JIS D 2609:2002 自動車―非鉱油系液圧ディスクブレーキのゴムシール | ページ 2

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5. 材料

 シールに用いる材料の性質は,7.によって試験をしたとき,表3によることが望ましい。
表 3 材料の性質
項目 性質 試験方法
常態 硬さ IRHD 70±5又は75±5 7.1による。
引張強さ MPa 10以上
伸び % 1種 : 200以上 2種 : 140以上
老化性 硬さ変化 IRHD 0+15 7.2による。
引張強さ変化率 % 40以下
(低下率)
伸び変化率 % 40以下
(低下率)
圧縮永久ひずみ 圧縮永久ひずみ % 30以下 7.3による。
耐液性 体積変化率 % 0+15 7.4による。
引張強さ変化率 % 40以下
(低下率)
伸び変化率 % 40以下
(低下率)
硬さ変化 IRHD −150

6. 性能試験方法

6.1 常態試験

6.1.1  試験品 硬さ試験に用いる試験品は,2個以上のシールとする。
6.1.2 試験装置 試験装置は,JIS K 6253の4.(国際ゴム硬さ試験)に規定するM法に用いるマイクロ
サイズ国際ゴム硬さ計とする。
6.1.3 試験方法 硬さの測定は,JIS K 6253の4.5.2(操作方法)に規定する方法によって行う。
6.1.4 試験結果のまとめ方 試験結果のまとめ方は,JIS K 6253の4.6(国際ゴム硬さ試験の試験結果の
まとめ方)に規定するように,3点又は5点の測定値の中央値をJIS Z 8401によって丸め,整数位で表す。
測定値の平均値を報告する。

6.2 老化性試験

6.2.1  試験品 試験品は,2個以上のシールとする。
6.2.2 試験装置 試験装置は,次による。
a) 試験装置は,JIS K 6257 の4.2(空気加熱老化試験の試験装置)に規定するギヤ式老化試験機又はこ
れに準じた装置による。
b) 硬さ試験機は,6.1.2に規定する装置による。
6.2.3 試験条件 試験条件は,表4による。
表 4 老化性試験条件
シールの種類 試験温度 試験時間
℃ h
1種 120±2 70±1
2種 150±2 70±1
ただし, 受渡当事者間の協定によって175 ℃±2 ℃ で22 h±1 hでもよい。

――――― [JIS D 2609 pdf 6] ―――――

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6.2.4 試験方法 試験方法は,次による。
a) 試験操作は,表4に規定する条件によって,JIS K 6257の4.4.2(空気加熱老化試験の操作方法)に規
定する方法で行う。
b) 硬さの測定は,6.1.3に規定する方法で行う。
c) シールの状態の観察は,シールの表面状態を観察し,粘着,膨れ,割れ,変形など異常の有無を調べ
る。
6.2.5 計算 硬さ変化は,次の式によって計算する。
ΔH=H2−H1
ここに, ΔH : 硬さ変化 (IRHD)
H1 : 試験前の硬さ (IRHD)
H2 : 試験後の硬さ (IRHD)
6.2.6 試験結果のまとめ方 硬さ変化は,6.2.5の計算によって求められた値を,整数位でまとめて平均
値を報告する。

6.3 耐液性試験

6.3.1  試験品 試験品は,次による。
a) 試験品は,2個以上のシールとする。
b) シールは,製造後30 ℃以下の温度に保存されていた場合には6か月以内,製造後−15 ℃以下の温度
に保存されていた場合には,製造後36か月以内のものを使用する。
冷凍室から取り出したシールは,本来の形状に戻るまで室温で少なくとも12時間以上は平板上に放
置する。
c) 試験品の洗浄は,イソプロピルアルコール又はエチルアルコール(以下,この両者をアルコールとい
う。)で30秒以内に洗浄し,繊維質及びごみを除き,乾燥させる。
6.3.2 試験装置 試験装置は,次による。
a) 硬さ試験機は,6.1.2に規定する装置による。
b) 試験容器は,はかり瓶と耐圧容器とからなり,形状及び寸法の一例を図1に示す。
なお,材料及び種類が異なる試験品を同一の容器に入れてはならない。

