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R 3410 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4023 ガラス短繊維 glass wool
繊維長の短い綿状のガラス繊維。溶融ガラスに高圧蒸気や圧縮
glass staple fiber
空気を吹き付けて溶融ガラスを吹き飛ばし繊維化する方法,溶
融ガラスを高速回転スピナで遠心力で飛ばし繊維化する方法,
ガラス棒の先端部を火炎で溶融しながら吹き飛ばし繊維化す
るなどの方法でつくる。
4024 ガラス中繊維 ---
紡糸直後に約3 mに切断したガラス繊維。主として鉛蓄電池用
に使用するガラス繊維で,日本独自の呼称。
4025 ガラス長繊維 continuous glass fiber
溶融ガラスをブッシングと呼ばれる白金製ノズルを通して流
continuous filament
下させ引き伸ばし,連続的に繊維化する操作によりつくる繊
維。 textile fiber
4026 ガラスチョップ glass chopped strand
ガラスストランド(4020参照)を規定の長さに切断したもの。
ドストランド 繊維束長が1.525 mmのもの及びマット用の50 mmのものが
ある。
4027 ガラスチョップ glass chopped strand
約50 mm長のガラスチョップドストランドを無方向に均一な
ドストランド 厚さに積み重ね,結合剤を用いてマット状に成形したもの。mat
マット
4028 ガラステープ 幅100 mm以下の平織帯状織物(JIS R 3415参照)。 glass tapes
4029 ガラス縫い糸 ガラス繊維製の縫い糸。 glass sewing thread
4030 ガラスパウダ glass powder
粉末状ガラス。樹脂の充てん材に用い,寸法精度,硬さ,耐熱
性などを改善する。繊維を粉砕したもの,繊維を極く短く切断
したもの(ミルドファイバ),フレークを粉砕したもの,塊を
粉砕したものなどがある。
4031 ガラス不織布 non-woven glass fabric
連続又は切断した単繊維を無方向に分散させ,繊維同士を接着
剤で固定してつくる比較的薄いシート状の製品。マットと混同
されることがある。
4032 ガラスフレーク glass flake
薄片状ガラス。繊維と同様にアスペクト比の大きな形状材料。
複合材料の樹脂中への充てん材に用い耐食性及び反り防止性
を向上させる。
4033 ガラスペーパ glass paper
ガラスチョップドストランド用い,抄造して紙状にしたもの。
略してペーパという。
4034 ガラスマット mat
連続又は切断したストランドを無方向に分散させ,ストランド
glass mat
同士を接着剤で固定してつくる比較的厚さのあるシート状の
もの。略してマットという。
4035 ガラスロービン glass roving
繊維又は繊維束を引きそろえたもの。構成単繊維の本数や太さ
グ roving
の異なる多くのものがある。ブッシングの大形化によって,引
ロービング きそろえる操作をせずに,直接一度に多数の単繊維を紡糸して
つくるものをダイレクトロービング(4074参照)という。
4036 ガラスロービン woven glass roving
ガラスロービングを用いた織物。略してロービングクロスとい
グクロス う(JIS R 3417参照)。 woven roving
ロービングクロ
ス
4037 乾式ろ過 気体の中から固体粒子を分離する操作。 dry type filtration
4038 含水形 wet type
一般の乾燥タイプではなく,一定の含水量をもつチョップドス
トランド。
4039 生機 織り上げたままの織物。 Greige
(きばた)
4040 基布 glass fabrics for
樹脂などを含浸させ,複合材料をつくるための基材となる織
物。 reinforcement
4041 組ひも(紐) Braid
すべての糸が長手方向に斜めに交差するように編組したテー
プ状又は管状のもの。
――――― [JIS R 3410 pdf 11] ―――――
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R 3410 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4042 ケースメント Casement
薄地のカーテン用織物。厚手のものはドレープカーテン(4082
参照)。
4043 ケーブルヤーン 複数の糸をよ(撚)り合わせた太い糸。 cabled yarn
4044 合糸 doubled yarn
複数の糸をよ(撚)りをかけずに引きそろえた糸。合糸ヤーン
ともいう。 multiple wound yarn
4045 合糸数 合糸を構成する糸の本数。 number of strand
4046 合ねん(撚)糸 複数の糸を引きそろえてよ(撚)りをかけた糸。 doubling & twisted
yarn
4047 コーテッドヤー coated yarn
使用目的に合致するよう樹脂,ゴムなどで被覆した糸。着色糸
ン など。
4048 コード cord
多数の糸をよ(撚)り合わせたケーブルを更により合わせるか,
組ひもにした綱状の製品。
4049 コンティニュア continuous strand mat
連続したストランドを均一な厚さに積み重ね,結合剤を用いて
