JIS B 9991:2017 機械式駐車設備の安全要求事項 | ページ 3

                                                                                              9
B 9991 : 2017
c) 乗降領域の外側から通路扉又は非常用扉を開ける場合は,鍵を用いないと開かないものとする。ただ
し,人の入退場に通路扉だけを用いる機械式駐車設備では,自動的に開作動する通路扉としてもよい。
d) 機械式駐車設備の外側から非常用扉を開ける場合,又は乗降領域側から作業用扉を開ける場合は,鍵
を用いないと開かないものとする。
e) 通路扉,非常用扉及び作業用扉の開口高さは,1 900 mm以上とする。
f) 外部から人を視認できる開放型の機械式駐車設備,又は開放型の乗降領域をもつ機械式駐車設備を除
き,乗降領域,駐車・搬送領域などにいる人が外部に退出できるよう,非常用扉(又は非常用脱出手
段)を設けるのがよい。
5.3.4 避難口ハッチ
避難口ハッチは,次による。
a) 避難口ハッチは,無孔構造とする。
b) 避難口ハッチは,機械式駐車設備の外側からは鍵又は工具で開くものとし,閉じたときには自動的に
ロックする構造とする。
c) 避難口ハッチは,機械式駐車設備の内側からは工具を用いなくても手動又は自動でロックが解除する
ものとし,外側に向かって開く構造とする。

5.4 機械式駐車装置の区画

5.4.1  一般事項
機械式駐車装置と外部とは,外囲いで区画しなければならない。ただし,次のいずれも満たす機械式駐
車装置では,区画しなくてもよい。
a) 作動する装置がいかなる位置で停止しても,人が墜落する高さが乗降領域の床面から500 mmを超え
る場所が,乗降領域にはないもの。
b) 乗降領域及び駐車・搬送領域での装置の作動範囲が,操作する場所で視認できるもの。
5.4.2 駐車・搬送領域と外部とを区画する外囲い
駐車・搬送領域と外部とを区画する外囲いは,次による。
a) 区画しなければならない機械式駐車装置(5.4.1参照)は,外部から人が侵入できないように,駐車・
搬送領域には,5.3による外囲い(壁,フェンスなどの固定の構造物,及び必要な場合に設ける扉)を
設けなければならない。
b) 外囲いは,人が囲いを乗り越える又は身体を乗り出すことによって,機械式駐車装置の作動で危害を
受けないように,囲いの面の外側から500 mmの幅において,最も高い床面から1 800 mm以上の高さ
とする。また,水平安全距離は,JIS B 9718:2013の表1(保護構造物越えの到達−低リスク)による。
ただし,乗降領域の区画と駐車・搬送領域の外囲いとを兼ねる構造の機械式駐車装置では,出入口扉
は5.5.1(乗降領域の区画)の高さとしてもよい。

5.5 乗降領域

  乗降領域は,次による。
a) 乗降領域は,入出庫のための搬器,自動車の通過部分及び入出庫のために歩行する人の通路で構成す
る。ただし,縦列式の機械式駐車設備では,自動車の通過部分に前側機の搬器を含んでもよい。
b) 乗降領域は,区画を設けなくてもよい機械式駐車設備(5.4.1参照)を除き,乗降領域と接する外部及
び他の領域とを区画しなければならない。
5.5.1 乗降領域の区画
5.5.1.1 固定の囲い及び扉での乗降領域の区画

