JIS K 0106:2010 排ガス中の塩素分析方法 | ページ 5

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附属書B
(参考)
検知管法

序文

  この方法は,現場測定での環境管理,又は化学分析方法での測定に当たって,排ガス濃度の概略値を事
前に簡便に求めることができるなどの利点があるので,参考とした。
この附属書は,本体に規定した事項を,本体に準じる形で補足するものであって規定の一部ではない。
B.1 適用条件
検知管法は,事業者が日常の環境管理又はスクリーニングを目的として行うための簡易法であり,検知
管法によって得られた測定結果をもって排出規制値と直接比較するものではない。
検知管法は,二酸化窒素又は他のハロゲンガスの妨害が無視できる場合に適用する。
検知管法を用いて得られた測定結果が問題となる値であった場合は,本体で規定した方法及び附属書A
による測定を行う。
B.2 分析方法の概要
検知管法の概要は,次による。
表B.1−検知管法の種類及び概要
検知管法の概要
反応原理 試料採取 定量範囲
検知管用真空法ガス採取器
3, 3'-ジメチルナフチジンと
反応しニトロソ化合物を生100 mL,200 mL 0.052 vol ppm
成する。
ABTSが酸化され緑の反応 検知管用真空法ガス採取器
0.0252 vol ppm
生成物を生じる。 50 mL,100 mL,200 mL
検知管法
o-トリジンが酸化され黄色検知管用真空法ガス採取器
0.110 vol ppm
ホロキノンを生成する。 100 mL,500 mL
検知管用真空法ガス採取器
3, 3', 5, 5'-テトラメチルベン
ジジンと反応して赤のホロ 0.116 vol ppm
50 mL,100 mL,200 mL,500
キノンを生成する。 mL
o-トリジンが酸化され黄色検知管用真空法ガス採取器
140 vol ppm
ホロキノンを生成する。 100 mL
B.3 装置及び器具
装置及び器具は,次による。
B.3.1 検知管 JIS K 0804の5.2(検知管の品質及び性能)に規定した検知管で塩素用のもの。
B.3.2 ガス採取器 JIS K 0804の5.1(ガス採取器の品質及び性能)に規定するシリンダー形真空方式の
もの。
B.3.3 試料ガス採取装置 図B.1に例示する構成で行うことが望ましい。ただし,試料ガスの吸引流量は,
0.51 L/minとする1)。
注1) 煙道内が負圧の場合,検知管に規定量の試料ガスが通気できず,検知管指示値は低めの値を示

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すので注意する。検知管での試料ガス採取時に,湿式ガスメーターの指針又はカウンターが回
っている状態であることを確認しながら採取する。
A 試料ガス採取器
B 検知管挿入口
(シリコーンゴム)
C 検知管
D ガス採取器
E 温度計
F 検知管取付口
G ピストン
H 乾燥管
I1, I2流量調節コック
J 吸引ポンプ
K 湿式ガスメーター
L 四ふっ化エチレン樹脂管a)
M 接続ゴム管(シリコーンゴム)
注a) 樹脂管 (L)が長い場合は,デッドスペースが誤差要因になることがあるため,樹脂管内を十分置換してから測定
を行う。
a) 排ガス温度が高い場合の試料採取例(燃焼排ガスなど)
b) 反応排ガスなどの試料採取例
図B.1−試料ガス採取装置の例
B.4 測定手順
B.4.1 測定準備
測定準備は,次による。
a) 測定点における温度を測定し,検知管の仕様書に示されている使用範囲内であることを確認する。
b) 使用する検知管の温度2)を測定場所の温度になるようにする。また,このときに直射日光に当たらな
いように注意する。
c) 取扱説明書に従ってガス採取器の漏れ試験を行う。
注2) 冷蔵庫などで冷暗所保管していた検知管などを使用する場合は,外気温と同温になってから
使用する。
B.4.2 測定
測定は,次による。

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a) 検知管の両端をチップカッターなどで折り取り,検知管表面に印刷されている矢印の向きに試料空気
が流れるようにガス採取器の検知管取付口へ接続する。
b) ガス採取器のハンドルを一気に引いてシャフトをロックし,その検知管について規定された時間放置
する。
c) 吸引終了後,速やかに検知管を取り外し,変色層の先端の濃度目盛を読み取る3), 4)。
d) 濃度単位の換算が必要な場合は,次の式によって行う。
C C M / 22.41 t)
273.15 / (273.15 p/ 101.32
ここに, C : 塩素の質量濃度 (mg/m3)
C' : 検知管の読取値 (vol ppm)
M : 分子量(塩素 70.9)
t : 測定点の温度(℃)
p : 測定点の大気圧 (kPa)
101.32 : 標準大気圧 (kPa)
注3) 検知管によっては,通気終了後の時間経過によって変色した色が退色又は変色層の長さが変
化する場合があるので,通気終了後に変色層の先端に印を付け,速やかに読み取る。
4) 変色層の先端面が斜めの場合には,中間点を濃度として読み取る。
B.4.3 妨害物質の検討
検知管の変色の原理は,多くの場合,測定対象物質だけの特異反応でなく,化学的性質の似た物質に共
通する反応である。したがって,測定対象物質と同じ反応をする物質が共存する場合には,測定対象物質
の濃度より高い指示(プラスの誤差)を与える。反対に共存物質が変色反応を妨害してマイナスの誤差を
生じるか,又は変色境界を不明りょうにする場合がある。測定するときは,共存する可能性のある物質に
ついて調査し,検知管の仕様書,技術資料などを参考にその影響について,あらかじめ検討する必要があ
る。
参考文献 JIS K 0804 検知管式ガス測定器(測長形)

JIS K 0106:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0106:2010の関連規格と引用規格一覧