JIS Z 4342:2013 シンチレーション式放射能測定器―食品中のγ線放出核種 | ページ 2

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よって求められる。
n
s 1 1 2
V xix
x x n 1i1
3.6
最小検出放射能,Amin(minimum detectable activity)
最小検出放射能は,あるバックグラウンドの条件下で,そのバックグラウンドの変動を用いて統計的に
推定され得ない放射能の確率が95 %以上である最低の放射能。
バックグラウンドが放射能濃度の単位で表される場合には,最小検出放射能Aminは,放射能濃度(Bq/kg)
で表され,次の式によって求められる。ただし,各回の測定時間は同じとし,測定回数nは10回以上とす
る。
n 2
2 Abi Ab
i 1
Amin 21.65
nn 1
ここに, Abi : i回目バックグラウンド測定値(Bq/kg)
n : バックグラウンド読取り回数
bA : n回測定のバックグラウンド平均値(Bq/kg)
各回の測定時間は同じとし,測定回数nは10回以上とす
る。
バックグラウンドが計数率で表される場合には,次の式によって求められる。
n 2
2 Nbi Nb
i1
Amin 2 .165 C
nn
ここに, Nbi : i回目バックグラウンド計数率
C : 濃度換算係数(Bq/kg)/s−1
N :
b
n回測定のバックグラウンド平均値
3.7
検出部(detection sub-assembly)
検出器及びそれに附属する機能ユニットを含む装置で,表示機能をもたないもの。
3.8
測定部(measurement sub-assembly)
検出部を含まない,放射能,放射能濃度などの測定値を表示するために設計された,機能ユニットを含
む装置。
3.9
濃度換算係数,C(activity concentration conversion factor)
放射能標準溶液,放射能標準体積線源又は試験用標準線源の放射能濃度の取決め真値をこれらの標準線
源を測定した際の正味計数率で除した値。ただし,正味計数率は実測される計数率からバックグラウンド
計数率を差し引いた量とする。

――――― [JIS Z 4342 pdf 6] ―――――

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4 分類

  測定器の分類は,次による。
a) 携帯形 手で持ち運びできるもの。
b) 可搬形 キャスタなどで移動できるもの。
c) 据置形 必要な場所に固定するもの。

5 性能

5.1 濃度換算係数

  濃度換算係数は,7.2.2によって少なくとも次の核種の濃度換算係数を求め,取扱説明書に記載する。た
だし,許容範囲は,規定しない。
40K,60Co,131I,133Ba,134Cs,137Cs

5.2 有効測定範囲

  5.1に規定する核種の放射能濃度の有効測定範囲は,外部γ線放射線量が2.5 Gy/hを超えない場合にお
いて,少なくとも100 Bq/kg1 MBq/kgの範囲を含むことが望ましい。ただし,食品中に存在する天然核
種の40Kは除く。

5.3 エネルギー測定範囲

  エネルギー測定範囲は,少なくとも150 keV1 500 keVを含むものとする。

5.4 相対基準誤差

  相対基準誤差の許容範囲は,7.2.3によって試験したとき,±(20+U) %とする。

5.5 試験用標準線源に対するレスポンス

  試験用標準線源に対するレスポンスは,7.2.4によって試験し,レスポンスの値を取扱説明書に記載する。
許容範囲は規定しない。ただし,7.2の全ての試験において7.1.2 c) の線源を用いない場合は,この試験を
行わなくてもよい。

5.6 最小検出放射能

  最小検出放射能は,7.2.5によって試験したとき,製造業者が取扱説明書に記載する最小検出放射能
(Bq/kg)以下でなければならない。最小検出放射能を達成するための測定に必要な時間を取扱説明書に記
載しなければならない。この時間には,試料の前処理及びバックグラウンド分析のための時間を含めない。

5.7 外部γ線の影響

  外部γ線に対する測定器のレスポンスは,7.2.6によって試験したとき,製造業者の公称値以下でなけれ
ばならない。

5.8 他核種の影響

  製造業者は7.2.7によって試験し,137Csに対する相対基準誤差を示さなければならない。ただし,核種
分析の機能をもたない測定器は,この試験を行わなくてもよい。

