JIS T 60601-2-65:2019 医用電気機器―第2-65部:歯科口内法用X線装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 5

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T 60601-2-65 : 2019 (IEC 60601-2-65 : 2012,Amd.1 : 2017)
c) 必要な場合,試験する装置の正常な使用のために,指定した構成及び設定によって漏れ放射線(漏れ
X線)がどのように影響されるか測定して決定する。試験は,最も厳しいとみなす構成及び設定を選
んで行う。
d) 適切なX線管負荷条件を適用して,焦点から1 m離れた球表面全体において,多数の点で測定を行い,
空気カーマの最大値を決定する。
e) 実際に使用したX線管負荷条件での測定値を,副通則の12.3によって附属文書に記載した基準負荷
状態に対応する,一時間当たりの空気カーマ値に正規化する。
f) 当細分箇条に規定した面積内での平均化を考慮して,測定値に必要な補正をする。
g) 試験で得た測定値が,要求する限界値以下であれば,適合とする。
203.12.5 X線管負荷状態にないときの漏れ放射線
JIS T 0601-1-3の12.5は適用しない。

203.13 迷放射線に対する防護

203.13.2 防護区域からのX線装置の制御
置換
ME機器には,据付後,照射スイッチの操作を防護区域から行うことを選択できる手段を備えなければ
ならない。
上記に関連する指示を,附属文書に記載しなければならない。
附属文書には,操作者と患者とが聴覚的及び視覚的な方法で連絡し合える手段を備える必要があること
について,責任部門の注意を喚起する記載を含まなければならない。
この要求事項は,手持形ME機器(手持形X線装置)には適用しない。
(試験)
適合性は,ME機器の調査及び附属文書の調査によって確認する。
203.13.3 距離による防護
追加
迷放射線(迷X線)に対する防護は,防護区域からの操作以外に,操作者が焦点から2 m以上離れ,か
つ,X線ビームの進路外で照射を制御できるようにすることで達成できる。
この要求事項は,手持形ME機器には適用しない。
(試験)
適合性は,ME機器の調査及び附属文書の調査によって確認する。
注記 放射線防護に関しては,より安全な基準を規定する法令などが優先される。
追加
203.13.101 手持形ME機器の迷放射線に対する防護
注記 手持形ME機器の操作者の迷放射線(迷X線)に対する防護は,製造業者のリスクマネジメン
トプロセスの対象である。

――――― [JIS T 60601-2-65 pdf 21] ―――――

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T 60601-2-65 : 2019 (IEC 60601-2-65 : 2012,Amd.1 : 2017)
附属書
次を除き,通則の附属書を適用する。

――――― [JIS T 60601-2-65 pdf 22] ―――――

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T 60601-2-65 : 2019 (IEC 60601-2-65 : 2012,Amd.1 : 2017)
附属書C
(参考)
ME機器及びMEシステムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針
次を除き,通則の附属書Cを適用する。
201.C.1 ME機器,MEシステム又はそれらの部分の外側の表示
追加
ME機器の外側の表示についての追加要求事項は,表201.C.101の細分箇条で示す。
表201.C.101−ME機器又はその部分の外側の表示
表示に関する記載 細分箇条
ME機器上の表示 201.7.2.101
201.C.5 附属文書及び取扱説明書
追加
附属文書(取扱説明書及び技術解説を含む。)の記載についての追加要求事項は,表201.C.102に列記し
た細分箇条で示す。
表201.C.102−附属文書の要求事項を規定した細分箇条
細分箇条の名称 細分箇条
ME機器及びMEシステムのための 201.4.10.2
電源(商用)
附属文書 201.7.9
機械的保護装置 201.9.8.4.101
外部のインタロックの接続 203.6.2.1.101
放射線の線量及び線質の調整 203.6.3.1
空気カーマの変動係数 203.6.3.2.101
線量測定値の表示 203.6.4.5
距離による防護 203.13.3

