JIS T 0601-2-18:2013 医用電気機器―第2-18部:内視鏡機器の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 7

                                                                                             29
T 0601-2-18 : 2013 (IEC 60601-2-18 : 2009)
201.9.4.2.4.3† 敷居を乗り越える移動
ワークステーションに搭載した内視鏡を含むMEシステムを,個々のME機器に対して要求する敷居の
試験と同じ試験に合格させることは,不適切である。このワークステーションには,幾つもの機器を重ね
て搭載するための棚又は台があり,総重量が200 kgを超えることもあるためである。さらに,多くの場合,
個々の機器は,棚に確実に固定されていないので,操作者は,そのような組合せの移動については,特別
な注意が必要であり,かつ,その安定性も制限できることを知っている。したがって,試験のパラメータ
は,個々のME機器に適した条件から,内視鏡的システムの正常な使用時に起こりそうな条件としてふさ
わしい条件に修正した。移動のための特定の忠告が入っている場合は,取扱説明書への参照を含む。
201.10.4† レーザ及び発光ダイオード(LED)
内視鏡的適用において照明のために使用する発光ダイオード(LED)は,患者及び操作者の安全性の目
的のために,その他の内視鏡の照明手段と同じとみなす。
201.11.1.2.2† 患者に熱を与えることを意図しない装着部
照明光出射部分の表面温度は,41 ℃を超えるかもしれない。その理由は,内視鏡の臨床的要求事項と
して,小さな寸法の中に高輝度の光の伝達を要求しており,その結果,高密度の光エネルギーとなり,照
明光出射窓の周囲の材料がそのエネルギーを吸収することによって部分的に表面温度が相対的に高くなる
からである。しかし,内視鏡手技を行う際,照明光出射部分は,通常組織に接触することはなく,かつ,
この部分の熱容量は小さいために,偶然接触しても患者に受容できないリスクをもたらすことはない。患
者に対する大きな影響として,照明光出射窓から出る放射エネルギーの吸収がある。それは,直接組織を
照射するかもしれない。したがって,特定の最大表面温度は,潜在的に最も危険なパラメータへの言及に
はならない。この放射光による温度は,電・光源装置のランプの形式,電力,及び照明光出射窓の状態を
含めて,内視鏡の製造業者の管理外の多くの要因に依存する。
これらの理由によって,また,試験室での試験が実際の使用を完全に代表してはいないと思われるため,
照明光出射部分の最大許容温度を規定することが適切であるとは考えられない。しかし,操作者が患者へ
のリスクを最小限にするための手段に関わる警告及び忠告を,取扱説明書に入れることが必要である。
内視鏡及び活性内視鏡用処置具の組合せ使用がもたらす熱的影響もある。活性内視鏡用処置具は,内視
鏡手技の間に使用される他のME機器の装着部であるかもしれない。例えば,それは,容量結合高周波電
流の電流密度及び電流の絶対値ではなく,熱的リスクに大きく関係している。これは,製造業者の管理し
得ない要因によって決まるので,製造業者が最高温度を提示することは不可能である。詳細については,
201.11.101.2の根拠を参照する。
ライトガイドケーブルは,装着部と同等な要求事項を要求する部分として扱うかもしれない。しかし,
コネクタは通常,正常な使用において41 ℃より熱くなる。これらの部分が患者に接触することは意図し
ていないため,最大温度を提示することは不要と考えられる。操作者にこれらの部分の使用後の取扱いに
関連する潜在的リスクについてアドバイスするための警告は,取扱説明書に含めることが望ましい。
201.7.9.2.2を参照する。
201.11.6.5† ME機器及びMEシステムへの水の浸入又は微粒子状物質の侵入
洗浄,消毒,及び/又は滅菌を意図した活性内視鏡及び活性内視鏡用処置具は,通則のこの要求事項か
ら除外する。その理由は,それらは洗浄,消毒,及び/又は滅菌のためのそれら独自の仕様及び設計基準
を満たさなければならないためである。したがって,該当する場合には,11.6.6及び/又は11.6.7を満た
す。201.7.2.9及びその関連する根拠も参照する。
201.11.101.2† 電気手術器(電気メス)との組合せ条件による熱及びその他のハザード

