JIS A 8706-1:2010 履帯式建設リサイクル機械―安全―第1部:自走式クラッシャの要求事項 | ページ 2

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A 8706-1 : 2010
JIS A 8327 土工機械−機械装着前後進警笛−音響試験方法及び性能基準
JIS A 8331 土工機械−機械装着救出装置−性能要求事項
JIS A 8334 土工機械−取扱説明書−内容及び様式
JIS A 8340-1 土工機械−安全−第1部 : 一般要求事項
JIS A 8345 土工機械−キーロック始動装置
JIS A 8407 土工機械−操縦装置の操作範囲及び位置
JIS A 8919 土工機械−操縦装置
JIS B 8370 空気圧システム通則
JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部 : 基本用語,方法論
JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部 : 技術原則
JIS B 9703 機械類の安全性−非常停止−設計原則
JIS B 9707 機械類の安全性−危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JIS B 9708 機械類の安全性−危険区域に下肢が到達することを防止するための安全距離
JIS B 9711 機械類の安全性−人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JIS B 9713-2 機械類の安全性−機械類への常設接近手段−第2部 : 作業用プラットフォーム及び通路
JIS B 9713-3 機械類の安全性−機械類への常設接近手段−第3部 : 階段,段ばしご及び防護さく(柵)
JIS B 9960-1 機械類の安全性−機械の電気装置−第1部 : 一般要求事項
JIS C 60068-2-27 環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法
JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JIS D 1201 自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置−内装材料の燃焼性試験方法
JIS Z 9101 安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則
ISO 15998:2008,Earth-moving machinery−Machine control systems (MCS) sing electronic components−
Performance criteria and tests for functional safety

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 8340-1によるほか,次による。
3.1
履帯(クローラ)式建設リサイクル機械
建設副産物のリサイクルに使用する処理装置を搭載した履帯(クローラ)式の自走式建設機械の総称。
注記 自走式クラッシャ,自走式木材破砕機,自走式木材チッパ,自走式土質改良機などがある。
3.2
自走式クラッシャ
コンクリート塊,アスファルトコンクリート塊及び自然石の破砕処理を行う自走式建設リサイクル機械
(図A.1参照)。
3.3
ホッパ装置
コンクリート塊などを一時収容し,コンベヤ,ドラムなどへ投入する案内容器。
3.4
供給装置
コンクリート塊などをクラッシャへ供給する装置。

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注記 振動グリズリフィーダ,コンベヤフィーダ,タブ[回転おけ(桶)]式フィーダなどがある。
3.5
クラッシャ
コンクリート塊などを破砕,粉砕する装置。
注記 ジョークラッシャ(図A.2参照),インパクトクラッシャ(図A.3参照)などがある。
3.6
排出装置
破砕処理した材料を機械外に排出する装置。
注記 自走式クラッシャでは,通常ベルトコンベヤが使われる。
3.7
投入材料
自走式クラッシャに投入,処理するコンクリート塊など。
3.8
ロータ
インパクトクラッシャのハンマを取り付ける回転部(図A.3参照)。
3.9
テンションロッド
ジョークラッシャの可動板とクラッシャ本体とをテンションスプリングを介してつなぐロッド(図A.2
参照)。
3.10
テンションスプリング
ジョークラッシャの可動板を背面側へ引っ張るばね(図A.2参照)。
3.11
アタッチメント(作業具)
本体又は作業装置(JIS A 8411-1及びJIS A 8411-2参照)に装着できる,特定の用途のための構成部品又
は構成部品の組立て品。
3.12
ニップポイント
コンベヤベルトと回転するプーリ及びアイドラローラとの間の接触線部の危険部位。

4 重大な危険源のリスト

  自走式クラッシャの重大な危険源のリストは,附属書Bによる。

5 安全要求事項・安全方策

5.1 一般

  自走式クラッシャは,この規格の安全要求事項及び安全方策に適合しなければならない。さらに,リス
クアセスメントの結果,その機械に附属書Bに規定した重大な危険源のリストにない新たな危険源が存在
する場合は,JIS B 9700-1及びJIS B 9700-2に従って設計する。
注記 重大な危険源とは,リスクアセスメント(JIS B 9702参照)を設計者・製造業者が行ったとき
に,直接関連するものとして特定され,リスクを除去又は減らすために具体的な行動が求めら

