JIS A 8706-1:2010 履帯式建設リサイクル機械―安全―第1部:自走式クラッシャの要求事項 | ページ 3

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破砕できる材質,処理装置供給寸法及び推奨する材料の大きさと,詰まった材料を取り除くときの
リスクに関する情報を取扱説明書に記載しなければならない。
b) クラッシャ供給口から破砕物が飛散するのをできる限り防止するよう,ガードを装着するなど適切な
処置を講じなければならない。ただし,飛散を防止できない領域が残る場合には,クラッシャからの
飛散物に対する警告標識をはり付けるとともに,取扱説明書に記載しなければならない。
c) 機械の作動中にクラッシャの供給口に近づけないよう,また,クラッシャへの転落防止のため,アク
セス通路とクラッシャとの間に通路床面から高さ1 100 mm以上の防護さくを設けなければならない。
5.9.2 ジョークラッシャ
ジョークラッシャは,次による。
a) テンションロッドが破損したとき,その破片が飛び出して人に当たらないよう,ガードを設けるか,
人が危険部位に侵入できない構造にしなければならない。
b) クラッシャ後部のテンションスプリングに,手,足が挟まれないように防護しなければならない。
c) 動力伝達部(フライホイール,ベルト,駆動プーリなど)は,カバーで覆わなければならない。
d) ベルト張り点検窓は,安易に開けて触れないように,かぎ(鍵)又は工具を使わないと開けられない
構造としなければならない。
e) スイングジョー背面揺動部は,カバーで覆わなければならない。
f) 保全作業中にスイングジョーが不測の揺動を起こさないよう,例えば,クラッシャ供給口の近傍に非
常停止スイッチを設置するなどの安全方策を講じなければならない。
5.9.3 インパクトクラッシャ
インパクトクラッシャは,次による。
a) クラッシャに付いている点検窓は,破砕物の衝突に耐えられるよう強固に固定する。
b) クラッシャが,回転中か停止しているかが外から分かるようにしなければならない。又は回転中に破
砕室を開けることができない構造(機構)とするか,工具を使わないと破砕室を開けられない構造と
する。
c) 保全のために,破砕室の一部又は点検窓を上に開けるときは,これが落下することによって挟まれな
いように,ロックピン又はその他の固定方法を備えなければならない。
d) 保全中にロータが不測の回転を起こさないように,ロックピン又はその他の固定方法を備えなければ
ならない。
e) 遠心力を生じる可動部分は,確実に固定しなければならない。
f) 遠心力を生じる可動部分が破損した場合でも,破片の飛散による危険が最小になるように設計しなけ
ればならない。

5.10 ベルトコンベヤ

  ベルトコンベヤは,附属書Dによる。

5.11 磁選機

5.11.1 強磁力
磁選機の周囲には強い磁力があり,磁界内で行う作業では人体,特にペースメーカに磁力障害を及ぼす
おそれがある。また,磁化する物体を使用する場合,そのような物体が突然引き付けられることによる障
害の危険がある。強磁力に対する警告標識を磁選機の近傍にはり付けるとともに,取扱説明書にも記載す
る。

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5.11.2 飛散物
稼働中の磁選機の周囲に鉄片が飛散し,作業者が傷害を負う危険があるので,飛散を防止し,又は飛散
の範囲が最小限になるように設計しなければならない。
鉄片の飛散の警告標識を磁選機の近傍にはり付けるとともに,取扱説明書に記載する。

5.12 視界

5.12.1 運転員の視界
運転員が搭乗して走行する自走式クラッシャは,運転員が操縦場所から十分な視界が得られるように設
計しなければならない。
5.12.2 照明
自走式クラッシャは,走行のための照明装置を備えるか,又は外部照明で十分な視界を確保するように
取扱説明書に記載しなければならない。

5.13 警報装置及び安全標識

  自走式クラッシャには,次のものを装備しなければならない。
− JIS A 8327に規定する本体の前端から7 m地点で,93 dB (A) 以上の音圧レベルをもち,操縦場所から
操作できる音響警報装置
− JIS A 8340-1の附属書5に規定する安全標識

