JIS T 60601-2-68:2019 医用電気機器―第2-68部:電子加速装置,軽イオンビーム治療装置及び放射性核種治療装置と組み合わせるX線に基づく画像誘導放射線治療装置の基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 8

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T 60601-2-68 : 2019 (IEC 60601-2-68 : 2014)
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順 : 保存されたデータを確認する。
201.102.2 X-IGRT開始前の操作
操作者が患者の治療に関する情報を取り込む場合,その治療を識別するために次の情報を操作者に表示
しなければならない。
少なくとも次を含まなければならない。
− 患者の識別
− 治療計画の識別
− 治療計画で定義された総照射回数の中の何回目か。
− 患者の向き
操作者による承認は,X-IGRT外部ビーム照射装置システムによって記録されるか,そのような機能が
提供されない場合,製造業者は取扱説明書に責任部門が他のシステムによって確実に記録する勧告を記載
しなければならない。この情報には,操作者の識別を含めなければならない。
注記 データセットに含まれる全ての情報を表示する必要はないが,データセット内の情報の中で患
者の治療の特定に必要な情報は表示する必要がある。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
現地試験 等級B−試験手順 : 目視確認する。
201.102.3 異常終了
IGRTが異常終了した場合,X-IGRT装置は,IGRTへの影響に応じて警告又はエラーを使用者に表示し
なければならない。
ワークフローが有効で,エラーが発生する可能性がある場合は警告を表示しなければならない。
ワークフローが無効で,使用できない場合はエラーを表示しなければならない。
X-IGRT装置が異常終了した場合,画像データを記録しなければならない。
異常終了後に再開する場合,IGRTを受容する前にIGRTを完了するために必要なデータセットが整合
がとれ,正確かつ完全であることについて,X-IGRT 外部ビーム照射装置システムが確認しなければなら
ない。
読み込まれたデータセットに不整合性があるか,不正確性があるか,又は不完全性がある場合,次の事
項を満たさない限りはIGRTの開始を許容してはならない。
a) 特定された欠損を操作者に明示的に表示する。
b) 特定された欠損を操作者が変更する又は受容することが可能である。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A : 潜在的な危険状態についての警告に関する記載。
b) 現地試験 等級C−試験原則 : 計画外のIGRTの終了を引き起こすインタロックの作動による表示機
能を確認する。
c) 現地試験 等級B : 整合がとれ,正確であり,かつ,完全であるかの試験に通らないデータセットを
取り込み,IGRTが開始できないことを確認する。現場では欠陥を含むデータセットが作成できない
ような設計の場合には,この試験は形式試験にしなければならない。

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201.102.4 画質
画質及びX-IGRT撮影構成要素の測定方法は,技術解説書に記載しなければならない。X-IGRT撮影構
成要素の正常な使用における画質の測定に使用する方法を,直接記載するか又は発行された参照物を参照
しなければならない。
IGRT画像用の画像表示装置の品質は附属文書に記載しなければならない。少なくとも,画像表示シス
テムのコントラスト及び空間分解能を記載しなければならない。
画像表示装置の品質がJIS T 62563-1:2013の規定を満たさない場合,製造業者は必要な画像表示品質の
根拠を示すためにハザード分析を使用しなければならない。
注記 JISで規定されている画像表示装置の品質は,診断用途(例えば,JIS T 62563-1:2013)につい
てである。IGRTでの使い方ではそのような高い要求を求められるとは限らないので,X-IGRT
装置で使用するために必要な要求を指定することは製造業者に任されている。
画質は次の項目で定義しなければならない。
− コントラスト対ノイズ比
− 空間分解能(MTF又はカットオフ周波数で,例えば,1 cm当たりのラインペア)
− 臨床視野全体の均一性
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A : 画質及びX-IGRT撮影構成要素の測定方法に関する記載。
201.102.5 撮影線量
201.102.5.1 表示及び附属文書
a) 事前に定義されたプロトコルで予想される典型的な撮影線量を附属文書に記載しなければならない。
実際の撮影線量が撮影前に分かっている場合には,撮影前に操作者に対して表示しなければならない。
予想される撮影線量の単位は,使用されるプロトコルの仕様に基づかなければならない。
b) 製造業者が提供する技術解説書は,撮影モダリティ特有の基準を参照して,撮影線量を測定するため
に使用する方法を定義しなければならない。
注記 線量モニタリングのための空間線量計は必要としない。
CT撮影装置での扇状ビーム撮影に対して,JIS Z 4751-2-44:2018に定義された方法でCTDI測定を実施
できる。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
a) 形式試験 等級A : 事前に決められているプロトコルで予想される典型的な撮影線量に関する記載。
b) 形式試験 等級A : 撮影線量を測定するための使用方法の記載。
201.102.5.2 CBCT
201.102.5.2.1 線量測定用ファントム
線量測定用ファントムは,全頭部用プロトコル要素で直径160 mm及び全体幹部用プロトコル要素で直
径320 mmのPMMAで密度が1.19±0.01 g/cm3の円柱上の構造でなければならない。ファントムの長さは,
少なくとも140 mmとする。ファントムは,測定のために使用する放射線検出器の有効容積の長さよりも
長くなければならない。ファントムは放射線検出器を入れるのに適切な大きさの孔を備えなければならな
い。これらの孔は,ファントムの対称軸と並行とし,かつ,孔の中心は,ファントムの中心及び90°の間
隔を置いたファントムの表面下10 mmの位置になければならない。測定中,使用しない孔は,ファントム

