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1) カッタ
2) コンベアベルト表面
3) 切断部の内部
b) 食品非接触部 食品非接触部は,次による。
1) 食品切断部内部,コンベアベルト以外の機械外表面及び機械内部
2) 制御盤
3) キャスタ
a) 切断機の上部外表面
b) 切断機の食品加工内部及びその他の側部外表面
食品接触部 食品非接触部
図28−切断機の衛生区域
4.6.1.3.2 食品接触部
食品接触部の重要な危険源は,次による。
a) 一般構造 構成材料表面の凹凸,割れ及び腐食,有害物質の溶出,外部物質の吸収・収着などによっ
て,生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
b) 表面形状 表面の隙間,継ぎ目などによって,生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
c) 洗浄・清掃性 分解できない構造,作業者の手指が届かない構造,又は作業者が確認しにくい構造に
よって,生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
d) 滞留部 くぼ(窪)みなどの滞留部への食品,洗浄剤などの滞留によって,生物的,化学的及び物理
――――― [JIS B 9654 pdf 46] ―――――
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的な危害が生じる危険がある。
e) デッドスペース デッドスペースへの食品,洗浄剤などの滞留及び目視できないことによる洗浄不良
によって,生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
f) 接合部 接合部にできた凹凸での食品,洗浄剤などの滞留などによって,生物的,化学的及び物理的
な危害が生じる危険がある。
g) 隅の丸み 隅部の清掃不良によって,生物的,化学的及び物理的な危害が生じる危険がある。
4.6.1.3.3 食品非接触部
食品非接触部の重要な危険源は,次による。
a) 一般構造 構成材料表面の凹凸,割れ及び腐食,外部物質の吸収・収着などによって,生物的,化学
的及び物理的な危害が生じる危険がある。
b) ファスナ ファスナへの物質の侵入,侵入した物質の腐敗などによって,生物的,化学的及び物理的
な危害が生じる危険がある。
4.6.1.3.4 機械の設置部の構造及びキャスタの構造
洗浄・清掃しにくい及び接近しにくい機械の設置部の構造及びキャスタの構造は,食品及び水の滞留な
どによる生物的,化学的及び物理的危険源によって,作業環境汚染を生じる危険がある。
4.6.2 切断機の安全要求事項
4.6.2.1 機械的危険源
4.6.2.1.1 一般
一般要求事項は,次による。
a) 機械的危険源付近での保守作業時又は調整作業時において,予期しない起動を防止するため,制御盤
の電源断路器は,エンクロージャの扉が閉じているときだけオンにすることができるように,電源断
路器及びエンクロージャの扉をインタロックする(JIS B 9960-1の6.2.2参照)。
b) 電源断路器は,オフ状態でロックアウト可能な構造とする(JIS B 9960-1の5.6参照)。
4.6.2.1.2 コンベアベルトとローラとの隙間
ローラには,手指を挟む隙間が6 mm以下となる固定式ガードを設ける。ガードに関するその他の構造
は,JIS B 9716に従う(図29参照)。
4.6.2.1.3 カッタ
カッタの構造は,次による。
a) カッタを備えた切断部のコンベアにJIS B 9716に従ってインタロック付きのトンネルガードを設ける。
b) インタロックのPLrは,JIS B 9705-1の“c”以上とし,インタロックの構造及び制御回路は,JIS B 9710
に規定する要求事項を満たすものとする。
c) インタロックに施錠式スイッチを用いる場合は,次の条件を満たすものとする。
1) 機械の電源を落としても,スイッチの施錠が解除されない構造とする。
2) 施錠の解除は,カッタの停止によって生成される情報によって行う。このときの停止情報をタイマ
によって生成してはならない。
d) インタロックに施錠できないスイッチを用いる場合は,次の条件を満たすものとする。
1) 10 mm以下のガードの開放によって,0.15秒以内にカッタが停止する構造とする。
2) カッタの停止時間の要求は,緊急停止操作,停電時にも適用する。
3) 0.15秒以内の停止が不可能な場合は,カッタの停止時間よりも10 mm以上ガードを開放するために
時間を要する構造とする。
――――― [JIS B 9654 pdf 47] ―――――
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e) トンネルガードに設ける食材投入口及び排出口の高さは,120 mm以下とし,カッタのナイフまで850
mm以上の距離を設ける。
なお,食材投入口及び排出口の高さによって,JIS B 9718に従って安全距離を短くすることができ
る(図29参照)。
f) トンネルガードの側面が密閉されていない構造の場合は,その隙間は20 mm以下とし,隙間から120
mm以内に危険源がない構造とする(図29参照)。
単位 mm
850 min
20 max
120 max
6 max
図29−トンネルガードの開口部及びコンベアベルトとローラとの隙間
4.6.2.1.4 キャスタ及びレール
キャスタ及びレールの構造は,次による。
a) キャスタにはストッパを設け,意図しない移動を防ぐ構造とする。
b) レールの周囲には柵などを設け,カッタ又はそれに付随する機材が移動するエリアであることを識別
する。
4.6.2.2 電気的危険源
4.6.2.2.1 一般
充電部,操作盤,制御盤及び電気装置に対する保護方策は,JIS B 9960-1に規定する要求事項による。
4.6.2.2.2 保護等級
水がかかるおそれのある制御盤エンクロージャ,及び外付けの電気機械器具の外郭による保護等級は,
