JIS Z 3604:2016 アルミニウムのイナートガスアーク溶接作業標準 | ページ 5

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Z 3604 : 2016
表7−標準溶接条件例(続き)
試 溶 開先形状寸法 溶 パスの 溶接c) 運棒 タン溶接棒 アルゴ 備考
験 接 (mm) 接 順序e) 電流 電圧 速度d) 法a) グス又は溶 ン流量
材 方 姿
法 勢 (A) (V) (mm/min) テン接ワイ
f) 電極 ヤ径
(mm)(mm)(L/min)
水平
1 90125 120180 S 1層目の裏
テ 固定 2.4 2.4
S 波ビード溶
ィ ,鉛 − 1012
グ 23 110130 150200 又は 3.2 3.2 け落ちに注
直固 意。
W


肉 ミ
管 グ
(
(4mm)

当 1 115140 1315 450550 S
て S 1層目の溶
金 同上 − 1.2 20
23 115140 1315 450550 又は 込みに注意。

り W
,


)
11層目で
完全に裏波
ビードを出
1 180200 120180 S し,溶け落ち
テ にも注意。
2 200240 150200 S 3.2 3.2
ィ 同上 − 1215 223層目
グ S ごとに水で
4.0 4.0
38 200260 150200 又は 冷却する。た
中 W だし,溶接部

管 を水につけ
ない。
5mm)
112層目
ミ をティグ溶
1
グ 1 180200 120180 S 3.2 接した方が
( − 3.2 1215 比較的やさ
2
2 200240 150200 S 4.0
(1
裏 しい。
当 12層
て 同上 223層目
ティグ ごとに水で

な S 冷却する。た
し 38 210230 2226 400600 又は − 1.6 2025 だし,溶接部
) W を水につけ
ない。

――――― [JIS Z 3604 pdf 21] ―――――

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表7−標準溶接条件例(続き)
試 溶 開先形状寸法 溶 パスの 溶接c) 運棒 タン溶接棒 アルゴ 備考
験 接 (mm) 接 順序e) 電流 電圧 速度d) 法a) グス又は溶 ン流量
材 方 姿
法 勢 (A) (V) (mm/min) テン接ワイ
f) 電極 ヤ径
(mm)(mm)(L/min)
11層目で
完全に裏波
ビードを出
1 180200 120180 S 3.2 し,溶け落ち
テ にも注意。
2 200240 150200 S 4.0 3.2
ィ 同上 − 1215 223層目
グ S 4.0 ごとに水で
310 200260 150200 又は 4.8 冷却する。た
厚 W だし,溶接部

管 を水につけ
ない。
0mm以上)
112層目
ミ をティグ溶
グ 1 180200 120180 S 3.2 3.2 接した方が
( − 1215 比較的容易
裏 2 200240 150200 S 4.0 4.0
(2
である。
当 12層
て 同上 223層目
ティグ ごとに水で

な S 冷却する。た
し 38 210230 2226 400600 又は − 1.6 2025 だし,溶接部
) W を水につけ
ない。
注記 a ルート間隔 f 母材と裏当て金との距離
注a) ストリンガ,W ウィービング[円形及びだ(楕)円運棒でもよい。]
b) 薄板(3 mm)のミグ溶接は,パルスを入れてやれば溶接ワイヤ径1.6 mmでも溶接可能。
c) 溶接条件は,薄板及び中板が鋼製拘束ジグ使用の場合で,厚板が鋼製拘束ジグを使用しない場合である。
d) ストリンガ運棒法の場合を示し,ウィービングでは約1/2の速度となる。
e) 層数の盛り方は自由。また,何層盛っても構わないが,融合不良及び層間温度に注意する。
f) 下向,V 立向,H 横向,O 上向
管の場合の溶接姿勢は,下図による。
a) 水平固定管 b) 鉛直固定管
13.3.2 予熱及びパス間温度
a) アルミニウムの場合,一般には予熱を行わない。しかし,厚い板を比較的低い電流で溶接する必要が
ある場合などは,溶け込みが容易に得られること,溶接割れ・ポロシティなどの発生が少なくなるこ
となどを期待して,予熱を行うこともある。この場合,継手特性の低下を避けるため,予熱は,焼き
なまし材は200 ℃以下,また,加工硬化材及び熱処理材は100150 ℃以下を目安とする。
b) パス間温度は,できるだけ低くする。多層溶接時にパス間温度が高いと,先行するビードに過度の熱
影響を与え,局部的な粒界溶融による微小割れが発生したり,ビードに近接した母材部の結晶粒が粗