5.9 指示値変動

  変動係数は,7.2.8によって試験したとき,0.1以下とする。

5.10 温度特性

  指示値の変化は,7.2.9によって試験したとき,10 ℃35 ℃において±10 %とする。ただし,受渡当事
者間の協定によって−10 ℃40 ℃について試験を行う場合には,その許容範囲は10 ℃35 ℃において
±10 %,−10 ℃10 ℃及び35 ℃40 ℃において±20 %とする。
なお,受渡当事者間の協定によって−20 ℃50 ℃について試験を行う場合の許容範囲は,10 ℃35 ℃

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において±10 %,−10 ℃10 ℃及び35 ℃40 ℃において±20 %,−20 ℃−10 ℃及び40 ℃50 ℃
においては,受渡当事者間の協定による。

5.11 湿度特性

  湿度特性の許容範囲は,7.2.10によって試験したとき,±10 %とする。

5.12 電源電圧の変動に対する安定性

  電源電圧の変動に対する安定性の許容範囲は,次による。
a) 交流電源式 指示値の基準値に対する許容範囲は,7.2.11 a) で試験したとき,±5 %とする。
b) 電池式 指示値の基準値に対する許容範囲は,7.2.11 b) で試験したとき,±10 %とする。

5.13 耐衝撃性

  耐衝撃性の許容範囲は,7.2.12によって試験したとき,±10 %とする。ただし,可搬形測定器及び据置
形測定器は,この試験を行わなくてもよい。

5.14 耐振動性

  耐振動性の許容範囲は,7.2.13によって試験したとき,±10 %とする。ただし,可搬形測定器及び据置
形測定器は,この試験を行わなくてもよい。

5.15 予熱時間特性

  予熱時間特性の許容範囲は,7.2.14によって試験したとき,±10 %とする。

5.16 オーバロード特性

  オーバロード特性は,7.2.15によって試験したとき,オーバロードを起こさせる線源で照射中は,最大
値又はオーバスケールを表示しなければならない。オーバロードを起こさせる線源を除去した後,指示値
は,オーバスケール状態から30分を超えない受渡当事者間の協定時間内に復帰しなければならない。測定
範囲に復帰した後の指示値の基準値に対する許容範囲は,±10 %とする。

5.17 警報動作

  警報動作は,7.2.16によって試験したとき,警報設定値の89 %以下の信号入力に対して警報が動作して
はならず,かつ,111 %以上の信号入力に対して警報が動作しなければならない。ただし,警報機能をも
たない測定器は,この試験を行わなくてもよい。

5.18 外部電磁界特性

  外部電磁界特性の許容範囲は,7.2.17によって試験したとき,±10 %とする。

5.19 電源周波数磁界イミュニティ特性

  電源周波数磁界イミュニティ特性の許容範囲は,7.2.18によって試験したとき,±10 %とする。

5.20 静電気放電特性

  静電気放電特性の許容範囲は,7.2.19によって試験したとき,±10 %とする。

5.21 無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性

  無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.20によって試
験したとき,±10 %とする。ただし,信号接続ケーブル及び電源ケーブルが3 m以下の場合,この試験を
行わなくてもよい。

5.22 電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ特性

5.22.1 信号ケーブル
電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.21 a) によって試験した
とき,±10 %とする。ただし,信号ケーブルが3 m以下の場合,この試験を行わなくてもよい。

――――― [JIS Z 4342 pdf 8] ―――――

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5.22.2 電源ケーブル
電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.21 b) によって試験した
とき,±10 %とする。ただし,電源ケーブルが3 m以下の場合,この試験を行わなくてもよい。

5.23 サージイミュニティ特性

5.23.1 交流電源ケーブル
サージイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.22 a) によって試験したとき,±10 %とする。ただし,電源
ケーブルが3 m以下の場合,この試験を行わなくてもよい。
5.23.2 直流電源ケーブル
サージイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.22 b) によって試験したとき,±10 %とする。ただし,電源
ケーブルが3 m以下の場合,この試験を行わなくてもよい。