――――― [JIS T 0601-2-18 pdf 31] ―――――

30
T 0601-2-18 : 2013 (IEC 60601-2-18 : 2009)
内視鏡及び電気手術器(電気メス)の装着部である活性内視鏡用処置具の組合せ使用によって,容量結
合高周波電流の電流密度によって熱的効果が起きるかもしれない。製造業者のリスクマネジメントプロセ
スが,正常な使用及び単一故障状態の両方において,そのようなリスクを特定するために適用される。そ
れは,適切なリスクの低減手段を設計過程の中で採用するために,及び/又は関連する安全上の警告を取
扱説明書に提示するためである。
そのような容量結合高周波電流は,内視鏡への熱的損傷に関与しているかもしれない。したがって,患
者,操作者,及び内視鏡自体を保護するために,高周波活性内視鏡用処置具に対しては,十分な耐電圧を
提供する必要がある。IEC 60601-2-2:2009の201.8.8.3.103及び201.8.8.3.104で要求している試験は,活性
内視鏡用処置具の耐電圧の適合性を確認するために適切であるとみなす。
活性内視鏡用処置具と組み合わせて使用するかもしれない内視鏡の露出している導電性の部分は,操作
者を容量結合高周波電流の熱的効果から保護するために分離が必要である。分離は,異なる方法によって,
例えば,構成部品の分離によって,又は絶縁によって実行できる。そのようなむき出しの導電性の部分か
ら流れる,最大高周波電流の50 mAは,十分な保護を提供するとみなす。
内視鏡のかん(鉗)子口を通して活性内視鏡用処置具を挿入している間,患者に接触することを意図し
た部分は,内視鏡にも接触する。活性内視鏡用処置具の動く部分が,操作者によって内視鏡を通じて見え
るまで,高周波電流を通電させないので,これは許容できる。
活性内視鏡用処置具のハンドル及びその操作者の間に使用中,組合せ条件が存在するということも考慮
する。
201.15.3.5† 手荒な取扱い試験
15.3.5に規定している手荒な取扱いに関わる要求事項を内視鏡機器の“棚”に適用することは,不適切
とみなす。これらは,患者環境の下で,又は近くで使用されることを意図しており,かつ,通常はこの細
分箇条に規定している手荒な取扱いの種類ではない。そのような“棚”は,201.9.4の要求事項を満たせば
十分であるとみなす。
201.15.4.1† コネクタの構造
内視鏡及び内視鏡用処置具の製造業者は,内視鏡又は内視鏡用処置具に接続することを意図した医療機
器を,内視鏡を介さずに患者に接続することを意図した患者接続部(例 静脈内適用)に誤って接続して
しまう可能性を考慮するために,JIS T 14971を使用している。
リスクマネジメントプロセスの目的は,そのような医療機器を内視鏡を介さずに患者に接続することを
意図した患者接続部で,特にISO 594規格群に関連したルアコネクタへの誤接続の物理的な確率及びその
ような誤接続の発生確率並びに患者に対する危害の潜在的な重大さを評価することである。内視鏡及び内
視鏡用処置具の意図する使用に一致した,又は内視鏡若しくは内視鏡用処置具への接続を意図した医療機
器のコネクタについて,該当する規格が存在する場合,リスクマネジメントプロセスにおいて矛盾がない
かぎりこれらを適用している。
この根拠は,製造業者向けに,内視鏡,内視鏡用処置具,及び内視鏡又は内視鏡用処置具への接続を意
図した医療機器への接続を意図した医療機器に関わる助言を,それらの意図する使用に関わる内視鏡シス
テムにおいて,コネクタに関連したリスクのレベルを評価する中で,提供する。これは,特定のコネクタ
に該当する規格が存在しない場合である。
JIS T 14971に規定されているように,医療機器のリスク評価は,次の二つの構成要素を組み合わせるこ
とによって完成する。
− どのくらいの頻度で危害が起こるかという危害の発生確率

