JIS T 80601-2-61:2014 医用電気機器―第2-61部:パルスオキシメータの基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 | ページ 11

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T 80601-2-61 : 2014 (ISO 80601-2-61 : 2011)
基準値SRの関数としての試験センサのSpO2値
平均かたよりは無視できる(0.01 %)
この場合,回帰直線の傾きは,1.100
sres=1.034 % BS=0
Arms=1.332 %PS=1.333
回帰直線の式 y=1.100 2・x+8.67
図CC.3−基本に対して傾きを変化させた場合
CC.2.3 かたより(図CC.4及びCC.5参照)
与えられたxの値に対する局所かたより(ここでは小文字“b”で表す。)は,そのx座標での回帰直線
上のy値と同一値直線上のy値との差である。すなわち,
bi SRi
SpO 2 fit, ii ,1 , n (CC.1)
平均かたより(ここでは大文字“B”で表す。)は,データ全体の集合を表す単一の値である。それは試
験値と基準値との間の差の平均であって,符号が付く。
n
SpO 2i SRi
il
B (CC.2)
n

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 51] ―――――

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X軸 SR 基準となる酸素飽和度,Y軸 SpO2 パルスオキシメトリによる酸素飽和度
1 回帰直線
2 局所かたより
3 同一値直線
図CC.4−局所かたよりの定義の図示
(基準値SRの関数としての試験センサSpO2値)
X軸 SR 基準となる酸素飽和度,Y軸 SpO2 パルスオキシメトリによる酸素飽和度
1 平均かたより
2 回帰直線
3 局所かたより
図CC.5−局所かたより及び平均バイアスの定義の図示
(基準値SRの関数としての試験センサSpO2値)
このように規定すれば,平均かたよりは,当然全ての局所かたよりの平均値となり,次の式(CC.3)のよ
うに展開できる。

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 52] ―――――

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n n n
(SpO 2iSRi) [(SpO 2i (SpO 2fit,i
SpO 2fit,i ) SRi) ] bi
i1 i1 i 1
B 0 (CC.3)
n n n
式の右辺で0となっている項は,SpO2fitを決める回帰線から求めることができる結果であり,第2項は,
上述した“b”の定義そのものである。
図CC.1及び図CC.3では,共に平均かたよりはゼロであるが,図CC.2の平均かたよりは,1.5 %である。
局所かたよりは,図CC.1では全ての値に対して0,図CC.2では全ての値に対して1.5 %,及び図CC.3
では,式b=0.100 2x−8.67に従う。
CC.2.4 精密度
図CC.3は,パルスオキシメトリにおいて,特に新規パルスオキシメータプローブの開発過程で,既存
のパルスオキシメータ本体に組み込んだ校正曲線を利用する場合に,ときどき生じるケースを表している。
このデータ集合で,試験値と基準値との間に可変なオフセットがあるという事実は,局所かたよりと平均
かたよりとを区別することが有用なことを示唆している。実際のデータ集合では,“かたより”は,SRに
対してより複雑に依存する可能性がある。しかし,ここで示した例では,局所かたよりが酸素飽和度によ
って変化する場合に,データを特徴付ける様々な式に対して何が起きるかを示せば十分である。
残差(Sres)の標準偏差を精密度として定義し,次の式(CC.4)で与える[44]ことを提案する。
n
(SpO 2iSpO 2fit,i ) 2
i1
sres (CC.4)
(n )2
ここに, n : サンプル中のデータ対の数
SpO2i−SpO2fit,i : i番目のSpO2データとi番目の基準値に対応する適
応曲線の値との差
SRi Sresは,最適校正曲線周辺でのデータの点のばらつきとして直観的に捉えることができる。これは,
患者間変動並びに本体の電子回路及びソフトウェアの繰返し性を共に考慮し,同一のパルスオキシメータ
を用いてある酸素飽和度で繰り返し測定した場合に生じるばらつきの程度である。
注記 図CC.1,図CC.2及び図CC.3でのSresは,1.034 %近くの一定値を示している。この三つのデ
ータ集合は,最適回帰直線に対してのデータ点のばらつき程度は全て同じで,Sresがほぼ同じ値
になっているのは,この事実の反映である。これらの三つの図の二つに認められる“かたより”
は,精密度の測定には何の影響もない。
CC.2.5 精度
ASTM E456-96が示している定義のように,委員会は,精度が系統誤差成分及び偶然誤差成分の組合せ
であることを示したい。多くの製造業者が長期間使用してきた定義は,測定値(SpO2i)と基準値(SRi)と
の差の二乗平均の平方根(rms)であり,次の式(CC.5)によるものである。
n
(SpO 2iSRi) 2
i1
Arms (CC.5)
n
委員会は,多くの製造業者がパルスオキシメータ精度を“標準偏差”であるとして,実際にはArmsを計
算しているものと考えている。少なくともある製造業者は,“同一値直線からの標準偏差”を意味するSDI
という略語を内部では使用している。Armsは,標準偏差ではないので,これは誤った名称である。重要な
ことは,測定そのものの有用性である。技術者は,Armsを通常測定の“rms誤差”,すなわち“誤差の二乗