――――― [JIS D 2609 pdf 7] ―――――

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単位 mm
図 1 耐液性試験容器(例)
6.3.3 試験条件 試験条件は,表5による。
表 5 耐液性及び沈殿試験条件
シールの種類 試験温度 試験時間 試験液
℃ h
1種 120±2 70±1 JIS K 2233に適合する液又は受渡当事者間の協定によって定め
2種 150±2 70±1 た液。
6.3.4 試験方法 試験方法は,次による。
a) 浸せき シールの空気中の質量 (m1) を1 mgまで量り,次に,室温の蒸留水中における見掛けの質量
(m2) を量った後,アルコールに浸し,速やかに取り出し,乾いた布でふいて水分を除く。引き続きシ
ールをはかり瓶に入れ,試験液75 mlを加え,ふたをして耐圧容器の中に置く。
なお,材料及び種類の異なる試験品を同一容器に入れて試験してはならない。耐圧容器のふたを密
封し,表5に示す条件で空気槽中に保持する。浸せき終了後,シールを同種類の新しい試験液中に約
30分間浸し,室温まで冷却する。
次に,これをアルコールで洗い,付着した試験液を洗い落とした後,乾いた布でアルコールをふき
とる。
b) 体積変化の測定 a)の方法で試験を行った後,直ちにシールの空気中の質量 (m3) を量り,更に室温
の蒸留水における見掛けの質量 (m4) を量る。
c) 硬さ変化の測定 浸せき前のシールの硬さを6.1.3によって測定する。次に,a)の方法で試験を行った
後,浸せき後のシールの硬さを6.1.3によって測定する。
d) シールの状態の観察 a)の方法で試験を行った後,シールの表面状態を観察し,粘着その他異常の有
無を調べる。

――――― [JIS D 2609 pdf 8] ―――――

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備考 c)及びd)における測定及び観察は,冷却後60分以内に行う。
6.3.5 計算 計算は,次による。
a) 体積変化率は,次の式によって算出する。
(m3 m4 ) (m1 m2 )
ΔV= ×100
(m1 m2 )
ここに, ΔV : 体積変化率 (%)
m1 : 浸せき前の空気中の質量 (mg)
m2 : 浸せき前の水中の見掛けの質量 (mg)
m3 : 浸せき後の空気中の質量 (mg)
m4 : 浸せき後の水中の見掛けの質量 (mg)
a) 硬さ変化は,次の式によって算出する。
ΔH=H2−H1
ここに, ΔH : 硬さ変化 (IRHD)
H1 : 浸せき前の硬さ (IRHD)
H2 : 浸せき後の硬さ (IRHD)
6.3.6 試験結果のまとめ方 試験結果のまとめ方は,次による。
a) 体積変化率は,6.3.5 a)の計算によって得られた値を,JIS Z 8401によって丸めて整数位で表し,平均
値を報告する。
b) 硬さ変化は,6.3.5 b)の計算によって得られた値を整数位で表し,平均値を報告する。

6.4 沈殿試験

6.4.1  試験品 試験品は,次による。
a) 試験品は,4 g±0.5 gになるものを二組用意する。大きい場合は切断してもよい。
b) 試験品の洗浄は,6.3.1 c)による。
6.4.2 試験装置 試験装置は,次による。
a) 試験槽は,表5の試験温度を保持できる装置とする。
b) 試験容器は,6.3.2 b)に規定するものを二組用意する。
c) 遠心分離用試験管は,JIS K 2839の図105のI形目盛試験管に規定する遠心分離用試験管とする。
d) 遠心分離器は,JIS K 2503の4.3.(2)(遠心分離器)に規定するものを用いる。
6.4.3 試験条件 試験条件は,表5による。
6.4.4 試験方法 シールをはかり瓶に入れ,試験液75 mlを加え,ふたをして耐圧容器の中に表5に示す
条件で保持した後,室温で24時間±1時間冷却する。その後,液をかき混ぜて沈殿物を均一にし,はかり
瓶から遠心分離用試験管に試験液を移して,JIS K 2503の4.5(試験の手順)(2),(3)の試験操作によって
沈殿量を測定する。
以上の操作を二組それぞれについて行う。
6.4.5 計算及び測定結果のまとめ方 遠心分離用試験管の底の沈殿物の体積を読み,容積百分率を求める。
平均値を沈殿量として報告する。