5.14 安定性

  自走式クラッシャは,アタッチメントも含めて,製造業者が指定するすべての意図した運転条件におい
て,十分な安定性をもつように設計・製造しなければならない。
作業状態において自走式クラッシャの安定性を増すための装置(例えば,アウトリガ)は,たとえホー
スが破損してもその位置に保持するインタロック装置,例えば,逆止弁などを備えなければならない。

5.15 騒音

  自走式クラッシャは,できるだけ低騒音に設計及び製造しなければならない。

5.16 防護

5.16.1 一般
機械の運転中に作業員などが粉じん,有害なダスト,騒音などにさらされる場合,それらの暴露から防
護するため,防じん眼鏡,耳せん,酸素吸入器などの適切な保護具を身に着けさせなければならない。
機械の運転,整備及び分解中の化学的な危険源を最小にする安全予防措置について,警告表示し,取扱
説明書に記載しなければならない。
5.16.2 高温部
通常運転場所及び整備領域の近傍にあり,運転中高温となる部分は,それら高温部及び表面に接触する
リスクを最小にするように設計・製造及び配置するか,又は防護装置を備えなければならない。
5.16.3 可動部
危険源となり得るすべての可動部は,押しつぶし,せん断及び切断のリスクを最小にするように設計・
製造及び配置するか,又は防護装置を備えなければならない。
5.16.4 ガード及びシールド
ガード及びシールドは,その場所にしっかりと保持し,危険領域又は危険部分への立入りを防止するよ
うに設計しなければならない。ガード及びシールドは,JIS A 8307に適合し,次による。
a) 固定式ガード 頻繁に出入りする必要のない場合は,固定式ガードを取り付ける。そのガードの固定
方法は,工具又はかぎ(鍵)でだけ脱着できる構造でもよい。

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b) 可動式ガード 頻繁に出入りする必要がある場合は,可動式ガードを取り付ける。それらのガードは,
開けたときでもできる限り機械に取り付いていなければならない。ガード及びシールドは,最大風速
8 m/sまで開けたまま確実に保持できる支持装置(例えば,ばね及びガスシリンダ)とともに取り付け
る。
5.16.5 鋭端部及び鋭角部
運転中及び日常の整備で立入りする領域内の鋭利な端部及び鋭い角部は,JIS A 8323に規定する要求事
項に適合しなければならない。

5.17 (機械の)救出,輸送及びつり上げ

5.17.1 (機械の)救出
救出用ワイヤ掛け位置は,JIS A 8331に従って自走式クラッシャの前部及び/又は後部に備えなければ
ならない。ワイヤ掛け位置は,その許容力及び正しい使い方とともに取扱説明書に記載しなければならな
い。
5.17.2 固ばく(縛)
自走式クラッシャを安全に輸送するために,例えばトレーラ上に機械を固定する固ばく(縛)装置を備
えるものとし,かつ,その位置を機械上に明確に表示しなければならない(JIS A 8310-1の番号7-27参照)。
それらの使用方法を取扱説明書に記載しなければならない。危険源となり得るアウトリガ又は他の装置は,
それらの輸送姿勢で固定できるようにし,その取扱い方法を取扱説明書に記載しなければならない。
5.17.3 つり上げ
つり上げ装置は,最も重い構成の運転質量で設計して機械に備えるものとし,機械全体をつり上げると
きのつり上げ位置を機械の上に明確に表示しなければならない。分解して輸送する重い機械の作業装置,
構成部品及び本体のつり上げ方法を,取扱説明書に記載しなければならない。
つり上げの識別記号については,JIS A 8310-1の番号7-23による。

5.18 電磁両立性 (EMC)

