JIS S 2145:1991 ガス用金属フレキシブルホース

JIS S 2145:1991 規格概要

この規格 S2145は、圧力3.24kPa{330mmH2O}以下の液化石油ガス又は都市ガスを使用する固定形ガス燃焼機器と,ガス栓とを接続するために用いるガス用金属フレキシブルホースについて規定。

JISS2145 規格全文情報

規格番号
JIS S2145 
規格名称
ガス用金属フレキシブルホース
規格名称英語訳
Metallic flexible hoses for gas
制定年月日
1985年7月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

23.040.70
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1985-07-01 制定日, 1991-05-01 改正日, 1997-02-20 確認日, 2006-08-20 改正日, 2009-02-20 改正日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS S 2145:1991 PDF [16]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
S 2145-1991

ガス用金属フレキシブルホース

Metallic flexible hoses for gas

1. 適用範囲 この規格は,圧力3.24kPa [{330mmH2O}] 以下の液化石油ガス又は都市ガス(1)を使用する固
定形ガス燃焼機器(2)と,ガス栓とを接続するために用いるガス用金属フレキシブルホース(以下,ホース
という。)について規定する。
注(1) 液化石油ガスとは,液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律
第149号)に基づく,施行規則(昭和43年通商産業省令第14号)の“液化石油ガスの規格”に掲
げるガスをいう。
都市ガスとは,ガス事業法(昭和29年法律第51号)に基づく,ガス用品の検定等に関する
省令(昭和46年通商産業省令第27号)に掲げるガスグループのガスをいう。
(2) 固定形ガス燃焼機器とは,湯沸器,レンジなど設置後移動しないガス燃焼機器をいう。
備考1. この規格の引用規格を付表1に示す。
2. この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 種類 ホースの種類は,適用ガス種,フレキシブルチューブ(以下,チューブという。)の材質及び接
続金具によって表13のとおりとする。
表1 適用ガス種
種類 記号
液化石油ガス・都市ガス兼用 G
液化石油ガス専用 L
表2 チューブの材質
種類 記号
銅合金 C
ステンレス鋼 S
表3 接続金具の種類
種類 記号 備考
管用テーパおねじ接続金具 T 接続シール部がRねじ面シールするもの
管用テーパめねじ接続金具 TI 接続シール部がRcねじ面シールするもの
90T
90°ベンド管用テーパおねじ接続金具 Tの90°ベンドのもの
90TI
90°ベンド管用テーパめねじ接続金具 TIの90°ベンドのもの
ホースエンド接続金具 H 液化石油ガス専用で,ホースエンドに接続するもの
3. 性能

――――― [JIS S 2145 pdf 1] ―――――

2
S 2145-1991
3.1 ホースの性能 ホースの性能は,10.3によって試験を行い,表4の規定に適合しなければならない。
表4 性能
適用
適用 項目 試験 性能 主な試験条件
試験項目
ホ 気密性 気密 漏れがないこと。 19.6kPa [{0.2kgf/cm2}] ,1分間 10.3.1
ー 耐圧性 耐圧 漏れ,その他異常がないこと。 784kPa [{8kgf/cm2}] ,30秒間 10.3.2

引張強さ 引張り 接続金具の離脱,ホースの破断などの 呼び径に応じた引張荷重,5分間 10.3.3
異常がないこと。
気密 漏れがないこと。 引張試験19.6kPa [{0.2kgf/cm2}] ,1分間
ねじり強さ ねじり 破断,き裂,その他異常がないこと。 90°ねじり,10回 10.3.4
気密 漏れがないこと。 ねじり試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
屈曲強さ 屈曲 き裂,その他異常がないこと。 180°曲げ,30回 10.3.5
気密 漏れがないこと。 屈曲試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
耐 チューブ 衝撃 き裂,その他異常がないこと。 2kgの鋼球を1mの高さから落下 10.3.6
衝 気密 漏れがないこと。 衝撃試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]

