JIS S 0252:2021 尿吸収製品用吸水性樹脂の抗菌性試験方法・抗菌効果 | ページ 2

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− トリプトン 微生物試験用のもの
− 肉エキス 微生物試験用のもの
− 尿素 JIS K 8731に規定する特級のもの
− 非イオン界面活性剤 ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[ポリソルベート80
(Tween80)]
− ペプトン 微生物試験用のもの
− りん酸水素二カリウム JIS K 9017に規定する特級のもの
− りん酸水素二ナトリウム JIS K 9020に規定する特級のもの
− りん酸二水素カリウム JIS K 9007に規定する特級のもの
− レシチン 微生物試験用のもの
b) 材料
− アルミニウムホイル バイアル瓶の開口部に蓋として被せることができるもの
− 不織布製ティーバッグ ISO 17190-5に規定する孔をもたないヒートシール可能な不織布から作
られた60 mm×40 mm60 mm×85 mmの寸法のティーバッグ(以下,ティーバッグという。)
注記 不織布製ティーバッグとしては,例えば,吸水性樹脂製造会社,吸水性樹脂工業会及び
一般社団法人日本衛生材料工業連合会から入手可能である。この情報は,この規格の利
用者の便宜を図って記載するもので,この製品を推奨するものではない。
− メンブランフィルタ 孔径0.22 μmのもの
c) 器具及び装置
− 安全キャビネット JIS K 3800に適合するか又はこれと同等の性能をもつもの
− 液受け ティーバッグをつり下げ時に滴る液を受けられる容器
− オートクレーブ 温度121 ℃±2 ℃(圧力103 kPa±2 kPa相当)に保てるもの
− オートピペッター プラスチック製又はガラス製のピペットを装着できるもの
− 乾熱殺菌器 温度120 ℃170 ℃に保てるもの
− クリップ 人工尿に浸漬後のティーバッグをつり下げられるクリップ
− 恒温水槽 試験温度±1 ℃で調節できるもの
− 試験管 殺菌可能なガラス製のもの
− 試験管かくはん器 微生物試験用のもの。例えば,Vortexミキサーなど。
− シャーレ 内径約90 mmのプラスチック製又はガラス製,又はJIS K 0950に規定する90A号又
は90Bに適合するもの
− スパテラ 0.2 gの吸水性樹脂を採取することに適したサイズのスパテラ
− タイマー 最小読取1秒以下で,30分以上計測可能であるもの
− つり下げ用ラック ティーバッグをつり下げられるラック
− 電子精密天びん 感度1 mg又はそれ以上のもの
− バイアル瓶 ねじ口付容量50 mLのガラス製で,パッキンは四ふっ化エチレン樹脂製又はシリコ
ン製,キャップはフェノール樹脂製のもの
− 培養器 温度36 ℃±2 ℃に調節できるもの
− 白金耳 微生物試験用のもの

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− バット プラスチック製,ガラス製又はステンレス製の容器であって,1 Lの人工尿を入れられ
るもの
− ヒートシーラー 不織布を接着できるもの
− ピペット プラスチック製又はガラス製で,容量が50 mL±0.5 mL,25 mL±0.25 mL,10 mL±0.1
mL,及び5 mL±0.05 mLのもの
− 分光光度計 波長660 nmで測定可能なもの
− pH測定器 JIS Z 8805に規定するpH測定用ガラス電極のもの
− マイクロピペット JIS K 0970又はJIS R 3505のクラスAに適合又は精度をもつもの
− 綿栓 青梅綿を使用した栓,又はシリコン栓,金属栓,モルトン栓など
− ろ過用チップ 5 mLチップの先に約20 mm×20 mmに裁断した医療ガーゼを詰めたもの(図1参
照)
図1−ろ過用チップの例

5.3 器具等の殺菌方法

  試験管,メスピペットなどのガラス製器具は,アルカリ又は中性洗剤で十分に洗浄し,水で十分すすい
で乾燥してから乾熱殺菌するか,又は高圧蒸気殺菌したものを用いる。その殺菌方法は,次のa)又はb)に
よる。また,白金耳及び試験管を火炎殺菌する場合は,次のc)による。
a) 乾熱殺菌 殺菌する試験器具を,160 ℃170 ℃の乾熱殺菌器に入れて1時間2時間保ち,殺菌する。
なお,乾熱殺菌終了後,綿栓又は包装紙が水でぬれたときは,その器具は用いてはならない。
b) 高圧蒸気殺菌 オートクレーブに水を入れ,殺菌する試験器具,培地,試験片などを金網かごに入れ
てオートクレーブの棚に載せる。オートクレーブの蓋を締めて加熱し,温度121 ℃(圧力103 kPa相
当)に15分間20分間保つ。加熱を止め,100 ℃以下に自然冷却後,排気弁を開き蒸気を抜き去り,
蓋を開け殺菌したものを取り出し,必要に応じて安全キャビネット内で冷却する。
なお,オートクレーブは,培地,抗菌加工薬剤などによる汚染を防ぎ清浄に保つため,必要に応じ
中性洗剤で洗浄し,水で十分にすすぐ。
c) 火炎殺菌 殺菌する試験器具を,ガス又はアルコールの火炎に当てる。白金耳の場合は十分に赤熱し,
試験管の場合は2秒間3秒間火炎に当てる。