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平均の平方根誤差”に非常に類似したものと認識している。それは全測定範囲での誤差の絶対値を平均化
する方法である。
注記 この場合,Armsの式の分母にはnを使用していることに注意する。Armsが標準偏差の場合は,(n
−1)を用いるのが一般的である。この数値の差は通常は問題にならない。標準偏差の定義で(n
−1)を用いるのは,標準偏差を構成する(n−1)個のサンプルだけが自由に選択できるという
事実に基づく(統計学者は,n−1の“自由度”があるという。)。標準偏差の定義が平均値から
の差を含み,平均値が既知の値になるようにn番目のサンプルを選択することを示しているた
め,n番目のサンプル値には制限がある。Armsを表す式には平均値のような既知の変数を含まな
いため,Armsの計算にはこのような制限がない。
Armsが標準偏差ではないことを理解することは,パルスオキシメータのSpO2精度計算を間違えないよう
にするために重要である。全ての差(SpO2i−SRi)を含んでいる表計算シートで列を作成し,表計算ソフト
ウェアによってこのデータの標準偏差を計算したとしても,その結果はArmsではない(実際,次に示すよ
うに,この値は,Severinghaus[69]らが考案した精密度の指標PSである。)。任意の変数xに対する標準偏差
は,次の式(CC.6)で示される。
n
(xi x) 2
i1
sx (CC.6)
n 1
ここに, x : 全てのxiの平均
この式を,Armsを表す式と比較すると,Armsでは,平均値の引き算がない。Armsは,平均値付近でのばら
つきを示すものではなく,測定値と基準値との間の差を示すものである。ArmsとPSとの間の数値上の差は,
図CC.1図CC.3の説明に示してある。
Armsは,偶然性によるばらつき並びに平均かたより及び局所かたよりの両方から影響を受ける。
図CC.1では,局所かたよりは全範囲で無視できる(平均かたよりについても同様に無視できる。)ので,
Arms=1.033 %となり,Sresにほとんど等しい。Arms及びSresが1 %に近いという事実は,図CC.1の多くのデ
ータが図の±2 %基準直線内に存在するという目視観察と一致している。正規分布では,観測値の95 %が,
平均から2標準偏差以内に存在する。
図CC.2では,全体的にオフセットが大きく,Armsは1.823まで増加している(すなわち,局所かたより
が一定値のため,平均かたよりもゼロにならない。)。
図CC.3では,平均かたよりはほぼゼロであるが,局所かたよりの値の広がりが大きいため,Armsは中間
的な値の1.332 %である。図CC.3の局所かたよりの絶対値は,ほとんどの点で図CC.2における一定値の
オフセットよりも小さい。これは,総合的なSpO2精度を表すこの計算値が,図CC.2よりも図CC.3で小
さくなることを適切に示している(すなわち,図CC.3のSpO2精度の方が図CC.2よりもよいことを示し
ている。)。
CC.2.6 解析
ここでは,上記で与えた定義とパルスオキシメトリに関わる文献に影響力を与えた二つの権威ある基礎
論文で使用している用語との関係を検討したい。Bland及びAltman [23]は,二つの測定方法を比較する場
合の相関係数の誤使用について警鐘を鳴らし,比較実験でのデータの検証にグラフを用いる有用な方法を
導入した。Severinghausらは,Bland及びAltmanの方法に基づく“かたより”及び精密度の定義を導入す
るとともに[69],“曖昧さ”という新しい用語を,“かたより”と精密度との和として定義した。
次の段落では,委員会は,記号BS及びPSを,Severinghausが使用した“かたより”及び精密度の定義と

