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JIS K 0093:2006 規格概要
この規格 K0093は、工業用水及び工場排水中のポリクロロビフェニル(PCB)の定量にガスクロマトグラフ法及びガスクロマトグラフ質量分析法を用いた試験方法について規定。
JISK0093 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0093
- 規格名称
- 工業用水・工場排水中のポリクロロビフェニル(PCB)試験方法
- 規格名称英語訳
- Testing methods for polychlorobiphenyl in industrial water and wastewater
- 制定年月日
- 1974年5月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 13.060.50, 71.040.40, 71.080.90
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 1974-05-01 制定日, 1978-04-01 確認日, 1983-03-01 確認日, 1988-04-01 確認日, 1994-06-01 確認日, 1995-07-01 改正日, 2002-03-20 改正日, 2006-03-25 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0093:2006 PDF [30]
K 0093 : 2006
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本工業
用水協会(JIWA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS K 0093:2002は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS K 0093には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)活性けい酸マグネシウムを用いるカラムクロマトグラフ分離法
附属書2(規定)キャピラリーカラムを用いる定量方法
附属書3(規定)感度係数を用いる濃度の算出方法
附属書4(参考)PCBの計算例
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――――― [JIS K 0093 pdf 1] ―――――
K 0093 : 2006
pdf 目 次
ページ
- 1. 適用範囲・・・・[1]
- 2. 引用規格・・・・[1]
- 3. 共通事項・・・・[1]
- 4. 試料・・・・[2]
- 4.1 試料の採取・・・・[2]
- 4.2 試料の取扱い・・・・[2]
- 5. ガスクロマトグラフ法・・・・[3]
- 5.1 試薬・・・・[3]
- 5.2 器具及び装置・・・・[4]
- 5.3 準備操作・・・・[5]
- 5.4 操作・・・・[6]
- 6. ガスクロマトグラフ質量分析法・・・・[9]
- 6.1 試薬・・・・[9]
- 6.2 器具及び装置・・・・[11]
- 6.3 準備操作・・・・[13]
- 6.4 操作・・・・[15]
- 6.5 検量線・・・・[17]
- 7. 結果の表示・・・・[17]
- 附属書1(規定)活性けい酸マグネシウムを用いる カラムクロマトグラフ分離法・・・・[19]
- 附属書2(規定)キャピラリーカラムを用いる定量方法・・・・[21]
- 附属書3(規定)感度係数を用いる濃度の算出方法・・・・[26]
- 附属書4(参考)PCBの計算例・・・・[27]
(pdf 一覧ページ番号 2)
――――― [JIS K 0093 pdf 2] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0093 : 2006
工業用水・工場排水中のポリクロロビフェニル(PCB)試験方法
Testing methods for polychlorobiphenyl in industrial water and wastewater
1. 適用範囲
この規格は,工業用水及び工場排水中のポリクロロビフェニル(以下,PCBという。)の
定量にガスクロマトグラフ法及びガスクロマトグラフ質量分析法を用いた試験方法について規定する。
備考1. この規格で対象とするものは,モノクロロビフェニルからデカクロロビフェニルまでの混合
体である。
2. ガスクロマトグラフ法は,総PCBを定量する方法であり,ガスクロマトグラフ質量分析法は,
同一塩素数の異性体ごとのPCBを定量する方法である。両者の方法で総PCB量を求めた場
合,それぞれの方法の特徴から定量値が同一にならない場合もある。
2. 引用規格
付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3. 共通事項
共通事項は,次による。
a) 通則 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。
b) 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101,JIS K 0102,JIS K 0211又はJIS K 0215に
