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K 0350-60-10 : 2005
この溶液1.25 mlをとり,水を加えて1 Lとする。これを1)と同じ滅菌操作を行う。
c) 改良ISA液体培地 トリプトン10 g,乳酸ナトリウム[70 %(質量分率) ]5 g,JIS K 8061に規定する亜
硫酸ナトリウム0.5 g,くえん酸鉄(III)アンモニウム0.5 g,JIS K 8995に規定する硫酸マグネシウム七
水和物2.0 g及びJIS K 8978に規定する硫酸鉄(II)七水和物0.5 gを水1 Lに加え,かき混ぜて溶かす。
滅菌後のpHが7.3±0.1となるように,水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L)又は塩酸(1 mol/L)(JIS K 8180
に規定する塩酸を用いて調製する。)を用いて調節する。
この溶液10 mlをねじ口試験管(25 ml)にとり,高圧蒸気滅菌を約20 分間行って滅菌する。この培
地は使用時に調製する。
d) 2倍濃度改良ISA液体培地 改良ISA液体培地の調製で用いた各試薬の2倍量を水1 Lに加え,かき
混ぜて溶かす。滅菌後のpHが7.3±0.1となるように,水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L)又は塩酸(1 mol/L)
を用いて調節する。
この溶液10 mlをねじ口試験管(25 ml)にとり,高圧蒸気滅菌を約20 分間行って滅菌する。この培
地は使用時に調製する。
e) 3倍濃度改良ISA液体培地 改良ISA液体培地の調製で用いた各試薬の3倍量を水1 Lに加え,かき
混ぜて溶かす。滅菌後のpHが7.3±0.1となるように,水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L)又は塩酸(1 mol/L)
を用いて調節する。
この溶液25 mlをねじ口試験管(100 ml)にとり,高圧蒸気滅菌を約20 分間行って滅菌する。この培
地は使用時に調製する。
6.2 器具及び装置
器具及び装置は,次による。
a) メスピペット 110 ml。ピペット滅菌箱に先端を先にして入れるか,アルミニウムはく又は硫酸紙
に包んで乾熱滅菌をしておく。
b) 駒込ピペット 110 ml。ピペット滅菌箱に先端を先にして入れるか,アルミニウムはく又は硫酸紙
に包んで乾熱滅菌をしておく。
c) ねじ口試験管 容量25100 ml。本体はほうけい酸ガラス製,ねじぶたは耐熱樹脂製又は金属製,内
部に耐熱パッキンを含み,密閉することができ,乾熱滅菌又は高圧蒸気滅菌に耐えるもの。
d) 希釈瓶 ガラス瓶又は三角フラスコ(4)で,金属製又は合成樹脂製のねじぶた(5)付きのもの。使用前に
ねじぶたを緩めて,乾熱滅菌又は高圧蒸気滅菌をした後,密栓しておく。
注(4) 容量は希釈水の約2倍のものを用いるとよい。
(5) ふたの材質は,高圧蒸気滅菌に耐えるもの。
e) 培養器 JIS T 1702に規定するふ(孵)卵器。2035 ℃の間で設定温度±1℃に調節できるもの。
6.3 定性試験
6.3.1 一般事項 3倍濃度の改良ISA液体培地に試料の一定量を加えて,30±1 ℃で23 日間培養し,
培地が黒に変色したものを硫酸塩還元菌陽性とする。
6.3.2 操作 操作は,次による。
a) 3倍濃度改良ISA液体培地入りねじ口試験管(100 ml)1本に,よくかき混ぜて均一にした5.の試料50 ml
を加え,更に改良ISA液体培地をねじ口試験管に満たし,気泡が残らないように注意しながら密栓す
る(6)(7)。
注(6) 改良ISA液体培地に代えて,流動パラフィン(JIS K 9003に規定する流動パラフィンを,使用時
に乾熱滅菌して用いる。)を駒込ピペットを用いて,約1 cmの層になるように加え,培地を空
気と遮断するか,接種したねじ口試験管をそのまま嫌気ジャー(附属書1参照。)に入れて培養し
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てもよい。
流動パラフィンを使用する場合は,あらかじめ3倍濃度改良ISA液体培地入りねじ口試験管
に加えておくとよい。
参考 各種のジャーが市販されている。
(7) 試料一つにつき,複数本(2,3本)を並行して行う。
b) これを培養器に入れ,30±1 ℃で23 日間培養する。
c) 培地の底部又は培地全体が黒に変色したものを硫酸塩還元菌陽性とする(8)。
注(8) 陰性のものについては更に培養を続け,23週間培養後に再度培地の黒変の有無を確認する。
備考 培養後の使用済み培地は,必ずねじ口試験管のまま,高圧蒸気滅菌をしてから廃棄する。
6.4 定量試験
改良ISA液体培地を入れたねじ口試験管に試料の一定量を加えて,30±1 ℃で45 日
間培養し,培地が黒に変色したものを硫酸塩還元菌陽性とし,陽性となったねじ口試験管数から最確数表
を用いて,試料中の硫酸塩還元菌数を算出する(9)。
注(9) 計数には改良ISA寒天培地を用いてもよい。この培養操作は,附属書1による。
6.4.1 試料の希釈 硫酸塩還元菌の数が多い場合,次の希釈操作を行う。
a) よく振り混ぜて均一にした5.の試料(10)1 mlをメスピペット1 mlでとり,希釈水9 mlを入れた希釈瓶
に加えてよく振り混ぜる。
注(10) 試料が酸性,又はアルカリ性の場合には,水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L)又は塩酸(1 mol/L)を
用いてpHを7±0.2に調節する。
b) この1 mlを別のメスピペット1 mlでとり,希釈水9 mlを入れた別の希釈瓶に加えてよく振り混ぜる。
