JIS T 60601-2-68:2019 医用電気機器―第2-68部:電子加速装置,軽イオンビーム治療装置及び放射性核種治療装置と組み合わせるX線に基づく画像誘導放射線治療装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 6

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T 60601-2-68 : 2019 (IEC 60601-2-68 : 2014)
b) E機器のある部分が自動的にセットアップされた後及び/又は事前にプログラムされた後で,事前
プログラム治療が完了する前に作動パラメータを調整することは,照射終了しない限り,操作者にと
って可能になってはならない。外部ビーム照射装置システムに関連して計画された位置に標的体積を
再調整させるために,その動きが患者支持器の動きに限定される場合,照射終了の代わりとして照射
中断にしてもよい。
注記 事前プログラムは,患者位置に応じて計画されたME機器の動きを含む。例えば,患者治療
中の呼吸による動きの追跡,標的体積の動きなど。
c) 事前にプログラムされないME機器の場合には,照射中に作動パラメータを調整することは,照射終
了しない限り可能になってはならない。ただし,外部ビーム照射装置システムに関連して計画された
位置に標的体積を再調整させるために,その動きが患者支持器の動きに限定される場合,照射終了の
代わりとして照射中断にしてもよい。
d) 事前にプログラムされないME機器の場合には,移動量及び最大速度が,患者の傷害を避けるために
十分に制限されていることを,リスクマネジメントで示せない限り,操作者が二つのスイッチを同時
に自分で操作するときだけ照射の前又は照射終了の後で,作動パラメータを調整することを可能にし
なければならない。各スイッチは,手を離したとき,動きを停止しなければならない。一つのスイッ
チは,ハードワイヤのスイッチ,又は同等な安全スイッチ機能をもち,全ての動きに共通でなければ
ならない。ただし,外部ビーム照射装置システムに関連して計画された位置に標的体積を再調整させ
るために,その動きが患者支持器の動きに限定される場合,照射終了の代わりとして照射中断にして
もよい。
e) 取扱説明書には,次の奨励事項を明記しなければならない。
操作者は,照射前及び照射中に患者を障害物の妨げなしに見通せることが望ましい旨の記載。
f) 照射中断又は照射終了があった場合には,全てのME機器の動いている部分は,201.9.2.101に規定す
る限度内で停止しなければならない。
(試験)
適合性は,a) e) は,検査によって確認する。f) は,201.9.2.101によって確認する。
201.9.2.104 施設外からのME機器の動く部分の操作
X-IGRT装置は,機器の診断評価の目的で,制御システムに電気的にアクセス(例えば,インターネッ
トを介して)できる能力をもってもよい。そのような評価は,機器の操作能力を必要とする場合がある。
例えば,治療制御盤は,そのような目的で遠隔サイトから制御されてもよい。その場合,機能及び制御が
施設外から遠隔でアクセスされる。
a) 遠隔操作者が制御可能となる手段は,治療制御盤で提供しなければならない。
b) 機器は,接続を確立していかなる機能又は動きも遠隔で制御される前に治療制御盤での実行を要求し
なければならない。
c) 治療制御盤は,遠隔接続が確立した場合は常に,それを表示しなければならない。
d) いかなる動きも,201.9.2.101に従わなければならない。
さらに,それは,遠隔アクセスで次のいずれかを不可能にしなければならない。
e) 201.9.2.102及び201.9.2.103の要求事項を妨害するか又は無効にする。
f) 遠隔操作者に,いかなる人でも怪我させるような結果となるインタロック解除を許す。
g) 遠隔操作者に,いかなる放射線源でも照射することを許す。
(適合性試験)

