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図9 ビュレット
参考 図に示すものは一例であり,同一機能であれば別の形状・寸法でもよい。
3.3 試薬
マクロケルダール法で用いる試薬は,次による。
(1) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
(2) スクロース JIS K 8383に規定するもの。
(3) 水 JIS K 0557に規定するA3のもの。
(4) 水酸化ナトリウム溶液(50質量%) ステンレス鋼製容器に水500mLを採り,JIS K 8576に規定す
る水酸化ナトリウム500gを溶解し,室温まで放冷したもの(2)。
注(2) 溶液の調製及びその後の取扱いに際しては保護手袋,保護めがねなどを着用する。
(5) 水酸化ナトリウム溶液(0.04質量%) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム0.4gを水に溶かした
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後,水で全量を1 000mLとしたもの。
(6) 触媒 JIS K 8983に規定する硫酸銅とJIS K 8962に規定する硫酸カリウムを1対25の割合(質量比)
で混合したもの。
備考 使用する硫酸カリウムは,適量を粉砕したものを磁製皿に移し,これを電気炉に入れて100℃
以下の温度から徐々に昇温し,500600℃で12時間加熱した後,デシケータ中で放冷したもの。
(7) 沸石 カーボランダム粒,磁器細片などを硫酸で30分間煮沸し,窒素化合物を除去した後,水で洗浄
し乾燥したもの。
(8) ほう酸溶液(0.4質量%) JIS K 8863に規定するほう酸4.0 gを水1 000mLに溶解したもの。
(9) ブロモフェノールブルー指示薬 JIS K 8844に規定するブロモフェノールブルー0.10gをJIS K 8102
に規定するエタノール50mLに溶解し,水で100mLとしたもの。
(10) 0.05mol/L硫酸標準液 硫酸3mLを水1Lに溶解する。この溶液のモル濃度は,以下によって求める。
(a) IS K 8005に規定する炭酸ナトリウム(無水)5g以下を白金るつぼに入れ,600℃で約1時間加熱
した後,過塩素酸マグネシウムを乾燥剤としたデシケータ中で0.51時間放冷する。
(b) (a)の炭酸ナトリウム(無水)0.130.16gを0.1mgのけたまではかり採り,水20mLを加えて溶かし
た後,ブロモフェノールブルー指示薬を加えて0.05mol/L硫酸標準液で滴定する。終点付近で煮沸
して二酸化炭素を除去し,冷却後滴定を続ける。指示薬の青紫色が消えて黄色に変わった点を終点
とする。
(c) 0.05mol/L硫酸標準液のモル濃度を次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって小数点以下4
けたに丸める。
M P
C
.01060 V 100
ここに, C : 0.05mol/L硫酸標準液のモル濃度 (mol/L)
M : (b)ではかり採った炭酸ナトリウム(無水)の質量 (g)
V : 終点までに要した0.05mol/L硫酸標準液の容量 (mL)
P : 炭酸ナトリウムの含量(質量%)
(11) 0.005mol/L硫酸標準液 0.05mol/L硫酸標準液を,ピペット及び全量フラスコで正確に10倍に希釈す
る。この硫酸標準液のモル濃度は,原液のモル濃度の101倍である。
(12) 混合指示薬(3) 次の2種類の溶液を等量ずつ混合したもの。この混合指示薬は褐色瓶に入れて保存す
るが,1週間以上経過したものは使用してはならない。
(a) IS K 8896に規定するメチルレッド0.125gをJIS K 8102に規定するエタノール100mLに溶かした
もの。
(b) IS K 8897に規定するメチレンブルー0.083gをJIS K 8102に規定するエタノール100mLに溶かし
たもの。
注(3) 混合指示薬の代わりに,メチルパープルの0.1%溶液を用いてもよい。
(13) 亜鉛 JIS K 8012に規定するもの。
3.4 試料の採取方法及び調製
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製
方法,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。
3.5 試験の手順
マクロケルダール法の試験の手順は,次による。
(1) 分解
(a) 表2に示す量の試料を試験容器に1mgのけたまではかり採り,試験容器ごと質量既知のケルダール
