JIS K 6224:2017 ゴム用配合剤―酸化マグネシウム―試験方法 | ページ 2

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なお,強熱後の試料は,箇条6の測定に用いる。
注記 強熱減量は,酸化マグネシウム含有量測定における試験手順の中の一つの段階であるが,工程
における焼成度合を示す指標として重要なため,独立した試験方法項目とした。

5.2 器具及び装置

  器具及び装置は,次による。
a) はかり 0.1 mgの桁まではかれるもの。
b) るつぼ JIS R 1301に規定するもので,B形の呼び容量15 mLのもの。
c) デシケータ 乾燥剤(シリカゲル)を入れたもの。
d) 電気炉 900 ℃980 ℃の範囲で,精度±25 ℃に調整可能なもの。

5.3 試験の手順

  試験の手順は,次による。
a) るつぼを試験する強熱温度で30分間強熱する。
b) るつぼをデシケータ内で室温まで放冷し,るつぼの質量を0.1 mgの桁まではかる。このときの質量を
m1とする。
c) 試料をるつぼに約2/3容量まで入れ,質量を0.1 mgの桁まではかりとる。このときの質量をm2とする。
注記 ここではかりとれる質量は,かさ密度によって異なるが,おおむね2 g3 gである。
d) るつぼを電気炉に入れ,900 ℃980 ℃の範囲から選択した温度で強熱する。900 ℃での強熱時間の
目安は3時間,980 ℃での強熱時間の目安は2時間である。
e) 強熱後のるつぼをデシケータ内で室温まで放冷し,質量を0.1 mgの桁まではかる。このときの質量を
m3とする。
f) 強熱後の試料は,吸湿を防ぐためデシケータ内で保管し,箇条6の測定に用いる。

5.4 計算

  式(1)によって,強熱減量を算出する。結果は,JIS Z 8401によって丸め,小数点以下1桁で表す。
m2 m3
I 100 (1)
m2 m1
ここに, I : 強熱減量[質量分率(%)]
m1 : るつぼの質量(g)
m2 : 強熱前の試料とるつぼの質量(g)
m3 : 強熱後の試料とるつぼの質量(g)

5.5 試験報告書

  試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試料の履歴
b) この規格の名称及び番号
c) 試験条件(強熱温度及び強熱時間)
d) 試験結果
e) この規格で規定していない操作を含む試験の詳細
f) 試験年月日

6 酸化マグネシウム含有量

6.1 概要

――――― [JIS K 6224 pdf 6] ―――――

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強熱減量(箇条5)測定後の試料を,塩酸で溶解する。その溶液をエチレンジアミン四酢酸二水素二ナ
トリウム二水和物(EDTA)水溶液にて滴定し,酸化マグネシウム及び酸化カルシウム含有量の合量に相
当するEDTA滴定量を求める。次に,原子吸光法又はICP発光分析法にて,酸化カルシウム含有量を求め,
その含有量に相当するEDTA滴定量に換算する。さらに,酸化マグネシウム及び酸化カルシウム含有量の
合量に相当するEDTA滴定量から酸化カルシウム含有量に相当するEDTA滴定量を差し引き,強熱後の酸
化マグネシウム含有量を算出する。
注記 MgO含量は100 %に近く,原子吸光分析法又はICP発光分析法で測定する場合は,かなり希釈
する必要があり,分析精度が低下してしまう。また,原子吸光分析法又はICP発光分析法では
測定の有効数字は2桁程度であり,感度は高いが滴定法(有効数字3桁程度)に比べて精度は
低い。以上の理由から,滴定法で同時に検出されるカルシウム分を感度の高い測定法を用いて
定量している。

6.2 酸化マグネシウム及び酸化カルシウム含有量の合量

6.2.1  試薬
試薬は,次による。
a) 水 JIS K 0050の附属書D(化学分析に用いる水)に規定するもの。
b) 塩酸(試薬) JIS K 8180に規定するもの。
c) 塩酸(1+1) 塩酸の1容量に1容量の水を加えて希釈したもの。
d) 水酸化ナトリウム(試薬) JIS K 8576に規定するもの。
e) 40 g/L水酸化ナトリウム水溶液 水酸化ナトリウム約4 gをはかりとり,約50 mLの水を加えて溶解
した後,更に水を加えて全量を100 mLとしたもの。
f) 0.8 g/L水酸化ナトリウム水溶液 40 g/L水酸化ナトリウム溶液を水で50倍希釈したもの。
g) 質量分率28 %アンモニア水(試薬) JIS K 8085に規定するもの。
h) 塩化アンモニウム(試薬) JIS K 8116に規定するもの。
i) pH 10.7アンモニア・塩化アンモニウム緩衝液 塩化アンモニウム67.5 gに水を加えて溶解し,質量
分率28 %アンモニア水570 mLを加え,更に水を加えて全量を1 000 mLとしたもの。
j) エリオクロムブラックT(EBT)(試薬) JIS K 8736に規定するもの。
k) 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬) JIS K 8201に規定するもの。
l) メタノール(試薬) JIS K 8891に規定するもの。
m) BT指示薬 EBT 0.6 gと塩化ヒドロキシルアンモニウム4.0 gとをメタノール100 mLに溶かしたも
の。遮光して保存する。
n) 亜鉛(容量分析用標準物質) JIS K 8005に規定するもの。
o) アセトン(試薬) JIS K 8034に規定するもの。
p) 0.01 mol/L亜鉛水溶液
1) 調製 亜鉛を希塩酸で洗い,次に水,アセトンで洗浄した後に乾燥する。乾燥した亜鉛約0.65 gを
0.1 mgの桁まではかりとり,このときの亜鉛質量をm4とする。塩酸(1+1)5 mLで完全に溶解し,
水を加えて全量を1 000 mLとする。
2) 計算 式(2)によって,0.01 mol/L亜鉛水溶液のファクター(f1)を算出する。結果は,JIS Z 8401に
よって丸め,小数点以下3桁で表す。ここで算出した0.01 mol/L亜鉛水溶液のファクターは,式(3)
のf1とする。