――――― [JIS Z 3604 pdf 22] ―――――

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大化したりする要因となる場合がある。
13.3.3 溶接金属のパス及び層ごとの清掃,並びに裏はつり
a) 不純物,スマットなどの異物がある場合は,ブラシがけ,はつり,及びその他適切な方法で,これら
を十分に除去することが望ましい。
b) 裏はつりを必要とする場合は,前層における溶接欠陥がなくなるまで行う。この場合,潤滑油を用い
てはならない。
13.3.4 溶接順序
熱を集中させないように溶接順序を工夫する。対称法,バックステップ法,飛び石法などの各種溶接順
序の方法がある。
13.3.5 溶接材料の正しい使用及び取扱い
a) 母材及び溶加材の受入れ評価とは別に,使用時には適切な溶接試験を実施する。
b) 溶加材において,保管が長期間のものについては,必ず溶接試験を実施する。
13.3.6 溶接変形の管理
ひずみ取りは,次による。
a) 発生したひずみは,必要に応じて次のような機械的方法,点加熱方法,線加熱方法などによって矯正
する。機械的方法によってひずみ取りを行う方法としては,ローラ,プレス,ジャッキ,ハンマ打ち
などがある。一方,材料を加熱して,ひずみ取りを行う方法としては,局部加熱を行った後,水冷し,
材料の局部的な熱収縮を利用して行う方法,及び加熱後,機械的方法によって温間,熱間で加工する
方法などがある。
b) 機械的方法によるひずみ取りにおいては,母材表面を損傷しないような方法をとらなければならない。
例えば,プレスの場合はゴム又は木片を挟み,ハンマは,木製ハンマ,金属製ハンマの頭部を生皮で
包んだものなどを用いる。
c) 加熱急冷によるひずみ取り又は加熱後,熱間加工によるひずみ取りを行う場合は,表8に示す加熱限
界温度で行う。

――――― [JIS Z 3604 pdf 23] ―――――

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表8−加熱限界温度
単位 ℃
合金 質別記号 加熱限界温度
加熱急冷 加熱加工
A1070 O 450以下 400以下
A1050 H112 300以下 300以下
A1100 H12 H22 200以下 200以下
A1200 H14 H24
A2014 O 450以下 400以下
A2017 T4 T42 300以下 200以下
A2219 T6 T62
T861 T87
A3003 O 450以下 400以下
A3203 H112 350以下 350以下
A5005 H12 300以下 250以下
A5052 H22
A5154 H32
A5254 H14 300以下 250以下
A5056 H24
A5083 H34
A5110A
(A5N01)
A6101 T4 250以下 250以下
A6061 T5
A6005C T6
(A6N01)
A6063
A7003 T4 300350 200以下
A7204 T5
(A7N01) T6
注記 加熱時間は,できるだけ短いことが望ましい。
13.3.7 中間検査(例えば,寸法検査)
a) 突合せ溶接ビード表面形状において,仕上げをしないビード表面の場合,一般にビード止端部には応
力集中が生じる。したがって,ビード止端における母材とビード表面とのなす角(止端角)は,でき
るだけ120度以上とする。
b) すみ肉溶接のビード表面形状は,平らとすることが望ましい。
c) 突合せ溶接の余盛り高さは,一般的には表9による。ただし,特定の構造部分,例えば,繰返し荷重
が作用する継手などには,この規定範囲であっても余盛りを母材面まで平らに削除するか,できるだ
け滑らかに仕上げる。
表9−余盛りの高さ
単位 mm
板厚又は肉厚 t 余盛高さ
6以下 2以下
6を超え 15以下 1/3t以下
15を超え 25以下 5以下
25を超えるもの 7以下

