JIS Z 2320-2:2017 非破壊試験―磁粉探傷試験―第2部:検出媒体 | ページ 2

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従って磁粉分散濃度(g/L)又は沈殿体積(mL)を提示する。

5.4 乾式法に用いられる検出媒体(乾式磁粉)

  乾式法に用いられる検出媒体は,細かく粉砕された非蛍光又は蛍光磁粉を空気中に分散させたものとす
る。

5.5 コントラストペイント

  コントラストペイントは白又はそれに近い色調のものとし,試験面に塗布後速やかに乾燥し,検出媒体
の分散媒に溶解せず,ぬれ性に優れ,試験終了後に試験面からの離性がよいものとする。

6 試験及び試験証明書

6.1 形式試験及びバッチ試験

  磁粉探傷試験材料の形式試験及びバッチ試験は,JIS Z 2320-1及びJIS Z 2320-3並びにこの規格の要求
条件に従って実施しなければならない。
形式試験は,使用目的に対する製品の適応性を実証するために実施する。バッチ試験は,製品の形式に
対して規定されたバッチの特性が一致することを実証するために実施する。
磁粉探傷試験材料の供給者又は製造業者は,この規格への適合を示す試験証明書を提供しなければなら
ない。この証明書は,得られた結果とその対象範囲とを示したものでなければならない。
磁粉探傷試験材料の設計,製造ラインなどに何らかの変更が加えられた場合には,新規に形式試験を行
わなければならない。
注記1 形式試験とは,供給者又は製造業者が供給する製品の名称ごとに,この規格に示す特性を確
認し,製品固有の形式(仕様)を決定するための試験をいう。
注記2 バッチ試験とは,形式試験で決定された製品別の形式(仕様)に対して,製造バッチ(ロッ
ト)の特性が一致することを確認するために製造業者が実施する品質管理上の試験をいう。
注記3 供給者とは,商社,代理店,販売店など製造業者を含む顧客への直接の販売者・納入者をい
う。

6.2 使用期間中試験

  使用期間中試験は,検出媒体の性能が維持されていることを実証するために実施する。

7 要求事項及び試験方法

7.1 性能

7.1.1  形式試験及びバッチ試験
形式試験及びバッチ試験は,附属書Bに規定する対比試験片のタイプ1又はタイプ2を用いて,附属書
Aの手順に従って実施しなければならない。
7.1.2 使用期間中試験
使用期間中試験は,附属書Aの手順に従って,附属書Bに規定する対比試験片のタイプ1若しくはタイ
プ2のいずれか又は試験体で通常発見されるきずと同等のきずをもつ試験体を用いて実施しなければなら
ない。
このようなきずをもつ試験体が使用できない場合には,附属書JAの手順に従ってJIS Z 2320-1の附属
書JA(標準試験片及び対比試験片)に規定するA型標準試験片又はC型標準試験片を用いて実施するか,
又はJIS Z 2320-1の附属書JAに規定するB型対比試験片を用いてもよい。
7.1.3 コントラストペイント

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形式試験及びバッチ試験は,コントラストペイントの製造業者の指示に従ってコントラストペイントを
塗布した後,7.1.1に従い形式試験に適合した適切な検出媒体を用いて実施しなければならない。

7.2 色彩

  探傷試験の作業条件の下で使用される磁粉(検出媒体)の色は,供給者又は製造業者によって示される
色とする。示された色と目視とによって比較し,違いがあってはならない。
形式試験サンプルの色とバッチ試験サンプルの色とは,目視で比較したとき違いがあってはならない。

7.3 磁粉の粒子径

7.3.1  粒子径の決定方法
粒子径を決定する方法は,粒子径の分布の範囲による。
湿式検出媒体の粒子径の分布は,コールター法1),附属書JBの顕微鏡法又はこれらと同等な方法による。
注1) S 3406-5,Methods for determination of particle size distribution. Recommendations for electrical
sensing zone method (the Coulter principle) 参照。
7.3.2 粒子径の定義
粒子径の範囲は,次のとおりでなければならない。
− 粒子径の下限dl : dlより小さい磁粉粒子は,磁粉の全体体積の10 %以下。
− 平均粒子径da : 粒子の分布範囲の50 %の位置における粒子径(中央値)
− 粒子径の上限du : duより大きな磁粉粒子は,磁粉の全体体積の10 %以下。
次のいずれかを報告しなければならない。
− 粒子径の下限dl,粒子径の上限du及び平均粒子径da
− ふるい分けによる累積分布の10 %及び90 %を示す粒子径,及び平均粒子径da
乾式磁粉は,一般にdl≧40 μmである。

