JIS K 0350-20-10:2001 用水・排水中の大腸菌群試験方法 | ページ 3

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例1. 最確数の求め方の例
陽性管列の例が表2に示すようになった場合の最確数の算出は,次による。
表2 陽性管列の例*
希釈倍数 希釈なし 希釈なし 10 100
希釈試料の培養量 (ml) 10 1 1 1
薄めない試料の相当量 (ml) 10 1 0.1 0.01
陽性管列の例 1) 5/5 5/5 2/5 0/5
2) 5/5 4/5 2/5 0/5
3) 0/5 1/5 0/5 0/5
4) 5/5 3/5 1/5 1/5
4') 5/5 3/5 2/5 0/5
注* 上水試験方法(1993年版) : 厚生省生活衛生局水道環境部監修,社団法人日
本水道協会 発行を参考とした。
分母は試験管数,分子は陽性管の数を示す。
太字体は,最確数を表から求める際に採用する3希釈段階の陽性管列を示す。
例2. 表2の陽性管列の例が1)の場合は,ある希釈段階で試験本数の一部が陽性となり,それより1段
階下位の希釈段階ですべて陰性,それより(一部が陽性となった)1段階上位の希釈段階ですべ
て陽性の場合は,一部が陽性となった希釈段階を中位において,連続した3段階の希釈段階から
なる陽性管列を採用する。すなわち,陽性管列5, 2, 0を採用し,表1に照らして対応する最確数
50を得る。最確数の算出に採用した上位,中位,下位の3段階からなる陽性管列の上位の希釈段
階の培養量は試料1ml(希釈していない)であるので,表1で求めた最確数50に,倍数10を乗じ
て500個/100mlを試料の最確数とする。
例3. 表2の陽性管列の例が2)の場合は,連続した二つの希釈段階で試験本数の一部が陽性となり,そ
れより下位の希釈段階ですべて陰性,それより(一部が陽性となった)上位の希釈段階ですべ
て陽性の場合は,上位の希釈段階だけすべて陽性となるような陽性管列を採用する。すなわち,
陽性管列5, 4, 2を採用し,表1に照らして対応する最確数として220を得る。採用した3段階の陽
性管列の上位の希釈段階の培養量は試料10mlであるので,この値をそのまま試料の最確数[220
(個/100ml)]とする。
例4. 表2の陽性管列の例が3)の場合は,試験した最上位の試験段階ですべて陰性になっている。試料
を最も多く加えた段階ですべて陰性であることを重視して,試験した最上位の希釈段階を上位
の希釈段階とし,中位に陽性となった希釈段階をおいた陽性管列を採用する。すなわち,陽性
管列0, 1, 0を採用し,表1に照らして対応する最確数として2を得る。採用した3段階の陽性管列
の上位の希釈段階の培養量は試料10mlであるので,この値をそのまま試料の最確数[2(個/
100ml)]とする。
例5. 表2の陽性管列の例が4)の場合は,試験した最下位の希釈段階でも一部が陽性になった場合は,
その1段階上の希釈段階の陽性管数に1を加えて表2の4')に示したような陽性管列とし,以下,
例2.と同様に取り扱う。すなわち,陽性管列5, 3, 2を採用し,表1に照らして対応する最確数と
して140を得る。採用した3段階の陽性管列の上位の希釈段階の培養量は試料10mlであるので,
この値をそのまま試料の最確数[140(個/100ml)]とする。