――――― [JIS B 9991 pdf 11] ―――――

10
B 9991 : 2017
固定の囲い及び扉での乗降領域の区分けは,次による。
a) 乗降領域を構成する装置に次のいずれかの装置を含む機械式駐車装置の乗降領域の区画は,高さ1 800
mm以上の固定の囲い及び扉(5.3参照)としなければならない。ただし,b) f) 及び5.5.1.2を適用
する機械式駐車装置の場合は,それぞれの規定による。
1) 昇降搬送装置,垂直循環装置又は搬器旋回装置を含む機械式駐車装置
2) 搬器と搬送装置とが分離する水平搬送装置,又は水平搬送装置と搬器内蔵旋回装置とを含む機械式
駐車装置
3) 水平搬送装置だけを備える,搬器が搬送装置と一体構造の機械式駐車装置
b) 乗降領域となる各列の搬器ごとに固定の囲い及び出入口扉で区画する開放型の機械式駐車設備で,次
のいずれも満たす場合には,出入口扉の高さを1 100 mm以上1 800 mm未満としてもよい。また,各
列を搬器ごとに区分けする固定の囲いの高さも1 100 mm以上1 800 mm未満としてもよい。
1) 機械式駐車装置が通常停止しているときに,人が墜落する高さが乗降領域の床面から500 mmを超
える場所が,乗降領域及び乗降領域から人が移動できる場所には生じない。
2) 自動制御でも,単動制御の作動速度[5.7.3 b) 参照]を超えない。
3) 扉乗越え検知装置(5.7.6.4参照)を設けている。
c) 閉鎖型の縦列式の機械式駐車設備では,前側機と奥側機との間を固定の囲い及び区画扉,又は区画扉
だけで区画しなければならないが,区画の高さは,次による。
1) 区画扉が全閉のときに,奥側機の作動と前側機の入出庫とを同時に行う縦列式では,前側機と奥側
機との間の固定の囲い及び区画扉の高さは,1 800 mm以上とする。
2) 外囲いとしての出入口扉の高さが1 800 mm以上の縦列式で,前側機で入出庫しているときには奥
側機を作動しない場合には,前側機と奥側機との間の固定の囲い及び区画扉の高さを1 100 mm以
上1 800 mm未満としてもよいが,区画扉に扉乗越え検知装置(5.7.6.4参照)を設けるものとする。
d) 開放型の縦列式の機械式駐車設備では,前側機と奥側機との間を固定の囲い及び区画扉,又は区画扉
だけで区画しなければならないが,b) の1)3) を満たす区画扉の場合は,区画の高さを1 100 mm以
上1 800 mm未満としてもよい。
e) バース式の乗降領域で次の全てを満たすものは,乗降領域と駐車・搬送領域との間の区画を除き,固
定の囲い及び扉の高さを1 100 mm以上1 800 mm未満としてもよい。
1) ) の2) 又は3) の機械式駐車装置
2) 乗降領域と駐車・搬送領域とを,高さ1 800 mm以上又は壁の開口部を塞ぐ閉鎖型の区画扉で分離
している。
なお,出入口扉及び区画扉は,上方開き又は水平開きの扉とするのがよい。
3) 乗降領域を構成する装置がいかなる位置で停止しても,人が墜落する高さが乗降領域の床面から
500 mmを超える場所が,乗降領域にはない。
4) 乗降領域を構成する装置での人の押し潰し,巻込み又は切断の危険源に,固定の囲い及び扉の上端
から人が身体を乗り出しても上肢が到達しない距離を確保している,又は到達しても重度の危害を
受けるおそれが低い。
5) 固定の囲い,出入口扉,通路扉などは,隙間から人の上肢及び手指を挿入しないような,無孔構造
である。ただし,有孔構造の場合は,子供の上肢又は手指が面の隙間から危険源に到達しないよう
に,JIS B 9718:2013の表5の安全距離を満たしている。
6) 区画扉がいかなる位置で停止しても,人が墜落する高さが,乗降領域又は駐車・搬送領域の床面か

