JIS H 8626:1995 工業用電気ニッケルめっき及び電鋳ニッケル

JIS H 8626:1995 規格概要

この規格 H8626は、鉄鋼及び非鉄金属素地上に工業用の目的で行った,有効面のニッケルめっき及び電鋳ニッケルの有効面について規定。

JISH8626 規格全文情報

規格番号
JIS H8626 
規格名称
工業用電気ニッケルめっき及び電鋳ニッケル
規格名称英語訳
Electroplated coatings of nickel for engineering purposes and electroformings of nickel
制定年月日
1995年2月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 4526:1984(MOD)
国際規格分類

ICS

77.120.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属表面処理 2021
改訂:履歴
1995-02-01 制定日, 2000-09-20 確認日, 2005-10-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS H 8626:1995 PDF [14]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 8626-1995

工業用電気ニッケルめっき及び電鋳ニッケル

Electroplated coatings of nickel for engineering purposes and electroformings of nickel

1. 適用範囲 この規格は,鉄鋼及び非鉄金属素地上に工業用の目的(1)で行った,有効面(2)のニッケルめ
っき(以下,めっきという。)及び電鋳ニッケル(3)(以下,電鋳という。)の有効面について規定する。
注(1) 耐食性,耐磨耗性,肉盛りなどに用いることを目的としたもの。ただし,耐食性を目的とした
めっきにおいても,そのめっき最小厚さがJIS H 8617に規定する値の範囲内である場合には,
その規格による。
(2) 用途上重要な表面をいう。
(3) この規格では電鋳ニッケル自体の品質についてだけ規定し,形状,寸法,精度,母型の材質,
離型処理,離型性,転写性などの電鋳操作及び使用目的に関した特性については規定しない。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の対応国際規格を,付表2に示す。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0400によるほか,次による。
(1) めっきのまま及び電鋳のまま めっき及び電鋳後,機械加工を施さない,又は施していないこと。
(2) 機械加工 めっき表面及び電鋳外面を機械的な方法で切削,研削する加工のこと。
3. めっき及び電鋳の記号 めっき及び電鋳の記号の付け方は,JIS H 0404によるほか,次による。
(1) めっきの記号は,ニッケルの元素記号Niの前に工業用を表すEを付け,ハイフン“−”でつないで
表す。
(2) 電鋳を表す記号はEfとする。
(3) めっき又は電鋳後に,機械加工を施すか否かによって,表1のとおりに分類する。
めっき又は電鋳後に機械加工を施す場合には,ニッケルを表す記号Niに続けてコンマ“,”でつな
いで,機械加工を表す記号Mを記す。
さらに,機械加工法の種類を表す場合は,JIS B 0122に規定した記号を用いる。
なお,めっき前の素地に機械加工を施し,その加工法の種類を示す場合も同様とする。

――――― [JIS H 8626 pdf 1] ―――――

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H 8626-1995
表1 分類及び用途
機械加工による分類 用途例(参考)
めっきのまま 耐食性目的,食品製造装置,ガラス製
造用ローラなど
めっき後機械加工 耐磨耗性目的,シリンダー,シャフト
など
電鋳のまま はく(箔),電気かみそり外刃など
電鋳後機械加工 電鋳金型,軸などの補修肉盛めっきな

