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B 7607 : 2018
注記 基本的に誤りは,電気式はかりに存在するデータ又は電気式はかりを通過するデータの望まし
くない変化の結果である。
3.4.3.9
有意な誤り(significant fault)
検査目量(e)より大きな誤り。ただし,多目量はかりの場合,検査目量(e)の値は,部分計量範囲に
対して適用する。
次の誤りは,検査目量(e)を超えた場合でも有意な誤りとはみなさない。
− はかり又はチェック装置において,同時に起こり,かつ,互いに独立した原因から生じる誤り
− いかなる計量も不可能な誤り
− 計量結果に関与する全ての人が必然的に気付くほど重大な誤り
− 計量結果として,その表示が判断,記憶又は伝達することができないほど,瞬間的に変化する過渡的
な誤り
注記 “独立した原因から生じる誤り”とは,電気的な妨害に対する試験における電気的な影響以外
の明らかな原因[時間における影響(クリープなど),急激な温度変化における影響など]によ
って生じた誤りをいう。
3.4.3.10
スパン安定性(span stability)
使用期間中に,ひょう量とゼロ点表示との差の値を規定限度内に維持するはかりの性能。
3.5 影響及び標準条件
3.5.1
影響量(influence quantity)
計量の対象ではないが,計量結果に影響を与える量。
3.5.1.1
影響因子(influence factor)
規定する定格動作条件範囲内の影響量。
3.5.1.2
妨害(disturbance)
規定した限度内の値であるが,規定されたはかりの定格動作条件を超える影響量。
3.5.2
定格動作条件(rated operating conditions)
計量特性が最大許容誤差内に入るように意図した測定量及び影響量の範囲が与えられている使用条件。
3.5.3
標準条件(reference conditions)
計量結果の有効な相互比較を保証するために定められた影響因子の一連の規定値(温度,湿度,電源電
圧の範囲など)。
3.6 試験
3.6.1
動作試験(operational test)
試験荷重又は使用を意図する種類の荷重を用いて,荷重を荷重受け部に移動若しくは降ろす荷重コンベ
ヤ又は荷重搬送システムを使用して,完成はかりで行う試験。
――――― [JIS B 7607 pdf 16] ―――――
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B 7607 : 2018
3.6.2
シミュレーション試験(simulation test)
完成はかり又ははかりの一部に対して実施する試験であって,計量動作のあらゆる部分を模擬する試験。
3.6.3
性能試験(performance test)
試験器物(EUT)が所定の性能どおりに動作するかどうかを検証する試験。
3.6.4
スパン安定性試験(span stability test)
試験器物(EUT)が使用期間中にわたって,その性能特性を維持できることを検証する試験。
3.7 量記号及び略字
この規格で用いる量記号及び略字の意味を,次に示す。
量記号及び略字 意味
I 表示値
In n番目の表示値
L 荷重
L 次の表示の切換点までの追加荷重
P 計量値(I+1/2 e−L=丸める前の指示)
E 誤差(I−L又はP−L)
E0 ゼロ点における誤差
d 実目量
e 検査目量
dT プリセット風袋量の目量
n,ni 検査目量の数
pi 個別に試験するはかりのモジュールに適用するMPEの誤差配分
MPE 最大許容誤差
MPME 最大許容平均誤差
MPSD 最大許容標準偏差
EUT 試験器物
sf 有意な誤り
Max 自動捕捉式はかりのひょう量
Min 自動捕捉式はかりの最小測定量
Max1,Maxi,Maxr 自動捕捉式はかりのひょう量(指数)
Unom 自動捕捉式はかりに表記する公称電圧値
Umax 自動捕捉式はかりに表記する電圧範囲の最大値
Umin 自動捕捉式はかりに表記する電圧範囲の最小値
DC 直流
AC 交流
T 風袋量
T+ 最大加算風袋量
T− 最大減算風袋量
――――― [JIS B 7607 pdf 17] ―――――
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G又はB 総量
N又はNET 正味量
PT プリセット風袋量
e.m.f 起電力
4 計量要件
4.1 精度等級