7.4 耐熱性

  供給者が指定する最高温度で5分間加熱したとき,製品に変化が生じてはならない。
これは,7.1.1に規定する形式試験の繰返しによって評価する。

7.5 蛍光係数及び蛍光安定性

  この試験は乾燥した磁粉を用いて行う。
7.5.1 形式試験
7.5.1.1 試験方法
蛍光係数β(cd/W)は,次の式(1)から算出する。
L/Ee (1)
ここに, β : 蛍光係数(cd/W)
L : 平らにした磁粉の表面における輝度(cd/m2)
Ee : 磁粉表面における紫外線放射照度(W/m2)
蛍光係数測定装置の配置の例を図1に示す。
磁粉表面を,JIS Z 2320-3に規定する紫外線照射装置(以下,ブラックライトという。)によるA領域紫
外線によって45°±5°の角度で均一に照射する。輝度は,±10 %又はそれよりも高精度の測定器を用い
て測定する。輝度は,磁粉表面の輝度を測定し,測定対象範囲外の影響を受けないようにしなければなら
ない。紫外線放射照度は,磁粉表面の中心位置(輝度測定点)にUVセンサを置いて,JIS Z 2323に規定
する測定器(紫外線強度計)を用いて測定する。

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装置の配置の一例として,200 cd/m2の測定レンジをもつ視野角(α)20°の輝度計を,直径40 mmの平
らな磁粉表面から80 mm上方に設置する方法がある。ブラックライトは,磁粉表面の輝度が均一となるよ
うに配置し,Eeが10 W/m2と15 W/m2との間の値になるようにするとよい。
注記 図1は測定の例であり,この図を参考にして再現できる配置を用いて測定してもよい。
1 輝度計 4 輝度測定点
2 ブラックライト 5 磁粉表面
3 A領域紫外線照射
図1−磁粉の蛍光係数βの測定装置
7.5.1.2 補足条件
蛍光係数βは,1.5 cd/W以上が望ましい。
7.5.1.3 蛍光安定性
最初にサンプルの蛍光係数を7.5.1.1に従って測定する。
次にサンプルを20 W/m2(最小)のA領域紫外線に30分間照射した後,再び7.5.1.1によって蛍光係数
を測定する。照射の前後で蛍光係数は,5 %以上減少してはならない。
7.5.2 バッチ試験の蛍光係数
バッチ試験は7.5.1.1によって試験を行う。
蛍光係数は,形式試験の蛍光係数の±10 %でなければならない。

7.6 分散媒の蛍光

  分散媒の蛍光は,10 W/m2以上のA領域紫外線を照射し,硫酸キニーネ溶液の蛍光の強さとの目視によ
る比較で確認する。
硫酸キニーネ溶液の濃度は,0.1N-H2SO4の中において7×10−9 molとする。
分散媒の蛍光は,硫酸キニーネ溶液の蛍光の強さ以上の蛍光を示してはならない。

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7.7 引火点

  有機溶剤分散検出媒体については,分散媒の引火点(オープンカップ法又はクローズドカップ法)を報
告しなければならない。
注記 有機分散媒の引火点(クローズドカップ法)は70 ℃以上であることが望ましい。

7.8 検出媒体による腐食

7.8.1  鋼及び鋳鉄の腐食試験
鋼及び鋳鉄に対する腐食の影響は,附属書Cによって試験を行い報告する。
7.8.2 銅の腐食試験
銅に対する腐食の影響は,JIS K 2513によって試験を行う。JIS K 2513は灯油などの有機溶剤分散の製
品に使用できる。

7.9 分散媒の粘度

  粘度はJIS K 2283若しくはJIS Z 8803又は製造業者によって確立された方法(フローカップ法など)に
よって測定する。
動的又は静的粘度は,38 ℃±2 ℃で 3 mm2/s以下又は20 ℃±2 ℃で 5 mPa・s以下でなければならない。
注記 使用する際に20 ℃±2 ℃より低い温度の場合は5 mm2/s以下が望ましい。

