JIS T 80601-2-61:2014 医用電気機器―第2-61部:パルスオキシメータの基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 3

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T 80601-2-61 : 2014 (ISO 80601-2-61 : 2011)
組織との相互作用による光信号から,動脈血ヘモグロビンの機能的酸素飽和度(SpO2)を,脈動する血
流によって生じる組織の光学的特性の時間的変化を用いて非侵襲的に測定するME機器。
注記1 パルスオキシメータは,パルスオキシメータ本体,必要な場合はプローブ中継ケーブル及び
パルスオキシメータプローブから構成されるが,一体構成することもできる。
注記2 光は,より専門的には電磁波放射(光放射)といわれる。この個別規格では,一般的な用語
を用いる。
201.3.217
パルスオキシメータ本体(PULSE OXIMETER MONITOR)
パルスオキシメータの部分で,電子回路,表示部及び操作者・機器インタフェースを含むが,パルスオ
キシメータプローブ及びプローブ中継ケーブルは含まない。
注記 パルスオキシメータ本体は,分離した場所にある複数のハードウェアで構成することができる。
例えば,テレメータシステムの装着部は,主要な表示部と物理的に離れた場所にある。
201.3.218
パルスオキシメータプローブ(PULSE OXIMETER PROBE)
パルスオキシメータの部分で,装着部及びトランスデューサを含む。
注記1 センサ及びトランスデューサという用語は,パルスオキシメータプローブの意味としても用
いられてきた。
注記2 パルスオキシメータプローブは,一般的にケーブル及び検知部によって構成される。検知部
は,2個の発光素子及び1個の受光素子を硬質又は軟質部材で組み立ててある。
201.3.219
パルスオキシメータプローブの故障(PULSE OXIMETER PROBE FAULT)
検知できないと患者に危害を生じる可能性があるパルスオキシメータプローブ又はプローブ中継ケー
ブルの故障又は異常状態。
注記 誤った値の提示,パルスオキシメータプローブの高温部と患者との接触又は電撃が,患者への
危害の原因となる可能性がある。
201.3.220
比(RATIO)
モジュレーション比(MODULATION RATIO)
比の比(RATIO OF RATIOS)
R
時間変化する光強度の測定からパルスオキシメータによって得られる基礎的な量。
注記 パルスオキシメータは,経験的に得られた校正曲線を用いて,RからSpO2を求める。追加情報
は,FF.4に記載してある。
201.3.221
*再生(REPROCESSING)
附属文書には記載されていないが,使用した製品を再使用可能にするための全ての作業。
注記1 こうした作業は,再仕上げ(refinishing),再保管(restoring),再利用(recycling),再製造
(remanufacturing)などともいわれる。
注記2 同様な状態を表す場合は,“再生した(reprocessed)”という用語を使用する。

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 11] ―――――

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T 80601-2-61 : 2014 (ISO 80601-2-61 : 2011)
201.3.222
SaO2
酸素によって飽和化された動脈血内の機能的ヘモグロビンの分画。
注記1 受容できるSaO2測定方法の決定方法については,201.12.1.101.2.2を参照する。
注記2 SaO2は,動脈血内の機能的酸素飽和度である(追加情報は,201.3.209に記載してある。)。
注記3 これは,通常,パーセントで表す(分数を100倍する。)。
201.3.223
SpO2
パルスオキシメータによって測定したSaO2。
注記1 2波長パルスオキシメータは,SaO2の測定での異常ヘモグロビンの影響を補正できない。
注記2 これは,通常,パーセントで表す(分数を100倍する。)。
201.3.224
総ヘモグロビン濃度,ctHb(TOTAL HAEMOGLOBIN CONCENTRATION)
全種類のヘモグロビン濃度の総和。オキシヘモグロビン(cO2Hb),メトヘモグロビン(cMetHb),デオ
キシヘモグロビン(cHHb),サルフヘモグロビン(cSuHb)及びカルボキシヘモグロビン(cCOHb)の濃
度を含むが,これらに限定されるわけではない。

201.4 一般要求事項

  次の変更を加え,通則の箇条4を適用する。

201.4.3 基本性能

  次の変更を加え,通則の4.3を適用する。
追加

201.4.101 *基本性能に対する追加要求事項

  基本性能に対する追加要求事項は,表201.101に示した細分箇条で規定している。
表201.101−基本性能に対する追加要求事項
要求事項 細分箇条
生体アラーム状態を検出できるアラームシステムを備える
パルスオキシメータの場合は,
SpO2精度,脈拍数精度及びアラーム状態の限界 201.12.1.101
201.12.1.104
208.6.1.2.101
又は,機器アラーム信号の発生 201.11.8.101.1
201.12.4
201.13.101
生体アラーム状態を検出できるアラームシステムを備えて
いないパルスオキシメータの場合は,
SpO2精度a)及び脈拍数精度 201.12.1.101
201.12.1.104
又は,異常作動の表示 201.12.4
201.13.101
注a) この個別規格が要求する固有の試験の許容基準としてのSpO2精度及び
脈拍数精度の評価方法については,202.6.2.1.7に記載してある。