よる。
c) ガスクロマトグラフ法 ガスクロマトグラフ法に共通する一般事項は,JIS K 0114による。
d) ガスクロマトグラフ質量分析法 ガスクロマトグラフ質量分析法に共通する一般事項は,JIS K 0123
による。
e) 定量範囲 試験方法に示してある定量範囲は,各試験方法に用いる装置に導入する溶媒中のPCBの質
量 (ng) で示す。
f) 分析精度 繰返し分析精度は,標準溶液を用い,繰返し試験で求めた変動係数(%)の概略値。
g) 水 この規格で用いる水は,JIS K 0557に規定するA1A4の水とする。
h) 試薬
1) 試薬は,日本工業規格(日本産業規格)(以下,JISという。)に規定されているもので試験に支障のないものを用い
る。JISに規定されていないものは,試験に支障のないものを用いる。
2) 標準液の濃度は,mg/ml, 最一 はng/mlで表す。
3) とBの混合溶液濃度は,C(a+b)で表す。この表し方は,AとBをa mlとb mlとの割合で混合し
たことを示す。
4) 標準液の名称の後に括弧で示す濃度は,正確な濃度であることを意味する。
5) 試薬類の名称は,国際純正及び応用化学連合(IUPAC)の無機化学命名法及び有機化学命名法を基に
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して社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及びJIS試薬の名称とできるだけ整合させている。
6) 標準液の調製に使用する試薬(試験用)は,可能な限りトレーサビリティが確保された標準物質又
は認証標準物質を使用する。入手できない場合は,純度と不確かさが明らかなものを用いる。この
規格では,“標準品”と記述してある。それらの中には類似した化合物が不純物として含まれること
があるので,試験に支障のないものを使用する。
7) 試薬類及び廃液類などによる室内汚染,人体への吸入及び付着に注意する。また,その取扱いにつ
いては,関係法令,規則などに従い,十分に注意する。
i) ガラス器具類 ガラス器具類についての共通事項は,次による。
1) ガラス器具類は,特に断らない限りJIS R 3503及びJIS R 3505に規定するものを使用する。カラム
用管,分液漏斗などのコック部にはワセリンなどは使用しない。分液漏斗などのコック部に,四ふ
っ化エチレン樹脂製のものを用いてもよい。また,加熱操作を伴う場合には,JIS R 3503に規定す
るほうけい酸ガラス-1を用いる。
デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限りシリカゲル(1)とする。
注(1) IS Z 0701に規定する包装用シリカゲル乾燥剤A形1種を用いる。
2) 試験に用いるガラス器具類は,使用前にあらかじめ5.1a)のヘキサン洗浄水で洗浄した後,更にヘキ
サン(JIS K 8825に規定する濃縮300のもの。)で洗浄した後,汚染のないところに放置し,ヘキサ
ンを揮散させる。
j) 検量線(ガスクロマトグラフ質量分析法) 検量線の作成に当たっては,試験方法に示される定量範
囲内を46段階に分け,ガスクロマトグラフ質量分析計へ導入するPCBの量がその量に一致するよ
うに標準液をとり,定量範囲内について作成する。
4. 試料
4.1 試料の採取
4.1.1 試料容器 試料容器は,共栓ガラス瓶1 000 ml(2)を用いる。
注(2) 共栓の代わりにねじぶた(四ふっ化エチレン樹脂製のパッキン付き)を用いたものでもよい。
4.1.2 採取操作 採取操作は,次による。
a) 表層水の採取 JIS K 0094の4.1.1(試料容器による採取)又は4.1.2(バケツ類による採取)による。
b) 各深度の水の採取 JIS K 0094の4.1.4(バンドーン採水器による採取)による。
c) 配管装置からの採取 JIS K 0094の4.3(採取弁を用いる採取)による。
4.2 試料の取扱い
試料の取扱いは,次による。
a) 4.1.2によって採取した試料は,他の容器に移し替えたり一部を分取してはならない。試験には全量を
用いる。
b) 試料の量は,試料を入れた容器の質量から試料容器の質量を差し引いて求めるか,又は試料を採取し
たときに試料容器の水面の位置に印を付けておき,試験終了時に印のところまで水を入れてその水の
体積を試料の量とする。
c) 試験は試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合には,010 ℃の暗所に保存し,できるだけ早く
試験する。冷所に保存する場合には,凍結させないようにする。
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5. ガスクロマトグラフ法
試料中のPCBをヘキサンで抽出し,脱水・濃縮後,アルカリ分解を行う。分
解した溶液について再びヘキサンで抽出し,脱水・濃縮する。濃縮液についてシリカゲルを用いたカラム
クロマトグラフ分離を行い,溶出液を再び濃縮し,一定量とする。この溶液の一定量をガスクロマトグラ
フに導入し,検出器に電子捕獲検出器(ECD)を用いた方法で定量する。
アルカリ分解は,妨害物質が少ない場合は,省略してもよい。
定量範囲 PCB : 0.5 ng以上 繰返し分析精度 : 20 %(装置,測定条件によって異なる。)
5.1 試薬