4. 品質
4.1 外観 めっき及び電鋳の外観は,8.1によって試験を行い,表面に使用上有害なこぶ,孔,割れなど
の欠陥があってはならない。ただし,めっき及び電鋳後,機械加工を施すものについては,その加工によ
って,これらの欠陥が除かれるものであれば,許容される。
4.2 表面粗さ めっき及び電鋳の表面粗さが指定されている場合には,8.2によって試験を行い,受渡当
事者間で協定した値を満足しなければならない。
4.3 厚さ及び許容差 めっき及び電鋳の厚さは8.3によって試験を行い,指定された厚さ及び許容差を満
足しなくてはならない。めっき及び電鋳で機械加工を施すものについては,厚さ及び許容差は,最終加工
後のものとする。
4.4 めっきの耐食性 めっきの耐食性が指定されている場合には,8.4によって試験を行い,素地金属の
腐食欠陥数又はレイティングナンバが指定された値を満足しなければならない。
4.5 めっきの密着性 めっきの密着性が指定されている場合には,8.5によって試験を行い,めっきに剥
離,膨れなどの密着不良の兆候が現れてはならない。
4.6 硬さ めっき及び電鋳の硬さが指定されている場合には,8.6によって試験を行い,指定された値を
満足しなければならない。
4.7 非破壊検査特性 めっき及び電鋳の表面及び内部を非破壊試験方法で試験する場合には,8.7による。
ただし,この試験の適用及びその結果の判定は,受渡当事者間の協定による。
4.8 めっき及び電鋳の硫黄含有率 めっき及び電鋳に共析された硫黄の含有率は,8.8によって定量分析
を行う。ただし,この分析の適用及びその値については,受渡当事者間の協定による。
4.9 めっき及び電鋳の耐磨耗性 めっき及び電鋳の耐磨耗性は,8.9によって試験を行う。ただし,この
試験の適用及びその値については,受渡当事者間の協定による。
4.10 引張強さ及び伸び めっき及び電鋳の引張強さ及び伸びは,8.10によって引張試験を行う。ただし,
この試験の適用及びその値については,受渡当事者間の協定による。
4.11 繰返し曲げ性 めっき及び電鋳の繰返し曲げ性は,8.11によって試験を行う。ただし,この試験の
適用及びその値については,受渡当事者間の協定によることとし,協定による繰返し曲げ回数以下で破断
してはならない。
4.12 電着応力 めっき及び電鋳の電着応力は,8.12によって試験を行う。ただし,この試験の適用及び
その値については,受渡当事者間の協定による。
5. めっき前の素材の応力除去 鉄鋼素地などに対して,めっき前に応力除去の加熱処理を必要とする場
合,その条件は受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS H 8626 pdf 2] ―――――

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H 8626-1995
6. めっき後の加熱処理 めっきを施した鉄鋼製品に対する水素ぜい性除去及びめっきを施したアルミニ
ウム及びアルミニウム合金製品に対するめっきの密着性向上のための加熱処理を必要とする場合,その条
件は受渡当事者間の協定による。鉄鋼製品への加熱処理はめっき後出来るだけ早く,少なくとも4時間以
内に,また機械加工前に行わなくてはならない。
7. 試験片 試験片は,原則として製品から採取又は作製する。ただし,製品それ自体を試験片として用
いることが出来ない場合には,代替試験片によって試験を行ってもよい。代替試験片は,可能な限り製品
の作製と同じ材質及び処理の素地を用い,同じ条件でめっき又は電鋳を行わなくてはならない。
8. 試験
8.1 外観試験 外観試験は,目視によって行う。
8.2 表面粗さ試験 表面粗さ試験は,JIS B 0651又はJIS B 0652に規定するいずれかの測定器を用いて
行う。
また,粗さの表示は,JIS B 0601に規定する定義と表示方法による。
8.3 厚さ試験 めっきの厚さ試験は,JIS H 8501に規定する顕微鏡断面試験方法,電解式試験方法(50
以下の厚さに対して),磁力式試験方法(250 下の厚さに対して)又はISO 4526に規定する試験方法
のいずれかの方法による。
なお,JIS B 7507又はJIS B 7515に規定する方法で行ってもよい。この場合,めっき前の製品の寸法を
測定し,更にめっき終了後,同じ箇所を測定して,その差をめっき厚さとする。ただし,測定は少なくと
も3か所以上について行う。
電鋳の厚さ試験は,JIS B 7502,JIS B 7507又はJIS Z 2355に規定するいずれかの方法で行う。
複雑な形状のめっき又は電鋳においては,厚さを測定すべき箇所及び測定方法は,受渡当事者間の協定
によって,有効性が認められた方法を用いてもよい。
8.4 耐食性試験 めっきの耐食性試験は,JIS H 8502に規定する中性塩水噴霧試験方法,又はキャス試
験方法のいずれかによる。
また,附属書1に規定したフェロキシル試験方法,又はISO 4526に規定する多孔性試験方法を用いても
よい。
8.5 密着性試験 めっきの密着性試験は,JIS H 8504に規定する研削試験方法,たがね打ち込み試験方
法若しくは熱試験方法のいずれかによるか,又はISO 4526に規定された試験方法のいずれかによる。
また,これらの方法のほか,受渡当事者間の協定によって,有効性が認められた方法を用いてもよい。
8.6 硬さ試験 薄いめっき及び電鋳の硬さ試験は,JIS Z 2244又はJIS Z 2251によって,0.098 07N以上
の試験荷重,15秒以上の保持時間で行う(厚さは,圧痕対角線長さの1.5倍が必要であり,荷重で調節を
行う。)。
厚めのめっき及び電鋳に対しては,JIS Z 2245を用いてもよい。
硬さは,少なくとも5か所以上を測定し,その算術平均値を硬さ値とする。硬さ試験は,めっき表面及
び電鋳外面について行い,断面については,受渡当事者間の協定によって行う。
8.7 非破壊試験 非破壊試験は,JIS G 0581,JIS Z 2343,JIS Z 2344又はJIS G 0583に規定する方法に
よる。いずれの方法を用いるかについては受渡当事者間の協定による。
8.8 硫黄定量分析法 めっき及び電鋳に含まれる硫黄の定量分析は,JIS H 1151に規定する硫黄定量方
法で行う。