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a) 形式試験 等級A : 附属文書の調査
b) 現地試験 等級B : 治療制御盤での最初の実行なしに,遠隔サイトからX-IGRT外部ビーム照射装
置システムへ接続するように試み,制御が確立できないことを確認する。
c) 現地試験 等級B : 遠隔制御下で,遠隔制御を示す表示を実際に示す。
d) 形式試験 等級A : 附属文書の調査
e) g) 現地試験 等級B : 遠隔診断機能を実際に示す。
201.9.7 圧力容器及び空気圧又は水圧(油圧)を受ける部分
追加
201.9.7.101 圧力の変化
動きのために動力を供給するシステムの圧力変化によって危険状態が発生する可能性がある場合,全て
の動きはいかなる速度からでも201.9.2.101に規定した範囲内で停止しなければならない。
(試験)
適合性は,故障状態のシミュレーション,保護装置の操作及び停止距離の測定によって確認する。
201.9.8 支持機構に関わる機械的なハザード
細分箇条の追加
201.9.8.101 附属品の装着
a) 製造業者の供給する附属品(特に撮影用ビームに変更を加える附属品)を装着できる手段を備えてい
る場合には,そのような手段は,正常な使用の全ての条件下で,それらの附属品を安全に保持するよ
うに設計しなければならない。
(試験)
適合性は,検査,並びに設計データ及び適用されている安全率の検討によって確認する。
b) 附属文書は,供給する附属品の保守上の要求事項を含み,使用の条件及び限界の定義を含まなければ
ならない。附属文書は,責任部門が製作又は使用可能としたその他の附属品の設計制限に関する指針
を含むことが望ましい。
(試験)
適合性は,調査によって確認する。
細分箇条の追加
201.9.101 固定具と患者支持器との相対的な動き
a) 固定具を供給するIGRT装置の製造業者は,リスク分析を行い,どの要因が固定具(例えば,ヘッド
フレーム)と患者支持器との相対的な動きをもたらし得るのかを,決定しなければならない。この分
析は,少なくとも次を考慮しなければならない。
− 固定具の強度及び固定具が患者を支える際のたわみの程度
− 固定具を患者支持器に装着している固定部が,緩む又は外れる可能性
(試験)
適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。
b) 附属文書は,IGRT装置の製造業者が供給した固定具の保守上の要求事項を含み,使用の限界の定義
を含まなければならない。
附属文書は,IGRT外部ビーム照射装置システムの製造業者が記載していない全ての固定具又は患
者支持器について,責任部門がその適正なシステム作動及び安全性を評価しなければならないことを,
警告しなければならない。

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(試験)
適合性は,調査によって確認する。

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護

  メガボルトX-IGRT装置及びキロボルトX-IGRT装置について,JIS Z 4705:2015に記載された事項及び
次のように修正した事項を除いて,通則の箇条10を適用する。
注記 ME機器に関して定義された例外は,メガボルトX-IGRT装置及びキロボルトX-IGRT装置に
対しても適用する。
201.10.1.2.101.11 開始条件
置換
注記 JIS Z 4705:2015の201.14.101 f)では,プログラマブル電子サブシステムが制御に関与している
場合には,キーによる制御の代わりに,指定しておいたパスワードの使用を認めている。
作動上の制約(例えば,画像容量の使用可能残量)がある場合,X-IGRT装置は,選択されたX-IGRT
タスクが達成できるかどうかを,操作者に表示しなければならない。
メガボルトX-IGRT装置の場合,パスワード又は専用の機械的キー[JIS Z 4705:2015の201.10.1.2.101.10
a) 1)参照]による責任部門の許可後,準備完了状態が表示されたときに操作者が制御盤を操作することに
よってだけ,正常な使用における撮影照射の開始が可能となるようにしなければならない。
キロボルトX-IGRT装置の場合,次の事項を満たさなければならない。
− 正常な使用において,準備完了状態が撮影制御盤に表示されたときにだけ,操作者が撮影照射を
開始することができるようにしなければならない。
− リアルタイムIGRTに関して,X-IGRT装置は,熱容量の使用可能残量が治療完了に不十分と予
想される場合は,それを外部ビーム照射装置又は操作者に通知する手段を備えなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A : 撮影制御盤からだけ開始できる,正常な使用における照射に関する記載。
細分箇条の追加
201.10.1.2.105 過度のX線に対する安全対策
a) -IGRTの画像面積(2次元の場合)及び画像体積(3次元の場合)は,技術解説書で定義しなければ
ならない。
X-IGRT装置の適正な動作が外部ビーム照射装置の適正な動作に依存する場合,外部ビーム照射装
置がX-IGRT装置の照射を終了させる手段を備えなければならない。
注記 入力信号は,誤った動作信号をもたらさないと想定されている。
附属文書には,提供したX-IGRTのプロトコルに対する典型的な撮影線量を記載しなければならな
い。X-IGRTのプロトコルを提供しない場合,撮影線量の臨床例を例示することが望ましい。
製造業者の附属文書には,指定したプロトコルに対して何が最適な配置及び許容誤差であるかを,
指定しなければならない。
b) キロボルトX-IGRT装置は,次の事項を満たさなければならない。
1) -IGRT装置の故障の際,放射線源のパワーを落とす,又はX線ビームを遮断することによって,
自動的に負荷(X線)を終了させる手段を備えなければならない。この終了は,故障の1秒以内で
なければならない。