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フラスコに入れる。次いでその量に対応した量の硫酸を加え,更に質量既知の沸石35粒を加えて
振り混ぜる。
表2 試料のはかり採り量及び硫酸量
窒素分 質量% 試料はかり採り量 g 硫酸量 mL
0.05以下 2 50
0.05 を超え 0.1 以下 1 40
0.1 を超え 0.25 以下 0.5 30
0.25を超えるもの 0.2 30
(b) ケルダールフラスコをマクロケルダール試料分解装置の上に置き,吸引アダプタを取り付けるか,
又は吸引器に取り付け,吸引しながら加熱する。
備考 吸引器を用いる場合は,吸引効率を上げるため,ケルダールフラスコ首部と吸引器の接続
部とのすきまにガラスウールを詰める。
(c) ケルダールフラスコの内容物の泡立ちが激しくならないように注意しながら徐々に加熱を強める。
泡立ちが激しい場合は加熱を弱める。加熱を弱めても泡立ちが激しい場合には硫酸1015mLを追
加する。
(d) 泡立ちがおさまったら,生じた硫酸蒸気がケルダールフラスコの口から首部の2143の位置で凝縮還
流するように加熱を調節し,ケルダールフラスコの首部に付着している炭化物が還流液によって完
全に洗い落とされ,内容物がさらさらした褐色溶液となるまで,そのまま加熱を続ける。
(e) 次に加熱を止め,ケルダールフラスコを約10分間放置し,触媒25gを加える。再び硫酸蒸気がケル
ダールフラスコ首部で還流するように加熱し,内容物が無色ないし濃緑の透明溶液になってから,
更に3060分間加熱して試料を分解する。
(f) 分解終了後,室温まで放冷し,内容物の入ったケルダールフラスコの質量をはかる。
次の式によって最終触媒比を算出し,1.01.5の範囲内にあることを確認する。1.0より小さい場
合は,再度加熱を行い,硫酸を蒸発させる。1.5より大きい場合は(a)からやり直す。その際,硫酸
量は表2に規定する量よりも5mL過剰に加える。
8.1C
R
S
8.1C
A C F B V
ここに, R : 最終触媒比
C : 触媒添加量 (=25) (g)
S : 残存硫酸量 (g)
A : 分解終了後の内容物の入ったケルダールフラスコの質量 (g)
F : 空のケルダールフラスコの質量 (g)
B : 沸石の質量 (g)
V : 試験容器の質量 (g)
(g) 次いでケルダールフラスコを氷浴で冷却しながら水300mLを徐々に加えて,析出した塩を溶解する。
(2) 水蒸気蒸留
(a) ケルダールフラスコ内の溶液だけを蒸留フラスコに移し,水100mLでケルダールフラスコ内を洗浄
し,その洗液も加える。これに亜鉛1gを加える。
(b) 三角フラスコ500mLにほう酸溶液(0.4質量%)50mLを採り,ポリエチレン管(又はゴム管)の先
端が溶液に浸るように,三角フラスコ500mLを傾斜させて,マクロケルダール水蒸気蒸留装置を組
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み立てる(図5参照)。冷却器に冷却水を流し,残存硫酸量 (g) の2倍の数値をそのままmLで表
した量の水酸化ナトリウム溶液(50質量%)を漏斗から蒸留フラスコ内へ少しずつ加える(4)。
注(4) この操作は,三角フラスコ500mLの栓に取り付けた通気管から系内の空気を吸収しながら
行うと容易である。
(c) 水蒸気発生フラスコ及び蒸留フラスコの溶液が突沸しないように加熱を調節して水蒸気蒸留を行う。
三角フラスコ500mL内の溶液が120150mL(5)になったら栓を外し,三角フラスコ500mL内のポリ
エチレン管(又はゴム管)先端を液面より少し上にあげ,これを少量の水で洗浄する。次いで,ポ
リエチレン管(又はゴム管)先端が三角フラスコ500mL内の液に浸らないようにして約1分間水蒸
気蒸留を続け,加熱をやめる。ポリエチレン管(又はゴム管)先端部を少量の水で洗浄する。
注(5) 三角フラスコ500mL内の溶液量が150mLに近づくと蒸留フラスコ内で塩が析出し,突沸しやす
くなるので,飛まつが留出液中に混入しないように加熱を調節する。
(3) 滴定 三角フラスコ500mL内の溶液に混合指示薬0.5mLを加え,0.005mol/L硫酸標準液を用いて滴定
し,淡緑から赤紫に変色したところを終点(6)(7)とする。
注(6) 終点の判定が困難な場合には,別の三角フラスコ500mLにほう酸溶液(0.4質量%)50mLを入
れ,これに水を加えて滴定溶液と同量とし,次いで,混合指示薬0.5mL及び水酸化ナトリウム
溶液(0.04質量%)12滴を加えて緑色にする。この溶液を0.005mol/L硫酸標準液で中和滴定し
て求めた終点の色と比較する。