――――― [JIS T 0601-2-18 pdf 32] ―――――

                                                                                             31
T 0601-2-18 : 2013 (IEC 60601-2-18 : 2009)
− どのくらいの重篤度であるかという危害の重大さ
可能であれば,発生の可能性の評価は,量的データに基づくことが望ましい。しかし,そのようなデー
タがなければ,一般に分析的又はシミュレーションテクニックを使って可能性の予測を取り込みながら,
及び/又は専門家の判断を使用して質的アプローチがとられる。
危害の重大さは一般に,数値で表すことが容易であり,三つ又は四つのレベルに区別できることになる。
リスクの受容性は一般に,次の区分に分けられる。
− 広く受容可能である。
− 合理的に実施可能なできるだけ低い領域にする(ALARP)。
注記 ALARPとは,As-low-as-reasonably-practical approachの略であり,合理的に実施可能なできる限
り低い領域にする手法である。JIS T 14971のD.8を参照する。
− 受容できない。
内視鏡システムのコネクタを考える場合,製造業者のリスク分析には,少なくとも次の要因の“発生確
率”及び“重大さ”の検討が含まれる。
− 内視鏡システム内での交差接続
− 関係のない患者接続部への誤接続
− 関係のない医療機器への誤接続
− 正常使用及び単一故障状態での接続の安全性
− コネクタの意図する使用(例えば,専用の,又は多目的の)
− 再使用可能なコネクタの再処理
このような起こり得る出来事の可能性を評価する中で,次を含む使用時の他の要因に対しても検討する。
− 意図する,又は予測した使用場所(例えば,内視鏡処置室での使用よりも誤接続のリスクが高い多く
の患者接続部が存在する集中治療施設での使用)
− 患者接続部が,意図する処置のために,すぐに見えるところからカバーをしたり隠れたりすることが
正常か。
− 内視鏡システムの,他のあり得る患者接続部への接続の接近
− コネクタが,患者環境の内部又は外部どちらでの使用が意図されているか。
− 内視鏡手技のために行った患者接続部が,処置の後で依然として継続するか。
− 正常な使用又は単一故障状態において,コネクタが,患者に到達することが可能であるか,又は不可
能であるか。
− その処置と関連がある監督又は人材配置の正常なレベル
再使用可能な機器については,現状から変更するリスクも評価する。その中には,もし“新しい”コネ
クタ付きの機器が“古い”コネクタ付きの機器との組合せで安全に使用されることが予想される場合に必
要となるかもしれない,全ての過渡的な規定も含まれる。
JIS T 14971に従ってリスクマネジメントを適用した後で,製造業者がISO 594規格群に従ってルアーコ
ネクタを使用することを決めた場合,リスクマネジメントファイルでこの決定を完全に正当化する理由を
記録することが望ましい。特定の内視鏡を介さずに患者に接続することを意図した患者接続部に誤接続さ
れる場合には(例えば,脈管系への高圧ガス吸入),内視鏡の供給ライン(例えば,送気ガス,吸入及び
送水液体)の誤接続及び注射器によって供給する物質(例えば,空気,水,造影剤,局所用の麻酔薬,硬
化剤,粘膜染色液など)が致命的であることが分かるかもしれない。

