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を5.4の人工尿を用いて適宜希釈し,式(3)によって求められる目標菌液濃度となるように対照試料及
び試験試料ごとに調整し,それぞれの試験菌懸濁人工尿とする。
TV 3104
(pdf 一覧ページ番号 )
0.2
ここで, T : 対照(又は試験)試料に接種する試験菌懸濁人工尿の
目標菌液濃度(個/mL)
V : 対照(又は試験)試料の単位質量当たりの吸水量
(mL/g)
3×104 : 試料0.2 g当たりの目標接種菌数(個)
注記 5.8 a) 1)の接種菌数の成立条件が,試料0.2 g当たり1×104個5×104個であることから,そ
の中央値3×104個を目標接種菌数とした。
さらに,試験菌懸濁人工尿を直ちに使用しない場合は,氷冷保存し,4時間以内に使用する。また,
同時に複数の試験試料を試験する場合は,試験試料ごとに試験菌懸濁人工尿を準備する。
e) 試験菌懸濁人工尿の接種 対照試料及び試験試料ごとに,5.6.5で算出した単位質量当たりの吸水量
(V0及びV)に基づき,対照試料0.2 g及び試験試料0.2 gの吸水量に相当する試験菌懸濁人工尿をピ
ペットでそれぞれ正確に採取し,5.7 c)で準備した対照試料及び試験試料に,次の方法で接種する。
試験菌懸濁人工尿が,バイアル瓶の壁面等に付着すると,バイアル瓶壁面で菌が増殖するため,試
験菌懸濁人工尿がバイアル瓶壁面に付着しないように接種することが必要である。具体的には,試験
菌懸濁人工尿を採取したピペットチップをバイアル瓶底面中央部にセットし,ピペットチップが試験
試料に接触しない高さから静かに試験菌懸濁人工尿を滴下し,試験菌懸濁人工尿が完全に吸収される
まで静置(10分間15分間程度)する。その後,静かにバイアル瓶のキャップを締める。
なお,試験菌懸濁人工尿接種後は,かくはんしたり,混ぜたりしてはならない。また,静電気のた
め試験試料が壁面に付着することがあるが,そのまま試験を進める。
f) 培養 試験菌懸濁人工尿を接種したバイアル瓶(対照試料3検体,試験試料は試験試料ごとに3検体)
を36 ℃±2 ℃で18時間培養する。
g) 試験菌の洗出し 試験菌の洗出しは,対照試料については接種直後及び18時間培養後,試験試料につ
いては18時間培養後に,次の手順に従って行う。
1) 試験菌懸濁人工尿接種直後の洗出し(対照試料だけ) 試験菌懸濁人工尿を接種した直後の対照試
料について,5.4のSCDLP培地10 mLを加え,キャップを締め,手振り(振幅30 cm,30回振とう)
又は試験管かくはん器(5秒間,5回)でかくはんし,各検体から試験菌を洗い出す。
2) 培養後の洗出し(対照試料) 5.7 f)の培養後の対照試料について,5.4のSCDLP培地10 mLを加
え,キャップを締め,手振り(振幅約30 cm,30回振とう)又は試験管かくはん器(5秒間,5回)
で試験菌を洗い出す。
3) 培養後の洗出し(試験試料) 5.7 f)の培養後の試験試料について,5.7 e)で接種した試験菌懸濁人工
尿と同量の5.4のSCDLP培地を加え,キャップを締め,手振り(振幅約30 cm,30回振とう)又は
試験管かくはん器(5秒間,5回)で各検体から試験菌を洗い出す。その後,洗出し液中に懸濁して
いる試験試料粒子を取り除くため,5.2のオートピペッターなどで適量採り,5.2のろ過用チップを
用いてろ過する。
なお,試験試料からの試験菌の回収率に関する適切な検証ができている場合には,ほかのろ過方
法を用いてもよい。
h) 生菌数の測定(混釈平板培養法) 試験菌懸濁人工尿及び5.7 g)の洗出し液ごとに,ピペットで1 mL
を採り,5.4の生理食塩水9 mL±0.1 mLが入った試験管に加え,十分にかくはんする。
さらに,この試験管から1 mLを新しいピペットで採り,5.4の生理食塩水9 mL±0.1 mLが入った
――――― [JIS S 0252 pdf 11] ―――――
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別の試験管に加え十分にかくはんする。この操作を順次繰り返して10倍希釈法による希釈系列を作
製し,試験菌懸濁人工尿及び5.7 g)の各洗出し原液と各希釈系列の試験管とからそれぞれ別の殺菌済
みシャーレ2枚に新しいピペットで1 mLずつ採り,45 ℃46 ℃に保温した5.4の標準寒天培地 約
15 mLを入れ,蓋をしてよく混合する。
室温で放置し,培地が凝固した後,シャーレを倒置し,温度36 ℃±2 ℃で24時間48時間培養す
る。培養後,通常30個300個のコロニーが現れた希釈系列のシャーレのコロニー数を測定する。洗
出し液1 mLを採った混釈平板において,コロニー数が30個未満の場合は,そのコロニー数を測定す
る。また,いずれの混釈平板においてもコロニーの形成が認められない場合は,コロニー数を“<1”
