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(1) 燃焼炉 燃焼管の入口部及び出口部を個別に加熱できるもの。
(2) 燃焼管 石英製で,試料を酸素と不活性ガス気流中で燃焼させることができるもの。
(3) 化学発光検出器 化学発光セルと窒素検出部で構成されており,一酸化窒素ガスとオゾンガスを反応
させ,このときの発光量を光電子増倍管で検出・増幅し,光学フィルターと光電子増倍管の検出波長
域で他の干渉光の影響を除くことができるもの。
(4) 窒素量表示器 光電子増倍管で検出された電流を増幅及び積分し,窒素量に換算して表示又は記録で
きるもの。
(5) オゾン発生器 酸素ガスを用いて無声放電によってオゾンガスを生成できるもの。
(6) 除湿管 燃焼ガス中の水分を除去できるもの(9)。
注(9) 電子除湿器を使用してもよい。
(7) マイクロシリンジ 容量,5 10 50 び100
4.3 試薬
化学発光法で用いる試薬は,次による。
(1) 酸素 JIS K 1101に規定するもの。
(2) 不活性ガス 純度99.99容量%以上のヘリウム又はアルゴン(10)。
注(10) 横形試験器ではヘリウム,縦形試験器ではアルゴンを用いる。
(3) 酸化剤 酸化銅 (II) で線状のもの。
(4) 除湿剤 JIS K 8228に規定するもの。
(5) トルエン JIS K 8680に規定するもの。
(6) 窒素標準液 キノリン溶液 (1 000最一一 ピリジン溶液 (1 000最一一 は窒素分標準試料
て調製したもの。
備考1. キノリン溶液 (1 000 最一一 ‰ 次によって調製したものとする。
――――― [JIS K 2609 pdf 16] ―――――
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JIS K 8279に規定するキノリン0.92gを1mgのけたまで全量フラスコ100mLに正確にはか
り採り,トルエンを標線まで加えて混合し溶解する。
この溶液の窒素濃度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって整数に丸める。
A 10.845Q 100
ここに, A : キノリン溶液の窒素濃度 ( 最一一
Q : キノリンのはかり採り量 (g)
10.845 : 純度100%のキノリンの窒素含量(質量%)
2. ピリジン溶液 (1 000 最一一 ‰ 次によって調製したものとする。
JIS K 8777に規定するピリジン0.56gを1mgのけたまで全量フラスコ100mLに正確にはか
り採り,トルエンを標線まで加えて混合・溶解する。
この溶液の窒素濃度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって整数に丸める。
A 17.707Q 100
ここに, A : ピリジン溶液の窒素濃度 ( 最一一
Q : ピリジンのはかり採り量 (g)
17.707 : 純度100%のピリジンの窒素含量(質量%)
3. 窒素分標準試料は,3.マクロケルダール法によって窒素分を測定した重油を用いる。
参考 社団法人石油学会で認証した重油窒素分標準試料(標準物質)を備考3.のものの代わ
りに用いるとよい。
窒素濃度が100 最一一 準液(11)の調製方法は,次による。
注(11) 窒素濃度が100- 最一一 外の窒素標準液の調製は,これに準じて行う。
(a) キノリン溶液 (1 000 最一一 ‰ いる場合 キノリン溶液 (1 000 最一一
で全量フラスコ100mLに採り,トルエンを標線まで加えて混合し溶解する。
この溶液の窒素濃度は10Aであり,JIS Z 8401の規定によって小数点以下1けたに丸める。
(b) ピリジン溶液 (1 000 最一一 ‰ いる場合 ピリジン溶液 (1 000 最一一
で全量フラスコ100mLに採り,トルエンを標線まで加えて混合し溶解する。
この溶液の窒素濃度は10Aであり,JIS Z 8401の規定によって小数点以下1けたに丸める。
(c) 窒素分標準試料を用いる場合 窒素分標準試料の適量(12)を1mgのけたまで正確にはかり採り,ト
ルエンで溶解した後,全量フラスコ100mLに移し入れ,トルエンを標線まで加えて十分に混合する。
この溶液の窒素濃度は,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって小数点以下1けたに
丸める。
a=100BM
ここに, a : 窒素標準液の濃度 ( 最一一
B : 窒素分標準試料の窒素分(質量%)
M : 窒素分標準試料のはかり採り量 (g)
注(12) この(c)に示した窒素標準液の濃度計算式を次のように変形して求める。
a
M
100B
4.4 試験器の準備
化学発光法の試験器の準備は,次による。
酸素及び不活性ガスの流量,燃焼炉及び検出器の温度を試験条件に設定する。灯油及び軽油の測定条件
の一例を表5及び表6に,重油の測定条件の一例を表7に示す。
――――― [JIS K 2609 pdf 17] ―――――
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表5 灯油及び軽油の測定条件(横形試験器の一例)
窒素分 質量ppm 5以下 5100
酸素流量 mL/min キャリアー,反応内管 約 20 約 20
