JIS K 8863:2022 ほう酸(試薬) | ページ 2

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い,JIS K 8001:2017のJA.6.4 r) 1)(1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液)に従って,調製,標定及び計
算したもの。
b) 装置 主な装置は,次による。
· 自動滴定装置 電位差滴定の機能をもち,最小吐出量が0.01 mL以下のもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料1.5 gをビーカー200 mLなどに0.1 mgの桁まではかりとり,二酸化炭素を除いた水100 mL及
びD(−)-マンニトール20 gを加えて溶かす。
2) 次のいずれかの方法で,滴定する。
2.1) 指示薬としてフェノールフタレイン溶液約3滴を加え,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定す
る。終点は,液のうすい紅色が30秒間持続する点とする。
2.2) JIS K 0113:2005の5.(電位差滴定方法)によって,指示薬を用いず,指示電極に白金電極若しく
は銀電極,及び参照電極に銀−塩化銀電極,又は指示電極と参照電極とを組み合わせた複合電極
を用いて,1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定を行う。終点は,変曲点とする。
3) 別に,同一条件で空試験を行い,滴定量を補正する。
d) 計算 純度(H3BO3)は,次の式によって算出する。
.0061 83 V1 V2 f1
A 100
m1
ここで, A : 純度(H3BO3)(質量分率 %)
V1 : 滴定に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
V2 : 空試験に要した1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液の体積
(mL)
f1 : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液のファクター
m1 : はかりとった試料の質量(g)
0.061 83 : 1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液1 mLに相当するH3BO3
の質量を示す換算係数(g/mL)

7.3 水溶状

  水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) JIS K 8541に規定する硝酸(質量分率60 %61 %,特級)の体積1と水の体積2と
を混合したもの。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) JIS K 8550に規定する硝酸銀2 gをはかりとり,水を加えて溶かし,更に水
を加えて100 mLにしたもの。褐色ガラス製瓶に保存する。
3) 塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 濁りの程度の適合限度標準は,“澄明”を用いる。
澄明の限度標準の調製は,塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL)0.2 mLを共通すり合わせ平底試験管[c)
参照]にとり,水10 mL,硝酸(1+2)1 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加え,更に水を加えて
20 mLとし,振り混ぜてから15分間放置する。
c) 器具 主な器具は,次による。
· 共通すり合わせ平底試験管 容量50 mL,直径約24 mmで,目盛のあるもの。
d) 操作 操作は,次による。

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1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水20 mLを加えて,加
熱して溶かす。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり
合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 試料溶液の濁りが,b)の濁りより濃くなく,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めないとき,
“水溶状 : 試験適合(規格値)”とする。

7.4 エタノール溶状

  エタノール溶状の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) エタノール(95) JIS K 8102に規定するもの。
2) 硝酸(1+2) 7.3 a) 1)による。
3) 硝酸銀溶液(20 g/L) 7.3 a) 2)による。
4) 塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL) 7.3 a) 3)による。
b) 濁りの程度の適合限度標準 7.3 b)による。
c) 器具 主な器具は,次による。
· 共通すり合わせ平底試験管 7.3 c)による。
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,エタノール(95)20 mL
を加えて,加温して溶かす。
2) 直後に,試料溶液の濁りの程度をb)と比較する。また,ごみ,浮遊物などの異物の有無を共通すり
合わせ平底試験管の上方又は側方から観察する。
e) 判定 試料溶液の濁りが,b)の濁りより濃くなく,ごみ,浮遊物などの異物をほとんど認めないとき,
“エタノール溶状 : 試験適合(規格値)”とする。

7.5 強熱残分(メタノール添加後)(硫酸塩)

  強熱残分(メタノール添加後)(硫酸塩)の試験方法は,次による。
a) 試薬 試薬は,次による。
1) 塩酸 JIS K 8180に規定する特級のもの。
2) メタノール JIS K 8891に規定するもの。
3) 硫酸(1+1) 水の体積1を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加えたもの。
b) 器具及び装置 主な器具及び装置は,次による。
1) 白金皿 JIS H 6202:1986に規定する白金皿。
2) デシケーター 乾燥剤としてJIS Z 0701:1977に規定するシリカゲル(A形1種)を入れたもの。
3) 水浴 沸騰水浴として使用することができ,蒸発皿,ビーカーなどを載せられるもの。
4) 電気炉 500 ℃±50 ℃に調節できるもの。
c) 操作 操作は,次による。
なお,有害な塩酸及びトリメチルほう素,引火性のメタノールの蒸気などが発生するので,排気に