――――― [JIS B 9991 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
B 9991 : 2017
ら500 mmを超える場所が,乗降領域の床に接する駐車・搬送領域には生じない。ただし,500 mm
を超える場所が生じる場合は,110 mmの球体が通過できない隙間とする,130 mm以下×200 mm
以下(両丸)の開口とする,110 mmの球体が通過できない内寸の縦桟で,高さ1 100 mm以上の防
護柵を設けるなどで,人の墜落を抑止していてもよい。
なお,駐車・搬送領域の固定の囲いの面,昇降搬送装置の支持構造物などの隙間から子供が墜落
しないように,駐車・搬送領域の床面から1 100 mmの高さまでは,110 mmの球体が通過できない
隙間とする。
7) 乗降領域の床に接する駐車・搬送装置側には,許可を得ている人を除き移動できないように,通路
又は昇降設備がない,5.3.3に規定の作業用扉がある,又は5.6.5.1 b) に規定の昇降設備があるなど
とする。
f) バース式の乗降領域で次のいずれも満たすものは,出入口扉を設けなくてもよい。
1) ) の3) 及びe) を満たす機械式駐車装置
2) 自動車が入出庫する乗降領域の出入口部分には,出入口扉に代えて3ビーム以上の光ビーム装置又
は光カーテンを用いた乗降領域を区画する検知装置(5.7.6.1参照)を設けている。
注記1 検知装置が作動してから装置が停止するまでの時間,及び人の接近速度及び危険源までの
距離とによっては危険回避できない。
注記2 3ビーム以上でも人の上肢又は手指の挿入は可能で,危険源に到達するおそれがある。
5.5.1.2 検知装置での乗降領域の区画
検知装置での乗降領域の区画は,次による。
a) 次を全て満たす機械式駐車設備は,乗降領域と駐車・搬送領域とを検知装置で区画してもよい。
1) 開放型の機械式駐車設備である。
2) 自動制御でも,単動制御の作動速度[5.7.3 b) 参照]を超えない。
3) 駐車・搬送領域に直接入出庫する機械式駐車設備では,乗降領域に用いる各列又は複数列を一つと
する多列の出入口扉を設けている。
4) 機械式駐車装置が通常停止しているときに,乗降領域の床面と同じレベルの全ての搬器に対して,
搬器と搬器との間,及び搬器と外囲いとの間に,乗降領域を区画する検知装置を設けている。
b) ) を適用する機械式駐車設備で,次のいずれも満たす場合には,出入口扉の高さを1 100 mm以上1 800
mm未満としてもよい。
1) 機械式駐車装置が通常停止しているときに,人が墜落する高さが乗降領域の床面から500 mmを超
える場所が,乗降領域及び乗降領域から人が移動できる場所には生じない。
2) 扉乗越え検知装置(5.7.6.4参照)を設けている。
c) ) を適用する縦列式の機械式駐車設備の前側機と奥側機との区画には,固定の囲い及び区画扉,又は
区画扉に代えて,乗降領域を区画する検知装置[5.7.6.1 b) 参照]を用いてもよい。
5.5.2 乗降領域の寸法及び構造
5.5.2.1 自動車の通過部分
自動車の通過部分は,次による。
a) 出入口扉から又は出入口扉に相当する位置から搬器に載るまでの自動車の通過部分は,自動車の車幅
に500 mmを加えた幅以上とする。ただし,柱,チェーンなどの局部的な狭あい部が構造上避けられ
ない場合は,400 mmを加えた幅以上としてもよい。
b) 搬器の長さ範囲では,自動車の車幅に500 mmを加えた幅以上とする。ただし,搬器を連結する柱,

――――― [JIS B 9991 pdf 13] ―――――

12
B 9991 : 2017
チェーンなど,機械式駐車装置の構造上避けられない部分は局部的な狭あい部としてもよく,その幅
は車幅に150 mmを加えた幅以上とする。
c) 自動車の通過する部分の高さ,出入口扉及び区画扉の開口高さは,自動車の高さに50 mmを加えた寸
法で,かつ,1 600 mm以上としなければならない。
なお,自動車の通過部分を人の通路として併用する場合は,1 900 mm以上の高さとしなければなら
ない。
5.5.2.2 乗降領域の人の通路
乗降領域の人の通路は,次による。
a) 通路の位置 乗降領域の人の通路は,自動車の両側方に設けなければならない。ただし,片側だけに
しか通路を設けることのできない機械式駐車装置では,右ハンドル車の運転席側に通路を設けるもの
とするが,左ハンドル車を対象とする場合は,左ハンドル車の運転席側としてもよい。
b) 乗降領域で人の接近を制限する場所には,110 mmの球体が通過できない内寸の縦桟で,高さ1 100 mm
以上の防護柵を設けなければならない。
c) 通路の幅 乗降領域の人の通路の幅は,次による。
1) 人の通路の内のり幅は500 mm以上,床面の幅は300 mm以上とする。
なお,床面の幅の内側にある40 mm以下の隙間は,床面とみなしてもよい。
2) 機械式駐車装置の構造上,人の通路の内のり幅が一部分で500 mm以上を満たせない場合の狭あい
部は,次による。
− 狭あい部の通路の内のり幅は,300 mm以上とする。
− 狭あい部の長さは300 mm以下で,狭あい部どうしの間隔は2 000 mm以上とする。
− 狭あい部の床面は,幅が130 mm以上の床面が1列又は2列あるものとする。
3) 自動車の前角部が人の通路に接する場合は,前角部に250 mm×250 mmの平面すみ切りを想定して
もよい。
なお,当該部の通路の内のり幅は,300 mm以上としてもよい。
d) 通路の高さ 乗降領域の人の通路の高さは,1 900 mm以上とする。
e) 危害及び汚損の保護 乗降領域の人の通路での危害及び汚損の保護は,次による。
1) 少なくとも乗降領域の床面から1 900 mmまでの高さの範囲にある鋭利な端部,鋭角部,粗い表面
などは,歩行する人の身体に危害を与えないように,適切に処理する。
2) 乗降領域の人の通路では,衣服などが汚損するおそれのある部分には,身体が直接触れないものと
する。
5.5.2.3 乗降領域の床面
乗降領域の床面は,次による。
a) 床面の隙間 乗降領域の床面の隙間は,次による。
1) 乗降領域で人の通路とする場所の床面の隙間は,20 mm以下とする。ただし,構造上避けられない
(例えば,可動部と可動部又は固定部との隙間)場合は40 mm以下としてもよい。
2) 乗降領域で人の通路としない場所の床面の隙間は40 mm以下とする。ただし,構造上避けられない
場合には,110 mm以下の隙間としてもよい。
なお,500 mmを超える深さの場所で,40 mmを超える隙間には,100 mm以上の,最低でも30 mm
以上の高さのつま先板を設けるものとする。
b) 床面の段差及び凹凸 乗降領域の床面の段差及び凹凸は,次による。