c) )の操作を繰り返して,数段階の希釈を行い,希釈試料を調製する。
6.4.2 操作 操作は,次による。
a) 試料(10)10 ml,1 ml,0.1 ml(11),0.01 ml(11)のように連続した4段階の試料(12)それぞれ5本ずつ(5-5-5
法)を改良ISA液体培地又は2倍濃度改良ISA液体培地(13)を入れたねじ口試験管に加え,更に改良ISA
液体培地をねじ口試験管に満たし,気泡が残らないように注意しながら密栓する。
注(11) 試料の量が0.1 mlの場合は,希釈水で10倍に薄めた試料1 mlを,また,試料の量が0.01 mlの
場合は,希釈水で100倍に薄めた試料1 mlを用いる。
(12) 試料は,その最大量を培養したものの全部か又は大多数が硫酸塩還元菌陽性となるように,ま
た,最少量を培養したものの全部か又は大多数が硫酸塩還元菌陰性となるように適切に薄めて
用いる。
(13) 試料10 mlを培養する場合に用いる。
b) これを培養器に入れ,30±1 ℃で45日間培養する。
c) 培地の黒変が認められたものは硫酸塩還元菌陽性とし,各希釈段階での陽性管の数(14)を求める。
注(14) 陽性管の組合せが,表1の陽性管の組合せの中に該当しない場合は,操作手順などの誤りによ
るものであるので,操作の見直しが必要である。
d) これから最確数表(表1)を用いて試料100 ml中の最確数(15)を求める。
注(15) 表1の最確数表は,薄めない試料10 ml,1 ml,0.1 mlずつを培養したときの試料100 ml当たり
の最確数を示したものであるので,試料を希釈した場合には,その補正が必要になる。
備考1. 培養後の使用済み培地は,必ずねじ口試験管のまま,高圧蒸気滅菌をしてから廃棄する。
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表 1 最確数表(5-5-5法,10 ml,1.0 ml,0.1 ml)
陽性菅の組合せ 最確数 95 %信頼限界 陽性菅の組合せ 最確数 95 %信頼限界
10,1,0.1(ml) 100 ml中 下限 上限 10,1,0.1(ml) 100 ml中 下限 上限
4-2-0 22 9.0 56
0-0-0 <2 − − 4-2-1 26 12 65
0-0-1 2 1.0 10 4-3-0 27 12 67
0-1-0 2 1.0 10 4-3-1 33 15 77
0-2-0 4 1.0 13 4-4-0 34 16 80
5-0-0 23 9.6 86
1-0-0 2 1.0 11 5-0-1 30 10 110
1-0-1 4 1.0 15 5-0-2 40 20 140
1-1-0 4 1.0 15 5-1-0 30 10 120
1-1-1 6 2.0 18 5-1-1 50 20 150
1-2-0 6 2.0 18 5-1-2 60 30 180
2-0-0 4 1.0 17 5-2-0 50 20 170
2-0-1 7 2.0 20 5-2-1 70 30 210
2-1-0 7 2.0 21 5-2-2 90 40 250
2-1-1 9 3.0 24 5-3-0 80 30 250
2-2-0 9 3.0 25 5-3-1 110 40 300
2-3-0 12 5.0 29 5-3-2 140 60 360
3-0-0 8 3.0 24 5-3-3 170 80 410
3-0-1 11 4.0 29 5-4-0 130 50 390
3-1-0 11 4.0 29 5-4-1 170 70 480
3-1-1 14 6.0 35 5-4-2 220 100 580
3-2-0 14 6.0 35 5-4-3 280 120 690
3-2-1 17 7.0 40 5-4-4 350 160 820
5-5-0 240 100 940
4-0-0 13 5.0 38 5-5-1 300 100 1 300
4-0-1 17 7.0 45 5-5-2 500 200 2 000
4-1-0 17 7.0 46 5-5-3 900 300 2 900
4-1-1 21 9.0 55 5-5-4 1 600 600 5 300
4-1-2 26 12 63 5-5-5 ≧1 600 − −
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備考2. 最確数の求め方の例
陽性管列の例が,表2に示すようになった場合の最確数の算出は,次による。
表 2 陽性管列の例*
希釈倍数 1(希釈なし) 10(希釈なし)100 1 000
希釈試料の培養量(ml) 10(希釈なし) 1(希釈なし) 1 1
薄めない試料の相当量(ml) 10 1 0.1 0.01
1) 5/5 5/5 2/5 0/5
2) 5/5 4/5 2/5 0/5
陽性管列の例 3) 0/5 1/5 0/5 0/5
4) 5/5 3/5 1/5 1/5
4) 5/5 3/5 2/5 0/5
注* 分母は試験管数,分子は陽性管数を示す。太字体は最確数を表から求める場
合に採用する3 希釈段階の陽性管列を示す。
出展 : 上水試験方法(2001年版) : 社団法人日本水道協会発行のものを一部修
正した。
例1. 表2の陽性管の例が1)のように,希釈倍数100で試験本数の一部が陽性となり,希釈倍数1 000
ではすべて陰性,希釈倍数10及び1がすべて陽性の場合は,一部が陽性になった希釈倍数のも
のを中央において,連続した3段階の希釈倍数からなる陽性管列を採用する。すなわち,陽性
管列5,2,0 を採用し,表1に照らして対応する最確数50を得る。ここで,最確数の算出に
採用した3段階の陽性管列で先頭の「薄めない試料中の相当量(ml)」は1 mlであるので,表1