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m4 Z
f1 (2)
0.653 8 100
ここに, f1 : 0.01 mol/L亜鉛水溶液のファクター
m4 : はかりとった亜鉛の質量(g)
Z : 亜鉛の純度[質量分率(%)]
0.653 8 : 0.01 mol/L亜鉛水溶液1 000 mL中に含まれる亜鉛の質量
(g)
q) エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(EDTA)(試薬) JIS K 8107に規定するもの。
r) 0.01 mol/L EDTA水溶液
1) 調製 EDTA約3.72 gをはかりとり,水に溶解し,水を加えて全量を1 000 mLとする。ポリエチレ
ンなどの樹脂製気密容器に入れ,保存する。
2) 標定 p) の0.01 mol/L亜鉛水溶液20 mLを全量ピペットでとり,水80 mLを加えた後,0.8 g/L水
酸化ナトリウム水溶液でpH約7に調整する。この調整した水溶液に,pH 10.7のアンモニア・塩化
アンモニウム緩衝液2 mLを加え,EBT指示薬を用い,1) で調製した0.01 mol/L EDTA水溶液で滴
定し,当量点(赤紫色が赤みのない青色になったとき)を求める。
3) 計算 式(3)によって,0.01 mol/L EDTA水溶液のファクター(f2)を算出する。結果は,JIS Z 8401
によって丸め,小数点以下3桁で表す。ここで算出した0.01 mol/L EDTA水溶液のファクターは,
式(8)のf2とする。
f1 20
f2 (3)
V
ここに, f2 : 0.01 mol/L EDTA水溶液のファクター
f1 : 0.01 mol/L亜鉛水溶液のファクター
V : 標定に要した0.01 mol/L EDTA水溶液の滴定量(mL)
6.2.2 器具及び装置
器具及び装置は,次による。
a) はかり 0.1 mgの桁まではかれるもの。
b) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するクラスAの要求事項に合致するもの。
c) 全量ピペット JIS R 3505に規定するクラスAの要求事項に合致するもの。
d) ビュレット JIS R 3505に規定するクラスAの要求事項に合致するもの。
6.2.3 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 強熱減量(箇条5)測定後の試料約500 mgを,ビーカーに0.1 mgの桁まではかりとる。このときの
試料質量をm5とする。
b) 塩酸(1+1)10 mLをa) のビーカーに徐々に加えて加熱溶解する。
c) 冷却後,500 mLの全量フラスコに移したのち,元のビーカーを少量の水で洗浄し,その洗液も全量フ
ラスコに加え,更に水を加えて全量を500 mLとし,これを試験液とする。
d) 試験液10 mLを全量ピペットでビーカーに採取し,水80 mLを加えた後,0.8 g/L水酸化ナトリウム水
溶液でpH約7に調整する。この調整した水溶液に,pH 10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液
2 mLを加え,EBT指示薬を用い,ビュレットを用いて,0.01 mol/L EDTA水溶液で滴定し,当量点(赤
紫色が赤みのない青色になったとき)を求める。

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e) この当量点での滴定量を,酸化マグネシウム及び酸化カルシウム含有量を合わせた滴定量として,式
(8)のAとする。

