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T 0601-2-66 : 2015 (IEC 60601-2-66 : 2012)
附属書AA
(参考)
個別指針及び根拠
AA.1 根拠及び背景
この個別規格は,補聴器の標準化におけるギャップを埋めるために作成された。
補聴器は,過去には本質的に安全なものと考えられていた。法的な要求事項を満たすために,製造業者
はリスク評価に基づく独自の試験仕様,試行の経験,使用現場のデータ又は標準規格を直接適用すること
によって申請していた。工業会における製造業者の密な協力によってこれらの要求事項は,過去に既に調
整され,標準化されていた。法的要求事項に対応するための工業規格を作成する試みが1990年代になされ,
それが1998年にCENELEC規格案のprEN 50220になった。しかし,このCENELEC規格案が投票で賛
同を得られなかったため,それに代わり欧州補聴器工業会(EHIMA)がその団体名でほぼ同一内容の工業
規格を発行したが,広く賛同を得ていたわけではなかった。この状況に照らして,EHIMAは2009年にこ
の不明解さを終結するためにIECに申し入れ,国際的に認められた補聴器の安全規格の制定を要請するこ
とを決定した。
JIS T 0601-1を補聴器に適用するにふさわしくないことは,補聴器業界及び規制当局者からは一般的に
理解されている。その理由で補聴器業界は,IEC/TC 62とその下部委員会の活動には参加をしてこなかっ
た。その結果として,補聴器に対する安全性の要求事項の規定は,JIS T 0601規格群と比較して根本的に
異なる方法で行われた。そのため当初はJIS T 0601規格群の枠外で規格を作成することに取り組んだ。そ
の作業は,TC 29(電気音響),特にオージオロジー技術の関係者が出席しているWG 13(補聴器)に割り
当てられた。TC 62にそれに対する協力を要請され,IEC規格の構成と一致させるために,この規格をJIS
T 0601規格群に統合することを提案した。安全提案における基本的な違いは,適用範囲内の製品の個々の
使用法に起因する,個別の要求事項に対する考慮を用意するための個別規格の作成によって,安全性の要
求事項の根本的な違いを調整することができる。確立している補聴器への安全性の要求事項をJIS T 0601
規格群に統合した結果,通則及び副通則に対する置換えが相対的に多くなっている。
AA.2 補聴器に関する安全要求事項の定義
補聴器の仕様及び意図する使用に関して,そのリスクは多くの場合JIS T 0601規格群の典型的な適応範
囲の医療用品と同じではない。この個別規格は,補聴器産業の現時点での最善の規範を表している。この
規格は,製造業者のリスクアセスメント,社内規格,現場での試行,報告された既知の事故及び長期にわ
たる経験に基づいている。
ホームヘルスケア環境(家庭内での使用環境)における補聴器の意図する使用において,操作者と患者
とは同一である。
この個別規格における考え方を要約して,表AA.101に示す。
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T 0601-2-66 : 2015 (IEC 60601-2-66 : 2012)
表AA.101−この個別規格における考え方の要旨
事項 リスク及び要求事項
電気的 低電圧かつ低エネルギーの内部電源(通常1.6 Vより低く,明らかに201.8.4.2の限界範囲内)
であるため,電気的ハザードはない。電池電圧に対する接触可能な導電性部分の限度は,この
規格において新たに導入された。
外部装置ヘの接続 : 歴史的に,先端技術を用いたa) コンシューマ製品(オーディオ入力)又は
b) 医療製品(プログラム用)への接続が用いられている。
補聴器の使用によるリスクは,オーディオ用ヘッドホンに相当する。JIS C 6065又はJIS C
6950-1(又は関連するものがあれば他の該当する規格)の要求事項は,このリスクを十分にカ
バーしている。このリスクは非常に低く,補聴器又はヘッドホンによる事故は報告されていな
い。
警告 : 適合した製品だけに接続すること。
オーディオ入力及び使用者間の最小限の絶縁を規定するための,追加の漏れ電流試験を,この
個別規格に新たに導入した。
それ以外の要求事項は,なくても受容可能である。
機械的 落下試験後を含め,鋭い角が生じてはならない。
耳内への部品の残留を防ぐための要求事項。
該当する場合について,小さい子供が部品を飲み込むことを防ぐための機械的な要求事項及び
説明事項。
放射 なし
生物学的,化学的 患者に触れる材料に対する生体適合性の試験。
正しく充電されなかった場合の電池の膨張又は液漏れに対する警告。
電池蓋の構造及び表示に対する要求事項。
発熱,発火 低電圧及び低エネルギーの内部電源であるため,受容できないリスクはない。この個別規格に