と表示し,コロニー数として“1”を用いて生菌数を算出する。
i) 生菌数の計算 生菌数の計算は,次による。
1) 試験菌懸濁人工尿の菌濃度 試験菌懸濁人工尿のコロニー数から式(4)によって,それぞれの試験菌
懸濁人工尿の菌濃度を求め,有効数字3桁目を四捨五入して2桁で表示する。
ICD (4)
ここで, I : 試験菌懸濁液の菌濃度(個/mL)
C : 試験菌懸濁人工尿のシャーレのコロニー数の平均値
D : 希釈倍率
2) 洗出し液中の菌数 対照試料(菌接種直後及び培養後)及び試験試料ごとにそれぞれの繰返しの洗
出し液中の菌数を式(5)によって求め,その平均値を洗出し液中の菌数とする。菌数は,有効数字3
桁目を四捨五入して2桁で表示する。
NCDW (5)
ここで, N : 洗出し液中の菌数(個)
C : 洗出し液のシャーレのコロニー数の平均値(個)
D : 希釈倍率
W : 洗出し液量(mL)
5.8 試験結果の判定
試験結果の判定は,次による。
a) 試験成立の判定 次の1)5)の試験条件を全て満たすとき,その試験は有効と判定する。全ての条件
を満足しない場合に,試験不成立と判定し,再試験を実施する。
1) 接種菌数 式(6)によって求められる対照試料0.2 g及び試験試料0.2 g当たりのそれぞれの接種菌数
Lが,全ての試験菌種で1×104個5×104個の範囲内である。
LIV 0.2 (6)
ここで, L : 対照(又は試験)試料0.2 g当たりの接種菌数(個)
I : 対照(又は試験)試料用に調製した試験菌懸濁人工尿
の菌液濃度(個/mL)
V : 対照(又は試験)試料の単位質量当たりの吸水量
(mL/g)
2) 対照試料でのばらつき 試験菌種ごとに,18時間培養後の対照試料中の生菌数の常用対数値の最大
値と最小値との差が1以下である。
3) 試験試料でのばらつき 試験菌種ごとに,18時間培養後の試験試料中の生菌数の常用対数値の最大
値と最小値との差が2以下である。
4) 増殖値 試験菌種ごとに,対照試料上での細菌の増殖値を式(7)によって求め,JIS Z 8401の規則B
によって小数点以下1桁に丸め,その増殖値が2.0以上である。
――――― [JIS S 0252 pdf 12] ―――――
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FFF t 0 (7)
ここで, F : 対照試料上での細菌の増殖値
Ft : 18時間培養後の対照試料3検体の生菌数の常用対数の
平均値
F0 : 試験菌懸濁人工尿接種直後の対照試料3検体の生菌数
の常用対数の平均値
5) 不活性化剤の有効性 試験菌種ごとに,不活性化剤の有効性を附属書Bの方法で確認する。
b) 抗菌活性値の計算 試験が成立した場合について,式(8)によって抗菌活性値を求める。数値は,JIS Z
8401の規則Bによって小数点以下1桁に丸める。
AAc At (8)
ここで, A : 抗菌活性値
Ac : 18時間培養後の対照試料3検体の生菌数の常用対数の
平均値
At : 18時間培養後の試験試料3検体の生菌数の常用対数の
平均値
6 試験結果報告書
試験結果報告書には,少なくとも次の内容を含まなければならない。
a) 試験施設に関する情報
1) 名称
2) 住所
3) 試験を実施した従事者の氏名
b) 試験試料
1) 試験試料名又は製品名
2) ロット番号(ある場合)
3) 製造業者名
4) 試験試料受領日
5) 試験試料受領日から長期保管した場合は,その保管方法
c) 試験条件
1) 試験操作実施日(前培養開始日生菌数測定日)
2) 試験菌種及びその保存菌の継代回数
3) 使用した試験試料の質量
d) 試験結果
1) 対照試料の試験菌懸濁人工尿接種直後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
2) 対照試料及び試験試料の18時間培養後の3検体の生菌数の常用対数の平均値
3) 試験試料(対照試料及び試験試料)の吸水量
4) 試験成立条件の判定結果 抗菌試験依頼者と試験実施者による受渡当事者間の合意等により,2.0よ
り大きい判定基準で判定した場合は,その判定基準とした抗菌活性値を記載する。
5) 抗菌活性値
――――― [JIS S 0252 pdf 13] ―――――
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附属書A
(参考)
試験試料の無菌性の確認
A.1 試験試料の無菌性の確認
次の手順で,試験試料が無菌であることが確認できた場合は,5.7 c)の試験試料の殺菌操作を省略しても
よい。
a) 試験試料溶液の準備 5.7 b)の手順に従って,バイアル瓶に試験試料0.2 g±0.02 gを採取する。次に,
5.7 e)の手順に従って,5.6.5で算出した単位質量当たりの吸水量に基づき,試験試料0.2 gの吸水量に