――――― [JIS B 9991 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
B 9991 : 2017
1) 乗降領域の床面の段差は,設けないものとする。ただし,構造上段差が避けられない場合,蹴上高
さは230 mm以下とする。
2) 乗降領域の床面の凹凸は,6 mm以下とする。ただし,構造上避けられない場合は,20 mm以下と
する。
c) 床面の滑り 乗降領域で人の通路とする床面は,材料,加工,塗装などによって,滑りにくいものに
する。
5.5.2.4 乗降領域の開口部
人が墜落する高さが床面から500 mmを超える開口が乗降領域にある場合は,次のいずれかの方法で保
護しなければならない。
a) 無孔の床材で塞ぐものとする。
b) 無孔の床材で塞ぐのが困難な(例えば,移動するケーブルが貫通する。)場合は,110 mmの球体が通
過できない内寸の桟,又は130 mm×200 mm(両丸)を超えない開口とし,さらに,40 mm以上の開
口部の端には,100 mm以上の,最低でも30 mm以上の高さのつま先板を設けるものとする。
c) 110 mmの球体が通過できない内寸の縦桟で,かつ,高さ1 100 mm以上の防護柵を設けるものとする。
5.5.2.5 乗降領域での自動車の墜落保護
入出庫の自動車運転の誤りで自動車が搬器奥側に,又は搬器側方にはみ出したときに,自動車が墜落す
る高さが搬器上面から2 000 mmを超える部分がある機械式駐車装置は,次のいずれかの方法で自動車の
墜落を防護する。
a) 墜落のおそれのある開口の前面に,自動車の墜落防護柵を設けるものとする。
b) 墜落のおそれのある開口を,自動車の墜落を抑止する床又は部材で塞ぐものとする。
5.5.3 乗降領域の安定性
5.5.3.1 乗降領域の搬器
乗降領域の搬器は,次による。
a) 乗降領域の搬器は,入庫の自動車の最大荷重,又は自動車の前輪が負担する荷重が搬器に作用したと
きに,搬器端の落込み若しくは跳ね上がりによる傾斜,又は降下がないように,次の方法を用いなけ
ればならない。
なお,搬器の変形,及びチェーン若しくはロープの伸びを含む搬器の傾斜又は降下によって,自動
車が通過する側の搬器端での段差が50 mmを超えてはならない。
1) 搬器固定装置を設けて,入庫の自動車の最大荷重,又は自動車の前輪が負担する荷重が搬器に作用
したときに,搬器の傾斜又は降下を抑制する。
なお,この搬器固定装置は,c) の1) の搬器降下制限装置を兼ねてもよい。
2) 入庫の自動車の前輪が負担する荷重が搬器に作用したときに,搬器の質量で跳ね上がりを抑止する。
3) トラクション式を用いた昇降搬送装置では,入庫の自動車の最大荷重,又は自動車の前輪が負担す
る荷重が搬器に作用したときに,ロープの滑りで搬器が降下又は傾斜しないように,摩擦力に適切
な余度を見込まなければならない。
b) 乗降領域の搬器は,入出庫する自動車の下面での引きずり,自動車の停止時のブレーキ力,又は発進
時の加速力によって定常位置から逸脱しないように,次の方法で抑止しなければならない。
1) ガイドのない搬器を用いる昇降搬送装置は,入出庫における自動車の発進,停止及び引きずりで搬
器がずれないように,搬器固定装置を備えなければならない。
なお,この搬器固定装置は,c) の1) の搬器降下制限装置を兼ねてもよい。

――――― [JIS B 9991 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS B 9991:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 9991:2017の関連規格と引用規格一覧