JIS B 7607:2018 自動捕捉式はかり | ページ 11

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釣合いの連続妨害の下で,安定した釣合いを必要とする機能,例えば,印字,記憶又はゼロ点設定操作
がいずれも行われないかどうか確認する。
A.3.10 表示装置及び印字装置の一致
試験中,同一荷重に対して同一の目量をもつ二つの装置の表示の差は,次の事項について確認する。
− デジタル表示又は印字装置では,計量結果間の差が“0”となる。
− アナログ指示に対しては,自動計量の最大許容誤差の絶対値を超えない。
A.3.11 構成部品及びプリセット制御の保護(5.2.6)
許可を受けていない調整,又は構成部品,インタフェース,ソフトウェア装置及びプリセット制御のリ
セットは,あらゆるアクセスも自動的に明らかにならなければ行えないことを確認する。
A.4 影響因子及び妨害試験
A.4.1 試験条件
影響因子及び妨害に対する計量的性能試験の要件については,個々の試験手順に規定する試験条件に従
う。
A.4.1.1 一般要件
影響因子試験及び妨害試験は,電気式はかりが規定の環境及び条件下で意図したとおり動作及び機能す
ることを検証することを意図している。該当する場合,個々の試験において,固有誤差を決める標準条件
を示す。
影響因子試験は,7.4.5によって正常動作の下の完成された自動捕捉式はかりに適用する。影響因子試験
を正常な動作状態で完成された自動捕捉式はかりで動作できない場合(例えば,自動捕捉式はかりのサイ
ズ及び/又は構成のため,全体としての試験ができない場合),その自動捕捉式はかりは,模擬した動作の
下において影響因子試験を受けることができる。この模擬動作が不可能な場合,その自動捕捉式はかりは
7.4.5.1に規定した静的条件下の影響因子試験の対象となることがある。
妨害は,静的条件下で自動捕捉式はかりに印加する。自動捕捉式はかりを静的条件下で妨害にさら(曝)
すことができない場合,模擬動作が許されることがある。これらの条件下で,妨害の許容できる影響は,
A.4.3の各試験に対して規定する。
一つの影響因子の影響を評価する場合,他の全ての因子は,正常に近い値で相対的に一定に保持される。
自動捕捉式はかりの部分を個別に審査する場合,誤差は,8.2.3.4によって配分する。
自動捕捉式はかり又はシミュレータの動作状態は,個々の試験において記録する。
自動捕捉式はかりを正常な構成以外で接続した場合,構成の情報についても記録する。
A.4.1.2 シミュレータ要件
A.4.1.2.1 一般
許可されている場合,影響因子試験及び妨害試験に使用するシミュレータには,その計量システムの全
ての電子装置を含む。
A.4.1.2.2 質量シミュレータ
シミュレータには,ロードセル及び荷重を適用するための手段も含まれなければならない。これが可能
でない場合,例えば,高容量はかりの場合,ロードセルシミュレータを使用するか,又はその代わりにロ
ードセル・インタフェースを改造して,小さな試験荷重に対しても設計された出力が可能なようなスケー
ル係数を組み込むことができる。シミュレータは,最小入力信号“μV/d”(目量当たり最小入力電圧)を
出力できなければならない。

――――― [JIS B 7607 pdf 51] ―――――

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ロードセルシミュレータの繰返し性及び安定性は,自動捕捉式はかりを分銅で試験するときと同様以上
の精度で自動捕捉式はかりの性能を求めることができなければならない。
A.4.1.2.3 文書
(この規格では,適用しない。)
A.4.2 影響因子試験(4.9)
A.4.2.0A 影響因子の試験項目及び試験条件
影響因子の試験項目及び適用条件を,表A.1に示す。
表A.1−影響因子試験
試験項目 適用条件 条項
静的温度 MPE a) A.4.2.1
ゼロ点表示の温度影響 MPE A.4.2.2
高温高湿(定常状態) MPE a) A.4.2.3
AC主電源電圧変動 MPE a) A.4.2.4
DC主電源電圧変動 MPE a) A.4.2.5
主電源に接続されていないDC電池電源, MPE a) A.4.2.6
非充電式,充電式及び再充電式の充電池
傾斜 MPE a) A.4.2.8
注a) 4.6に規定する最大許容誤差
A.4.2.1 静的温度(4.9.1.1)
静的温度試験は,JIS C 60068-2-1,JIS C 60068-2-2及びJIS C 60068-3-1,並びに表A.2によって行う。
表A.2−静的温度試験
環境現象 試験条件 試験設定
静的温度 基準温度20 ℃ −
規定高温で2時間 JIS C 60068-2-2
規定低温で2時間 JIS C 60068-2-1
規定低温が0 ℃以下の場合,温度5 ℃ JIS C 60068-3-1
基準温度20 ℃ −
注記 静的温度試験の指針として,JIS C 60068-3-1も参考にすることができる。
試験手順の補助情報
試験目的 規定した高温及び低温において,6.1.1の基準に適合していることを検証する。ゼロ点
表示の温度影響(A.4.2.2)の試験は,この試験とともに実施してよい。
概略試験手順 試験は,温度安定に達するため,かつ,要求されている測定を行うために十分な期間,
規定の電源電圧を印加する。
事前準備 基準温度において,16時間通電しておく。
EUTの条件 EUTを電源に接続して製造業者が指定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入
しておく。
ゼロ点設定装置及びゼロトラッキング装置は,通常動作と同様に,動作可能でなけれ
ばならない。
安定化 “自由空気”状態下の各温度で2時間。“自由空気”状態とは安定した状態に温度を
保つための最低の空気循環を意味する。