5.24 電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ特性

5.24.1 電圧ディップ
電圧ディップに対するイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.23 a) によって試験したとき,±10 %とする。
ただし,交流電源ケーブルを用いない場合,この試験を行わなくてもよい。
5.24.2 短時間停電
短時間停電に対するイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.23 b) によって試験したとき,±10 %とする。
ただし,交流電源ケーブルを用いない場合,この試験を行わなくてもよい。
5.24.3 電圧変動
電圧変動に対するイミュニティ特性の許容範囲は,7.2.23 c) によって試験したとき,±10 %とする。た
だし,交流電源ケーブルを用いない場合,この試験を行わなくてもよい。

6 構造

6.1 構造一般

  測定器の構造は,次による。
a) 測定器は,検出部及び測定部で構成する。必要に応じてその他の器具を付加してもよい。検出部と測
定部とは,一体化していても,それぞれ独立機器として機能するものでもよい。
b) 測定器は,放射性物質によって汚染しにくく,かつ,汚染した場合の除去を容易にするために表面が
滑らかで,突起物が少ないことが望ましい。特に,検出部は,汚染しにくい構造でなければならない。
c) 振動,衝撃,電磁誘導などの影響を受けにくい構造とする。
d) 試験に用いるパルス信号発生器を接続できる構造及び機能をもつことが望ましい。
e) 検出部を遮蔽材で囲むなど,外部γ線の影響を受けにくい構造とする。
f) 測定器は,携帯形,可搬形又は据置形とする。

6.2 検出部

  検出部は,測定試料の交換が容易に行える構造とする。

6.3 測定部

  測定部は,次による。
a) 複数の検出部を交換できる測定器は,検出部と測定部とを接続したとき,適切な動作モードに設定で
きなければならない。
b) 意図しない検出部を測定部に接続できない構造とする。
c) q又はBq/kgの単位で表示できることが望ましい。

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d) 計数を積算できる機能をもつ。
e) バックグラウンドの値を自動的に演算する機能をもってもよい。
f) 計数率を自動的に計算し,その値を表示してもよい。cpsなどの単位が明示されていることが望まし
い。
g) 検出γ線のエネルギー範囲を考慮し,計数率を該当する核種の放射能濃度に変換する機能をもつこと
が望ましい。
h) ディスプレイの電源を単独で切れることが望ましい。
i) 情報処理(校正定数,エネルギー範囲,警報設定レベルの設定など)に用いるデジタル形式の係数又
はパラメータを設定できなければならない。
j) 指示値が設定された判定基準を超えた場合に,表示,音又は光によって知らせる機能を付加してもよ
い。
k) 電池の状態を表示又は光によって知らせる機能をもたなければならない。

6.4 電源

  電源は,次による。
a) 電源は,商用電源を利用する交流電源式又は電池式とし,電池式の場合は,一次電池又は二次電池と
する。
b) 測定器が正常に動作しない電圧に低下したとき,表示又は光によって知らせる機能をもたなければな
らない。
c) 測定器には,正しい極性で一次電池が接続されるように,取付け方向を明示しなければならない。
d) 測定器は,一次電池を容易かつ迅速に交換ができる構造であることが望ましい。
e) 一次電池は,JIS C 8500で規定する電池を用いなければならない。
f) 二次電池は,12時間以内に満充電にならなければならない。また,使用中に許容レベルを下回る消費
がない状態で,少なくとも50回以上再充電できなければならない。

6.5 保管及び輸送

  測定器は,製造業者のこん包状態において−25 ℃+50 ℃の環境下で,少なくとも3か月間保管した
後でも正常に動作するような構造にしなければならない。また,航空輸送などに伴う低気圧にさらされた
後でも正常に動作するような構造にしなければならない。

7 試験

7.1 試験条件

7.1.1  共通試験条件
7.2の各試験方法における,基準条件は,表1による。製造業者が指定した場合を除き,表1に規定する
標準試験条件とする。
標準試験条件で行えない場合は,環境温度,気圧及び相対湿度を指定し,必要に応じて基準条件の指示
値となるよう補正する。

――――― [JIS Z 4342 pdf 10] ―――――

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JIS Z 4342:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61563:2001(MOD)

JIS Z 4342:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 4342:2013の関連規格と引用規格一覧