずに直接連続的に
ト法 カットするチョップドストランドの製造方法。
2022 ダイレクトチョ direct chopper
紡糸工程で繊維化直後の繊維を巻き取らずに直接連続的にカ
ッパ ットするための切断装置。
2023 ダイレクトチョ direct chopped strand
紡糸工程で繊維化直後の繊維を巻き取らずに直接連続的にカ
ップドストラ ットする方法で生産したチョップドストランド。
ンド
2024 ダイレクトメル direct melting method
ガラス溶融炉に直接紡糸装置を多数接続して紡糸する方法。大
ティング法, 量生産向きの方式。マーブルメルティング(MM)法と比較し
DM法 て直接紡糸法という。
2025 チップ ブッシングに付いている突起状ノズル。 tip
2026 チューブ forming tube
紡糸工程で繊維を巻き取るための筒。コレットに装着する。
2027 トラバース traverse
ワインダにストランドをあや(綾)がけしながら巻き取るとき
のあや(綾)振り装置。
2028 生原料 調合する前の個々の成分に対応したガラス原料。 raw materials
2029 ねん(撚)糸機 糸によ(撚)りをかける機械。 twister
2030 廃ガラス繊維 ガラス繊維の製造工程で発生するくずガラス繊維。 waste glass fiber
2031 廃ガラス繊維の recycling of waste
廃ガラス繊維の再利用。通常はガラス原料として再使用する操
再生 作を指す。カレット参照(2009参照)。 glass fiber
2032 パイプクーラ pipe coollar
ブッシングノズルから流下する溶融ガラスを均一に冷却する
ための装置。中空のパイプ状をしており,内部に水を流して冷
却する。ブッシングクーラともいう。
2033 バインダ binder
紡糸工程で主にロービングに使われる集束剤のこと(2019参
結合剤 照)。一次バインダとも呼ばれる。 size
binding agent
2034 バッチ 目的組成のガラスを作るために組成調合された原料。 batch
2035 フォアハース forehearth
ガラス溶融炉の下流側に位置し,ブッシングにガラス素地を分

――――― [JIS R 3410 pdf 5] ―――――

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JIS R 3410:2006の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 3410:2006の関連規格と引用規格一覧