――――― [JIS T 60601-2-65 pdf 23] ―――――

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T 60601-2-65 : 2019 (IEC 60601-2-65 : 2012,Amd.1 : 2017)
附属書AA
(参考)
個別指針及び根拠
この個別規格の特定の箇条及び細分箇条についての根拠を次に示す。細分箇条番号は,この個別規格の
本文中の細分箇条番号である。
注記 この附属書AAの箇条又は細分箇条番号に付した“†”印は,対応する要求事項に対する解説で
あることを示し,かつ,要求事項でないことを容易に識別できるようにしたものである。
201.8.7.3† 許容値
ME機器の負荷に必要な電源のサージ対策としてEMIフィルタを使用することは,通則で要求される漏
れ電流への対応を困難にするため,これらの要求事項ではJIS Z 4751-2-7:2008の19.3をそのまま適用した。
201.8.8.3† 耐電圧
高電圧回路の耐電圧試験に対する一般的な要求は,JIS Z 4751-2-7:2008で規定され,試験電圧は公称管
電圧の1.2倍とされている。
しかし,この個別規格では,“高電圧発生装置の試験がX線管を接続したときだけ可能で,しかもX線
管が公称管電圧の1.2倍の電圧を許容しない場合には,試験電圧を下げなければならないが,管電圧の1.1
倍以上でなければならない。”とし,特定の条件下では,試験電圧を公称管電圧の1.1倍まで下げてもよい
と規定した。
このことは,モノブロック形装置として設計する歯科口内法用X線装置では常に当てはまる。
このため,この個別規格では適用範囲が制限されていることを考慮し,耐電圧試験に対する要求は適用
可能な条件だけに限定し,単純化した。
モノブロック形装置では,短い過渡的なスパイク電圧を除いて,公称管電圧を大きく超える管電圧が発
生し,それが持続することがほとんどない点を考慮する必要がある。
201.11.101† モノブロック形装置の過度の温度に関する保護
歯科用モノブロック形装置の内部部品は密封され,空気から遮断されている。絶縁物が過熱した場合に
は,X線高電圧装置を停止させ,負荷を阻止するので更なる発熱は生じない。
JIS T 0601-1:2017の表23は,塗装された金属表面を規定していない。さらに,操作者によるモノブロッ
ク形装置の撮影中の取扱い時間は,ほんの数秒である。
203.4.101.1† 照射時間
放射線(X線)学の幾つかの基本則を示す。
放射線線量率(X線線量率),すなわち,単位時間当たりに発生した(又は物質に吸収された)放射線(X
線)の量(空気カーマ率)は,その瞬間の管電流と直接的かつ直線的に比例する。
管電流が一定の場合,放射線量(X線量),すなわち,照射イベント当たりに発生した(又は物質に吸
収された)放射線(X線)の総量(空気カーマ)は,直接的かつ直線的に照射時間に比例する。
結果として,放射線量(空気カーマ)は,平均管電流と照射時間との積,すなわち,管電流時間積(mAs

――――― [JIS T 60601-2-65 pdf 24] ―――――

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T 60601-2-65 : 2019 (IEC 60601-2-65 : 2012,Amd.1 : 2017)
で表示)に直接的かつ直線的に比例する。
このため,照射時間の厳密な定義(すなわち,定義語の適用条件)は,仮に理想的な照射状態になくて
も,放射線(X線)の量[放射線量(X線量)]との正比例関係を可能な限り正確に維持することが必要で
ある。
理想的な照射状態は,照射の開始及び終了,すなわち,立上がり時間及び立下がり時間が瞬時の場合に
実現される。このような状態では,照射時間の定義は明白で,改めて定義する必要はない。照射時間と放
射線量(X線量)との直線的な比例関係も明らかである。しかし,実際には管電流及び空気カーマ率には,
有限の立上がり時間及び立下がり時間が存在する。直流(DC)コンバータを使用するX線発生装置の多
くは,この立上がり及び立下がり時間が直線的な傾斜を示す。このような状況では,照射時間の開始及び
終了を空気カーマ率が定常状態かつ最大値の50 %になった時点と定義することで,定義上の照射開始前に
生じる空気カーマの余剰分と照射開始後から定常値状態かつ最大値に達するまでの不足分とが同等にな
るため,結果として,照射時間と空気カーマとの総量の正比例関係が維持される(図AA.1参照)。
図AA.1−直流X線発生装置における照射中の空気カーマ
1ピーク形及び2ピーク形X線高電圧装置では,放射線(X線)はパルス状に発生し,パルスのピーク
値に対する包絡線は立上がり時点から直線的な傾きを示さないため,状況はより複雑になる。立下がり時
間については,照射の終了が電力供給の停止,すなわち,管電圧及び管電流を同時に切断することで達成
されるため,立上がり時間に比べて通常無視できる程度に短い。立上がり部でのパルスのピーク値に対す
る包絡線は通常,定常状態かつ最大値のほぼ50 %の時点を変曲点とするS字状曲線となる。
したがって,この場合においても,包絡線上で空気カーマ率が定常状態かつ最大値の50 %になる時点で
照射時間を定義することによって,定義上の照射開始前に生じる空気カーマの余剰分と照射開始後から定
常状態かつ最大値に達するまでの不足分とがほぼ等しくなるため,結果として,照射時間と空気カーマの
総量との正比例関係は近似的に維持されることになる。

――――― [JIS T 60601-2-65 pdf 25] ―――――

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JIS T 60601-2-65:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-65:2012(IDT)
  • IEC 60601-2-65:2012/AMENDMENT 1:2017(IDT)

JIS T 60601-2-65:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 60601-2-65:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST60601-1-8:2012
医用電気機器―第1-8部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:医用電気機器及び医用電気システムのアラームシステムに関する一般要求事項,試験方法及び適用指針
JISZ4120:2008
診断用X線管装置―焦点特性
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定