スストランド マット状に形成したもの。スワールマットともいう。
マット
4050 コンティニュア 通常,たて糸に通常糸,よこ糸に紡績糸を用いてつくった織物。 continuous filament /
スフィラメン staple fiber woven
ト/ステープル fabric
ファイバ織物
4051 コンティニュア たて糸,よこ糸ともに通常糸を用いた織物。 continuous filament
スフィラメン woven fabric
ト織物
4052 先染糸 織る前に着色した糸。 colored yarn
(さきぞめいと)
4053 サーフェイスマ surfacing mat
単繊維を無方向に均一な厚さに積み重ね,結合剤を用いて薄い
ット マット状に成形したもの。通常15100 g・m-2でFRPの表面層
に表面平滑性向上,耐食性向上などの目的で使用される。単繊
維マット又はフィラメントマットともいう。
4054 ジーイーフォー GE4
ガラスクロスを基材としたエポキシ樹脂銅張積層板の規格を
表す記号。NEMA(米国電機工業会)のG-10に対応する(JISG-10
C 6480参照)。
4055 集じん用クロス fabrics for bag filter
集じん機用乾式ろ過装置のろ過布用織物。ろ過布に適合するよ
うに処理したものを処理クロスという(4086参照)。
4056 集じん用処理ガ finished glass cloth for
Eガラスクロスを用い,集じん機用乾式ろ過装置のろ過布に適
ラスクロス 合する処理を施した織物(JIS R 3421参照)。 bag filter
4057 処理ガラスクロ finished glass cloth
生機(きばた)を使用目的に合致するよう,クリーニング処理
ス 後,シランカップリング剤の処理などで表面処理をした織物。
4058 処理ガラステー finished glass tapes
使用目的に合致するよう,クリーニング処理後,シランカップ
プ リング剤の処理などで表面処理をしたテープ。
4059 処理クロス 処理ガラスクロスに同じ(4057参照)。 finished fabrics
4060 シリカファイバ silica fiber
二酸化けい素(SiO2)の含有率が96 %以上のガラス繊維。石
英ガラスファイバなど。
4061 スクリム織物 woven scrim
たて糸及びよこ糸双方の間隔を広く置いた,編み目の粗い織
物。
4062 ステープルファ 綿状のガラス単繊維を紡績して糸状にしたもの。 staple fiber
イバ staple yarn
discontinuous fiber
4063 ステープルファ staple fiber woven
たて糸及びよこ糸にステープルファイバ(4062参照)を用いて
イバ織布 織った織物(ISO 472:1999参照)。 fabric
――――― [JIS R 3410 pdf 12] ―――――
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R 3410 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4064 スパンロービン spun roving
ロービングを形成するために,それ自身の上に繰り返し折り曲
グ げられ,ときには1又は2以上のまっすぐなストランドによっ
て強化されたガラス繊維ストランド。
4065 スプリットスト split strand
一つのブッシングから紡糸した繊維を,一本の繊維束にせずに
ランド 分割して複数の繊維束にして巻取機で巻き取った製品。
4066 スライバ sliver
よ(撚)りのないかさ高の単繊維。高圧ガス噴射流によって紡
糸する。
4067 スライバヤーン スライバによ(撚)りをかけてつくる糸。 sliver yarn
4068 スリーブ sleeving
ガラス糸で筒ひも状に編み上げた組織。中は空洞になってい
て,柔軟性に優れ,保護材又は断熱用途に使われる(ISO
472:1999参照)。
4069 スワールマット コンティニュアスストランドマットに同じ(4049参照)。 swirl mat
4070 石英ファイバ quarts fiber
石英ガラスでできた耐熱性に優れた繊維。純SiO2溶融紡糸繊
維。
4071 積層板 laminated sheet
シート状繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させたものを複数枚
積み重ねて硬化してつくる板状複合材料。
4072 繊維 fiber
アスペクト比(厚さ又は直径に対する長さの比)が大きいこと
を特徴とする材料。細長い材料。
4073 双糸 2本の繊維束をよ(撚)り合わせた糸。 plied yarn
4074 ダイレクトロー direct roving
合糸によらず,紡糸工程で大形ブッシングを用い,直接多数の
ビング direct winding roving
繊維を1本に巻き取ったロービング。ダイレクトワインドロー
ビングともいう(4020参照)(4035参照)。
4075 単糸 単一ストランドによ(撚)りをかけたもの。 single yarn
4076 中空ガラス繊維 パイプ状の繊維。断熱機能,緩衝機能などが期待される。 hollow glass fiber
4077 チュービング tubing
折りたたみ幅が,100 mmより大きい管状の織物又は編物(4021
参照)。
4078 チョップドスト ガラスチョップドストランドに同じ(4026参照)。 chopped strand
