JIS A 5541:2008 建築用ターンバックル胴 | ページ 2

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A 5541 : 2008
表4−ステンレス鋼製品の形状,寸法及びその許容差
単位 mm
ねじの呼び M10 M12 M16 M20 M22 M24
割枠式 L
150 200 250 300 330 350
及び 許容差±3 %
パイプ式 A a) 14 17 23 28 31 34
注a) 寸法の値は最小値を示す。

6 外観

  胴の外観は,次による。
a) 割れ,きずなどの使用上有害な欠点があってはならない。
b) 使用上有害な偏心,曲がりがあってはならない。

7 材料

  胴の材料は,表5による。

――――― [JIS A 5541 pdf 6] ―――――

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表5−材料
種類 材料
割枠式 M10はJIS G 3101のSS400
M12以上はJIS G 3138のSNR400A又は400B
溶融亜鉛めっき付き割枠式 M10はJIS G 3101のSS400
M12以上はJIS G 3138のSNR400A又は400B
ステンレス割枠式 JIS G 4303のSUS304又はJIS G 4321のSUS304A
パイプ式 M6M10はJIS G 3445のSTKM11A,12A,13A又は14A
M12以上はJIS G 3475のSTKN400W又は400B
溶融亜鉛めっき付きパイプ式 M6M10はJIS G 3445のSTKM11A,12A,13A又は14A
M12以上はJIS G 3475のSTKN400W又は400B
ステンレスパイプ式 JIS G 3459 のSUS304TP,JIS G 3446のSUS304TKA
又はJIS G 4321のSUS304A

8 製造方法

  胴の製造方法は,表6による。表6における溶融亜鉛めっき付き割枠式及び溶融亜鉛めっき付きパイプ
式の溶融亜鉛めっきの付着量は,JIS H 8641に規定するHDZ35以上とする。
表6−製造方法
種類 製造方法
割枠式 1本の棒鋼から鍛造して所定の形状にした後,両端にめねじを切る。
溶融亜鉛めっき付き割枠式 1本の棒鋼から鍛造して所定の形状にした後,溶融亜鉛めっきを行い,そ
の後両端にめねじを切る。
ステンレス割枠式 1本の棒鋼から型打鍛造して両端にめねじを切る。鍛造後固溶化熱処理を
行い,酸洗又はこれに準じる方法で黒皮を除去する。
パイプ式 1本の鋼管の両端をスエージ(絞り加工)した後,両端にめねじを切る。
溶融亜鉛めっき付きパイプ式 1本の鋼管の両端をスエージ(絞り加工)した後,溶融亜鉛めっきを行い,
その後両端にめねじを切る。
ステンレスパイプ式 1本の鋼管の両端をスエージ(絞り加工)した後,両端にめねじを切る。

9 試験方法

9.1 形状,寸法及び質量の測定

  胴の形状及び寸法は,JIS B 7507によるノギスを用いて胴の長さ(L)及びめねじの有効ねじ部の長さ(A)
を測定する。また,炭素鋼製品及び溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品の割枠式については,その質量をはか
り(秤)で計量する。

9.2 ねじの精度の測定

  ねじは,JIS B 0251によるメートルねじ用限界ゲージ又はこれに代わるねじ精度測定器具を用いて,ね
じの精度を測定する。

9.3 引張強度

  胴に適合するねじ形状のジグを十分にはめこみ,胴の軸方向に力を加え,引張強度を求める。

9.4 永久変形

  最初に胴の長さを測定して,9.3と同様にして,表2の保証荷重に相当する力を15秒間与えた後に力を
取り除き,再度胴の長さを測定し,永久変形を求める。胴の長さに準じる位置に標点を打ち,標点間距離
を胴の長さに代わる数値として試験してもよい。

――――― [JIS A 5541 pdf 7] ―――――

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10 検査

10.1 形状,寸法及び質量

  形状,寸法及び質量は9.1の方法で測定し,5.1の規定に適合しなければならない。

10.2 ねじの精度

  ねじの精度は9.2の方法で測定し,5.2の規定に適合しなければならない。

10.3 外観

  胴の外観は目視によって試験し,箇条6の規定に適合しなければならない。

10.4 引張強度

  引張強度は9.3の方法で試験を行い,4.1の規定に適合しなければならない。ジグ又は引張試験機の能力
などの条件によって,引張強度を求めることが不可能な場合は,表2の引張強度(最小値)に相当する力
で試験体が破断しなければ,4.1の規定に適合しているとしてもよい。

10.5 永久変形

  永久変形は9.4の方法で試験を行い,4.2の規定に適合しなければならない。

11 ねじ部の処理及び包装

11.1 ねじ部の処理

  炭素鋼製品及び溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品のねじ部は,潤滑油などによる処理を施さなければなら
ない。ステンレス鋼製品は,ねじ加工時に付着した切削油などを除去しなければならない。

11.2 包装

  胴は,損傷を生じさせないため,また,じんあいの付着を防ぐため適切な方法によって包装しなければ
ならない。

12 製品の呼び方

  製品の呼び方は,規格番号,種類を示す記号及びねじの呼びによる。
例 JIS A 5541 ST-HDZ M16
建築用ターンバックル胴の割枠式(ST)で溶融亜鉛めっき付き炭素鋼製品(HDZ),ねじの呼びが
M16の場合。

13 表示

13.1 包装の表示

  検査に合格した胴は,包装又は容器ごとに,次の項目を容易に消えない方法で見やすい箇所に表示しな
ければならない。ただし,受渡当事者間の協定によって,次の項目の一部を省略してもよい。
a) 規格番号及び種類又はその記号
b) ねじの呼び
c) 製造番号
d) 製造業者名又はその略号

13.2 製品の表示

  胴には,次の項目を容易に消えない方法で見やすい箇所に表示しなければならない。
a) 製造業者名又はその略号
b) 接続用胴には記号“J”

――――― [JIS A 5541 pdf 8] ―――――

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14 報告書

  製造業者は,注文者の要求があった場合には,4.1及び4.2に規定する引張強度及び永久変形についての
データを記載した報告書を提出しなければならない。

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