相当する量の5.4の人工尿をピペットで正確に採取し,5.7 b)で準備した試験試料に試験試料が飛び散
らないように注意しながら添加する。その後,バイアル瓶のキャップを締め,室温で10分間30分
間静置する。
静置後,5.7 g)の3)の手順に従って洗出し操作を行い,得られた洗出し液を試験試料の無菌性確認の
ための試験試料溶液とする。
b) 混釈培養 a)の試験試料溶液を,試験管かくはん機で約3秒間5秒間かくはんしてから,2枚のプラ
スチック製殺菌シャーレにピペットで正確に1.0 mLずつ採取し,混釈平板培養法によって生菌数を求
める。
c) 無菌性の確認 いずれの混釈平板においてもコロニーの形成が認められない。
――――― [JIS S 0252 pdf 14] ―――――
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附属書B
(規定)
不活性化剤の有効性の確認
B.1 不活性化剤の有効性の確認
不活性化剤の有効性を試験菌種及び試験試料ごとに,次の手順によって確認する。
なお,検体数は,試験菌種及び試験試料ごとに2検体とする。
a) 試験試料溶液の準備 5.7 b)の手順に従って,バイアル瓶に試験試料0.2 g±0.02 gを採取し,5.7 c)の
手順で試験試料を殺菌する。次に,5.7 e)の手順に従って,試験試料に5.6.5で算出した単位質量当た
りの吸水量に基づき,試験試料0.2 gの吸水量に相当する量の5.4の人工尿をピペットで正確に採取
し,試験試料が飛び散らないように注意しながら添加する。その後,バイアル瓶のキャップを締め,
36 ℃±2 ℃で18時間静置する。
18時間後,5.7 g)の3)の手順に従って洗出し操作を行い,得られた洗出し液を不活性化剤の有効性
確認のための試験試料溶液とする。
b) 試験菌液の準備 試験菌種ごとに,5.7 d)の手順に従って,菌数が1.5×104個/mLになるように調整し
た試験菌懸濁人工尿を準備する。
c) 不活性化剤の効果の確認 試験菌種及び試験試料ごとに2本の殺菌した試験管を準備する。各試験管
にa)の試験試料溶液5.0 mLを入れ,さらにb)で準備した試験菌懸濁人工尿0.05 mLを正確に加え,
試験管かくはん機で約3秒間5秒間激しくかくはんし,室温で1時間静置する。1時間後,試験管を
試験管かくはん機で約3秒間5秒間かくはんしてから,混合液をそれぞれ2枚のプラスチック製殺
菌シャーレにピペットで正確に1.0 mLずつ採取し,混釈平板培養法によって生菌数を求める。
d) 不活性化剤の効果の確認 次の基準が満たされた場合,不活性化剤が有効とする。
1) )の試験菌懸濁人工尿の生菌数が0.5×104個/mL2.5×104個/mLである。
2) )の不活性化剤の効果の確認において,洗出し液を加えた系の生菌数が添加した生菌数の±50 %以
内である。
参考文献
[1] JIS L 1902 繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果
JIS S 0252:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.20 : 排泄物の回収
JIS S 0252:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0950:1988
- プラスチック製滅菌シャーレ
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK1441:1986
- 塩化アンモニウム
- JISK3800:2009
- バイオハザード対策用クラスIIキャビネット
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8263:2020
- 寒天(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8731:2020
- 尿素(試薬)
- JISK9007:2008
- りん酸二水素カリウム(試薬)
- JISK9017:2012
- りん酸水素二カリウム(試薬)
- JISK9017:2021
- りん酸水素二カリウム(試薬)
- JISK9020:2012
- りん酸水素二ナトリウム(試薬)
- JISK9020:2021
- りん酸水素二ナトリウム(試薬)
- JISL0803:2011
- 染色堅ろう度試験用添付白布
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ2801:2010
- 抗菌加工製品―抗菌性試験方法・抗菌効果
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8805:2011
- pH測定用ガラス電極