ランド
4079 チョップドマッ ガラスチョップドストランドマットの略称。 chopped strand mat
ト
4080 電気絶縁用ガラ 電気絶縁性に優れた,Eガラス製テープ。 electric nsulating glass
ステープ tapes
4081 ドレープカーテ 厚地のカーテン用織物。 curtain drapery
ン
4082 ニードルマット 長さ約50 mmのチョップドストランドを無方向に均一な厚さneedled mat
に積み重ね,針打ちによってマット状にまとめたもの。 needle punched mat
4083 縫い糸 sewing thread
単糸から製造され,通常,高いよ(撚)り数をもつ強く滑らか
な織物用糸(4029参照)(ISO 472:1999参照)。
4084 ねん(撚)糸 よ(撚)りをかけた糸。よ(撚)り糸。 twisted yarn
plied yarn
folded yarn
4085 ハイシリカ繊維 96 % silica glass fiber
Eガラスを化学処理してSiO2成分を96 %以上とした耐熱性繊
維。
4086 バグフィルタ bag filter
気体中の粉じんをろ別する集じん装置において,粉じんをろ別
するためのフィルタ。袋状をしている。
――――― [JIS R 3410 pdf 13] ―――――
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R 3410 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4087 パッケージ package
巻戻しができ,かつ,取扱い,貯蔵,輸送及び使用に都合がよ
い単位の糸,ロービングなど。
備考 パッケージは,かせ又はケーキのように支持具のない
ものと,ボビン,コップ,コーン,パーン,スプール,
チューブ又はビームの上に巻き上げた形態のものと
がある。
4088 バルキー加工糸 bulked yarn
エアージェットなどでかさ高に加工した糸。テキスチャードヤ
ーンともいう。 textured yarn
4089 BMC bulk molding
熱硬化性樹脂に硬化剤,充てん(填)剤,顔料,増粘剤を配合
compound
し,チョップドストランドと混練した成形材料。不飽和ポリエ
ステル樹脂を用いる。Bulk Molding Compoundの略。
4090 引きそろえ糸 paralleled yarn
2本以上引きそろえて,よ(撚)りをかけていない糸。合糸(ヤ
ーン)に同じ(4044参照)。
4091 表面張り用ガラ textile glass fabrics for
ガラスウール及びロックウールからなる保温材,吸音材などの
スクロス surfacing
表面にはる,Eガラス糸による簡易な織物(JIS R 3425参照)。
4092 フィラメント filament
ブッシングから紡糸されたストランドを構成する一本一本の
繊維。
4093 フィルタクロス バグフィルタ用織物。 filter cloth
4094 不飽和ポリエス unsaturated polyester
代表的な熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂をマト
テル樹脂積層 リックスとした積層板。 resin laminated
板 sheet
4095 プリプレグ prepreg
熱硬化性樹脂をマトリックスに用いた複合材料の半製品。樹脂
pre-impregnation
の硬化を途中(Bステージ)に止めたもの。これを用いて最終
成形後,硬化を進め製品を完成させる。
4096 ビィーファイバ B- Fibers
極細繊維の呼称。単繊維呼び直径が,3 μmのもの。記号は
Bで表す。
4197 ボンデッドマッ 鋼管などの外面の防食に用いる薄いマット。 bonded mat
ト
4198 膜構造建築 membrane structure
外装材料に膜材料を用いた建築方式。骨格構造物に膜をかぶせ
たりワイヤでつったりしたサスペンション膜構造,風船のよう
に膨らませた空気膜構造などがある。
4199 膜材料 materials for
膜構造建築に使われる外装材料。大面積又は大空間の膜材料と
membrance
してガラスクロスに樹脂をコーティングしたものが使われる。
structure
4100 マット ガラスマットに同じ。 mat
4101 マルチフィラメ 多くの単繊維から構成される糸。 multifilament
ント
4102 耳付きテープ 幅が100 mm未満の耳付きの帯状織物。 tape with selvage
4103 耳付き細幅布 幅が100300 mmの耳付きの帯状織物。 narrow fabri with
selvage
4104 耳なしテープ 幅が100 mm未満の耳を除去した帯状織物。 tape without selvage
4105 耳なし細幅布 幅が100300 mmの耳を除去した帯状織物。 narrow fabric without
selvage
4106 ミルドファイバ milled fibers
ストランドを極く短い長さに粉砕又は切断してつくったガラ
ス繊維製品。
4107 無よ(撚)りのロービング。ノンツイストロービングともいう。 no twist roving
無ねん(撚)ロー
ビング
4108 モノフィラメン 紡糸した繊維一本。単繊維。 monofilament
ト