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5.4 試薬及び培地

  試薬及び培地は,次によって作製,調整されたものを用いる。また,同一組成のものであれば,市販品
を用いることができる。
a) 人工尿 精製水1 000 mLに対して,尿素10.0 g,塩化ナトリウム9.0 g,りん酸水素二ナトリウム(無
水)2.5 g,塩化アンモニウム3.0 g,りん酸二水素カリウム2.5 g,クレアチニン2.0 g,肉エキス1.5 g
及びペプトン2.5 gをフラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pHが6.8±0.2(25 ℃)
になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,孔径0.22 μmのメンブランフィルタ(5.2)
によって,ろ過殺菌する。
b) 普通寒天培地 精製水1 000 mLに対して肉エキス5.0 g,ペプトン10.0 g及び塩化ナトリウム5.0 gを
フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pHが7.0±0.2(25 ℃)になるよう水酸化ナト
リウム溶液又は塩酸溶液で調整し,これに寒天粉末15.0 gを加え,混合後,高圧蒸気殺菌する。調製
後,直ちに使用しないものは5 ℃10 ℃で保存する。調製後1か月以上過ぎた普通寒天培地は用いて
はならない。
c) 標準寒天培地 精製水1 000 mLに対して酵母エキス2.5 g,トリプトン5.0 g及びグルコース1.0 gを
フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pHが7.1±0.2(25 ℃)になるよう水酸化ナト
リウム溶液又は塩酸溶液で調整し,これに寒天粉末15.0 gを加え,混合後,高圧蒸気殺菌する。調製
後,直ちに使用しないものは5 ℃10 ℃で保存する。調製後1か月以上過ぎた標準寒天培地は用いて
はならない。
d) 斜面培地 試験管にあらかじめ温めて溶解した5.4の普通寒天培地を10 mL注ぎ,綿栓をして高圧蒸
気殺菌する。殺菌終了後,清浄な室内に試験管を水平面に対して約15度傾けて置き,内容物を凝固さ
せる。調製後,直ちに使用しないものは5 ℃10 ℃で保存する。凝結水がなくなったものは溶解し,
再び凝固させて使用する。調製後1か月以上過ぎた斜面培地は用いてはならない。
e) CDLP培地 精製水1 000 mLに対して,カゼイン製ペプトン17.0 g,大豆製ペプトン3.0 g,塩化ナ
トリウム5.0 g,りん酸水素二カリウム2.5 g,グルコース2.5 g及びレシチン1.0 gをフラスコに入れ
て混合し,内容物を十分に溶解し,さらに,ポリソルベート80を7.0 g加えて溶解した後,pHが7.0
±0.2(25 ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,高圧蒸気殺菌する。調製後,
直ちに使用しないものは5 ℃10 ℃で保存する。調製後1か月以上過ぎたSCDLP培地は用いてはな
らない。
f) 生理食塩水 精製水1 000 mLに対して,塩化ナトリウム8.5 gをフラスコに入れて十分に溶解した後,
必要に応じ試験管に分注し,高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しないものは5 ℃10 ℃で保存
する。調製後1か月以上過ぎた生理食塩水は用いてはならない。

5.5 細菌の保存

  細菌の移植は,無菌的に行う。片手に元株と移植しようとする5.4の斜面培地を,もう一方の手に白金
耳の柄を持ってその手で綿栓を抜き取り,試験管の口を火炎殺菌する。
白金耳を火炎殺菌し,新しい斜面培地の凝結水のある部分に白金耳の先を付けてよく冷却し,これを用
いて元株の菌体を一部かき取り,新しい斜面培地に画線塗抹し,再び試験管の口を火炎殺菌し,元のよう
に綿栓をする。使用後の白金耳は火炎殺菌する。細菌を移植した斜面培地は,36 ℃±2 ℃で24時間48時
間培養し,その後は,温度5 ℃10 ℃で保存する。
なお,1白金耳量を斜面培地に塗抹する場合には,図2に示す凝結水に細菌を分散し,ここから斜面上
方まで直線を引く。一旦培地から白金耳の先端を離し,再び凝結水に漬け,今度は蛇行させながら斜面上

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方まで線を引く。
細菌移植後,1か月以内に次の細菌移植を同様に行い継代培養する。継代培養は10回を限度とする。ま
た,移植してから1か月以上過ぎたものは次の移植に用いてはならない(JIS Z 2801の5.5参照)。
図2−細菌の移植