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と同じ材質の隙間ができない挿入部品を用いて埋めなければならない。
正常な使用において,ME機器の放射線の線量表示に使用する方法を,直接記載するか又は発行された
参照物を参照しなければならない。
注記 ファントムの定義は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.108に基づいている。
201.102.5.2.2 線量の記載
201.102.5.2.2.1 CTDI100
線量情報は,CBCT用の線量測定用ファントムを使用して収集しなければならない。臨床への適応(例
えば,頭部,体幹部)に対して,それぞれ個別の線量情報を附属文書に記載しなければならない。全ての
線量測定は,付加した減弱物質がない状態で,線量測定用ファントムを患者支持器に設置して行わなけれ
ばならない。臨床への適用に適切な線量測定用ファントムは,スキャン領域の中心で,かつ,X-IGRT装
置の回転軸上に配置しなければならない。
次の事項は,それぞれの臨床への適用情報として附属文書に記載しなければならない。
a) 201.102.5.2.1で定義する線量測定用ファントムにおける,次の位置でのCTDI100及び対応するCBCT
作動モード。CBCT作動モードは,製造業者によって推奨されている代表条件でなければならない。
1) ファントムを貫く回転軸に沿って[CTDI100(中心)]。
2) 回転軸に平行な線に沿い,ファントムの表面から10 mm 内側で,かつ,CTDI100が最大になるよう
にファントムを調整した位置。
3) 回転軸に平行な線に沿い,a) 2)における位置から回転軸を中心として,90°,180°及び270°の位
置でファントムの表面から10 mm内側の位置。製造業者は上記a) 2)で指定したCTDI100が最大とな
る位置を,線量測定ファントムが設置できるように,架台又はX-IGRT装置の容易に確認可能な部
分に,表示しなければならない。
4) TDI100(周辺)は,上記の201.102.5.2.2.1のa) 2)及びa) 3)に従い,ファントムの周辺で測定した四つ
のCTDI100の平均値である。
b) TDI100(中心)値を変化させる選択可能な各CBCT作動モードに対する線量測定用ファントムの
中心位置でのCTDI100。このCTDI100(中心)は,上記a)の線量測定用ファントムの中心位置における
CTDI100の値を1として,正規化した数値で示さなければならない。一つのCBCT作動モードを変更
する場合,これに依存しないほかのCBCT作動モード全ては,上記a)に記載する代表値に保持してお
かなければならない。これらのデータは,製造業者が適切とみなす各CBCT作動モードの範囲を含ま
なければならない。一つのCBCT作動モードが,三つ以上選択可能な場合には,そのCBCT作動モ
ードにおいて少なくとも,最小,最大及び中間の値に対して正規化したCTDI100を示さなければなら
ない。
c) 通常CBCTで使用される部分回転を用いるスキャンでは,全てのCTDI100測定の場合と同じ軌道を使
用しなければならない。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A : CTDI100,関係するCBCT作動モード及び製造業者の試験結果に関する記載。
注記 201.102.5.2.2.1は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.109.1を採用している。
201.102.5.2.2.2 CTDIfree air
CTDIfree air及び対応するCBCT作動モードは,附属文書に記載しなければならない。CTDIfree airは,線量
測定用ファントム及び患者支持器なしで,X-IGRT装置のアイソセンタのスライス面に直交した線に沿っ