で求めた最確数50に倍数10を乗じて500(MPN/100 ml)を試料の最確数とする。
例2. 表2の陽性管の例が2)のように,連続した二つの希釈倍数(10及び100)で試験本数の一部が陽
性となり,希釈倍数1 000で,すべて陰性,希釈倍数1ではすべて陽性の場合は,低い希釈倍
数(希釈倍数1)ですべて陽性となるような陽性管列を採用する。すなわち,陽性管列5,4,2を
採用し,表1に照らして対応する最確数220を得る。ここで最確数の算出に採用した3段階の
陽性管列で先頭の「薄めない試料中の相当量(ml)」は10 mlであるので,この値をそのまま試料
の最確数[220(MPN/100 ml) ]とする。
例3. 表2の陽性管の例が3)のように,希釈倍数1ですべて陰性になっている場合,試料を最も多量
に加えた場合ですべて陰性であることを重視し,希釈倍数1を先頭にし,次の希釈倍数10で陽
性となった陽性管を含めた陽性管列を採用する。すなわち,陽性管列0,1,0を採用し,表1
に照らして対応する最確数2を得る。ここで,最確数の算出に採用した3段階の陽性管列で先
頭の「薄めない試料の相当量(ml)」は10 mlであるので,この値をそのまま試料の最確数
[2(MPN/100 ml) ]とする。
例4. 表2の陽性管の例が4)のように,希釈倍数1 000でも一部が陽性となっている場合は,希釈倍
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数100の陽性管数に1を加えて表2の4)に示したような陽性管列とし,以下,2)と同様に取り
扱う。すなわち,陽性管列5,3,2を採用し,表1に照らして対応する最確数140を得る。こ
こで,最確数の算出に採用した3段階の陽性管列で先頭の「薄めない試料の相当量(ml)」は10 ml
であるので,この値をそのまま試料の最確数[140(MPN/100 ml) ]とする。
7. 結果の表示
6.4で得られた硫酸塩還元菌数(MPN/100 ml),附属書1で得られた硫酸塩還元菌数(個/ ml)
は,有効数字2けたに数値を丸める。
結果には,試料の採取場所,採取日時,試験日時及び用いた試験方法を付記する。
付表 1 引用規格
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0550 超純水中の細菌数試験方法
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 0950 プラスチック製滅菌シャーレ
JIS K 8061 亜硫酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8263 寒天(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8978 硫酸鉄(II)七水和物(試薬)
JIS K 8995 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
JIS K 9003 流動パラフィン(試薬)
JIS K 9007 りん酸二水素カリウム(試薬)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製体積計
JIS T 1702 ふ(孵)卵器
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JIS K 0350-60-10:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.70 : 生物学的性質による水質の検査
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.060 : 水質 > 13.060.25 : 工業用水
JIS K 0350-60-10:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0101:1998
- 工業用水試験方法
- JISK0102:2016
- 工場排水試験方法
- JISK0211:2013
- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0550:1994
- 超純水中の細菌数試験方法
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK0950:1988
- プラスチック製滅菌シャーレ
- JISK8061:2010
- 亜硫酸ナトリウム(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8150:2006
- 塩化ナトリウム(試薬)
- JISK8180:2015
- 塩酸(試薬)
- JISK8180:2021
- 塩酸(試薬)
- JISK8263:2020
- 寒天(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8637:2006
- チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
- JISK8978:2008
- 硫酸鉄(II)七水和物(試薬)
- JISK8995:2015
- 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
- JISK8995:2021
- 硫酸マグネシウム七水和物(試薬)
- JISK9003:2014
- 流動パラフィン(試薬)
- JISK9007:2008
- りん酸二水素カリウム(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JIST1702:1997
- ふ(孵)卵器