――――― [JIS H 8626 pdf 3] ―――――

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H 8626-1995
試料のとり方,削り方及び取扱い方は,受渡当事者間の協定による。
8.9 耐磨耗性試験 めっき及び電鋳の耐磨耗性試験は,JIS H 8503に規定する平板回転磨耗試験法(テ
ーバ式磨耗試験法),両輪駆動磨耗試験法(アムスラ型磨耗試験法)又は往復運動磨耗試験法のいずれかに
よる。
8.10 引張試験 めっき及び電鋳の引張試験は,JIS Z 2241による。この場合の試験片はJIS Z 2201の5
号試験片又は13号A・B試験片とする。ただし,試験片の採取の方向,採取位置及び数は受渡当事者間の
協定による。その他の一般的取扱いはJIS H 0321の6.(機械試験およびその他の試験)による。
8.11 繰返し曲げ試験 めっき及び電鋳の繰返し曲げ試験は,試験片を不活性ガス雰囲気中で1 000℃に10
分間加熱し,冷却後,試験を行う。内側半径を試験片厚さの2.5倍とし,図1のとおり交互に反対方向に
直角に曲げる。曲げ回数は,90°ごとを1回として数える。ただし,試験片形状は,30mm×100mm×1mm
及びこれに近い形状とする。
図1 繰返し曲げ試験
8.12 電着応力測定 めっき及び電鋳の電着時に生じる電着応力の測定方法は,附属書2による。
9. 検査 検査は,JIS H 0321によるほか次による。
(1) 検査項目,試験方法,試験片の数,検査順序及び抜取検査の方法は,受渡当事者間の協定による。
(2) 製品の形状・寸法を検査するとともに8.によって試験を行い,4.の規定に合格しなくてはならない。
10. めっき及び電鋳の呼び方 めっき及び電鋳の呼び方は,JIS H 0404によるほか,3.の記号の表示方法
を用いる。
例1.
注* 機械構造用炭素鋼鋼材 S45C
また,次のように省略してもよい。

――――― [JIS H 8626 pdf 4] ―――――

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H 8626-1995
注* 機械構造用炭素鋼鋼材 S45C
例2.
例3.
例4.
注* アルミニウム合金 A5052
また,次のように省略してもよい。

――――― [JIS H 8626 pdf 5] ―――――

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JIS H 8626:1995の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4526:1984(MOD)

JIS H 8626:1995の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 8626:1995の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0122:1978
加工方法記号
JISB0601:2013
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
JISB0651:2001
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―触針式表面粗さ測定機の特性
JISB0652:1973
光波干渉式表面粗さ測定器
JISB7502:2016
マイクロメータ
JISB7507:2016
ノギス
JISB7515:1982
シリンダゲージ
JISG0581:1999
鋳鋼品の放射線透過試験方法
JISG0583:2012
鋼管の自動渦電流探傷検査方法
JISG0583:2021
鋼管の自動渦電流探傷検査方法
JISH0321:1973
非鉄金属材料の検査通則
JISH0400:1998
電気めっき及び関連処理用語
JISH0404:1988
電気めっきの記号による表示方法
JISH1151:1999
ニッケル地金分析方法
JISH8501:1999
めっきの厚さ試験方法
JISH8502:1999
めっきの耐食性試験方法
JISH8503:1989
めっきの耐磨耗性試験方法
JISH8504:1999
めっきの密着性試験方法
JISH8617:1999
ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき
JISK8150:2006
塩化ナトリウム(試薬)
JISK8801:2007
ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(試薬)
JISK8802:2007
ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム三水和物(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISZ2201:1950
医療用遠心沈デン器
JISZ2201:1998
金属材料引張試験片
JISZ2241:2011
金属材料引張試験方法
JISZ2244:2009
ビッカース硬さ試験―試験方法
JISZ2245:2016
ロックウェル硬さ試験―試験方法
JISZ2245:2021
ロックウェル硬さ試験―試験方法
JISZ2251:2009
ヌープ硬さ試験―試験方法
JISZ2343:1992
浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
JISZ2344:1993
金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則
JISZ2355:2005
超音波パルス反射法による厚さ測定方法