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して使用する。彼は,正負の符号が付く形での“かたより”を,試験値と基準値との差の平均として式(CC.7)
のように定義した。
n
(SpO 2iSRi )
i1
BS (CC.7)
n
これが我々の平均かたよりの定義と一致するのは偶然ではない。我々の定義は,Severinghausの用語を
適用したのであり,パルスオキシメータ校正の実験では,ときどき酸素飽和度によって“かたより”が変
動し,局所かたよりと平均かたよりとの区別が有用であることを追認したことになる。
Severinghausらは,精密度を“かたよりの標準偏差”と定義した。
n
(SpO 2iSRi BS ) 2
i1
PS (CC.8)
n 1
この指標は,我々の推奨した精密度の定義とは異なる。ある意味,PSは,平均かたよりからの残差の二
乗平均の平方根(rms)偏差であるのに対し,Sresは局所かたよりからの残差のrms偏差である。図CC.1
図CC.3では,Sresが全て同じであったことを思い出してほしい。この三つの場合で,PSがどのようにな
っているかを比較する。
− 図CC.1では,PS=1.033(sresと同じ)。
− 図CC.2では,PS=1.033(この場合,PSは,回帰直線周辺でのばらつきは反映するが,平均かたより
値が0でないためにオフセットが一定値になることは反映しないという,“精密度”としての指標の望
ましい特性をもつ。)。
− 図CC.3では,PS=1.333(PSは増加し,Armsもこれに対応する。局所かたより値の変動が大きいため
に,Sresで示される偶然誤差成分に変化はなくても,PSは増加する。)。
Bland及びAltmanは,彼らの論文の図2に示す例を検討して,“残差と平均値との間には明確な関係は
ない。したがって,“かたより”を計算して残差の平均d及び残差の標準偏差(s)を評価しても一致はし
ないと結論できる”といっている。このように,Bland及びAltmanのdは,SeveringhausのBSに等しく,
かつ,彼らのsはPSに等しい。Bland及びAltmanは,残差と平均との間に明確な関係がない場合に,残差
の標準偏差の有用性を指摘している。図CC.3が示すように,局所オフセットが変動する場合には,偶然
誤差の指標として異なったものを使用することが望ましい。
最後に,委員会は,Severinghausら[69]が“かたより”と精密度との和として導入した“曖昧さ”という
用語について検討する。
AS BS PS (CC.9)
この用語の指標としての価値は,それぞれ単独の値である系統的誤差及び偶然誤差をまとめていること
である。SpO2精度の指標とすることを推奨しているArmsは,特性が類似していることを示すことができる
ので,ある特定の実験結果を分析する場合に,Arms及び曖昧さの両方を使用する必要はない。これを証明
するために,数学公式(CC.10)を用いる。
2
n
n n
xi
2 2 i1
xi (xi x) (CC.10)
i1 i1 n
xiに対して,残差(SpO2i−SRi)を用いる。展開,代入して,次の式(CC.11)を得る。

――――― [JIS T 80601-2-61 pdf 55] ―――――

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JIS T 80601-2-61:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 80601-2-61:2011(IDT)

JIS T 80601-2-61:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS T 80601-2-61:2014の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7761-3:2007
手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
JISB9707:2002
機械類の安全性―危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離
JISB9711:2002
機械類の安全性―人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すきま
JISC0445:1999
文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
JISC0447:1997
マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
JISC1509-1:2017
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
JISC1509-2:2018
電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
JISC2134:2007
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC2134:2021
固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
JISC4003:2010
電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
JISC60079-0:2010
爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
JISC60079-2:2008
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
JISC60079-6:2004
爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
JISC60364-4-41:2010
低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC6965:2007
ブラウン管の機械的安全性
JISC8282-1:2019
家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
JISC8303:2007
配線用差込接続器
JIST0307:2004
医療機器―医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号
JIST0601-1-3:2012
医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
JISZ8202:1985
量記号,単位記号及び化学記号
JISZ8203:1964
単位記号
JISZ8203:2000
国際単位系(SI)及びその使い方
JISZ8736-1:1999
音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定