――――― [JIS K 8863 pdf 7] ―――――

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注意する。
1) 試料10 gをあらかじめ恒量とした白金皿(W1 g)にはかりとる(W2 g)。この場合,試料量m2 gは,
(W2−W1)gとする。
なお,試料の質量を別途はかり込んでから白金皿に加えてもよい(m2 g)。
2) メタノール50 mL及び塩酸5 mLを加え,沸騰水浴上で蒸発乾固する。この操作を試料が揮散して
なくなるまで繰り返す。
3) 硫酸(1+1)0.5 mLを加え,熱板(ホットプレート)上で硫酸の白いミストが生じなくなるまで加
熱する。
4) 白金皿を電気炉で,500 ℃±50 ℃で1時間強熱する。
5) 電気炉から取り出した白金皿を,速やかにデシケーターに入れる。
なお,強熱後の白金皿をデシケーターに入れるとデシケーター内部の空気が膨張し,デシケータ
ーの蓋が落下しやすいため,蓋をずらして空気を抜くとよい。
6) デシケーター内で放冷後,白金皿を取り出し,0.1 mgの桁まで質量をはかる(W3 g)。
7) 恒量となるまで,4)6)の操作を繰り返す。
d) 計算 強熱残分(メタノール添加後)(硫酸塩)は,次の式によって算出する。
W3 W1
B 100
m2
ここで, B : 強熱残分(メタノール添加後)(硫酸塩)
(質量分率 %)

7.6 塩化物(Cl)

  塩化物(Cl)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
1) 硝酸(1+2) 7.3 a) 1)による。
2) 硝酸銀溶液(20 g/L) 7.3 a) 2)による。
3) 塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL) 7.3 a) 3)による。
b) 器具 主な器具は,次による。
1) 共通すり合わせ平底試験管 7.3 c)による。
2) ブフナー漏斗形ガラスろ過器 JIS R 3503:2007の付図65に規定する,ろ過板の細孔記号3のもの。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料10 gをビーカー100 mLなどにはかりとり,水40 mLを加えて加熱して溶かし,10 ℃以下に冷
却した後,ブフナー漏斗形ガラスろ過器で吸引ろ過し,ろ液を共通すり合わせ平底試験管に受け,
ろ過器及び結晶を10 ℃以下の水3 mLで洗い,洗液をろ液に合わせ,更に水を加えて50 mLにする
(A液)(A液は,7.8にも用いる。)。
2) 試料溶液の調製は,A液20 mL(試料量4.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にとる。
3) 比較溶液の調製は,共通すり合わせ平底試験管に塩化物標準液(Cl : 0.01 mg/mL)0.8 mLをとり,
水を加えて20 mLにする。
4) 試料溶液及び比較溶液に,硝酸(1+2)5 mL及び硝酸銀溶液(20 g/L)1 mLを加えて振り混ぜた後,
15分間放置する。
5) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を共通すり合わせ平底試験管

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の上方又は側方から観察して濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“塩化物
(Cl) : 質量分率2 ppm以下(規格値)”とする。

7.7 りん酸塩(PO4)