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て測定しなければならない。
メガボルトCBCTでは,適切なビルドアップを使用しなければならない。
通常CBCTで使用される部分回転を用いるスキャンでは,CTDI100測定の場合と同じ軌道を使用しなけ
ればならない。
記載した値(CTDIfree air)からの最大偏差を記載しなければならない。偏差は,これらの上限値(最大偏
差)を超えてはならない。
附属文書に次のデータを記載しなければならない。
− 全てのCBCT作動モードで,代表的な条件での,通常の公称ビームコリメーションでのCTDIfree air
− 全てのCBCT作動モードで,代表的な条件での,通常の設定でのCTDIfree air(表201.103を参照)。
− 付加する平らな又はその他の形状をもつフィルタに対する代表的な作動条件でのCTDIfree air
− メガボルトビームの測定でビルドアップキャップが必要な場合は,附属文書に記載しなければならな
い。
注記1 公称ビームコリメーションは,CBCTモードの事前登録された公称照射野サイズと同等であ
る。通常,CBCTスキャンのスライス面に直交する線に沿ったスキャン長さと同じである。
注記2 全てのスキャン幅に対して,測定は一度だけでよい。
注記3 CTDI(CTDI100又はCTDIfree air)を測定する別の方法は,線量プロファイルの測定及び所定
の範囲でのプロファイルの積分に基づく。線量プロファイルは,IEC 61674を満たす(例え
ば,小さな線量計)放射線検出器で測定することができる。
注記4 表201.103にキロボルトに対するCTDIfree airのテストパターンの例を示す。
表201.103−キロボルトのCTDIfree airに対する試験パターン例
公称ビームコリメーションの設定
コリメーショ コリメーショ コリメーショ コリメーショ コリメーショ
ン1 ン2 ン3 ン4(代表値)ン5
管電圧(kV) 管電圧(kV)1 測定
の設定 管電圧(kV)2測定 測定 測定 測定 測定
(代表値)
管電圧(kV)3 測定
注記5 201.102.5.2.2.2は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.109.2から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A : CTDIfree air,対応するCBCT作動モード及び製造業者の試験結果に関する記載。
201.102.5.2.2.3 線量プロファイルの記載
スライス面に垂直な軸に沿い,次の位置で測定したアイソセンタに位置する線量プロファイルは,選択
可能なN×Tの数値ごとに附属文書に図示しなければならない。
− 空気中での1回のアキシャルスキャン
− 頭部及び体幹部線量測定用のファントムの中心位置
異なった数値のN×Tが三つよりも多く用意されている場合は,少なくとも,最小,最大及び中間の数
値の情報を提供しなければならない。
スライス面に垂直な軸に沿って1列の検出器をもつ,X-IGRT装置では,線量プロファイルは

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201.102.5.2.2.4で要求する感度プロファイルと同じ図上に,同じ尺度で図示しなければならない。スライ
ス面に垂直な軸に沿って複数列の検出器をもつX-IGRT装置では,中心を同じ位置にした線量プロファイ
ルをN×Tの幅で二つに区切られた縦軸で図示しなければならない。
y軸に沿って線量プロファイルを少なくとも10分の1値幅を図示しなければならない。
CBCTのN×Tは,公称ビームコリメーションである。
注記 201.102.5.2.2.3は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.110から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A : 線量プロファイルに関する記載。
201.102.5.2.2.4 感度プロファイルの記載
次の事項に関係する感度プロファイルは附属文書に記載しなければならない。
a) 設定できる公称スライス厚ごとに一つの感度プロファイルを図示しなければならない。三つ以上の公
称スライス厚がある場合は,少なくとも最小,最大及び中間の値の感度プロファイルを図示しなけれ
ばならない。
b) スライス面に垂直な軸に沿って1列の検出器をもつ,X-IGRT装置では,スライス厚の設定に関連す
る,頭部線量測定用ファントム及び体幹部線量測定用ファントムの感度プロファイルを,
201.102.5.2.2.3で要求する線量プロファイルと同じ図上に,同じ中心位置で,同じ尺度で図示しなけれ
ばならない。
注記 201.102.5.2.2.4は,JIS Z 4751-2-44:2018の203.111から採用している。
(試験)
適合性は,次によって確認する。
形式試験 等級A : 感度プロファイルに関する記載。
201.102.5.2.2.5 CTDIvol及びDLPの表示及び記録
選択されたプロトコル要素を反映し,一連のスキャンの開始前に,制御盤上にCTDIvolはミリグレイ
(mGy)又はセンチグレイ(cGy)及びDLPはミリグレイセンチ(mGy・cm)又はセンチグレイセンチ(cGy・
cm)の単位で表示しなければならない。さらに,CTDIvolの値の基となるファントムの直径を表示しなけ
ればならない。
選択された単位は,201.101.3に従う他の放射線量単位に適合しなければならない。
附属文書には32 cmのファントムに基づくCTDIvolから16 cmファントムに基づくCTDIvolへの変換を含
まなければならない。この変換は全てのCBCTの作動条件に関連する組合せに対して,提供しなければな
らない。プロトコル要素が頭部又は体幹部のいずれのプロトコル要素であるかを指定する方法のガイダン
スを附属文書に含まなければならない。
CBCT作動条件が一連のスキャン中に変化する場合は,照射前に,対応する予測値を表示しなければな
らない。それぞれの値は一連のスキャンで予測される時間加重平均として示さなければならない。
患者支持器の移動が事前にプログラムされたスキャンに対しては,表示が201.3.229 c) によってCTDIvol
が計算されている場合,nは事前にプログラムした回転数の最大値である。回転数を事前にプログラムし
ない場合は,1秒当たりのCTDIvolをミリグレイ毎秒(mGy/s)でスキャンの間,表示しなければならない。
一連のスキャン(例えば,複数スキャンを統合したCBCTモードの場合)後,一連のスキャンにわたり,
時間加重平均として計算された,CTDIvol及びDLPの実平均値を,制御盤上に表示しなければならない。
ファントムの種類に伴う,CTDIvol及びDLPの実平均値は,ISO 12052のDICOM CT放射線線量構造化

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JIS T 60601-2-68:2019の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60601-2-68:2014(IDT)

JIS T 60601-2-68:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 60601-2-68:2019の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST60601-1-8:2012
医用電気機器―第1-8部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:医用電気機器及び医用電気システムのアラームシステムに関する一般要求事項,試験方法及び適用指針
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定