――――― [JIS A 8706-1 pdf 7] ―――――

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れる危険源をいう。

5.2 アクセス

5.2.1  一般
自走式クラッシャには,JIS A 8302に適合した,操縦場所及び整備領域にいたる適切なアクセスシステ
ムを備えなければならない。
5.2.2 履帯式機械上のステップ
トラックフレームに取り付けられた乗降用ステップは,図1に示す要求事項を満足しなければならない。
乗降用ステップは,JIS A 8302の図1及び表1に従ってけ(蹴)上げ高さB及び踏みしろF1の基準寸法
が適用される場合,トラックシューの外側端から測って15°の角度まで引っ込めることができる。その場
合,降りるときの限られた視界のため,ステップの幅は少なくとも推奨される足幅2足分の大きさをもた
なければならない。
1 トラックシュー
2 ステップ
B け(蹴)上げ高さ
F1 踏みしろ
Q 1ステップの最大引込み量
図1−乗降用ステップの寸法

5.3 操縦場所

5.3.1  一般
自走式クラッシャの走行と作業装置の操縦とを同じ場所で行う機械又は異なる場所で行う機械のいずれ
の操縦場所においても,次の要求を満足しなければならない。ただし,遠隔操縦専用で行う自走式クラッ
シャは除く。
5.3.2 可動部
操縦場所から可動部,例えば,履帯(クローラ),作業装置,アタッチメントなどと接触して事故が起き
ないような手段(例えば,防護さく,ガードなど)を講じなければならない。
5.3.3 エンジン排気
エンジン排気装置は,排気ガスを運転員から離れる方向に排出する。
5.3.4 鋭端部
操縦場所の近傍,操縦場所へのアクセスなどには,鋭利な端部,又は鋭い角部及び鋭い隅部が存在して
はならない。隅部の半径及び端部の丸みは,JIS A 8323に従って,鋭端部を排除しなければならない。

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5.3.5 配管及びホース
5 MPaを超える圧力及び50 ℃を超える温度の危険な液体が流れる操縦場所近傍の配管及びホースは,
JIS A 8307に従って防護しなければならない。
配管又はホースと運転員との間にあって,液体の危険な噴出をわき(脇)にそらすことができる部品又
は構成部品は,効果的な防護装置とみなすことができる。
5.3.6 走行用運転場所
運転員が搭乗して走行操縦を行う機械の運転場所は,運転員が操作するのに十分な広さをもたなければ
ならない。JIS A 8315に従って最小空間を確保した設計にするのが望ましい。
運転場所の周囲には,走行中及び作業中に運転員の転落を防止するために,JIS B 9713-2及びJIS B
9713-3に従って防護さくを設けなければならない。
5.3.7 取扱説明書の保管場所
取扱説明書及び他の説明書を安全に保管するための収納場所を,できるかぎり操縦場所近傍に備えなけ
ればならない。また,取扱説明書が雨水に耐えられる措置を講じなければならない。

5.4 操縦装置及び計器類

5.4.1  一般
操縦装置(レバーなど)は,JIS A 8919に従って選択,設計,製造及び配置するほか,次による。ただ
し,遠隔操縦を行う場合は附属書Cによる。
a) 操縦装置は,JIS A 8407に準拠し,容易に手が届かなければならない。
b) 操縦装置の中立位置は,JIS A 8919の箇条5(操縦装置の動き)に適合しなければならない。
c) 操縦装置及び計器類は,明確に識別され(JIS A 8310-1及びJIS A 8310-2参照),かつ,取扱説明書の
中で説明していなければならない。
5.4.2 エンジン停止装置
搭乗して走行操縦を行う自走式クラッシャには,走行操縦装置の近くにエンジン停止装置を設けなけれ
ばならない。
5.4.3 始動装置
自走式クラッシャの始動装置は,始動キーを備え,JIS A 8345に適合するか,又は同様の安全装置を備
えなければならない。
5.4.4 不注意による起動
操縦装置は,特に運転員が乗り降りするとき,誤って動かすことによって危険を引き起こすリスクを最
小にするよう配置するか,動かないようにするか,又は防護しなければならない。
5.4.5 意図しない動き
運転員が操作しないのに,ドリフト(勝手な動き)又はクリープ(じわじわした動き)によって機械及
び作業装置又はアタッチメントが停止状態から動き,周囲の人間に危険を及ぼすことがあってはならない。
5.4.6 遠隔操縦
遠隔操縦形の自走式クラッシャは,附属書Cに規定する要求事項を満足しなければならない。
5.4.7 操作盤,計器類及び識別記号
5.4.7.1 操作盤
操作盤の形状及び位置は,機械を運転中に運転員の視界の妨げを最小限にするように設計,製造,配置
しなければならない。操作盤のスイッチ,計器類及び表示は,夜間も見ることができなければならない。
又は外部照明で十分な視認性を確保するよう取扱説明書に記載する。