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2) 連続的な画像取得又はX線装置の制御下にある一連の連続的画像取得のうち,0.5秒を超える場合
の途中の,任意のタイミングで操作者が負荷を終了させることを可能とするような手段を備えなけ
ればならない。
3) 上記1)及び2)の状況下で負荷が終了した場合,終了に関する視覚的表示を操作者に提供しなければ
ならない。次回のスキャンの開始前には,手動による作動条件のリセット操作が必要でなければな
らない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A : X-IGRTの画像面積(2次元の場合)及び画像体積(3次元の場合)に関する記載。
提供したX-IGRTのプロトコルに対する典型的な撮影線量に関する記載及び指定したプロトコルに対
する最適な配置及び許容誤差に関する記載。
b) 形式試験 等級C−試験原則 : 負荷を終了させる手段の機能の確認。
c) 現地試験 等級B−試験手順 : 負荷の終了後の視覚的表示を確認し,次の画像取得の開始前に手動に
よるリセットが必要であることを確認する。

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護

  次の事項を除いて,通則の箇条11を適用する。
201.11.1 ME機器の過度の温度
201.11.1.1 正常な使用時の最高温度
追加
油に接触する部品に対する最高許容温度の制限は,全体が油に浸っている部品に対しては適用しない。
201.11.1.4 ガード
追加
X線源装置のガードをもたない接触可能表面が高温となり得る場合,正常な使用に関連した全ての目的
について,そのような表面に接触することを不可能とする手段を備えなければならない。
全ての意図しない接触を避けるための対策も取らなければならない。その場合,取扱説明書には,正常
な使用で予想される接触可能表面の温度に関する情報を記載しなければならない(通則の表23を参照)。
注記 JIS Z 4751-2-28:2013及びJIS Z 4751-2-54:2012から採用した。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A : 取扱説明書を調査する。
b) 形式試験 等級C : 手段に関して機能試験を行う。

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護

  通則の箇条12は,適用しない。
注記1 通則の12.1(制御及び計器の精度)は,201.9及び201.10に含まれているので,適用しない。
注記2 通則の12.2(ユーザビリティ)は,箇条206に含まれているので,適用しない。
注記3 通則の12.3(アラームシステム)は,安全性制御にインタロックを採用しているので,適用
しない。
注記4 通則の12.4(危険な出力に対する保護)は,201.10に含まれているので,適用しない。

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201.13 ME機器の危険状態及び故障状態

  通則の箇条13を適用する。

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS)

  次を除いて,通則の箇条14を適用する。
細分箇条の追加
201.14.101 プログラマブル電子サブシステム
a) ソフトウェア及びファームウェア制御プログラムは,製造業者の許可のないアクセス及び改造に対し
て保護しなければならない。
注記 許可なしでソフトウェア又はファームウェアにアクセスした場合,危険状態を生じ,ME機
器がこの規格(通則,副通則を含む。)の要求事項に適合しなくなり,製造業者が保証請求に
対して異議を申し立てるのに十分な理由となる。
b) モニタ装置,測定装置又は制御装置の一部となるプログラマブル電子サブシステムの安全機能が維持
できなくなった場合には,照射を停止するか又は照射を終了し,かつ,動きを止めなければならない。
c) 照射開始は,マニュアル制御だけに限らなければならない。それ以降は,前もってプログラムした照
射及び動きをプログラマブル電子サブシステムで制御してもよい。
d) コンピュータ上の情報ファイル又は他の入力手段によるデータに基づいてME機器の一部を設定した
り前もって位置決めをしたりするように設計されたプログラマブル電子サブシステムの制御下の装置
には,ME機器のパラメータの実際の設定と入力データのパラメータとを比較する手段を備えなけれ
ばならない。取扱説明書に記載の指示事項及びデータに従って責任部門が設定した指定の事前定義限
界を超える差が生じた場合には,照射を停止しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A : プログラマブル電子サブシステムを使用した安全な作動,及び関連したJIS T 2304
の要求事項の適用に対する考え方及びその実現に関する記載。
b) 現地試験 等級C−試験原則 : 製造業者が指定したとおりに正しく機能することを確認する。

201.15 ME機器の構造

  通則の箇条15を適用する。

201.16 MEシステム

  通則の箇条16は適用しない。

201.17 ME機器及びMEシステムの電磁両立性

  次を除いて,通則の箇条17を適用する。
細分箇条の追加
201.17.101 追加要求
通則の箇条17の要求事項及び試験,並びに次の201.17.102及び201.17.103の追加事項を画像機器及び
それらを統合した情報技術機器に適用しなければならない。
測定に供する場所は,外部ビーム照射装置の設置に一般に使用される標準的な場所でなければならない。

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JIS T 60601-2-68:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-68:2014(IDT)

JIS T 60601-2-68:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 60601-2-68:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST60601-1-8:2012
医用電気機器―第1-8部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:医用電気機器及び医用電気システムのアラームシステムに関する一般要求事項,試験方法及び適用指針
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定