反応内管 約 480 約 480
オゾン発生器 約 40 約 40
不活性ガス流量 mL/min キャリアー,反応内管 約 150 約 150
パージ用 約 200 約 200
燃焼炉温度 ℃ 約 1 100 約 1 100
検出器 PMT電圧 700800 600700
ゲインファクター Hi×25 Hi×10
ピークのモニター時間 min 約2.53.0 約3.54.0
試料注入部 試料注入量 1020 510
挿入速度 mm/min 約 180 約 180
表6 灯油及び軽油の測定条件(縦形試験器の一例)
窒素分 質量ppm 2以下 2100
酸素流量 mL/min キャリアー,反応内管 約50100 約50100
反応内管 約 100 約 100
オゾン発生器 約 90 約 90
不活性ガス流量 mL/min キャリアー,反応内管 約 150 約 150
燃焼炉温度 ℃ 注入部 ℃ 約 900 約 900
触媒部 ℃ 約 800 約 800
ガス切換え時間 s アルゴン 30 30
酸素 120 120
検出器 レンジ ppm 5 50
試料注入部 試料注入量 50100 1020
注入速度 一 1 1
表7 重油の測定条件(一例)
項目 形式
横形試験器 縦形試験器
酸素流量 mL/min キャリアー,反応内管 約 20 約 100
反応内管 約 250 約 600
オゾン発生器 約 90 約 60
不活性ガス流量 キャリアー,反応内管 約 150 約 150
mL/min パージ用 約 100 −
ガス切り換え時間 s アルゴン − 30
酸素 − 120
然焼炉温度 ℃ 約 1 100 注入部 約950
触媒部 約900
検出器 PMT電圧 600700 −
ゲインファクター Hi×10 −
レンジ ppm − 10
ピークのモニター時間 min 約3.54.0 −
試料注入部 試料注入量 5 10
挿入速度 mm/min 180 −
注入速度 一 − 1.0
4.5 検量線の作成
窒素標準液を用いて試験器の形式別に検量線を作成する。
(1) 試料を窒素分の概略値に応じて表8の窒素標準液(13)をマイクロシリンジにはかり採る。
――――― [JIS K 2609 pdf 18] ―――――
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注(13) 窒素標準液は,ナフサ,灯油及び軽油の場合にはキノリン溶液を,また,原油,潤滑油,重油
の場合は窒素分標準試料を用いる。
表8 窒素標準液の種類及びはかり採り量(一例)
窒素分 窒素標準液の濃度 最一 はかり採り量
横形試験器 縦形試験器 横形試験器 縦形試験器
1 質量ppm 0,1,2 0,1,2 1050 50100
10100 質量ppm 10,50,150 10,50,150 510 50
0.01 質量%以上 10,50,150 10,50,150 5 10100
(2) マイクロシリンジにはかり採った窒素標準液を次の方法によって燃焼管へ導入する。
(a) 横形試験器の場合 マイクロシリンジの針先を試料注入口に通して窒素標準液を試料ボートに注入
し,注入量を正確(14)に読み取る。次いで試料ボートを140180mm/minの速度で燃焼管入口部へ送
入する(15)。
備考 横形試験器で直接窒素標準液を注入する場合には,(b)の縦形試験器操作による。ただし,
注入速度は,0.21.0 一
(b) 縦形試験器の場合 マイクロシリンジの針先の先端を試料注入口を通して燃焼管入口部まで差し込
み窒素標準液を1.01.2 一 16)で注入し,注入量を正確(14)に読み取る。
注(14) 窒素標準液の注入前後にマイクロシリンジに同量の空気を吸引してマイクロシリンジ内の
液量を読み取ると,その読みの差から正確な注入量が分かり,針先からの揮散量を補正し
た値が求められる。
(15) 試料を一定速度で挿入するには自動注入器を用いるとよい。
(16) 試料を一定速度で注入するにはディスペンサー又は自動注入器を用いるとよい。
(3) 窒素表示器に示された指示値(17)を読み取る。(2)(3)の操作を3回繰り返し(18),それぞれ測定された
指示値(17)の平均値を求める。
注(17) ピーク面積値又は窒素濃度
(18) 3回の繰返し試験値の範囲が5%を超えた場合は,再度測定し直す。
(4) 空試験(19)として,検量線作成に使用したトルエンを同量マイクロシリンジに採り,(2)(3)の操作を
行って指示値(17)を測定し,標準試料について得た指示値(17)を補正する。
注(19) 原則として,微量の窒素分を測定するときは,空試験値を測定する。ただし,空試験値が試験
結果に影響がない場合は,この操作は省略してもよい。
(5) 試料の窒素濃度を内挿するように,表8の窒素標準液を選択して,標準窒素量と指示値(17)の関係線を
作成する。
参考 3種類以上の窒素標準液を用いて,検量線を作成する場合には,窒素分濃度と指示値(17)の関係
から,1次式又は2次式のどちらかを選択するとよい。
4.6 試料の採取方法及び調製
試料は,JIS K 2251に規定する一次試料の採取方法及び二次試料の調製
方法,又はそれに準じた方法によって採取及び調製する。
4.7 試料の測定
(1) ナフサ,灯油,軽油などの試料の場合(20) 試料の適量(21)をマイクロシリンジに採り,4.5の操作に従
って測定し,窒素表示器に示された指示値(17)を読み取る。