――――― [JIS T 0601-2-18 pdf 33] ―――――

32
T 0601-2-18 : 2013 (IEC 60601-2-18 : 2009)
附属書BB
(参考)
医療機器の安全性及び性能の基本要件を扱う規格の条項
(GHTF/SG1/N41R9:2005)
この個別規格の次の細分箇条は,表BB.1に記載したとおり,通則の細分箇条を補完して医療機器の安
全性及び性能の基本要件を支持するものである。通則及び副通則の細分箇条については,この附属書では
扱わない。
警告 他の要求事項及び法律文書は,この規格の範囲内におさまる製品に適用することができる。
表BB.1−この個別規格とGHTF/SG1/N41R9:2005との対応
この規格の 医療機器の安全性及び性能の基本要件に対応する
注釈
細分箇条 附属書の細分箇条
全ての箇条 5.1,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.9.2
201.4.1 5.9.1,
201.4.3 5.2,5.6
201.4.6 5.13.4,
201.4.7 5.7.1,5.12.1
201.5.1 5.5,
201.5.7 5.5,5.7.2
201.6.2 5.12.7
201.7.2.1 5.5,5.16
201.7.2.9 5.16
201.7.2.10 5.16
201.7.2.101 5.16
201.7.2.102 5.16
201.7.4 5.16
201.7.6 5.16
201.7.9.2.2 5.9.2,5.16
201.7.9.2.12 5.7.2,5.7.3,5.8.1,5.8.2,5.8.5,5.8.7,5.16
201.7.9.2.14 5.7.2,5.7.3,5.7.4,5.8.1,5.8.2,5.8.5,5.8.7,5.9.1,5.16
201.8.3 5.12.7
201.8.5 5.12.7,5.13.4
201.8.8 5.12.7
201.8.9 5.12.7
201.9.2 5.9.1,5.13
201.9.3 5.13
201.9.4 5.5,5.9.1,5.13
201.9.5 5.7.5,5.7.6,5.13
201.9.7 5.7.5,5.7.6,5.13
201.9.8 5.7.5,5.7.6,5.13
201.10.4 5.11.1,5.11.2,5.11.3
201.10.5 5.11.1,5.11.2,5.11.3
201.10.6 5.11.1,5.11.2,5.11.3
201.10.7 5.11.1,5.11.2,5.11.3

――――― [JIS T 0601-2-18 pdf 34] ―――――

                                                                                             33
T 0601-2-18 : 2013 (IEC 60601-2-18 : 2009)
表BB.1−この個別規格とGHTF/SG1/N41R9:2005との対応(続き)
この規格の 医療機器の安全性及び性能の基本要件に対応する
注釈
細分箇条 附属書の細分箇条
201.11.1 5.5,5.7.1,5.7.6,5.9.3,5.11.2,5.11.3,5.11.4.1,5.13.5
201.11.6 5.5,5.7.5,5.7.6
201.11.101.1 5.9.1,5.14.1,5.14.2
201.11.101.2 5.9.1,5.14.1,5.14.2
201.12.2 5.10,5.14.1,5.14.2,5.14.3
201.12.4 5.10,5.7.5,5.7.6,5.14.1,5.14.2,5.14.3
201.13 5.5,5.14.1,5.14.2,5.14.3
201.15.3 5.13
201.15.4 5.7.1,5.9.1,5.13.4
201.16 5.9.1
201.17 5.12.5,5.12.6
参考文献 ISO 594 (all parts),Conical fittings with 6 % (Luer) aper for syringes, needles and certain other
medical equipment
IEC 60601-2-57,Medical electrical equipment−Part 2-57: Particular requirements for the basic safety
and essential performance of non-laser light source equipment intended for therapeutic, diagnostic,
monitoring and cosmetic/aesthetic use
GHTF/SG1/N41R9:2005,Essential Principles of Safety and Performance of Medical Devices, The
Global Harmonization Task Force, Study Group 1

――――― [JIS T 0601-2-18 pdf 35] ―――――

次のページ PDF 36

JIS T 0601-2-18:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-18:2009(IDT)

JIS T 0601-2-18:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 0601-2-18:2013の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST0307:2004
医療機器―医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIST0601-1-3:2012
医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
JIST0601-2-37:2018
医用電気機器―第2-37部:医用超音波診断装置及びモニタ機器の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項
JISZ8202:1985
量記号,単位記号及び化学記号
JISZ8203:1964
単位記号
JISZ8203:2000
国際単位系(SI)及びその使い方
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定