7.10 機械的安定性試験

7.10.1  長期試験(耐久性試験)
製造業者は,検出媒体が使用によって影響を受けるかどうかを,一般的な磁化台で120時間以上にわた
って循環使用して確認しなければならない。
これは,磁化台又は模擬試験をする試験機によって証明できる。望ましい耐久性試験機の例を次に示す。
検出媒体のサンプル40 Lを,渦巻ポンプを取り付けた耐食性のタンクに貯蔵し,渦巻ポンプによって検
出媒体を循環させ,その流れを,バルブによって断続できる装置である。
技術的データ :
排水ポンプの型式 : JIS B 8313による(望ましい渦巻ポンプの吐出能力は160 L/min)。
循環流路の直径 : 呼径1インチ(25A)NBパイプ
サイクルタイム
− バルブ開 5秒±0.5秒
− バルブ閉 5秒±0.5秒
検出媒体は,試験前及び120時間試験後に,対比試験片を用いて確認する(7.1.1参照)。
磁粉模様に識別できる変化がある場合は,不合格の要因となる。ただし,エアゾールに充された検出
媒体は対象としない。
7.10.2 短期試験
7.10.2.1 装置
次に示すかくはん装置(図2参照)又はこれと同等若しくは類似の装置,及び次に示す器具を使用する。
a) かくはん羽根の回転速度 : 3 0003000 rpm
b) かくはん容器 : 容量2 L
c) 附属書Bに規定する対比試験片タイプ1及びタイプ2
d) IS Z 2323の要求に合致する,10 W/m2の放射照度が得られるブラックライト
7.10.2.2 手順
検出媒体のサンプルをかくはん装置で,2時間かくはんする。附属書Bに規定する対比試験片のタイプ

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1及びタイプ2を用いて,かくはん後とかくはん前との対比サンプルによって得られる磁粉模様を,ブラ
ックライトの下で観察し比較する。
7.10.3 補足
磁粉模様に識別できる変化がある場合は,不合格の要因となる。ただし,エアゾールに充された検出
媒体は対象としない。

7.11 起泡性

  起泡性は7.10.1又は7.10.2の試験中に起泡の状態を観察する。
泡が容器からあふれるような多量の泡立ちは,不合格の要因となる。

7.12 pH

  水分散媒のpHはJIS Z 8802によって測定する。
測定値を試験報告書に記載する。

7.13 貯蔵安定性

  使用期限はそれぞれの製品容器に記載する。

7.14 磁粉分散濃度

  湿式検出媒体の磁粉含有量(g/L)又は単位体積(100 mL)中に含まれる磁粉の沈殿体積(mL)は,供
給者又は製造業者によって提供されなければならない。

7.15 硫黄及びハロゲンの含有量

  次に示すとおり,硫黄及びハロゲンを少なく設計した製品では,硫黄及びハロゲン含有量は,硫黄及び
ハロゲンが200 mg/L(200 ppm)のとき±10 mg/L(10 ppm)まで正確に測定できる方法によって測定しな
ければならない。
− 硫黄含有量は,200 mg/L(200 ppm)未満
− ハロゲン含有量は,200 mg/L(200 ppm)未満(ハロゲンは塩素+ふっ素とする。)

8 試験に要求される項目

  磁粉探傷試験材料の供給者又は製造業者は,箇条9の試験報告に従い,表1の注a) を付した特性に関し,
形式試験及びバッチ試験を実施しなければならない。ただし,顧客からの特別な要求がある場合には,磁
粉探傷試験材料の形式試験及びバッチ試験は,箇条7に従って実施しなければならない。
顧客からの特別な要求がある場合を含め,磁粉,検出媒体及びコントラストペイントの試験は,表1の
要求項目に従って実施しなければならない。
形式試験(Q)及びバッチ試験(B)は,磁粉探傷試験材料の供給者又は製造業者の責任である。使用期
間中試験(P)は,使用者の責任である。
なお,水分散検出媒体又は有機溶剤分散検出媒体をエアゾールに充したものについては,使用期間中
試験は必要としない。
注記 水分散検出媒体に使用する分散剤の試験においては,製造業者の推奨する濃度で作成した分散
剤水溶液について,試験を実施する。

9 試験報告

  発注時に受渡当事者間で合意した場合は,磁粉探傷試験用材料の製造業者又は供給者は,JIS G 0415の
規定に従った検査証明書を用意しなければならない。
要求する試験の項目は箇条8に従い,通常は表1の注a) に示す内容とし,顧客から特別な要求があった

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JIS Z 2320-2:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 9934-2:2015(MOD)

JIS Z 2320-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2320-2:2017の関連規格と引用規格一覧