(7) メチルパープルを用いた場合には,灰青から紫に変色したところを終点とする。
(4) 空試験 試料の代わりにスクロースを用いて(1)(3)の操作を行う(8)。
注(8) 用いるスクロースの量は,試料の分解に用いた硫酸量に応じて表3から選ぶ。
なお,触媒量はいずれも25gとする。
表3 スクロース
硫酸量 mL スクロース 量g
50 5.0
40 2.5
30 1.0
3.6 計算方法及び精度
3.6.1 計算方法 マクロケルダール法による窒素分は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によっ
て小数点以下2けたに丸める。
.280CVa Vb
TN
M
ここに, TN : 試料中の窒素分(質量%)
C : 0.005mol/L硫酸標準液のモル濃度 (mol/L)
Va : 試料の滴定に要した0.005mol/L硫酸標準液の量 (mL)
Vb : 空試験の滴定に要した0.005mol/L硫酸標準液の量 (mL)
M : 試料のはかり採り量 (g)
3.6.2 精度 マクロケルダール法によって得られた試験結果の許容差(確率0.95)は,次のとおりである。
備考 試験結果が許容差を外れた場合は,JIS Z 8402の規定によって処理する。
(1) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を2回試
験したとき,試験結果の差の許容差を表4に示す。
(2) 室間再現精度 異なる2試験室において,別人が別の試験器で同一試料をそれぞれ1回ずつ試験した
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ときの2個の試験結果の差の許容差を表4に示す。
表4 精度
単位 質量%
室内併行許容差 室間再現許容差
0.026X+0.01 0.089X+0.01
備考 表中のXの値は,2個の試験結果の平均値
3.7 試験結果の報告
試験結果には,次の事項を記載する。
(1) 試料名,試料採取場所及び採取年月日
(2) ISの規格番号;JIS K 2609
(3) 試験方法の名称・項番号及び3.6.1によって得られた結果。
(4) 特記事項
4. 化学発光法
4.1 試験方法の原理
試料を加熱した燃焼管に導入し,酸素雰囲気中で分解酸化させ,試料中の窒素化
合物を一酸化窒素に変換する。その後,一酸化窒素をオゾンと反応させて励起状態の二酸化窒素に変え,
これが基底状態に戻るときに出す発光を光電子増倍管で検出し,この発光量から窒素分を求める。
参考1. この試験方法は,窒素−窒素結合をもつ窒素化合物を含む添加剤入り試料の場合には窒素分
を正確に求めることができないことがある。
2. この方法は,ASTM D 4629-91を参照して作成している。
4.2 化学発光法試験器
次の(1)(7)で構成し,その一例を図10に示す。
図10 化学発光法試験器(一例)
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JIS K 2609:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2609:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0512:1995
- 水素
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8012:2006
- 亜鉛(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8228:2020
- 過塩素酸マグネシウム(試薬)
- JISK8279:2013
- キノリン(試薬)
- JISK8383:2019
- スクロース(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8603:2011
- ソーダ石灰(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8777:2017
- ピリジン(試薬)
- JISK8844:2012
- ブロモフェノールブルー(試薬)
- JISK8863:2007
- ほう酸(試薬)
- JISK8896:2012
- メチルレッド(試薬)
- JISK8897:2012
- メチレンブルー(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8987:2006
- 硫酸ナトリウム(試薬)
- JISK9062:2020
- ニッケル(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則