  りん酸塩(PO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) 塩化すず(II)溶液(りん酸定量用) JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物40 gをはか
りとり,JIS K 8180に規定する塩酸(ひ素分析用)60 mLを加えて溶かして混合し,その1 mLをと
り,硫酸(1+30)を加えて250 mLにしたもの。使用時に調製する。なお,硫酸(1+30)の調製は,
水の体積30を冷却し,かき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々に加える。
2) モリブデン酸アンモニウム溶液(りん酸定量用) JIS K 8905に規定するモリブデン(VI)酸アン
モニウム四水和物10.6 gをはかりとり,水70 mL及びアンモニア水(質量分率28.0 %30.0 %)7
mLを加えて溶かし,水を加えて100 mLにする。これをろ過後,ろ液に水を加えて200 mLにし,
硫酸(1+5)[3)参照]10 mLを加える。
モリブデン酸アンモニウム溶液(りん酸定量用)の洗浄は,これを分液漏斗に移し,JIS K 8810
に規定する1-ブタノール30 mLを加え,1分2分間激しく振り混ぜる。放置後,上層(1-ブタノー
ル相)と下層(水相)とを分離し,水相をポリエチレンなどの樹脂製瓶に保存する。
洗浄の確認試験は,洗浄操作で分離した上層(1-ブタノール相)を硫酸(1+5)15 mLで洗い,下
層(硫酸相)を除去する操作を2回行った後,上層(1-ブタノール相)に塩化すず(II)溶液(りん
酸定量用)15 mLを加えて30秒間振り混ぜて放置し,上層(1-ブタノール相)に青が現れないこと
を確認する。
なお,確認試験で上層(1-ブタノール相)に青が現れた場合は,保存した下層(水相)の洗浄及び
確認試験を繰り返す。ポリエチレン製瓶などに保存する。
3) 硫酸(1+5) 水の体積5を冷却し,かき混ぜながら,JIS K 8951に規定する硫酸の体積1を徐々
に加えたもの。
4) りん酸塩標準液(PO4 : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 器具 主な器具は,次による。
· 共通すり合わせ平底試験管 7.3 c)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを共通すり合わせ平底試験管にはかりとり,水15 mLを加えて,加
熱して溶かし,冷後,更に水を加えて20 mLとする。
2) 比較溶液の調製は,りん酸塩標準液(PO4 : 0.01 mg/mL)0.5 mLを共通すり合わせ平底試験管にと
り,水を加えて20 mLとする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,硫酸(1+5)2.5 mL及びモリブデン酸アンモニウム溶液(りん酸定量用)
1 mLを加えて振り混ぜ,3分間放置する。これに,塩化すず(II)溶液(りん酸定量用)1 mLを加
えて振り混ぜ,10分間放置する。
4) 白の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,色を比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の色が,比較溶液から得られた液の青より濃くないとき,“りん酸塩
(PO4) : 質量分率5 ppm以下(規格値)”とする。

――――― [JIS K 8863 pdf 9] ―――――

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7.8 硫酸塩(SO4)

  硫酸塩(SO4)の試験方法は,次による。
a) 試薬及び試験用溶液類 試薬及び試験用溶液類は,次による。
1) エタノール(95) 7.4 a) 1)による。
2) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして
100 mLにしたもの。
3) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
4) 硫酸塩標準液(SO4 : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 器具 主な器具は,次による。
· 共通すり合わせ平底試験管 7.3 c)による。
c) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,7.6のA液20 mL(試料量4.0 g)を共通すり合わせ平底試験管にとり,塩酸(2
+1)0.3 mL及び水を加えて溶かし,更に水を加えて25 mLにする。
2) 比較溶液の調製は,硫酸塩標準液(SO4 : 0.01 mg/mL)4.0 mL及び塩酸(2+1)0.3 mLを共通すり
合わせ平底試験管にとり,水を加えて25 mLにする。
3) 試料溶液及び比較溶液に,エタノール(95)3 mL及び塩化バリウム溶液(100 g/L)2 mLを加えて
振り混ぜた後,1時間放置する。
4) 黒の背景を用いて,試料溶液及び比較溶液から得られたそれぞれの液を,共通すり合わせ平底試験
管の上方又は側方から観察して,濁りを比較する。
d) 判定 試料溶液から得られた液の濁りが,比較溶液から得られた液の白濁より濃くないとき,“硫酸塩
(SO4) : 質量分率0.001 %以下(規格値)”とする。

7.9 カルシウム(Ca)

  カルシウム(Ca)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次による。
· カルシウム標準液(Ca : 0.01 mg/mL) JIS K 8001:2017のJA.4(標準液)による。
b) 装置 主な装置は,次による。
· フレーム原子吸光分析装置 装置の構成は,JIS K 0121:2006に規定するもの。
c) カルシウムの測定波長 カルシウムの測定波長の例を表2に示す。
表2−カルシウムの測定波長の例
単位 nm
分析種 測定波長
カルシウム(Ca) 422.7
d) 操作 操作は,次による。
1) 試料溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水を標線まで加えて溶かす。
2) 比較溶液の調製は,試料1.0 gを全量フラスコ50 mLにはかりとり,水を加えて溶かし,カルシウ
ム標準液(Ca : 0.01 mg/mL)1.0 mLを加え,更に水を標線まで加えて混合する(Y液)。

――――― [JIS K 8863 pdf 10] ―――――

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JIS K 8863:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6353-3:1987(MOD)

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JIS K 8863:2022の関連規格と引用規格一覧