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 12] ―――――

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T 80601-2-61 : 2014 (ISO 80601-2-61 : 2011)

201.4.102 許容基準に対する追加要求事項

  この個別規格では,試験に関わる多くの箇条で性能面での許容基準を設定している。これらの許容基準
には,常に適合しなければならない。
製造業者が,附属文書の中でこの個別規格が規定している性能基準よりも高い基準を設定している場合
は,製造業者の設定が許容基準となる。
例 SpO2精度を1 %と規定する場合,パルスオキシメータは,全ての要求事項に対して,例えば,EMC
試験の最中でも精度1 %であることを要求する。

201.4.103 パルスオキシメータ,その部品及び附属品に対する要求事項

  パルスオキシメータは,パルスオキシメータ本体との使用を指定した個々の部品並びに附属品とともに,
この個別規格が規定する全ての要求事項に適合しなければならない。これには,パルスオキシメータの使
用に対して製造業者が指定した部品又は附属品の全ての組合せを含む。
注記1 この要求事項は,パルスオキシメータの部品又は附属品の基礎安全及び基本性能を,意図す
るパルスオキシメータ本体と組み合わせて使用する場合に保証するためのものである。
注記2 パルスオキシメータ本体は,別の製造業者から供給されるパルスオキシメータプローブ及び
ケーブルと組み合わせて使用することが多い。この要求事項は,このような組合せに対する
互換性を保証するためのものである。
パルスオキシメータが指定する全ての組合せ並びにパルスオキシメータ本体との組合せ使用を指定す
る個々の部品及び附属品は,取扱説明書に記載する。追加的な情報を201.7.9.2.1.101 g),201.7.9.2.14.101 a)
及び201.7.9.2.14.101 b)に記載してある。

201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項

  通則の箇条5を適用する。

201.6 ME機器及びMEシステムの分類

  通則の箇条6を適用する。

201.7 ME機器の標識,表示及び文書

  次の変更を加え,通則の箇条7を適用する。
201.7.2.3 附属文書の参照
次の変更を加え,通則の7.2.3を適用する。
置換え
パルスオキシメータには,義務行為に対する次の安全標識を表示する。
“注意,取扱説明書を参照”ISO 7010-M002
(通則の表D.2の安全標識10に追加的な情報を記載している。)
201.7.2.9 IP分類
置換え
通則の7.2.9の要求事項とは異なるが,パルスオキシメータの外装には,この個別規格の201.11.6.5.101
で要求するIP分類を表示する。水の浸入又は微粒子状物質の侵入に対して一部又は全てを保護するために
携帯用ケースを使用する場合は,外装による保護の程度を外装に表示し,かつ,携帯用ケースによる保護
の程度を携帯用ケースに表示する。

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 13] ―――――

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T 80601-2-61 : 2014 (ISO 80601-2-61 : 2011)
例 外装によって微粒子状物質の侵入を防ぎ,携帯用ケースによって水の浸入を防いでいる携帯形パ
ルスオキシメータの場合は,パルスオキシメータの外装にIP2Xと表示し,かつ,携帯用ケース
にIPX2と表示することが必要である。
IPX0に分類される外装又は携帯用ケースでは,このような表示は不要である。外装が水の浸入に対する
最低限の要求に適合できない場合は,“乾燥状態を保つこと”と表示するか,又はISO 15223-1:2007の図
記号5.8を表示する(表201.D.2の図記号1参照)。
(試験)
適合性は,調査及び通則の7.1.2及び7.1.3に規定する試験及び基準によって確認する。
追加
201.7.2.101 ME機器又はME機器の部分の外側の表示に対する追加要求事項
パルスオキシメータ,部分又は附属品は,明瞭に次の事項を表示をする。
a) 特別な保管及び取扱いについての説明
b) 製造番号若しくはISO 15223-1:2007の図記号5.16(表201.D.2の図記号5参照),又はロット番号,バ
ッチ番号若しくはISO 15223-1:2007の図記号5.14(表201.D.2の図記号3参照)
c) 該当する場合は,パルスオキシメータ本体,その部分及び附属品の適切な廃棄
d) パルスオキシメータ本体が低SpO2に対するアラーム状態を備えていない場合は,“SpO2アラームがな
い”ことの影響についての記載又はIEC 60417-5319 (DB-2002-10)の図記号(JIS T 60601-1-8:2006の表
C.1の図記号3参照)
該当する場合,パルスオキシメータ,その部分又は附属品は,次のように明瞭に表示する。
e) 使用を止めることが望ましい日付を年及び月で記載する。ISO 15223-1:2007の図記号5.12(表201.D.2
の図記号2参照)を使用してもよい。
f) 着脱可能なパルスオキシメータプローブの場合は,ロット番号,バッチ番号若しくはISO 15223-1:2007
の図記号5.14(表201.D.2の図記号3参照),又は製造番号若しくはISO 15223-1:2007の図記号5.16
(表201.D.2の図記号5参照)を,それ自身又は包装に表示する。
g) 一人の患者用のパルスオキシメータプローブの場合は,パルスオキシメータプローブそのもの又は包
装に,単一患者用のパルスオキシメータプローブであることを表示する。
h) 単回使用のパルスオキシメータプローブの場合は,パルスオキシメータプローブそのもの又は包装に,
単回使用のパルスオキシメータプローブであることを表示する。ISO 15223-1:2007の図記号5.2を使
用してもよい(通則の表D.1の図記号28参照)。単回使用の表示は,一つの固有形式名称に対して首
尾一貫していなくてはならない。
注記 この個別規格の目的を考えると,取扱説明書の記載に基づいて,同一の患者にパルスオキシ
メータプローブを再装着することは,単回使用とみなす。
i) 再生したパルスオキシメータプローブには,その表示をする。
(試験)
適合性は,調査及びリスクマネジメントファイルに記載された予測耐用期間の調査によって確認する。
201.7.2.4.101 附属品に対する追加要求事項
附属品には,次の表示をする。
a) 該当する箇所に,附属品の使用を止めることが望ましい日付を年及び月で記載する。ISO 15223-1:2007
の図記号5.12(表201.D.2の図記号2参照)を使用してもよい。
b) 特別な保管又は取扱いについての説明。