よる故障状態の試験は,この見地について立証する。
正しく充電されなかった場合の電池の膨張又は液漏れに対する警告。
電池蓋の構造及び表示に対する要求事項。
音響的 意図しない高レベル音への暴露を避けるためのハードウェア及びソフトウェア(PEMSに対す
る要求事項)に加え,プログラミングインタフェース及びワイヤレスインタフェースの耐故障
設計。EMC試験の要求。
意図的に132 dBを超える音圧レベルを発生する機器の場合の,使用者及び聴覚健康管理専門家
への警告。
基本性能 故障が受容できないリスクを引き起こすことはない。
インタフェース EMC及び電波に関する試験。
心臓ペースメーカ,航空機又は爆発しやすい環境のような,特別なリスクに関する使用者への
警告。
ユーザビリティ 右と左を示すための機器上の赤と青の表示。
ユーザビリティエンジニアリング及び主操作機能の同定。
附属品 1) リモートコントローラ及びバッテリ充電器には,IT機器又は消費者製品(携帯電話・テレ
ビ用リモートコントローラなど)と同等のリスクがあり,よって,JIS C 6065又はJIS C
6950-1(該当する場合には他規格)の要求事項によって十分に網羅されている。
2) プログラミングインタフェースは,JIS T 0601-1に適合しなければならない。
AA.3 個別の箇条及び細分箇条に対する根拠
この個別規格において,特定の箇条及び細分箇条の理論的根拠を次に示す。箇条及び細分箇条の番号は,
本文の箇条及び細分箇条の番号に対応している。
注記 次の箇条又は細分箇条番号に付した“†”印(ダガーマーク)は,対応する要求事項に対する
根拠であることを示し,かつ,要求事項の文章でないことを容易に識別できるようにしたもの
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T 0601-2-66 : 2015 (IEC 60601-2-66 : 2012)
である。
201.1.1† 適用範囲
一般に,補聴器のリモートコントロールユニット,音声再生機,充電器,電源などの附属品は,エンタ
ーテインメント,IT,携帯電話のような家庭用品,テレビのリモコンなどと同じ環境で,同じ使用者が使
用する。そのため,これらの製品群と同等のリスクがあり,通則及び副通則の要求事項はしばしば不適切
である。JIS C 6950-1,JIS C 6065又は今後のIEC 62368規格群の適用は,この個別規格と併せて,適切に
リスクを担保する。多くの場合,附属品は,これらの要求事項に更に慣れているIT又はAV部門の製造者
が設計及び/又は製造している。これはIEC 60601-1-11のアプローチと合致している。
反対に,臨床用途のプログラミングインタフェース又は附属品は,聴覚健康管理専門家が使用するため,
通則が適用される。
201.1.3† 副通則
IEC 60601-1-2については,附属書AAの201.17を参照。
IEC 60601-1-9は,過去に補聴器産業に適用されたことがない。従来からのJIS T 0601規格群の適用範
囲となるME機器と比較すると,補聴器の環境への影響は非常に限定的である。この問題については各国
の法令で十分に担保されており,環境影響は基本的な安全性に直接関連がないため,この副通則を適用せ
ず,それ以外で取り扱うことを決定した。
IEC 60601-1-11の要求事項を精査した結果,補聴器はこのガイドラインの作成のときに考慮されていな
かったことが明らかになり,不適切な要求事項が相当数ある結果となった。IEC 60601-1-11を全般に適用
するよりもむしろ,この個別規格の要求事項の該当する側面を考慮するほうが,より実行可能性が高いと
考えられた。
201.4.3† 基本性能
補聴器には,不可欠な性能はない。いずれかの機能が故障しても受容できないリスクが生じることなく,
かつ,バッテリを使い切ると機能が停止するのは正常である。補聴器のその他の全てのリスクは,基礎安
全に分類される。製造者が意図する使用を,安全性に重要な機能の要求に拡大する場合,結果となる不可
欠な性能は,この個別規格を適用することでは担保されない。
201.5.9.1† 装着部
装着部という用語は,補聴器の業界では過去に使用されていなかった。装着部の記号は,補聴器の使用
者及び技師には知られていない。補聴器は常に患者に接している必要があるため,マーク付けは不要であ
る。
201.7.8.1† 表示光の色
補聴器技術において,低電力消費であることが不可欠である。患者には,許容できないほど頻繁にバッ
テリ交換が必要であったり,大容量バッテリにするために製品寸法が不合理であるといった負担があって
はならない。現在と予見可能な将来の技術の状態では,赤以外の色をインジケータランプ(LED)に使用
することは,補聴器のエネルギー消費を許容範囲外に増やす結果となる(背景 : 電圧及び電流の消費は,