――――― [JIS B 7607 pdf 52] ―――――

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温度 4.9.1の規定による。
温度シーケンス a) 基準温度[通常20 ℃であるが精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はかり
には,規定温度限定値の平均値]
b) 規定する高温
c) 規定する低温
d) 規定低温が0 ℃以下の場合,温度5 ℃
e) 基準温度
大気圧 精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はかりに対して,大気圧の変化を考慮す
る。
試験サイクル数 1サイクル以上
計量試験 基準温度及び規定する各温度で安定させた後,7.1.1及び7.1.2[非自動(静的)試験
は,A.3.1.2を参照]による質量の荷重及び試験分銅を使って,7.4.5に規定した場合を
除き,最大動作速度(A.3.1.1参照)の自動モードで計量試験を行う[非自動(静的)
試験は,A.3.1.2を参照]。
次の事項を記録する。
a) 日時
b) 温度
c) 相対湿度
d) 荷重
e) 表示(該当する場合)
f) 誤差
g) 機能性能
最大許容変動 全ての機能は,設計どおりに作動しなければならない。
全ての誤差は,4.6に規定する最大許容誤差内でなければならない。
A.4.2.2 ゼロ点表示の温度影響(4.9.1.3)
この試験は,自動ゼロ点設定機能が全ての自動計量サイクルの一部として動作する自動捕捉式はかりに
対しては実施する必要がない。
自動捕捉式はかりは,無負荷の状態でゼロ点に設定され,基準温度,規定の最高温度,最低温度,5 ℃,
その後,基準温度の順に変化させる。安定後,各温度におけるゼロ点表示の誤差を測定し,1 ℃[精度等
級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はかり]又は5 ℃(その他の自動捕捉式はかり)当たりのゼロ点表
示の変化を計算する。1 ℃[精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はかり]又は5 ℃(その他の自
動捕捉式はかり)当たりのゼロ点表示の変化は,この試験のいずれの温度変化(例えば,基準温度から最
高温度,最高温度から最低温度,最低温度から5 ℃,及び5 ℃から基準温度)についても計算する。
この試験は,静的温度試験(A.4.2.1)とともに実施してもよい。ゼロ点での誤差は,次の温度に移行す
る直前で,自動捕捉式はかりがある温度で安定状態になって2時間経過した後に,追加して測定する。
注記 これらの測定の前に,予備負荷は行わない。
自動ゼロ点設定装置又はゼロトラッキング装置は,作動させてはならない。
最大許容誤差 ゼロ点表示の変化は,温度差1 ℃[精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はか
り]又は5 ℃(その他の自動捕捉式はかり)に対して,検査目量(1 e)を超えて変動
してはならない。