5.6 吸水量の測定

5.6.1 測定条件
吸水量の測定は温度21 ℃25 ℃,相対湿度40 %60 %の条件下で,対照試料及び試験試料ごとに繰り
返し数2で行う。
なお,対照試料の吸水量の測定は,対照試料のロットごとに行う。
5.6.2 試料の採取
対照試料及び試験試料をそれぞれ2検体,次の方法で採取する。
a) 対照試料 対照試料を0.20 g±0.02 g(約40 mm×45 mm)になるように切り出し,それぞれの質量を
測定する。
b) 試験試料 空のティーバッグの質量を測定し,そのティーバッグに試験試料0.20 g±0.02 gを入れる。
次に,ティーバッグをヒートシーラーで熱溶着し,それぞれの質量を測定する。試験試料を入れて熱
溶着したティーバッグの質量から空のティーバッグの質量を引いて,試験試料の質量とする。その後,
ティーバッグ中の試験試料をティーバッグ内に均一に分散させる。
5.6.3 浸漬
5.2のバットに5.4の人工尿(23 ℃±2 ℃)約1 Lを加え,5.6.2で準備した対照試料(2検体),試験試
料を採取したティーバッグ(2検体)及び空のティーバッグ(2検体)を人工尿の表面上に置き,それぞれ
が十分湿った後(通常約1分間程度),中の気泡を注意深く除去しながらそれぞれを人工尿の表面下に押し
込み,30分間静置し人工尿を十分に吸収させる。
5.6.4 質量測定
30分間静置した後,全ての対照試料,試験試料を採取したティーバッグ及び空のティーバッグを人工尿
から取り出し,クリップでそれぞれの角を1か所つまんで5.2のつり下げ用ラックに10分間つるし,過剰
な人工尿を除去する。その後,それぞれの質量を測定する。

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5.6.5 吸水量の算出
測定した質量から,対照試料及び試験試料の単位質量当たりの吸水量をそれぞれ式(1)及び式(2)によって
求め,その平均の小数点以下第2位をJIS Z 8401の規則Bによって丸め吸水量を算出する。
a) 対照試料
Rr
V0 (1)
r
ここで, V0 : 対照試料の単位質量当たりの吸水量(mL/g)
R : 浸漬後の対照試料の質量(g)
r : 採取した対照試料の質量(g)
ρ : 人工尿の比重(g/mL)
ただし,人工尿の比重は1.0(g/mL)とする。
b) 試験試料
SBm
V (2)
m
ここで, V : 試験試料の単位質量当たりの吸水量(mL/g)
S : 浸漬後の試験試料を含むティーバッグの質量(g)
B : 浸漬後の空ティーバッグの質量の平均値(g)
m : 採取した試験試料の質量(g)

5.7 試験操作

  細菌の取扱いは,無菌的に行うとともに,試験実施者,器具及び作業環境の細菌汚染に注意する。必要
に応じて安全キャビネットを使用し,次による。
a) 試験菌の前培養 5.5の保存菌種から5.4の斜面培地に1白金耳量移植し,培養器中で温度36 ℃±2 ℃
で18時間24時間培養する。
さらに,この培養器から新たな斜面培地に1白金耳量移植し,培養器中で温度36 ℃±2 ℃で18時
間±2時間培養する。
b) 試験試料の採取 試験試料は,粒度の異なる粒子が混ざっているため,試験試料を採取する前に,試
験試料をよく混合する。具体的には,試験試料の容量が,試験試料の入った容器の容量の80 %以下で
あることを確認する。その後,試験試料の入った容器を5回10回,8の字を描くように回して,試
料をよく混合してから採取する。1検体当たりの対照試料質量及び試験試料質量をそれぞれ0.20 g±
0.02 gとし,対照試料6検体,試験試料は試験試料ごとに3検体を5.2のバイアル瓶に採取する。対照
試料6検体のうち,3検体は試験菌懸濁人工尿接種直後の生菌数測定に,残りの3検体は培養試験後
の生菌数測定にそれぞれ使用する。
c) 試料の殺菌 5.7 b)で採取した試験試料入りのバイアル瓶の開口部をアルミニウムホイルなどで蓋を
し,120 ℃140 ℃の乾熱殺菌器に入れ15分間20分間保ち,殺菌する。その後,乾熱殺菌器から取
り出し,熱が冷めるまで室温で放置する。乾熱殺菌終了後に試料が変色したりしている場合は,その
試料を破棄し,別の試料を再度殺菌する。
なお,附属書Aの手順で,試料が無菌であることが確認できている場合は,試料の殺菌操作を省略
してもよい。
d) 試験菌懸濁人工尿の調製 試験菌懸濁人工尿の調製は,次の手順に従って対照試料及び試験試料ごと
に行う。
5.7 a)で前培養した試験菌の菌体1白金耳量を,少量の5.4の人工尿に均一に分散させ菌懸濁母液と
し,顕微鏡による直接観察又は吸光度法などの適切な方法によって菌数を推定する。この菌懸濁母液

――――― [JIS S 0252 pdf 10] ―――――

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