使用する半導体材料の性質に直接相関があるため,結果として発する波長/色とも直接相関がある。)。そ
のため,この個別規格ではインジケータランプは一般には求めておらず,備える場合には色を指定しない。
インジケータランプは,例えば,患者が子供であるか又は精神的な制限があるために,装置の機能が損な
われていることを述べることができないような例において使用される。赤は,臨床環境における人員に対
してだけ,重大な状況を示している。家庭,オフィス,その他の環境では,典型的な補聴器の使用者は,
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T 0601-2-66 : 2015 (IEC 60601-2-66 : 2012)
赤い光にさらされているので,通則の色の要求事項と調和する必要性が減じられる。
201.8† ME機器の電気的ハザードに関する保護
低電圧かつ低エネルギー(一般には1.4 Vであり,エネルギーは,明らかに201.16の限界内である。)の
内部電源による電気的ハザードはない。
外部装置への接続 : 歴史的に(最先端技術を反映して),a) コンシューマ製品(オーディオ入力),又は
b) 医用製品(プログラム用)の接続がある。補聴器の危険性(リスク)は,オーディオ用ヘッドホンと同
等である。JIS C 6065又はJIS C 6950-1(又は,関連するものがあれば他の該当する規格)の電気的絶縁
についての要求事項は,このリスクを十分にカバーしている。補聴器又はオーディオ用ヘッドホンに伴う
事故は報告されていない。201.7.9.2.5は,補聴器を規格に適合する製品以外に接続しないよう指示するこ
とを求めている。
そのため,一般に補聴器には絶縁は不要である。例外は医用製品以外に外部接続する場合であり,201.8.7
において,信号入力と使用者との間の漏れ電流試験を追加して行うことを求めている。
内部電源供給による直流1.6 V未満の接触可能な接点をもつ補聴器は,この個別規格の発行前には規制
されておらず,損害及び損傷は生じなかった。接点間が最悪の状況の場合の測定結果は,実際の直流電流
は明らかに10 μAを下回っていた。患者測定回路についての制限は,201.8.4.2に導入された。
201.9† ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護
この箇条で扱う補聴器の機械的ハザードは,次の項目に限定される。
a) (落下試験後を含む)避けるべき,鋭い角
b) 耳中への部品残留を避けるための要求事項(201.9.102による3 Nの要求事項は,補聴器を取り出す力
から導出された。)
c) 該当する場合は,小さい子供が部品を飲み込まないようにするための機械的要求事項及び指示
201.9.6† 音響エネルギー(超低周波音及び超音波を含む)及び振動
限界のレベルとして132 dBを選択した根拠は,140 dBを超える騒音は,時間にかかわらず許容できな
いとしている欧州指令2003/10/EC及び米国連邦規則29 CFR 1910.95 OSHAに由来する。聴力障害を補償す
るために上昇した音を患者に供給することを意図している点を考慮し,以前EHIMA(欧州補聴器工業会)
の勧告(例えば,prEN 50220欧州規格原案),承認の慣例(例えば,NSH北欧障害者協会),米国FDAの
ガイドライン(21 CFR 801 420補聴機器)及び132 dBを超えるレベルに対して特別の対応を求めている関
係者の確立した慣例に従うことに決定した(表示に関する201.7.9.2.2も参照)。
201.11† 過度の温度及び他のハザードに関する保護
通常,低電圧及び低エネルギーの内部電源による火災,発熱,又は発火に関する受容できないリスクは
ない。そのため,通則のほとんどの要求事項が該当せず,温度測定は,通常は不要である。
201.12† 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護
従来から,JIS T 0601規格群の適用範囲に含まれているME機器と比較すると,補聴器のユーザビリテ
ィの側面は非常に限定的である。主操作機能の例がここに列記されているが,該当しない場合もある。ユ
ーザビリティエンジニアリングの結果,さらなる主操作機能が導かれてもよい。
201.13† 危険状態及び故障状態
電気的なハザード,火災,及び熱によるハザードがないため(附属書AAの201.8及び201.11を参照),
通則のこの箇条に含まれる要求事項の多くは該当しない。
201.14† プログラマブル電気医用システム(PEMS)
従来から,JIS T 0601規格群の適用範囲内であるME機器と比較した場合,補聴器によって生じるリス
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T 0601-2-66 : 2015 (IEC 60601-2-66 : 2012)