6.5 金属腐食性試験

6.5.1  試験品 試験品は次による。
a) 試験品は,6.3.1による。
b) 金属試験片は,次の金属試験片を二組用いる。
ぶりき板 JIS G 3303の熱せきぶりき (SPTH)

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鋼 JIS G 3141の1種 (SPCC-B)
アルミニウム JIS H 4000のA2024P
鋳鉄 JIS G 5501の3種 (FC200)
黄銅 JIS H 3100のC2801P
銅 JIS H 3100のC1100P
亜鉛 JIS H 2201の1種 (ZDC1)
金属試験片の大きさは,いずれも表面の総面積20 cm230 cm2(約80 mm×13 mm)のもので,各金属試
験片の一端から6 mmのところに直径4 mm5 mmの穴をあける。穴はやすりで滑らかにする。
6.5.2 試験装置 試験装置は次による。
a) 試験槽は,表6の試験温度を試験時間保持できるものとする。
b) 読取顕微鏡は,市販品で1/100 mmまで測定できるものとする。
c) 硬さ試験機は,6.1.2に規定するものとする。
d) 遠心分離器は,6.4.2 d)に規定するものとする。
e) 遠心分離用試験管は,6.4.2 c)による。
f) ねじ込みふた付きガラス瓶(以下,ガラス瓶という。)は,JIS K 2839の図16のガラス瓶に規定する
ものを2個用いる。ふたはパッキンがなく,有機質でコーティングされていないぶりき製のもので,
中心に直径0.8 mm±0.1 mmの穴を1個あけたものとする。
g) 耐水研磨紙は,JIS R 6253に規定するAw又はCwの320番を用いる。
h) スチールウールは,市販の00番スチールウールを用いる。
6.5.3 試験条件 試験条件は,表6による。
表 6 金属腐食性試験条件
シールの種類 試験温度 試験時間 試験液
℃ h
1種 100±2 120±2 JIS K 2233に適合する液又は受渡当事者間の協定によって定めた液。
2種
6.5.4 試験方法 試験方法は次による。
a) 金属試験片の準備 ぶりき板を除いた全試験片を,耐水研磨紙にアルコールを付けてきず及びへこみ
がなくなるまで研磨する。このとき,異なった金属片は,それぞれ新しい研磨紙を用いる。次いで,
00番スチールウールで磨き,更にアルコールで洗い,乾燥させ,室温でデシケータ中に1時間以上保
つ。研磨後の金属試験片はピンセットで取り扱う。それぞれの金属試験片を0.1 mgまで量り,図2の
ようにぶりき板,鋼,アルミニウム,鋳鉄,黄銅,銅及び亜鉛の順序に各金属試験片の一端にあけた
穴に被覆のない鋼製ボルトを通し,金属と金属とを直接接触させて組み付ける。組み付けた金属試験
片は鋳鉄を中心にして,図2のように金属試験片の自由端から約50 mmのところで約3 mmの間隔が
あくように広げ,ずれないようにボルトで締め付ける。組立金属試験片は,アルコールに浸して洗っ
た後,乾燥させ,室温でデシケータ中に1時間以上保つ。

――――― [JIS D 2609 pdf 10] ―――――

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JIS D 2609:2002の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4930:1978(MOD)
  • ISO 6119:1980(MOD)

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