6.3 推定試験及び確定試験

 ラクトース−ブロス培地(LB培地)による推定試験とブリリアントグリー
ン−ラクトース−胆汁−ブロス培地(BGLB培地)による確定試験を行って大腸菌群を判定する。

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6.3.1 推定試験 ラクトース−ブロス培地(LB培地)を用いて,36±1℃で24±2時間培養し,大腸菌群
の存在を推定する。
a) 試薬及び培地 試薬及び培地は,次による。
1) 水 3.3による。
2) 希釈水 6.1.1b)による。
3) ラクトース−ブロス(2倍濃度)培地(LB2倍濃度培地)(5) 肉エキス3g,ペプトン(カゼインの
パンクレアチン水解物を用いる。)10g, JIS K 8728に規定するラクトース一水和物5gを水500mlに
加え,加熱して溶かした後,滅菌後のpHが7.0±0.1になるように調節(7)し,これにブロモチモー
ルブルー溶液 (2g/L) (17)12mlを加える。これを6.2.2d)のダーラム発酵管(中試験管)に約10mlず
つ移し入れ,3.5b)の高圧蒸気滅菌を約15分間行って手早く冷水中に浸して冷却した後,冷暗所に
保存する。ダーラム発酵管内に気泡が残留しているものは使用しない。
4) ラクトース−ブロス(3倍濃度)培地(LB3倍濃度培地)(5) 肉エキス4.5g,ペプトン(カゼイン
のパンクレアチン水解物を用いる。)15g, JIS K 8728に規定するラクトース一水和物7.5gを水500ml
に加え,加熱して溶かした後,滅菌後のpHが7.0±0.1になるように調節(7)し,これにブロモチモ
ールブルー溶液 (2g/L) (17)18mlを加える。これを6.2.2d)のダーラム発酵管(大試験管)に約25ml
ずつ移し入れ,3.5b)の高圧蒸気滅菌を約15分間行って手早く冷水中に浸して冷却した後,冷暗所
に保存する。ダーラム管内に気泡が残留しているものは使用しない。
5) ブリリアントグリーン−ラクトース−胆汁−ブロス培地(BGLB培地)(5) 6.2.1c)による。
注(17) IS K 8842に規定するブロモチモールブルー0.2gを水約50ml中に加え,水酸化ナトリウム溶液
(0.1mol/L) (JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウムを用いて調製する。)5mlを加えた後,約
50℃に加熱して溶かし,放冷後,100mlとする。
備考 6.1.1の備考による。ただし,培養時間は約24時間とする。
b) 器具及び装置 器具及び装置は,次による。
1) メスピペット 6.2.2a)による。
2) 希釈瓶 6.1.2b)による。
3) 試験管 6.2.2c)による。
4) ダーラム発酵管 6.2.2d)による。
5) 三角フラスコ 6.1.2e)による。
6) 綿栓 6.1.2f)による。
7) 培養器(ふ卵器) 6.1.2h)による。
8) 乾熱滅菌器 6.1.2i)による。
9) 高圧蒸気滅菌器 6.1.2j)による。
c) 器具などの滅菌操作 器具などの滅菌操作は,3.5a)3.5c)による。
d) 消毒操作 消毒操作は,3.6a)3.6c)による。
e) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 4.1b)1)によって採取した試料(8)10ml(18)ずつを全量ピペットで5本のラクトース−ブロス(2倍濃度)
培地(LB2倍濃度培地)を入れたダーラム発酵管(中試験管)に加える。
2) これを培養器に入れ,36±1℃で24±2時間培養する。
3) 気体の発生を認め,かつ,培地の色が黄色に変色したものを推定試験陽性とし,6.3.2の確定試験を
行う。

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4) 気体の発生が認められないものは,更に培養を続けて48±3時間まで延長する。
5) 気体の発生を認め,かつ,培地の色が黄色に変色したものを推定試験陽性とし,6.3.2の確定試験を
行う。気体の発生が認められないものは,大腸菌群陰性と判定する。
注(18) 試料中の大腸菌群数が少ないと予想される場合には,4.1b)1)によって採取した試料50ml[試料
が酸性又はアルカリ性の場合は注(8)による。]ずつを全量ピペット50ml[あらかじめ,b)1)と同
じ操作で滅菌したもの。]で5本のラクトース−ブロス(3倍濃度)培地(LB3倍濃度培地)25ml
を入れたダーラム発酵管(大試験管)に加える。以下,2)5)の操作を行う。
備考 6.1.6の備考1.による。
6.3.2 確定試験 ブリリアントグリーン−ラクトース−胆汁−ブロス培地(BGLB培地)を用いて,36
±1℃で24±2時間(又は48±3時間)培養し,大腸菌群の存在を確定する。
a) 試薬及び培地 試薬及び培地は,次による。
1) 水 3.3による。
2) ブリリアントグリーン−ラクトース−胆汁−ブロス培地(BGLB培地)(5) 6.2.1c)による。
b) 器具及び装置 器具及び装置は,次による。
1) 試験管 6.2.2c)による。
2) ダーラム発酵管 6.2.2d)による。
3) 綿栓 6.1.2f)による。
4) 白金耳 直径0.70.8mm,長さ約80mmの白金線又はニクロム線の先端を内径25mmの輪にし,
他端を柄に挿入したもの。使用の前後には,3.5c)の火炎滅菌を行う。
5) 培養器(ふ卵器) 6.1.2h)による。
6) 乾熱滅菌器 6.1.2i)による。
7) 高圧蒸気滅菌器 6.1.2j)による。
c) 器具などの滅菌操作 器具などの滅菌操作は,3.5a)3.5c)による。
d) 消毒操作 消毒操作は,3.6a)3.6c)による。
e) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 6.3.1e)3)及び5)によって推定試験陽性と判定されたものについて,その1白金耳量の菌液(培養液)
をブリリアントグリーン−ラクトース−胆汁−ブロス培地(BGLB培地)を入れたダーラム発酵管
(中試験管)に移植する。
2) これを培養器に入れ,36±1℃で24±2時間又は48±3時間培養する。
3) 気体の発生が認められないものは大腸菌群陰性,気体の発生が認められたものは確定試験陽性と判
定する。
備考 6.1.6の備考1.による。