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スイッチの色は,JIS B 9960-1による。
5.4.7.2 計器類
操縦計器類は,機械の安全,かつ,適切な運転のために,JIS Z 9101に従った安全色及び安全標識を採
用し,要求事項に従わなければならない。
5.4.7.3 識別記号
操縦装置及びその他の表示器に用いる識別記号は,JIS A 8310-1及びJIS A 8310-2に従ったものを用い
る。

5.5 操向装置

  操向装置の操作方向は,操作で起きる機械の動きと同じ方向でなければならない。

5.6 ブレーキ装置

  自走式クラッシャは,その意図した用途に従い,すべての作業,負荷,速度,地勢及び斜面においても
有効な常用ブレーキ,二次ブレーキ及び駐車ブレーキを備えていなければならない。
ブレーキ装置は,JIS A 8325の要求事項に適合しなければならない。

5.7 非常停止装置

  自走式クラッシャには,JIS B 9703に従った非常停止装置を備えなければならない。

5.8 ホッパ及び供給装置

5.8.1  防護さく
ホッパ,供給装置内への人の転落を防止するため,アクセス通路との間に通路床面から高さ1 100 mm
以上の防護さくを設けなければならない。
5.8.2 ホッパ
ホッパは,その機能を損なわない範囲で,できるだけ投入材料が飛散しない構造としなければならない。
また,ホッパの周囲には投入材料の飛散による危険を警告する安全標識をはり付け,取扱説明書にもその
旨記載しなければならない。
5.8.3 供給装置
供給装置の可動部と固定部又は可動部とのすき間は,手足が挟まれる危険を防止するためJIS B 9707,
JIS B 9708及びJIS B 9711に従って設計及び製造しなければならない。
なお,供給装置が稼働中は,いかなる場合でも供給装置内に入らないよう警告表示する。
5.8.4 詰まりの除去
ホッパ及び供給装置は過度の大きさの材料,用途外の材料などが入ったときに詰まりが生じる可能性が
ある。詰まった材料を取り除くときのリスクに関する情報を取扱説明書に記載しなければならない。
5.8.5 エンジンの停止
詰まりの除去のためホッパ及び供給装置内に侵入する必要があるとき,及びこれらの保全作業を行うと
きは,エンジンを停止しなければならない旨を警告表示するとともに,取扱説明書にも記載しなければな
らない。

5.9 クラッシャ

5.9.1  一般
クラッシャの一般事項は,次による。
a) クラッシャは,過度の大きさの投入材料,用途外の材料などが入ったときに詰まりが生じる可能性が
ある。詰まったとき,人体への危険が最も少なく,かつ,適切に除去できる器具を備えなければなら
ない。

――――― [JIS A 8706-1 pdf 10] ―――――

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JIS A 8706-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8706-1:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA8301:1952
モータグレーダ用切刃
JISA8301:2000
土工機械―整備用開口部最小寸法
JISA8302:2017
土工機械―運転員及び整備員の乗降用・移動用設備
JISA8307:2006
土工機械―ガード―定義及び要求事項
JISA8310-1:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第1部:共通図記号
JISA8310-2:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第2部:特定機種,作業装置及び附属品図記号
JISA8312:1996
土工機械―安全標識及び危険表示図記号―通則
JISA8312:2021
土工機械―機械安全ラベル―通則
JISA8315:2010
土工機械―運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
JISA8316:2010
土工機械―電磁両立性(EMC)
JISA8323:2001
土工機械―運転席及び整備領域―端部の丸み
JISA8324:2001
土工機械―電線及びケーブル―識別の原則
JISA8325:2010
土工機械―履帯式機械―制動装置の性能要求事項及び試験方法
JISA8327:2017
土工機械―機械装着警報ブザー類及び警音器―試験方法及び性能基準
JISA8331:2005
土工機械―機械装着救出装置―性能要求事項
JISA8334:2006
土工機械―取扱説明書―内容及び様式
JISA8340-1:2011
土工機械―安全―第1部:一般要求事項
JISA8345:2004
土工機械―キーロック始動装置
JISA8407:2000
土工機械―操縦装置の操作範囲及び位置
JISA8919:2007
土工機械―操縦装置
JISB8370:2013
空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB9700-1:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第1部:基本用語,方法論
JISB9700-2:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第2部:技術原則
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9708:2002
機械類の安全性―危険区域に下肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISB9713-2:2004
機械類の安全性-機械類への常設接近手段-第2部:作業用プラットフォーム及び通路
JISB9713-3:2004
機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第3部:階段,段ばしご及び防護さく(柵)
JISB9960-1:2019
機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC60068-2-27:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
JISD1201:1998
自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則