――――― [JIS B 7607 pdf 53] ―――――

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EUTの状態 製造業者が指定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入しておく。
大気圧 精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はかりに対して,大気圧の変化を考慮す
る。
A.4.2.3 高温高湿(定常状態)(6.1.2)
この試験は,自動捕捉式はかりの目量(e)が1 g未満の場合で,精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動
捕捉式はかり又は精度等級XII及び精度等級Y(II)の自動捕捉式はかりには,適用しない。
高温高湿(定常状態)試験は,JIS C 60068-2-78及びJIS C 60068-3-4並びに表A.3に従って行う。
表A.3−高温高湿試験
環境現象 試験条件 試験設定
高温高湿(定常状態) 規定する高温及び相対湿度85 %で48時間JIS C 60068-2-78
JIS C 60068-3-4
注記 高温高湿試験の指針として,JIS C 60068-3-4も参考にすることができる。
試験手順の補助情報
試験目的 一定温度において,6.1.1の基準に適合していることを検証する。
試験手順 7.4.5の条件によらず,静的計量はかり又は動的計量はかりに対して,非自動(静的)
運転において五つの異なる荷重(A.3.1.2)で行う。
事前準備 要求なし
EUTの条件 EUTを電源に接続して製造業者が指定する予熱時間以上通電し,試験中は電源を投入
しておく。ゼロ点設定装置及びゼロトラッキング装置は,通常動作と同様に動作可能
でなければならない。
EUTに結露が生じてはならない。
安定化 基準温度及び相対湿度50 %で3時間
4.9.1で規定する高温で2日間
温度 基準温度(20 ℃,又は20 ℃が使用範囲外である場合は,その使用温度範囲の平均値)
及び4.9.1で規定する高温
温度−湿度 a) 基準温度(20 ℃)及び相対湿度50 %
48hシーケンス b) 規定する高温及び相対湿度85 %
c) 基準温度(20 ℃)及び相対湿度50 %
大気圧 精度等級XI及び精度等級Y(I)の自動捕捉式はかりに対して,大気圧の変化を考慮す
る。
試験サイクル数 1サイクル以上
計量試験 基準温度及び相対湿度50 %でEUTが安定した後に,五つ以上の異なる荷重,又は7.1.1
から選択した擬似荷重を適用して,A.3.1.2の非自動(静的)運転試験を行う。
次の事項を記録する。
a) 日時
b) 温度
c) 相対湿度
d) 電源電圧
e) 荷重

――――― [JIS B 7607 pdf 54] ―――――

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f) 表示(該当する場合)
g) 誤差
h) 機能性能
規定する高温及び相対湿度85 %でEUTが安定した後に,計量試験(A.3.1.2)を行っ
て,a) h)のデータを記録する。
基準温度及び相対湿度50 %でEUTが安定した後に,計量試験(A.3.1.2)を行って,
a) h)のデータを記録する。
最大許容変動 全ての機能は,設計どおりに作動しなければならない。
全ての誤差は,4.6に規定する最大許容誤差内でなければならない。
A.4.2.4 AC主電源電圧変動(4.9.2)
AC主電源電圧変動試験は,JIS C 61000-4-11及び表A.4によって行う。
表A.4−AC主電源電圧変動試験
環境現象 試験条件 試験設定
AC主電源電圧変動 Unom JIS C 61000-4-11
上限値 Unomの110 %又はUmaxの110 %
下限値 Unomの85 %又はUminの85 %
Unom
自動捕捉式はかりが三相電源で駆動している場合,電圧変動は各相に連続して印加す
る。
試験手順の補助情報
試験目的 AC電源電圧変動の条件下で,6.1.1の基準に適合していることを検証する。
試験手順 試験は,温度の安定性を達するのに十分な時間,規定する電源電圧を印加する。
事前準備 要求なし
EUTの条件 EUTをAC主電源に接続して,製造業者が指定する予熱時間以上の間通電しておく。
試験前に,EUTを可能な限りゼロ点付近に調整する。有意な誤りが生じた場合のリセ
ットを除き,試験中は再調整しない。
試験サイクル数 1サイクル以上
計量試験 7.1.1から選択した一つの荷重でEUTを試験する。試験は,7.4.5で規定する場合,自
動運転(A.3.1.1)で行うか,又は非自動(静的)運転(A.3.1.2)で任意に行わなけれ
ばならない。この場合,Min又はその近くの荷重,及び1/2 MaxとMaxとの間の荷重
を選択する。
大気圧の変化を考慮する。
公称電圧でEUTを安定させ,ゼロ点付近及び一つの荷重又は擬似荷重において,次の
事項を記録する。
a) 日時
b) 温度
c) 相対湿度
d) 電源電圧
e) 荷重
f) 表示(該当する場合)

――――― [JIS B 7607 pdf 55] ―――――

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JIS B 7607:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • OIML R 51-1:2006(MOD)

JIS B 7607:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7607:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7611-2:2015
非自動はかり―性能要件及び試験方法―第2部:取引又は証明用
JISB7612-1:2008
質量計用ロードセル―第1部:アナログロードセル
JISB7612-2:2008
質量計用ロードセル―第2部:デジタルロードセル
JISC60068-2-1:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
JISC60068-2-2:2010
環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
JISC60068-2-78:2015
環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
JISC60068-3-1:2016
環境試験方法―電気・電子―第3-1部:低温(耐寒性)試験及び高温(耐熱性)試験の支援文書及び指針
JISC60068-3-4:2004
環境試験方法―電気・電子―第3-4部:高温高湿試験の指針
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-6:2017
電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
JISZ8103:2019
計測用語