7. ふん便性大腸菌群の試験

 ふん便性大腸菌群は,大腸菌群のうちEC液体培地又はM-FC寒天培地で
44.5±0.2℃で,24±2時間培養したとき,EC液体培地に気体を生じるか,M-FC寒天培地に青い集落を形
成する菌をいう。
7.1 試薬及び培地 試薬及び培地は,次による。
a) 水 3.3による。
b) C液体培地(5) ペプトン(カゼインのパンクレアチンの水解物を用いる。)20g, JIS K 8728に規定す
るラクトース一水和物5g,胆汁酸塩 (No.3) 1.5g, JIS K 9007に規定するりん酸二水素カリウム1.5g, JIS

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K 9017に規定するりん酸水素二カリウム4g及びJIS K 8150に規定する塩化ナトリウム5gを水1Lに
溶かし,減菌後のpHが6.9になるように調節(7)した後,ダーラム発酵管(中試験管)に約10mlずつ
移し入れ,3.5b)の高圧蒸気滅菌を約15分間行って手早く冷水中に浸して冷却した後,冷暗所に保存
する。ダーラム管内に気泡が残留しているものは使用しない。
c) -FC寒天培地(5) トリプトース(又はバイオセイト)10g,プロテオーゼペプトン(又はポリペプト
ン)5g,酵母エキス(粉末)3g, JIS K 8728に規定するラクトース一水和物12.5g,胆汁酸塩 (No.3) 1.5g,
JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム5g,アニリンブルー0.1g及びJIS K 8263に規定する寒天(粉末)
15gを水1Lに加え,加熱して溶かし,約45℃に冷却し,pHを7.4に調節(7)する。直ちにその1520ml
をペトリ皿に流し込み,固まらせる。この培地は3.5b)の高圧蒸気滅菌は行わず,96時間以内に使用
する。
備考 6.1.1の備考による。ただし,培養条件は約44.5℃で約24時間とする。
7.2 器具及び装置 器具及び装置は,次による。
a) ろ過器(分離形) 4.1a)3)による。
b) メンブレンフィルター 4.1a)4)による。
c) ピンセット 4.1a)5)による。
d) 試験管 6.2.2c)による。
e) ダーラム発酵管 6.2.2d)による。
f) ペトリ皿 6.1.2c)による。
g) 綿栓 6.1.2f)による。
h) 白金耳 6.3.2b)4)による。
i) 集落計数器 6.1.2g)による。
j) 培養器 44.5±0.2℃に調節できるもの。恒温水槽が利用できる。
k) 乾熱滅菌器 6.1.2i)による。
l) 高圧蒸気滅菌器 6.1.2j)による。
7.3 器具などの滅菌操作 器具などの滅菌操作は,3.5a)3.5c)による。
7.4 消毒操作 消毒操作は,3.6a)3.6c)による。
7.5 操作 操作は,次のとおり行う。
a) C液体培地を用いる場合
1) 6.3.1e)3)及び5)の操作で大腸菌群陽性と判定したダーラム発酵管から,その1白金耳量をEC液体培
地に移植する。
2) これを培養器に入れ,44.5±0.2℃で24±2時間培養する。
3) 気体の発生が認められたものを,ふん便性大腸菌群陽性とする。気体の発生が認められないものを,
ふん便性大腸菌群陰性とする。
b) -FC寒天培地を用いる場合
1) 4.1b)2)の操作を行って大腸菌群をメンブレンフィルターに捕集する。
2) -FC寒天培地を約50℃の水浴中で加熱して解かした後,約50℃に保ちながら,その約15mlを無
菌的にペトリ皿にとる。水平に保って培地を固まらせる。
3) ろ過器から,ピンセットを用いてメンブレンフィルターを取り外し,2)のペトリ皿中の培地上に捕
集面を上にして密着させる。このときメンブレンフィルターと培地の間に気泡が入らないように注
意する。

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4) ペトリ皿にふたをし,逆さにして培養器に入れ,44.5±0.2℃で24±2時間培養する。
5) 集落計数器を用いてメンブレンフィルター上に発生した青い集落を確認すれば,ふん便性大腸菌群
陽性と判定する。集落数を計数してふん便性大腸菌群数を求め,試料100ml中の個数で表す。
備考 6.1.6の備考1.による。
付表1 引用規格
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0550 超純水中の細菌数試験方法
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 0950 プラスチック製滅菌シャーレ
JIS K 8102 エタノール (95) (試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8263 寒天(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8728 ラクトース一水和物(試薬)
JIS K 8842 ブロモチモールブルー(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS K 9017 りん酸水素二カリウム(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS T 1702 ふ(孵)卵器
JIS T 7322 医療用高圧蒸気滅菌装置
JIS T 7324 医療用小形高圧蒸気滅菌器
JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤

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JIS K 0350-20-10:2001の国際規格 ICS 分類一覧

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