試薬は,次による。
a) ヘキサン洗浄水 3. g)のA4(又はA3)の水1 Lにつき,g)のヘキサン100 mlを加えて振り混ぜ,洗
浄したもの。試薬の調製,操作,空試験にはこの溶液を用いる。
b) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
c) 水酸化カリウム JIS K 8574に規定するもの。
d) 硫酸ナトリウム JIS K 8987に規定する硫酸ナトリウムを約600 ℃で約60分間加熱後,デシケータ
ー中で放冷する。
e) アセトン JIS K 8040に規定する濃縮300以上のもの(3)。
注(3) 使用前に,50 mlを5.3 d)と同じ操作によって約1 mlに濃縮し,その110 d)又
は6.4 b)の操作を行い,PCBによるピークのないことを確認しておく。
f) エタノール JIS K 8093に規定する濃縮300以上のもの(3)。
g) ヘキサン JIS K 8825に規定する濃縮300以上のもの(4)。
注(4) 注(3)に準じた操作を行い,PCBによるピークのないことを確認しておく。ただし,ヘキサンは
100 mlを用いる。
h) 水酸化カリウム-エタノール溶液 水酸化カリウム70 gをできるだけ少量のヘキサン洗浄水に溶かし,
エタノールを加えて約1 Lとし,ポリエチレン瓶に入れ,二酸化炭素に触れないようにして23日間
放置した後,その上澄み液をとり,耐アルカリ性の容器に移し,ソーダ石灰管を付けて保存する。
i) ヘキサン-エタノール混液(1+1)
j) トリクロロビフェニル(C12H7Cl3)標準液(0.1 mg/ml) 試験用トリクロロビフェニル10 mgをとり,少量
のヘキサンに溶かして全量フラスコ100 mlに移し入れ,ヘキサンを標線まで加える(5)。
注(5) 5 ℃以下の暗所に保存する。
k) テトラクロロビフェニル(C12H6Cl4)標準液(0.1 mg/ml) 試験用テトラクロロビフェニル10 mgをとり,
少量のヘキサンに溶かして全量フラスコ100 mlに移し入れ,ヘキサンを標線まで加える(5)。
l) ペンタクロロビフェニル(C12H5Cl5)標準液(0.1 mg/ml) 試験用ペンタクロロビフェニル10 mgをとり,
少量のヘキサンに溶かして全量フラスコ100 mlに移し入れ,ヘキサンを標線まで加える(5)。
m) ヘキサクロロビフェニル(C12H4Cl6)標準液(0.1 mg/ml) 試験用ヘキサクロロビフェニル10 mgをとり,
少量のヘキサンに溶かして全量フラスコ100 mlに移し入れ,ヘキサンを標線まで加える(5)。
参考 試験用トリクロロビフェニル,試験用テトラクロロビフェニル,試験用ペンタクロロビフェニ
ル及び試験用ヘキサクロロビフェニルは,それぞれKC-300,KC-400,KC-500,KC-600などの
名称で市販されている。
n) CB標準液(20 最一 ‰ リクロロビフェニル(C12H7Cl3)標準液(0.1 mg/ml),テトラクロロビフェニル
(C12H6Cl4)標準液(0.1 mg/ml),ペンタクロロビフェニル(C12H5Cl5)標準液(0.1 mg/ml)及びヘキサクロロビ
フェニル(C12H4Cl6)標準液(0.1 mg/ml)のそれぞれ0.5 mlを全量フラスコ10 mlにとり,ヘキサンを標線
まで加える。この溶液1 mlは,j) m)の4種類の試験用PCBそれぞれ5 μg,合計20 μgを含む(5)。
――――― [JIS K 0093 pdf 5] ―――――
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JIS K 0093:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.50 : 水に含まれる化学物質の検査
JIS K 0093:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0094:1994
- 工業用水・工場排水の試料採取方法
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK0102:2016
- 工場排水試験方法
- JISK0114:2012
- ガスクロマトグラフィー通則
- JISK0123:2018
- ガスクロマトグラフィー質量分析通則
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1107:2005
- 窒素
- JISK8040:2020
- アセトン(残留農薬・PCB試験用)(試薬)
- JISK8093:2012
- エタノール(99.5)(残留農薬・PCB試験用)(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8251:2020
- ガラスウール(試薬)
- JISK8574:2006
- 水酸化カリウム(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8825:2020
- ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8987:2006
- 硫酸ナトリウム(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ0701:1977
- 包装用シリカゲル乾燥剤