――――― [JIS Z 3604 pdf 24] ―――――

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13.4 溶接後の点検,検査及び試験

  製造責任者は,溶接後,次によって関連する許容基準に適合していることを点検しなければならない。
13.4.1 目視検査
a) 目視検査は,溶接部及びその周辺を対象とし,不完全部(割れ,アンダカット,オーバーラップ,ク
レータなどで有害と認められるもの。)の有無を目視によって調べ,適用規格,製品規格の要求事項又
はその他の合意された許容基準を満足していることを確認する。
b) 目視検査の方法は,JIS Z 3090に従う外観試験方法を用いる。
13.4.2 非破壊検査
a) 非破壊検査は,溶接部の表面検査及び内部検査によって有害不完全部を調査し,適用規格,製品規格
の要求事項又はその他の合意された許容基準を満足していることを確認する。
b) 表面検査を浸透探傷試験によって行う場合は,JIS Z 2343-1に従って検査を行い,内部検査を,放射
線透過試験によって行う場合は,JIS Z 3105に従って検査を行い,超音波探傷試験によって行う場合
は,JIS Z 3080,JIS Z 3081又はJIS Z 3082に従った検査を行う。
13.4.3 溶接物の形状及び寸法
溶接物の形状及び寸法が図面又は受入基準の要求事項を満足していることを,適切な測定具を用いて確
認する。
13.4.4 溶接後処理の結果及び記録(例えば,グラインダ処理,溶接後熱処理,時効)
溶接後に例えば,グラインダ処理,熱処理などを実施した場合,処理後,必要であれば,目視検査又は
非破壊検査を行い,結果を記録する。記録には,少なくとも処理の種類,方法,条件(保持温度,保持時
間など)及び対象箇所を含めることが望ましい。

13.5 検査及び試験の状態

  溶接物の検査及び試験の状態を,例えば,物へのマーキング,工程票(ルーティングカード)によって
示す適切な措置を講じなければならない。

14 不適合及び是正処理

  この規格で用いる不適合及び是正処理は,JIS Z 3400の附属書B(金属材料の融接に関する品質要求事
項−包括的品質要求事項)による。

15 計測,検査及び試験設備の校正及び妥当性確認

  この規格で用いる計測,検査及び試験設備の校正及び妥当性確認は,JIS Z 3400のB.15(計測,検査及
び試験設備の校正及び妥当性確認)による。

16 識別及びトレーサビリティ

  この規格で用いる識別及びトレーサビリティは,JIS Z 3400のB.16(識別及びトレーサビリティ)によ
る。

17 品質記録

  この規格で用いる品質記録は,JIS Z 3400のB.17(品質記録)による。
参考文献 LWS A 7601 アルミニウム合金構造物の溶接管理技術者認証基準

JIS Z 3604:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3604:2016の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH4000:2014
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JISH4040:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JISH4080:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JISH4090:1990
アルミニウム及びアルミニウム合金溶接管
JISH4100:2015
アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JISH4140:1988
アルミニウム及びアルミニウム合金鍛造品
JISH5202:2010
アルミニウム合金鋳物
JISH5302:2006
アルミニウム合金ダイカスト
JISZ2305:2013
非破壊試験技術者の資格及び認証
JISZ2343-1:2017
非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
JISZ3001:1999
溶接用語
JISZ3001:1950
医療用刀
JISZ3080:1995
アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法
JISZ3081:1994
アルミニウム管溶接部の超音波斜角探傷試験方法
JISZ3082:1995
アルミニウムのT形溶接部の超音波探傷試験方法
JISZ3090:2005
溶融溶接継手の外観試験方法
JISZ3105:2003
アルミニウム溶接継手の放射線透過試験方法
JISZ3232:2009
アルミニウム及びアルミニウム合金の溶加棒及び溶接ワイヤ
JISZ3233:2001
イナートガスアーク溶接並びにプラズマ切断及び溶接用タングステン電極
JISZ3253:2011
溶接及び熱切断用シールドガス
JISZ3400:2013
金属材料の融接に関する品質要求事項
JISZ3410:2013
溶接管理―任務及び責任
JISZ3422-2:2003
金属材料の溶接施工要領及びその承認―溶接施工法試験―第2部:アルミニウム及びアルミニウム合金のアーク溶接
JISZ3811:2000
アルミニウム溶接技術検定における試験方法及び判定基準