――――― [JIS R 3410 pdf 14] ―――――
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R 3410 : 2006
番号 用語 定義 対応英語(参考)
4109 ろ布 filter cloth
液体又は気体の中から固体粒子をろ過して分離するのに用い
る織物。
3.5 検査及び試験
番号 用語 定義 対応英語(参考)
5001 厚さ thickness
シート状製品の評価値の一つ。厚さ方向の寸法。単位はmm(JIS
R 3420参照)。
5002 アルカリ含有率 alkali content
ガラスの組成評価値の一つ。ガラス中のアルカリ(Na2O,K2O)
の含有量の質量分率(%)(JIS R 3420参照)。
5003 異物 ガラス繊維及び製品に本来存在しない物質。 foreign inclusions
foreign material
5004 ウエットアウト wet-out
複合材料をつくるとき,繊維基材を樹脂などのマトリックスで
含浸する工程で,繊維束間から繊維束を構成する単繊維間まで
樹脂が完全に浸透した状態。含浸完了状態。
5005 ウエットスルー wet-through
複合材料をつくるとき,繊維基材を樹脂などのマトリックスで
含浸する工程で,樹脂が繊維束表面をぬらし,まだ繊維束を構
成する単繊維間まで浸透していない状態。ウエットアウト
(5004参照)の前段階。不完全含浸状態。
5006 Sよ(撚)り S-twist
糸のよ(撚)り方向が左ねじ方向のよ(撚)り。Zよ(撚)り
(5041参照)の逆。
5007 MIT形試験機 MIT type tester
製品評価のための試験機の一つ。織物の耐折強さを測定する
(JIS R 3420参照)。
5008 エレメンドルフ tear strength testing
製品評価のための試験機の一つ。ペンジュラム法による織物の
形引裂強さ試 引裂き強さを測定する(JIS R 3420参照)。 machine of
験機 Eremendolf type
5009 エンド end
ヤーン,ロービングを構成する単繊維。織物のたて糸。ワープ
ともいう。 warp
5010 エンド数 end count
ヤーン,ロービングを構成する単繊維の本数。織物のたて糸本
数。
5011 汚染用グレース grey scale for
染色堅ろう度試験用用具。白布に生じた汚染の程度を判定する
ケール のに用いる標準見本。 assessing staining
5012 織物分解鏡 織物の組織,密度などを調べるための用具。拡大鏡。 textile-fabric
magnification glass
5013 開差率 percentage of deviation
測定値と規格値との差の絶対値を規格値で除して,100倍した
値。よ(撚)り数,番手の品質評価に用いる(JIS R 3420参照)。
5014 かさ密度 bulk density
物質の質量を,その物質の空げきを含むかさ容積で除して求め
た値。
5015 カット長 チョップドストランドを構成する繊維束の切断長さ。 cut length
5016 カテナリ catenary
ロービングの評価の一つ。均一性を評価する。ロービングを構
成する繊維束同士の張力のばらつき度合い。ロービングを十数
メートルに切断し,その両端を固定して張り,水平に張られた
繊維束1本1本をほぐしたとき,中央部での繊維束の垂れ下が
り程度。
5017 ガラス含有率 glass content
ガラス繊維を基材とする複合材で,その中に含まれるガラス質
量の百分率。
5018 乾摩擦堅ろう度 color fastness to
カーテン織物の評価値の一つ。カーテン地の摩擦に対する染色
堅ろう度。 rubbing (dry type)
――――― [JIS R 3410 pdf 15] ―――――
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JIS R 3410:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.59 : 繊維及び皮革技術(用語)
JIS R 3410:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISA1321:1994
- 建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法
- JISC6480:1994
- プリント配線板用銅張積層板通則
- JISL1091:1999
- 繊維製品の燃焼性試験方法
- JISL1096:2010
- 織物及び編物の生地試験方法
- JISR3103-1:2001
- ガラスの粘性及び粘性定点―第1部:軟化点の測定方法
- JISR3411:2019
- ガラスチョップドストランドマット
- JISR3412:2014
- ガラスロービング
- JISR3412:2020
- ガラスロービング
- JISR3413:2012
- ガラス糸
- JISR3414:2012
- ガラスクロス
- JISR3415:1995
- ガラステープ
- JISR3416:2010
- 処理ガラスクロス
- JISR3417:2009
- ガラスロービングクロス
- JISR3420:2013
- ガラス繊維一般試験方法
- JISR3421:2006
- 集じん用処理ガラスクロス
- JISR3425:1993
- 表面ばり用ガラスクロス