自動捕捉式はかりをその用途によって,カテゴリX又はカテゴリYの精度等級に分類する。
カテゴリXは,自動重量選別機に適用する。
カテゴリYは,質量ラベル貼付機及び計量値付け機に適用する。
注記 自動捕捉式はかりをカテゴリX及びカテゴリYの両方に分類できる。例えば,自動捕捉式はか
りが自動重量選別機又は計量値付け機のいずれでも動作できる二つの別個の操作モードで構成
している場合などが該当する。
4.1.1 カテゴリX
カテゴリXを,更にXI,XII,XIII又はXIIIIの4種類の精度等級に分類し,製造業者が指定する等級指
定係数(x)で補完する。(x)の値は,1×10k,2×10k,又は5×10kで,ここでのkは,正若しくは負の整
数,又はゼロである。等級指定係数(x)で補完した精度等級は,例えば,XI(0.5)と表す。
4.1.2 カテゴリY
カテゴリYを,更にY(I),Y(II),Y(a)又はY(b)の4種類の精度等級に分類する。
4.2 自動捕捉式はかりの分類
4.2.1 検査目量
自動捕捉式はかりの精度等級による検査目量(e)及び検査目量の数は,表1による。
表1−精度等級の分類
精度等級 検査目量(e) 検査目量の数
n=Max/e
最小 最大
XI Y(I) 0.001 g≦e a) 50000 −
XII Y(II) 0.001 g≦e≦0.05 g 100 100 000
0.1 g≦e 5000 100 000
XIII Y(a) 0.1 g≦e≦2 g 100 10 000
5 g≦e 500 10 000
XIIII Y(b) 5 g≦e 100 1 000
注a) 検査目量(e)が1 mg未満の自動捕捉式はかりの型式検査及び受渡検
査は,分銅の不確かさによって行うことができない。
複目量はかりの検査目量は,“e1,e2 ... er”であって,“e1検査目量の数(n)及びひょう量(Max)も指数を付ける。
複目量はかりでは,個々の計量範囲は,基本的には一つの計量範囲をもつ自動捕捉式はかりとして扱う。
4.2.2 最小測定量
最小測定量は,製造業者が指定する。
カテゴリYに対して,最小測定量は,次の数値以上でなければならない。
――――― [JIS B 7607 pdf 18] ―――――
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B 7607 : 2018
精度等級Y(I) : 100 e
精度等級Y(II) : 20 e(0.001 g≦e≦0.05 g)
50 e(0.1 g≦e)
精度等級Y(a) : 20 e
精度等級Y(b) : 10 e
格付けはかり : 5e
4.3 多目量はかりに対する追加要件
4.3.1 部分計量範囲
各々の部分計量範囲(変動指数i=1,2,···)は,次による。
− 検査目量 ei,ei+1>ei
− ひょう量 Maxi
− 最小測定量 Mini=Maxi−1(i=1に対する最小測定量は,Min1=Min)
各部分計量範囲に対する検査目量の数(ni)は,次の式による。
ni=Maxi/ei
4.3.2 精度等級
各部分計量範囲における検査目量(ei)及び検査目量の数(ni)は,自動捕捉式はかりの精度等級に従い
表1のとおりとする。最小測定量(Min1)は,自動捕捉式はかりの精度等級に従って4.2.2の計量要件に適
合しなければならない。
4.3.3 部分計量範囲のひょう量
最上位の部分計量範囲を除いた部分計量範囲のひょう量は,自動捕捉式はかりの精度等級に従って表2
の計量要件に適合しなければならない。
表2−部分計量範囲のひょう量
カテゴリX XI XII XIII XIIII
カテゴリY Y(I) Y(II) Y(a) Y(b)
Maxi/ei+1 50 000以上 5 000以上 500以上 50以上
4.3.4 風袋引き装置付き自動捕捉式はかり
多目量はかりの計量範囲に関する要件は,全ての可能な風袋量に対して,その正味量に適用する。
4.3.5 多目量はかりに対する例
ひょう量 : Max=2/5/15 kg 精度等級Y(a)
検査目量 : e=1/2/10 g
一つのひょう量(15 kg)及び一つの計量範囲(Min=20 g,Max=15 kg)をもつ自動捕捉式はかり
の部分計量範囲とは,例えば,次のとおりである。
Min1=20 g,Max1=2 kg,e1=l g,n1=2 000
Min2=2 kg,Max2=5 kg,e2=2 g,n2=2 500
Min3=5 kg,Max3=Max=15 kg,e3=10 g,n3=1 500