注(20) この操作は,沸点範囲50400℃,室温での動粘度が,0.210mm2/s [{cSt}] のナフサ,灯油,軽
油などに適用する。
――――― [JIS K 2609 pdf 19] ―――――
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(21) 検量線に内挿するように,試料をはかり採る。
(2) 原油,潤滑油,重油などの試料の場合 試料を1mgのけたまで正確にはかり採り,窒素濃度があらか
じめ作成した検量線の範囲に入るようにトルエンを用いて希釈,調製して試料溶液とし,これを4.5
の操作に従って測定し,窒素表示器に示された指示値(17)を読み取る。
備考 この操作は,軽油の窒素分測定に適用してもよい。
参考 試料の窒素レベルに対応した試料のはかり採り量と希釈量の関係を参考表1に示す。
参考表1 試料のはかり採り量
窒素分 質量% 横形試験器 縦形試験器
試料はかり採り量 g フラスコ容量 mL 試料はかり採り量 g フラスコ容量 mL
0.05 約4.0 20 約2.0 20
0.1 約2.0 20 2.5 50
0.3 約1.7 50 1.7 100
0.5 約1.0 50 1.0 100
4.8 計算方法及び精度
4.8.1 計算方法 化学発光法の窒素分は,次の(1)又は(2)の式によって算出する。
(1) ナフサ,灯油,軽油などの試料の場合 次の式によって,窒素分を算出し,JIS Z 8401の規定によっ
て有効数字2けたに丸める。ただし,10質量ppm未満の場合は,整数位とする。
N1
TN1
u1D
ここに, TN1 : 試料中の窒素分(質量ppm)
N1 : 窒素量 (ng)
u1 : 試料溶液注入量 (
D : 試料密度 (g/cm3)
(2) 原油,潤滑油,重油などの試料の場合 次の式によって,窒素分を算出し,JIS Z 8401の規定によっ
て小数点以下2けたに丸める。
N2V
TN2 .00001
u2M
ここに, TN2 : 試料中の窒素分(質量%)
N2 : 窒素量 (ng)
V : 試料溶液の全量 (mL)
u2 : 試料溶液注入量 (
M : 試料のはかり採り量 (g)
参考 試料中の窒素分を質量ppmで表すときは,次の式によって算出し,JIS Z 8401の規定によって
有効数字2けたに丸める。
N2V
TN2
u2M
ここに, TN2' : 試料中の窒素分(質量ppm)
4.8.2 精度 化学発光法によって得られた試験結果の許容差(確率 0.95)は,次のとおりである。ただ
し,原油及び潤滑油には適用しない。
備考 試験結果が許容差を超えた場合は,JIS Z 8402の規定によって処理する。
(1) ナフサ,灯油,軽油などの試料の場合 この精度は,沸点範囲50400℃,室温での動粘度が,0.2
10mm2/s [{cSt}] のナフサ,灯油,軽油などに1100質量ppm含まれる窒素分の精度に適用する。
(a) 室内併行精度 同一試験室において,同一人が同一試験器で,引き続き短時間内に同一試料を2回
――――― [JIS K 2609 pdf 20] ―――――
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JIS K 2609:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 2609:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0512:1995
- 水素
- JISK0557:1998
- 用水・排水の試験に用いる水
- JISK1101:2017
- 酸素
- JISK2251:2003
- 原油及び石油製品―試料採取方法
- JISK2839:1990
- 石油類試験用ガラス器具
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8012:2006
- 亜鉛(試薬)
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8228:2020
- 過塩素酸マグネシウム(試薬)
- JISK8279:2013
- キノリン(試薬)
- JISK8383:2019
- スクロース(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8603:2011
- ソーダ石灰(試薬)
- JISK8680:2006
- トルエン(試薬)
- JISK8777:2017
- ピリジン(試薬)
- JISK8844:2012
- ブロモフェノールブルー(試薬)
- JISK8863:2007
- ほう酸(試薬)
- JISK8896:2012
- メチルレッド(試薬)
- JISK8897:2012
- メチレンブルー(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8962:2008
- 硫酸カリウム(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8987:2006
- 硫酸ナトリウム(試薬)
- JISK9062:2020
- ニッケル(試薬)
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則