クの低さと一致して,補聴器のソフトウェアはむしろ重大なものではなく,複雑さの程度も低い。歴史的
に,補聴器産業はJIS T 2304を適用し,IEC 60601-1-4ではなかった。現在このアプローチが確立され,
適切であると証明されているため,JIS T 2304の要求事項を個別に策定,詳述するときにJIS T 0601-1の
アプローチに従う必要はないと考えられる。
201.15† ME機器の構造
電気的ハザード,火災,及び熱的ハザードがないため(附属書AAの201.8及び201.11を参照),通則の
この箇条に含まれる要求事項の多くは該当しない。
201.16† MEシステム
通則のこの箇条は,補聴器システムの2,3の軽微な側面に適用するには広範囲すぎると考えられた。代
わりに,システムの全ての側面については,この個別規格の個々の箇条で取り扱い,これらの規格の容易
な適用の助けとした。
201.17† ME機器及びMEシステムの電磁両立性
TC 29はIEC 60118-13を補聴器のEMC規格として定めた。この規格は確立しており,この個別規格の
適用範囲である製品に対して,IEC 60601-1-2よりも適している。
――――― [JIS T 0601-2-66 pdf 30] ―――――
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JIS T 0601-2-66:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-66:2012(IDT)
JIS T 0601-2-66:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.50 : 電気音響
- 11 : 医療技術 > 11.180 : 心身障害者用の介護用具 > 11.180.15 : 聴覚障害者及び聴力の損なわれた人のための用具
JIS T 0601-2-66:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7761-3:2007
- 手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
- JISB9707:2002
- 機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9711:2002
- 機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
- JISC0445:1999
- 文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
- JISC0447:1997
- マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1509-2:2018
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC5512:1986
- 補聴器
- JISC5512:2015
- 補聴器
- JISC60079-0:2010
- 爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
- JISC60079-2:2008
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
- JISC60079-6:2004
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC6965:2007
- ブラウン管の機械的安全性
- JISC8282-1:2019
- 家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
- JISC8303:2007
- 配線用差込接続器
- JIST0307:2004
- 医療機器―医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
- JIST0601-1-3:2012
- 医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
- JIST2304:2017
- 医療機器ソフトウェア―ソフトウェアライフサイクルプロセス
- JISZ8202:1985
- 量記号,単位記号及び化学記号
- JISZ8203:1964
- 単位記号
- JISZ8203:2000
- 国際単位系(SI)及びその使い方
- JISZ8736-1:1999
- 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定