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搬器が直接又は間接的に連結(一時的な着脱を含む。)され,連結順序が変化することなく移動する装置。
なお,必要な場合は,垂直方向に循環する垂直循環装置,水平面で循環する水平循環装置,複数の層(上
下の複数層に搬器が配列された構造)で循環する多層循環装置とに,細分する。
3.17
旋回装置
入出庫の自動車及び搬器の方向と駐車室の方向とを一致する,又は前進運転で自動車を入出庫するため
の,機械式駐車装置内の水平面で自動車及び搬器を転向する装置。
なお,必要な場合は搬器を旋回中心に置き,その周囲の円形状の床とともに旋回する搬器内蔵旋回装置,
搬器だけ旋回する搬器旋回装置,及び搬器の旋回に必要な乗降領域床面との上下隙間を得るための搬器昇
降装置を備えた昇降付搬器旋回装置に細分する。
3.18
方向転換装置
自動車の進行方向を変えるために前庭などに設ける円形状の床が水平面で回転する装置で,機械式駐車
装置には含まれない装置。
3.19
入庫
前庭から駐車を目的とする自動車は運転して,自動二輪車は運転又は人力で押して乗降領域の搬器に乗
入れ,所定の作業の後に乗降領域から退出し,機械式駐車設備を作動してもよい状態にするまでの人の作
業。
3.20
出庫
駐車していた自動車などを退出するために乗降領域に入場し,自動車は運転によって,自動二輪車は運
転又は人力で押して乗降領域から退出し,機械式駐車設備を作動してもよい状態にするまでの人の作業。
3.21
入出庫
入庫及び出庫の両方又はいずれかの作業。入庫・出庫を明確に区分けする必要がないときに用いる。
3.22
格納
入庫した自動車などを駐車領域に搬送し,所定の駐車室に格納する動き。ただし,垂直循環装置のよう
に格納のための作動をしない装置もある。
3.23
取出し
出庫のための自動車などを駐車領域から乗降領域に搬送し,出庫を可能にする機械式駐車装置の動き。
3.24
自動車
四輪の自動車。ただし,荷台の上方が開放された貨物自動車を除く。
3.25
電気自動車
駐車中に外部からの給電で充電し,その電気エネルギーによって走行する自動車(EV)及び内燃機関に
加え外部から給電するタイプのプラグインハイブリッド車(PHV)を総称した自動車。
――――― [JIS B 9991 pdf 6] ―――――
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B 9991 : 2017
なお,細分しない場合は自動車に含む。
3.26
自動二輪車
二輪の自動車。
注記 側車付きのものは含まない。
3.27
(自動車などの)車長,車幅及び車高
自動車などの外形寸法で,最も長いところの長さが車長,最も広いところの幅が車幅及び最も高いとこ
ろの高さが車高。
なお,これらの外形寸法は,次による。
a) ドア,荷物室扉などは閉じた状態での寸法。
b) 外部後写鏡は車幅に含まない。
3.28
(自動車などの)車重
自動車などの車重は,燃料,潤滑油,冷却水などは定められた全量を搭載し,乗員,積荷,工具及びス
ペアタイヤなどは含まない空車状態の車両質量。
3.29
出入口扉
入出庫で自動車などと人とが,又は自動車などだけが入退出するのに用いる,乗降領域と前庭との間の
扉。
3.30
区画扉
乗降領域と駐車・搬送領域又は複数の機械式駐車装置とを区画する,自動車などが通過する扉。自動車
などと人とが通過するものと,自動車だけが通過するものとがある。
3.31
通路扉
機械式駐車装置の乗降領域と,そこに接する外部(例えば,前庭,待合場所など)との移動のために,
利用者及び許可を得ている人が利用する人用の扉。
3.32
作業用扉
機械式駐車装置の内部区画(例えば,乗降領域と駐車・搬送領域との間)又は隣接する機械式駐車装置
との区画(例えば,駐車・搬送領域どうしの間)の移動のために,許可を得ている人だけが利用する扉。
3.33
非常用扉
火災などの非常時に,駐車・搬送領域などから機械式駐車設備の外に人が避難するための扉。
3.34
避難口ハッチ
火災などの非常時に,駐車・搬送領域などから上階又は下階に人が避難するための床面のハッチ。
3.35
管理責任者
――――― [JIS B 9991 pdf 7] ―――――
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B 9991 : 2017
機械式駐車場又は機械式駐車設備ごとに,その機械式駐車場又は機械式駐車設備の運営・管理を行う人。
3.36
取扱者
自動車などの格納又は取出しをするために,機械式駐車設備の操作を行う人。
3.37
利用者
駐車を目的として,自動車などを入出庫する人。
3.38
同乗者
駐車を目的とした自動車などの乗員のうち,利用者以外の人。
3.39
保守員
製造会社,保守会社,管理運営会社などに属して作業を行う,機械式駐車設備の保守・保全に関する適
切な知識・技量を備えた人。
3.40
作業者
製造会社,工事会社,保守会社などに属して作業を行う,機械式駐車設備の調整・試運転に関する適切