性 衝撃
接続金具 破損などの異常がないこと。 呼び径に応じた衝撃力
気密 漏れがないこと。 衝撃試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
耐反復使用 反復取付 異常がないこと。 呼び径に応じた締付け条件で8回 10.3.7
性(フレア け
接合のもの 気密 漏れがないこと。 反復取付け試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
に限る)
耐熱性 耐熱 き裂などの異常がないこと。 120±2℃,30分間 10.3.8
気密 漏れがないこと。 耐熱試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
耐応力腐食 ばく(曝)き裂などの異常がないこと。 銅合金製 : 180°曲げ,アンモニア雰囲気 10.3.9
性 露浸せき ガス中に18時間
ステンレス鋼製 : 180°曲げ,塩化ナトリ
ウムと亜硝酸ナトリウムの混合液中に14
時間
気密 漏れがないこと。 曝露(浸せき)試験後19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
流量 流量 ホースの呼び径 流量 入圧2.75kPa [{280mmH2O}] ,長さに応じ 10.3.10
m3/h た圧力差で空気を流す。
3B
ねじ接続の 9.5A 8 0.95以上
もの 1B
13A 2 1.60以上
3B
19A 4 4.15以上
25A 1B 8.30以上
1
32A 1
4 B 14.50以上
3B
ホースエンド 9.5A 8 0.80以上
接続のもの 1B
13A 2 1.50以上
可とう性 可とう性 ホースの呼び径 曲げ力 90°曲げ 10.3.11
N [{kgf}]
1B以下
13A以下 2 49 [{5}] 以下
3B
19A 4 78 [{8}] 以下
25A以上 1B以上 108 [{11}] 以下
保 密着性 屈曲 割れ,はがれ,その他異常がないこと。 180°曲げ,15回 10.3.5
護 ねじり 90°ねじり,10回 10.3.4

膜 耐溶液性 耐洗剤性 割れ,はがれ,チューブの腐食,その 2%n-ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリ 10.3.12
他異常がないこと。 ウム水溶液40±5℃,168時間
耐食油性 大豆油25±5℃,24時間
耐高温食 大豆油155±5℃,10秒間
油性

――――― [JIS S 2145 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
S 2145-1991
適用
適用 項目 試験 性能 主な試験条件
試験項目
保 耐溶液性 耐食酢性 4.5%酢酸水溶液,25±5℃,24時間
護 耐せっけ 2%ラウリル酸ナトリウム水溶液

膜 ん液性 40±5℃,24時間
耐塩素系 0.2%次亜塩素酸ナトリウム水溶液
漂白剤性 40±5℃,168時間
難燃性 難燃性 炎の持続時間5秒以下 5秒間加熱 10.3.13
耐冷熱性 冷熱サイ 割れ,はがれ,チューブの腐食,その 180°曲げ(70℃,2時間)→(常温,30 10.3.14
クル 他異常がないこと。 分以上)→(−5℃,2時間)→(常温,
30分以上)5サイクル
耐候性 耐候性 割れ,はがれ,その他異常がないこと。 サンシャインカーボンアーク照射,400 10.3.15
時間
ホ 接 耐引抜 常引張り ホースエンドの抜け外れがないこと。 980N [{100kgf}] 引張り,5分間 10.3.16
ー続 温
ス金 性
エ具 引張り ホースエンドの抜け外れがないこと。 60℃及び−5℃
ン 高
ド ・ 637N [{65kgf}] 引張り,5分間


3.2 ガスケットの耐ガス性能 ガスの通る部分に使用されるガスケットの性能は,10.4によって試験を
行い,表5の規定に適合しなければならない。ただし,石綿ジョイントシートはn−ペンタン試験だけ行
う。
表5 ガスケットの性能
項目 試験 性能 主な試験条件 適用
試験項目
耐ガス性 n−ペンタ 10.4
体積変化率20%以下,軟化及びぜい化のないこと。 n−ペンタンガス,35±2℃,48時
ン 間
ブタン 体積変化率10%以下,軟化及びぜい化のないこと。 ブタンガス19.6kPa [{0.2kgf/cm2}]
35±2℃,72時間
4. 構造 ホースの構造は,次によらなければならない。
(1) ホースは,チューブの両端に接続のための管用テーパねじをもつ接続金具,又はホースエンドに接続
可能な接続金具をフレア又はろう付けなどによって取り付けた構造であること。
(2) チューブは金属製のものとし,波形加工などによって容易に曲げることのできるものであること。
(3) ホースは,安全性及び耐久性を考慮して作られ,通常の使用操作に対して,破損や使用上支障のある
変形を生じないこと。
(4) ホースは,チューブ,接続金具などが確実に取り付けられ,漏れ及び接続金具の離脱がなく,ガス栓
と固定形ガス燃焼機器の接続用として十分な機能をもつものであること。
(5) チューブ外面には,チューブの保護のために保護被膜を施したものであること。
(6) ホースは,少なくとも一方に,フレア,ユニオンなどの突合せ機能をもつこと。
5. 寸法
5.1 ホースの呼び径,ねじなどの呼び ホースの呼び径,ねじなどの呼びは,表6による。