各荷重に対する最大許容誤差は,次のとおりである(4.5.1.2参照)。
m=400 g =400 e1 MPE=±1.0 g
m=1 600 g =1 600 e1 MPE=±1.5 g
m=2 100 g =1 050 e2 MPE=±3.0 g
――――― [JIS B 7607 pdf 19] ―――――
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B 7607 : 2018
m=4 250 g =2 125 e2 MPE=±4.0 g
m=5 100 g =510 e3 MPE=±15.0 g
m=15 000 g =1 500 e3 MPE=±15.0 g
ある影響因子による表示の変化が,いつも検査目量(e)の分数又は倍数に限定される場合,多目量はか
りでは,検査目量(e)は,載せた荷重に応じて採択する。特に,荷重がゼロ又はゼロ付近では検査目量(e)
は,最下位の部分計量範囲の検査目量(e1)となる。
4.4 補助表示装置
目盛表示が区別されている補助表示装置(図1参照)をもつ自動捕捉式はかりでは,補助表示装置は,
小数点の下位の桁においてだけ用いてもよい。
区分した最終桁の数字 : 5
実目量(d)=0.01 g又は0.05 g
検査目量(e)=0.1 g
区分した最終桁の数字 : 8
実目量(d)=0.01 g又は0.02 g
検査目量(e)=0.1 g
図1−補助表示装置の例
多目量はかりには,補助表示装置を取り付けてはならない。
注記 拡張表示装置(3.2.9.2及び5.4.2)は,補助表示装置とはみなされていない。
4.5 最大許容(平均)誤差及び最大許容標準偏差
4.5.1 自動運転
4.5.1.1 カテゴリXの自動捕捉式はかり
4.5.1.1.1 最大許容平均誤差
計量範囲内の質量の連続計量に対して,その最大許容平均(系統)誤差は,表3による。
使用中における最大許容平均誤差(使用公差)は,表JB.2による。
表3−カテゴリXの最大許容平均誤差
検査目量で表した質量(m) カテゴリXの自動
XI XII XIII XIIII 捕捉式はかりの
最大許容平均誤差
0≦m≦50000 0≦m≦5000 0≦m≦500 0≦m≦50 ±0.5 e
50000200000 4.5.1.1.2 最大許容標準偏差
誤差の最大許容標準偏差は,表4の値に精度等級の等級指定係数(x)を乗じた値とする。
使用中における最大許容標準偏差は,表JB.1による。
――――― [JIS B 7607 pdf 20] ―――――
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JIS B 7607:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- OIML R 51-1:2006(MOD)
JIS B 7607:2018の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.060 : 体積,質量,密度,粘度の測定
JIS B 7607:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7611-2:2015
- 非自動はかり―性能要件及び試験方法―第2部:取引又は証明用
- JISB7612-1:2008
- 質量計用ロードセル―第1部:アナログロードセル
- JISB7612-2:2008
- 質量計用ロードセル―第2部:デジタルロードセル
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-78:2015
- 環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
- JISC60068-3-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第3-1部:低温(耐寒性)試験及び高温(耐熱性)試験の支援文書及び指針
- JISC60068-3-4:2004
- 環境試験方法―電気・電子―第3-4部:高温高湿試験の指針
- JISC61000-4-11:2008
- 電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
- JISC61000-4-4:2015
- 電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISZ8103:2019
- 計測用語