な知識・技量を備えた人。
3.41
外部者
機械式駐車場の運用開始から運用中止までの期間において,取扱者,利用者,同乗者,保守員及び作業
者を除く,機械式駐車設備の周辺に存在する人(第三者)。
3.42
(縦又は横)列式
一つ一つが機械式駐車装置になり得る装置を連結して一つにした機械式駐車設備。必要な場合は入庫方
向に連なるものを縦列式,入庫方向の側方に連なるものを横列式という。
さらに,三つ以上連結の場合は,装置の数を加え,例えば,3縦列のように細分する。
なお,列数を示さない場合は多列という。また,多列の中の一つの装置を列機という。
3.43
バース式
駐車・搬送領域と乗降領域とを区画扉で分離する,閉鎖型又は開放型の乗降領域をもつ機械式駐車装置。
3.44
自動制御
一つの操作によって,並列又は連続する複数の作動を行う制御方式。
3.45
単動制御
一つの操作によって,一つの作動を行う制御方式(ホールド・ツゥ・ランは,この単動制御に含む。)。
3.46
無人確認入力器
入出庫後に乗降領域に人がいないことを,利用者が自ら確認したことを入力する装置。
――――― [JIS B 9991 pdf 8] ―――――
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3.47
起動許可装置
機械式駐車設備を起動する前に,利用者が無人確認入力器(3.46)の入力を実行したことを取扱者が確
認し,入力する装置。
4 リスクアセスメント
この規格は,代表的な機械式駐車設備(代表的な機械式駐車装置は,附属書B参照)での通常使用,調
整・試運転作業及び保守・点検作業で存在する危険源についてリスクアセスメントを行い,JIS B 9700の
箇条4(リスクアセスメント及びリスク低減のための方法論)のリスク低減プロセスを繰り返し適用して
得られた結果を,箇条5の安全要求事項とした。そのリスクアセスメントによって得られた存在する危険
源を,附属書Cの重要な危険源のリストに示す。しかし,構築物である機械式駐車設備は,その固有の設
計,意図する使用又は合理的に予見可能な誤使用の結果として,この規格で想定していない危険源が存在
する可能性があり,附属書Cのリストが全ての危険源を網羅しているとは限らない。
このことから,機械式駐車設備は次の事項を考慮して各々の機械式駐車設備の設計ごとに,この規格で
想定していない危険源に対して,危険源の同定プロセスを実施しなければならない。
− 機械式駐車設備の利用形態(例えば,住宅用,時間貸しなど)の違い
− 同乗者又は外部者が,機械式駐車設備の中に入場する又は侵入する可能性
− 利用者又は同乗者が,機械式駐車設備の中に居残る可能性
− 危険源への暴露を想定する利用者,同乗者,外部者などの,人の属性又は知識のレベル差
− 危険源への暴露を想定する利用者,同乗者,外部者などの,人の予期せぬ行動
− 屋外に設置する機械式駐車設備の環境条件の違い
危険源の同定プロセスによって見つかる危険源に対しては,許容できるリスクレベル以下とするために,
3ステップメソッド(本質的安全設計方策,安全防護・付加保護方策,及び使用上の情報)によってリス
クを除去又は低減しなければならない。
リスクアセスメントで得た方策が,この規格に規定のない方策であっても,リスクを除去又は低減でき
る場合には,リスクアセスメントで得た方策を適用してもよいが,これらの方策は,少なくともこの規格
に規定する方策と同等のレベルに,リスク低減できるものでなければならない。
注記 JIS B 9700は,危険源の同定及びリスク低減を実行する場合の要求事項及び指針を与える。
5 安全要求事項
5.1 一般事項
機械式駐車設備は,この箇条(箇条5)の安全要求事項に適合しなければならない。また,リスク低減
を実行する際に,機械式駐車設備の入出庫に要する時間などの円滑性を考慮する。
さらに,関連するが重要でないために,この規格で扱っていない危険源に関しては,JIS B 9700の3ス
テップメソッドに従って設計しなければならない。
この規格の安全要求事項の代表的な機械式駐車設備への適用を,附属書Dに示す。
注記 JIS B 9700の箇条4では,リスク低減プロセスを実行する際の要因の一つとして,機能を遂行
するための機械の能力があり,機械式駐車設備においては円滑性がこれに該当する。
次に示す機械式駐車設備は,それぞれの個別要求事項に適合するように設計する。
a) 自動二輪車対応の機械式駐車設備は,附属書Gによる。
――――― [JIS B 9991 pdf 9] ―――――
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B 9991 : 2017
b) 車椅子使用者対応の機械式駐車設備は,附属書Hによる。
c) 乗降領域で同乗者を乗降してもよいとする機械式駐車設備は,附属書Iによる。
d) 駐車中の充電を想定する電気自動車対応の機械式駐車設備は,附属書Jによる。
5.2 前庭
前庭は,次による。
a) 前庭は,入出庫の自動車を待機又は転向するのに必要な広さとする。