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 14] ―――――

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T 80601-2-61 : 2014 (ISO 80601-2-61 : 2011)
(試験)
適合性は,調査及びリスクマネジメントファイルに記載された予測耐用期間の調査によって確認する。
201.7.2.13.101 生理的影響に対する追加要求事項
ラテックスゴムを含む全ての附属品には,ラテックスゴムを含むことを明瞭に表示する。ISO 7000-2725
(DB2004-01)の図記号を使用してもよい(表201.D.2の図記号11参照)。ラテックスゴムを含む全ての附
属品は,取扱説明書にその記載をする。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
201.7.2.17.101 保護包装に対する追加要求事項
パルスオキシメータ,部分又は附属品の包装は,明瞭に表示をする。
a) 表示事項
− 内容の記載
− 製造番号,バッチ番号若しくは形式番号を識別するための記載又はISO 15223-1:2007の図記号5.14,
5.15,5.16(表201.D.2の図記号3,4,5参照)
− 包装にラテックスゴムを含む場合は,“ラテックス”という言葉又はISO 7000-2725 (DB2004-01)の
図記号(表201.D.2の図記号11参照)
− 該当する場合は,“滅菌”という言葉又はISO 15223-1:2007の図記号5.205.24の一つ(表201.D.2
の図記号610参照)。滅菌済みのパルスオキシメータ,部分又は附属品の包装は,開封若しくは
損傷又は使用期限の到来まで滅菌状態を確実に維持できるものでなくてはならない。
b) 単回使用を意図する部品がある場合
“単回使用”,“再使用しない”,“再使用できない”,ISO 7000-1051の図記号又はISO 15223-1:2007の
図記号5.2(通則の表D.1の図記号28参照)。単回使用の表示は,一つの固有形式名称に対して首尾一
貫していなければならない。
包装材の廃棄について考慮することが望ましい。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
201.7.4.3 計測の単位
次の変更を加え,通則の7.4.3を適用する。
修正(通則の表1の末尾に新たな行として追加する。)
機能的酸素飽和度の単位はパーセントSpO2で表し,%SpO2又はSpO2と表示する。
脈拍数の単位は1分間当たりで表す。
201.7.9.1 附属文書一般に対する追加要求事項
修正[最初のダッシュ(−)を次に置き換える。]
− 責任部門が参照できる製造業者名又は商号,及びその所在地
− その地域内に製造業者の所在地がない場合は,その地域内の正規の代理店
201.7.9.2.1.101 取扱説明書一般に対する追加要求事項
取扱説明書には,次を記載する。
a) 各パルスオキシメータ及び各パルスオキシメータプローブに対して,パルスオキシメータ及びパルス
オキシメータプローブの次のような使用対象の指定
− 対象患者範囲

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 15] ―――――

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JIS T 80601-2-61:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 80601-2-61:2011(IDT)

JIS T 80601-2-61:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 80601-2-61:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST0307:2004
医療機器―医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIST0601-1-3:2012
医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
JISZ8202:1985
量記号,単位記号及び化学記号
JISZ8203:1964
単位記号
JISZ8203:2000
国際単位系(SI)及びその使い方
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定