  自走式クラッシャは,JIS A 8316に規定する電磁両立性の要求事項に適合しなければならない。

5.19 電気装置及び電子装置

5.19.1 一般
電気構成部品及び導線は,機械の意図する用途における環境にさらされることによって,劣化の原因と
なる損傷を受けないような方法で取り付けなければならない。電気構成部品の絶縁材は,難燃性をもたせ
ることが望ましい。フレーム及び隔壁を貫通する通し配線は,すりむけないように防護しなければならな
い。
過電流防護装置によって防護されていない電気配線及びケーブルは,燃料を含む配管及びホースに直接
接触する形でしばり付けてはならない。
注記 電子構成部品の安全機能に関する参考規格として,ISO 15998:2008がある。
5.19.2 防護等級
電気構成部品及び電子構成部品の配置及び取付けには,次の防護等級を満足しなければならない。
− 機械の外側に配置されるか又は外部環境に直接さらされるすべての構成部品は,JIS C 0920の箇条4
(指定方法)に規定するIP55に相当する最小限の防護等級をもたなければならない。
− 外部環境に対して防護されているすべての構成部品に対し,意図する用途において正しく機能が発揮
できるように防護処置がとられていなければならない。

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5.19.3 電気回路
電気配線及びケーブルが誤って接続されることがないように,電気回路に使用される接続構成部品は印
付けされ識別できなければならない。識別は,JIS A 8324によることが望ましい。
5.19.4 過電流防護装置
標準装備及びオプション装備の電気設備は,始動モータを除き,過電流防護装置(例えば,ヒューズ)
によって常に防護されていなければならない。
5.19.5 蓄電池
蓄電池は,換気のよい場所に堅固に取り付けなければならない。取付け位置は点検・保守が容易で,蓄
電池の取外しも容易であることが望ましい。
20 kg以上の蓄電池には取っ手又は握りが付いていなければならない。
蓄電池及び蓄電池の取付け位置は,機械が転倒した場合においても,運転員が蓄電池液又は気化した蓄
電池液に冒されるリスクを最小にするよう設計及び製造し,そのような設計ができない場合は,蓄電池を
覆わなければならない。プラスのコネクタは,絶縁材で覆わなければならない。
5.19.6 蓄電池の接続切り離し
蓄電池は容易に接続切り離しできなければならない。これが不可能な場合は,容易に操作できる絶縁ス
イッチを備えなければならない。
5.19.7 電気ソケット
サービス及び整備用の照明装置を接続する電気ソケットを,容易に手が届く機械部位に備えなければな
らない。ソケットは誤った接続を防ぐように設計しなければならない。

5.20 被加圧部

5.20.1 油圧配管
パイプ及びホースは,高温の表面,鋭利な端部及び他の損傷を引き起こすおそれのあるものとの接触に
よる劣化が最小となるよう配置し,また,必要に応じて拘束しなければならない。ホース及び管継手は,
フレームの内側に配置したものを除き,目視で点検できなければならない。
5.20.2 油圧ホース
5 MPa(ゲージ圧)を超える圧力又は50 ℃を超える温度をもつ流体を含み,運転員から1.0 m以内に位
置する油圧ホースは,JIS A 8307に従って防護しなければならない(5.3.5参照)。噴出する流体をそらす
ことができる部品又は構成部品は,いずれも十分な防護装置とみなすことができる。
15 MPaを超える圧力に耐えることを意図したホースアセンブリには,ホースと管継手とが分離できるホ
ースアセンブリを用いてはならない。
注記 ホースと管継手とが分離できるホースアセンブリは,組立及び分解するのに専用工具(プレス
など)又はその自走式クラッシャの製造業者が認定した部品を使用する場合は,この限りでは
ない。

5.21 燃料タンク,油圧タンク及び圧力容器

5.21.1 一般
油圧アクチュエータ,制御装置及び接続配管は,JIS B 8370によって設計及び製造しなければならない。
燃料タンク及び油圧タンクは,液面レベル指示器を備えなければならない。タンク内の圧力が製造業者
の規定圧力を超えた場合は,適切な装置(抜け口,安全弁など)によって自動的に平衡となるように補正
されなければならない。

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5.21.2 補給口
すべてのタンクの補給口は,次のいずれにも適合しなければならない。
− 補給が容易である。
− 施錠できるキャップを備える。ただし,施錠できる区画(例えば,エンジンルーム)内,又は工具を
使って開閉するカバー内にある補給キャップ,及び特殊工具でないと開けられないキャップは,施錠
装置をもたなくてもよい。
5.21.3 燃料タンク
燃料タンクは,塑性変形又は漏出することなく30 kPaの内圧に耐えなければならない。
燃料タンクがポリマ材料でできている場合は,JIS A 8340-1の附属書6による耐火性能をもたなければ
ならない。
5.21.4 油圧タンク
油圧タンクは,圧力容器とはみなさない。
5.21.5 空圧容器
単純圧力容器は,JIS B 8370の6.3(サージタンク及び附属容器)に従って設計しなければならない。