b) 前庭に方向転換装置を設ける場合は,固定の床面と方向転換装置とが同一平面上で旋回する方式とし,
附属書Kによる。
5.3 固定の囲い及び扉
機械式駐車装置と外部とを区画する外囲い,並びに乗降領域と他の領域とを区画する固定の囲い及び扉
(出入口扉,区画扉,非常用扉,通路扉及び作業用扉)は,次による。
5.3.1 固定の囲い及び扉の面
機械式駐車装置と外部とを区画する外囲い,並びに乗降領域と他の領域とを区画する固定の囲い及び扉
の面の構造は,次による。
a) 固定の囲い及び扉の面は,人の乗越えを抑止するために足掛けしにくい面とし,格子の面を用いると
きは,つま先が掛けられないように縦桟の内寸を50 mm以下とする。
b) 固定の囲い及び扉の面からの人の侵入を抑止するために,隙間(例えば,桟の内寸,囲いと囲いとの
隙間,扉と固定の囲いとの隙間,囲いの下端と設置面との隙間,囲いの上端と建造物との隙間など)
は,直径110 mmの球体が通過できない寸法とする。
c) 固定の囲い及び扉の面からの人の侵入を抑止するために,面の開口は避けなければならない。ただし,
やむを得ず開口を設ける場合は,130 mm×200 mm(両丸)を超えない寸法とする。
d) 固定の囲い及び扉の面に挿入する子供の上肢が機械式駐車装置の危険源に到達しないように,固定の
囲い及び扉の面の外面から危険部位までの距離は,JIS B 9718:2013の表5(定形開口部通過の到達−3
歳以上の人)の安全距離を満たすものとする。
5.3.2 人の押し潰し,巻込み又は切断のおそれのある部位
人の押し潰し,巻込み又は切断のおそれのある危険部位[スプロケット,車輪などの回転部,ガイドシ
ューなどのしゅう(摺)動部]に,人の手指又は下肢が固定の囲い及び扉の面から挿入しても危害を受け
ないように,次のいずれかの方法による。
a) 人の押し潰し,巻込み又は切断の危険源に子供の手指又は下肢が到達しないように,固定の囲い及び
扉の面の隙間から危険部位までの距離は,JIS B 9718:2013の表5による。
b) 身体の一部が危険部位に接触する前に作動する検知装置を設けて,これが作動したときには装置は停
止するものとする。
5.3.3 通路扉,非常用扉及び作業用扉
機械式駐車装置と外部とを区画する外囲い,並びに乗降領域と他の領域とを区画する囲いに用いる通路
扉,非常用扉及び作業用扉は,次による。
a) 通路扉,非常用扉,及び乗降領域と他の領域との間に設ける作業用扉は,クローザ(自動閉鎖)付の
扉とし,全閉したときには自動的にロックする構造でなければならない。
b) 乗降領域に設ける通路扉及び非常用扉は乗降領域側から外に向かって,駐車・搬送領域に設ける非常
用扉は駐車・搬送領域側から外に向かって,さらに,乗降領域と他の領域とを区画する作業用扉は乗
降領域側に向かって,鍵を用いなくても開く片開き戸又は引き戸とする。
――――― [JIS B 9991 pdf 10] ―――――
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JIS B 9991:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 91 : 建設材料及び建築物 > 91.140 : 建築物の付帯施設 > 91.140.99 : その他の建築物付帯施設
JIS B 9991:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9700:2013
- 機械類の安全性―設計のための一般原則―リスクアセスメント及びリスク低減
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC60364-5-54:2006
- 建築電気設備―第5-54部:電気機器の選定及び施工―接地設備,保護導体及び保護ボンディング導体
- JISC8201-5-5:2008
- 低圧開閉装置及び制御装置―第5部:制御回路機器及び開閉素子―第5節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非常停止機器
- JISG3106:2015
- 溶接構造用圧延鋼材
- JISG3106:2020
- 溶接構造用圧延鋼材
- JISG3114:2016
- 溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材
- JISG3128:2009
- 溶接構造用高降伏点鋼板
- JISG3136:2012
- 建築構造用圧延鋼材
- JISG3444:2015
- 一般構造用炭素鋼鋼管
- JISG3444:2021
- 一般構造用炭素鋼鋼管
- JISG3445:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼管
- JISG3445:2021
- 機械構造用炭素鋼鋼管
- JISG3466:2015
- 一般構造用角形鋼管
- JISG3466:2021
- 一般構造用角形鋼管
- JISZ3104:1995
- 鋼溶接継手の放射線透過試験方法