JIS C 0920に規定するIPX5以上とする。
4.6.3 切断機の衛生要求事項
切断機の衛生面に対する保護方策は,次による。
a) 食品接触部 食品接触部の危険源に対する保護方策については,JIS B 9650-2の6.2の要求事項を適用
するほか,次による。
1) 食品接触部の二つの面による内角の角度は90°以上とし,隅の丸み(r1)は3.2 mm以上とする。た
だし,加工・製造技術,経費などの合理的な理由によって不可能な場合は,適切な洗浄・清掃方法
――――― [JIS B 9654 pdf 48] ―――――
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に関する4.6.5に規定する使用上の情報の提供を条件として,更に小さい隅の丸みを採用することが
できる[図5 a)参照]。内角の角度が135°以上の場合は,隅の丸みを設けなくてもよい。
2) 食品接触部の三つの面による内角の角度は90°以上とし,隅の丸み(r2)は6.4 mm以上する[図5
b)参照]。ただし,内角の角度が135°以上ある場合及び二つの曲げの間の寸法が7 mm以上ある場
合は,隅の丸みを設けなくてもよい[図5 c)参照]。
3) 食品接触部に溝を設ける場合は,溝の隅の丸み(r1)を3.2 mm以上とし,かつ,深さを隅の丸みの
0.7倍以下とする[図5 d)参照]。
4) 食品接触部の表面粗さRaは,25 μmを超えてはならない。可能な場合は,16 μmが望ましい。
5) コンベアベルトの端は,シールされたほつれが生じにくい構造とする(図13参照)。
b) 食品非接触部 食品非接触部の危険源に対する保護方策については,JIS B 9650-2の6.4の要求事項を
適用する。
c) 機械の設置部及びキャスタの構造 ローラと本体上面及び側面との間には,清掃可能な隙間を設ける
(図14参照)。
4.6.4 切断機の安全及び衛生要求事項の検証
安全及び衛生要求事項に適合していることを確認するための検証方法は,表6による。
表6−検証方法
箇条番号 検証方法
4.6.2.1.1 a) IS B 9960-1の6.2.2に基づく構造確認
4.6.2.1.1 b) IS B 9960-1の5.6に基づく構造確認
4.6.2.1.2 構造確認及びJIS B 9716に基づく構造確認
4.6.2.1.3 a) IS B 9716に基づく構造確認
4.6.2.1.3 b) IS B 9705-1に基づくPLの確認,及びJIS B 9710に基づく構造及び制御回路確認
構造確認
4.6.2.1.3 c) 1)
制御回路確認
4.6.2.1.3 c) 2)
寸法測定及び時間測定
4.6.2.1.3 d) 1)
実際的試験
4.6.2.1.3 d) 2)
構造確認及び実際的試験
4.6.2.1.3 d) 3)
4.6.2.1.3 e) 寸法測定又はJIS B 9718に基づく構造確認
4.6.2.1.3 f) 寸法測定及び構造確認
4.6.2.1.4 a) 構造確認及び駆動による確認
4.6.2.1.4 b) 識別確認
4.6.2.2.1 JIS B 9960-1に基づく構造確認及びJIS B 9960-1の箇条18に基づく検証
4.6.2.2.2 JIS C 0920に基づく構造確認
4.6.3 a) JIS B 9650-2の6.2に基づく検証
4.6.3 a) 1)4)寸法測定
4.6.3 a) 5) 構造確認
4.6.3 b) JIS B 9650-2の6.4に基づく検証
4.6.3 c) 構造確認
4.6.5 JIS B 9700の6.4,JIS B 9650-1の箇条8,及びJIS B 9650-2の6.9.2に基づく検証
4.6.5 切断機の使用上の情報
切断機の使用上の情報は,JIS B 9700の6.4による。また,取扱説明書は,JIS B 9650-1の箇条8及び
JIS B 9650-2の6.9.2による。
JIS B 9654:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 67 : 食品技術 > 67.260 : 食品製造工場及び設備
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.110 : 機械の安全
JIS B 9654:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9650-1:2011
- 食料品加工機械の安全及び衛生に関する設計基準通則―第1部:安全設計基準
- JISB9650-2:2011
- 食料品加工機械の安全及び衛生に関する設計基準通則―第2部:衛生設計基準
- JISB9700:2013
- 機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減
- JISB9703:2019
- 機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
- JISB9705-1:2019
- 機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
- JISB9710:2019
- 機械類の安全性―ガードと共同するインターロック装置―設計及び選択のための原則
- JISB9712:2006
- 機械類の安全性―両手操作制御装置―機能的側面及び設計原則
- JISB9713-3:2004
- 機械類の安全性―機械類への常設接近手段―第3部:階段,段ばしご及び防護さく(柵)
- JISB9716:2019
- 機械類の安全性―ガード―固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事項
- JISB9718:2013
- 機械類の安全性―危険区域に上肢及び下肢が到達することを防止するための安全距離
- JISB9960-1:2019
- 機械類の安全性―機械の電気装置―第1部:一般要求事項
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)