5.22 火災予防

5.22.1 耐火性
機械に使用している内装材,装飾材及び絶縁材には,難燃材を使用しなければならない。燃焼速度は,
JIS D 1201に従って試験し,その結果が,200 mm/minを超えてはならない。
5.22.2 消火器及び消火システム
運転員が容易に手の届く範囲に消火器又は組込み式の消火システムを備えなければならない。

5.23 保全

5.23.1 一般
機械は,可能な限りエンジン停止状態で,日常給油及び整備作業ができるように設計・製造しなければ
ならない。エンジンが回転状態でだけ点検又は整備が実施可能な場合は,安全な実施方法を取扱説明書に
記載しなければならない。保全目的の開閉部は,JIS A 8301の規定に適合しなければならない。
機械は,可能な限り地上から給油及びタンクの補給ができるように設計しなければならない。
5.23.2 日常整備
日常整備を必要とする機器(蓄電池,給油口,フィルタなど)は,点検及び交換が容易にできなければ
ならない。製造業者が推奨する工具及び附属品を入れるかぎ(鍵)のかかる収納箱を,機械に備えること
が望ましい。
5.23.3 支持装置
整備作業の間,例えば,作業装置,アタッチメントなどによって,押しつぶされるリスクがある箇所に
は,支持装置を備えなければならない(JIS A 8328及びJIS A 8332参照)。
エンジンボンネット及びエンジンルームカバーは,開いた状態で保持する装置を備えなければならない。
5.23.4 エンジンルームの保守・点検
エンジンルームは,次のいずれかの方法によって,第三者の侵入を防止しなければならない。
a) 施錠
b) 工具又はかぎ(鍵)を必要とする装置
c) かぎ(鍵)のかかる区画内の掛け金

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JIS A 8706-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8706-1:2010の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA8301:1952
モータグレーダ用切刃
JISA8301:2000
土工機械―整備用開口部最小寸法
JISA8302:2017
土工機械―運転員及び整備員の乗降用・移動用設備
JISA8307:2006
土工機械―ガード―定義及び要求事項
JISA8310-1:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第1部:共通図記号
JISA8310-2:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第2部:特定機種,作業装置及び附属品図記号
JISA8312:1996
土工機械―安全標識及び危険表示図記号―通則
JISA8312:2021
土工機械―機械安全ラベル―通則
JISA8315:2010
土工機械―運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間
JISA8316:2010
土工機械―電磁両立性(EMC)
JISA8323:2001
土工機械―運転席及び整備領域―端部の丸み
JISA8324:2001
土工機械―電線及びケーブル―識別の原則
JISA8325:2010
土工機械―履帯式機械―制動装置の性能要求事項及び試験方法
JISA8327:2017
土工機械―機械装着警報ブザー類及び警音器―試験方法及び性能基準
JISA8331:2005
土工機械―機械装着救出装置―性能要求事項
JISA8334:2006
土工機械―取扱説明書―内容及び様式
JISA8340-1:2011
土工機械―安全―第1部:一般要求事項
JISA8345:2004
土工機械―キーロック始動装置
JISA8407:2000
土工機械―操縦装置の操作範囲及び位置
JISA8919:2007
土工機械―操縦装置
JISB8370:2013
空気圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB9700-1:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第1部:基本用語,方法論
JISB9700-2:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第2部:技術原則
JISB9703:2019
機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9708:2002
機械類の安全性―危険区域に下肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISB9713-2:2004
機械類の安全性-機械類への常設接近手段-第2部:作業用プラットフォーム及び通路
JISB9713-3:2004
機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第3部:階段,段ばしご及び防護さく(柵)
JISB9960-1:2019
機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC60068-2-27:2011
環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
JISD1201:1998
自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則