6.3 酸化カルシウム含有量の計算

6.3.1  概要
酸化カルシウム含有量の試験方法は,次の二つがある。
a) 原子吸光分析法 原子吸光分析装置を用い,試料中に含まれるカルシウムをフレーム(炎)によって
基底状態の原子に解離し,その原子蒸気層の吸光度を測定することによって,カルシウムの濃度を求
める。
b) CP発光分光分析法 ICP発光分光分析装置を用い,試料中に含まれるカルシウムを高周波誘導結合
プラズマによって気化励起し,得られる原子スペクトル線の発光強度を測定することによって,カル
シウムの濃度を求める。
6.3.2 原子吸光分析法
6.3.2.1 試薬
試薬は,次による。
a) 水 JIS K 0050の附属書Dに規定するもの。
b) 塩酸(試薬) JIS K 8180に規定するもの。
c) 塩酸(1+1) 塩酸の1容量に1容量の水を加えて希釈したもの。
d) 酸化ランタン La2O3(質量分率99.5 %以上)
e) 0.2 mol/L酸化ランタン溶液 酸化ランタン6.5 gを塩酸(1+1)に溶解し,更に塩酸(1+1)を加え
て全量を100 mLとしたもの。
f) 炭酸カルシウム(試薬) JIS K 8617に規定するもの。
g) カルシウム標準原液(1 000 mg Ca/L) 150 ℃180 ℃で1時間乾燥させた炭酸カルシウム約1.249 g
を0.1 mgの桁まではかりとり,塩酸(1+1)を110 mL加えて溶解し,水を加えて全量を500 mLと
したもの。
なお,市販品を用いる場合は,計量標準供給制度(JCSS : Japan Calibration Service System)に基づ
き供給されている国家計量標準にトレーサブルで,JCSSの校正証明書を付した標準液を用いることが
望ましい。
h) カルシウム標準液(100 mg Ca/L) g) のカルシウム標準原液を10倍に希釈したもの。
なお,市販品を用いる場合は,計量標準供給制度(JCSS : Japan Calibration Service System)に基づ
き供給されている国家計量標準にトレーサブルで,JCSSの校正証明書を付した標準液を用いることが
望ましい。
6.3.2.2 器具及び装置
器具及び装置は,次による。
a) はかり 0.1 mgの桁まではかれるもの。
b) 全量フラスコ JIS R 3505に規定するクラスAの要求事項に合致するもの。
c) 全量ピペット JIS R 3505に規定するクラスAの要求事項に合致するもの。
d) メスピペット JIS R 3505に規定するクラスAの要求事項に合致するもの。
e) 原子吸光分析装置 JIS K 0121に規定するもの。
6.3.2.3 試験の手順
試験の手順は,次による。

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a) 強熱減量(箇条5)測定後の試料約1 gをビーカーに0.1 mgの桁まではかりとる。このときの試料質
量をm6とする。
b) 塩酸(1+1)20 mLをa) のビーカーに徐々に加えて加熱溶解する。
c) 冷却後,100 mLの全量フラスコに移したのち,元のビーカーを少量の水で洗浄し,その洗液も全量フ
ラスコに加え,更に水を加えて100 mLとする。メスピペットを用いて,この溶液2.5 mLを25 mLの
全量フラスコにはかりとり,全量ピペットを用いて,0.2 mol/L酸化ランタン溶液を1 mL加える。更
に水を加えて全量を25 mLとし,これを試験液とする。
d) カルシウム標準液(100 mg Ca/L)0.5 mLをメスピペットを用いて,25 mLの全量フラスコにとり,全
量ピペットを用いて,0.2 mol/L酸化ランタン溶液を1 mL加える。更に水を加えて全量を25 mLとし,
これを2.0 mg Ca/Lの検量線用標準液とする。また,カルシウム標準液(100 mg Ca/L)1.5 mL及び2.5
mLにて同様に調製したものを6.0及び10.0 mg Ca/Lの検量線用標準液とする。
e) カルシウム標準液(100 mg Ca/L)を加えずに,同様に調製した溶液をブランク溶液とする。
f) 原子吸光分析装置に,カルシウム中空陰極ランプを取り付け,波長を422.7 nmに設定する。また,適
切な空気及びアセチレンの圧力並びに流量を設定する
g) ブランク溶液と検量線用標準液とを装置に噴霧してその吸光度を測定して検量線を作成し,試験液の
カルシウムの吸光度から濃度を測定する。
h) 式(4)及び式(5)によって,酸化カルシウム含有量を算出する。
注記 この検量線用標準液での定量範囲は,試料中の質量分率0 %1 %である。
i) 算出した酸化カルシウム含有量は,式(5)のC1及び式(9)のCとする。
6.3.2.4 計算
式(4)及び式(5)によって,酸化カルシウム含有量を算出する。結果は,JIS Z 8401によって丸め,小数点
以下2桁で表す。
25 100 1
E1
2.5 1 000 1 000
D1 100 (4)
m6
C1 1 1.40 (5)
ここに, D1 : カルシウム含有量[質量分率(%)]
E1 : 試験液のカルシウム濃度(mg/L)
m6 : 原子吸光分析法でひょう量した試料の質量(g)
C1 : 酸化カルシウム含有量[質量分率(%)]
1.40 : カルシウムから酸化カルシウムへの換算係数
6.3.3 ICP発光分光分析法
6.3.3.1 試薬
試薬は,次による。
a) 水 JIS K 0050の附属書Dに規定するもの。
b) 塩酸(試薬) JIS K 8180に規定するもの。
c) 塩酸(1+1) 塩酸の1容量に1容量の水を加えて希釈したもの。
d) 炭酸カルシウム(試薬) JIS K 8617に規定するもの。
e) カルシウム標準原液(1 000 mg Ca/L) 150 ℃180 ℃で1時間乾燥させた炭酸カルシウム約1.249 g
を0.1 mgの桁まではかりとり,塩酸(1+1)を110 mL加えて溶解し,水を加えて全量を500 mLと

――――― [JIS K 6224 pdf 10] ―――――

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JIS K 6224:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 21869:2006(MOD)

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