――――― [JIS S 2145 pdf 3] ―――――

4
S 2145-1991
表6 ホースの呼び及びねじなどの呼び
ホースの呼び径 管用テーパねじの呼び チューブの呼び径
液化石油ガス 液化石油
都市ガス兼用 ガス専用
3B 1
9.5A 8 − 2 9.5
1B 1 3
13A 2 2 4 13
3B 3
19A 4 4 1 19
1
25A 1B 1 14 25
1B 1
32A 14 14 − 32
5.2 ホースの長さ及び長さの許容差 ホースの長さ及び長さの許容差は,表7による。ホースの長さは,
一方の接続金具の先端から他の接続金具の先端までの長さとする。
なお,液化石油ガス・都市ガス兼用のものについては,長さ650mmを最大とする。
表7 ホースの長さ及び長さの許容差
単位mm
基準長さ 長さの許容差 基準長さ 長さの許容差
200 +10 450 +15
250 0 500 0
300 600
350 650
950
400
1 250
備考1. 基準長さ及び標準接続金具付き以外の
寸法のものの許容差は,受渡当事者間の
協定による。
2. 接続金具がホースエンドの場合の基準
長さは,表7の基準長さの数値にホース
エンド1個につき9.5mm用については
5mm,13mm用については10mmを加え
たものとする。
5.3 チューブの寸法及び許容差 チューブの基準内径と許容差及びチューブの肉厚は表8によるものと
し,一製品の外径のばらつきは0.4mm以内とする。
表8 チューブの寸法及び許容差
単位mm
チューブの呼び径 チューブの内径寸法 チューブの肉厚
9.5 10 +2.5 0.25以上
13 13 −0.5
19 19
25 25
32 32
6. 最小曲げ半径 チューブの最小曲げ半径は,チューブの内側で測定し,表9による。

――――― [JIS S 2145 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
S 2145-1991
表9 チューブの最小曲げ半径
単位mm
チューブの呼び径 最小曲げ半径
9.5 30以下
13 30以下
19 40以下
25 50以下
32 80以下
7. 材料
7.1 チューブの材料 チューブの材料は,表10に示すもの,又は使用上これらと同等以上の品質をもつ
ものとする。
表10 チューブの材料
材質 材料
銅合金 JIS H 3100
JIS H 3300
ステンレス鋼 JIS G 4307
7.2 接続金具の材料 接続金具は表11に示すもの,又は使用上これらと同等以上の品質をもつものとす
る。
表11 接続金具の材料
材質 材料
鋼 JIS G 3101
鋳鉄 JIS G 5702
銅合金 JIS H 3250
7.3 硬ろう材 溶接(ろう付け)に用いる硬ろう材は,りんを含有するものでなく,かつ接合部及びそ
の周辺の強度を著しく損なうことのないものとする。
7.4 保護被膜の材料 チューブの表面に施す保護被膜の材料は,表4の性能をもつ合成樹脂などとする。
7.5 ガスケットの材料 ホースに用いるガスケットの材料は,JIS R 3453に規定する石綿ジョイントシ
ート,又は表5の性能をもつ合成ゴム若しくは使用上これらと同等以上の品質をもつものとする。
8. 外観 ホースの外観は,次によらなければならない。
(1) 使用上有害なきず,き裂,割れ,気泡,その他の異常な変形などの欠点がないこと。
(2) 気密を保持するためのシール面及びガスケットに使用上有害なきず,へこみなどの欠点がないこと。
(3) 溶接(ろう付け)した部分にフラックスの残存がないこと。
9. 接続金具の表面処理 接続金具の表面処理は,JIS H 8610の2種2級,JIS H 8641の2種HDZ40,JIS
H 8617の2種2級に規定するめっき,又はこれらと同等以上の表面処理を施さなければならない。ただし,
耐食性をもつ材料にあってはこの限りではない。
なお,ねじ部で表面処理後加工を施す面には,防せい油塗付などをもってこれに替えることができる。
10. 試験方法

――――― [JIS S 2145 pdf 5] ―――――

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