JIS Z 4312:2013 X線,γ線,β線及び中性子用電子式個人線量(率)計 | ページ 3

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5.6.5 中性子のHp(10) 及びHp(10)
エネルギー・方向特性は,7.2.7.5で試験したとき,表4に適合しなければならない。

表4−中性子のHp(10) 及びHp(10) のエネルギー・方向特性
種類 エネルギー範囲 入射角度範囲 相対レスポンスの許容範囲
(括弧内は試験点)
N1形 熱中性子100 keV 0±60° 0.65−Urel4+Urel
100 keV5 MeV 0.65−Urel2.22+Urel
(0°,±45°,±60°)
5 MeV10 MeV a) 0.65−Urel2.22+Urel
10 MeV最大b) 0.65−Urel4+Urel
N2形 熱中性子15 MeV 0° 100 keV15 MeV : 製造業者が示したエネルギー範
囲において0.5−Urel2.5+Urel
熱中性子100 keV : 当該範囲におけるレスポンス
を示し,0.5−Urel2.5+Urelとなるエネルギー範囲
を示す。
241Am-Be(又は252Cf)
0±60° 0.5−Urel1.5+Urel
(15°ステップ)
N3形 熱中性子15 MeV 0° 100 keV15 MeV : 製造業者が示したエネルギー範
囲において0.3−Urel3+Urel
熱中性子100 keV : 当該範囲におけるレスポンス
を示し,0.3−Urel3+Urelのエネルギー範囲を示
す。
241Am-Be(又は252Cf)
0±45° 0.5−Urel1.5+Urel
(15°ステップ)
注記 N1形の最小定格エネルギー範囲は,熱中性子5 MeVである。
注a) 定格範囲が5 MeV以上を含む場合。
b) 定格範囲が10 MeV以上を含む場合。

5.7 指示値の保持特性

  この規定は,Hp(10) 及びHp(0.07) に適用し,次による。
a) 照射後の指示値の保持 指示値の保持特性は,7.2.8 a) によって試験したとき,線量照射完了後8時
間の指示値の変化は±2 %とする。
なお,表示範囲の最小デジットが指示値の2 %を超える場合には,±1デジットとする。
b) 電源を切った後の指示値の保持 指示値の保持特性は,7.2.8 b) によって試験したとき,電源を切っ
て24時間後の指示値の変化は±5 %とする。
なお,表示範囲の最小デジットが指示値の5 %を超える場合には,±1デジットとする。
また,この特性は等級1だけに適用する。

5.8 オーバロード特性

5.8.1  線量測定の場合
オーバロード特性は,7.2.9 a) によって試験したとき,照射時は指示値が表示範囲の最大値を超えて保
持され,かつ,測定範囲上限を超えている状態であることを表示しなければならない。
5.8.2 線量率測定の場合
オーバロード特性は,7.2.9 b) によって試験したとき,照射時は指示値が表示範囲の最大値を超えて保
持され,かつ,オーバスケールであることを表示しなければならない。照射終了後は,指示値が10秒以内
に有効測定範囲内に入らなければならない。製造業者は,相対基準誤差試験を満足できる線量率の上限値

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を示さなければならない。

5.9 他の放射線による影響

  他の放射線による影響は,7.2.10によって試験したとき10 %未満とする。

なお,この規定は,X線,γ線及び中性子のHp(10)及びHp(10)を測定する線量計に適用する。

5.10 温度特性

  温度特性は,7.2.11によって試験したとき,指示値の変化は表5に適合しなければならない。
表5−温度特性の許容範囲
種類 温度範囲 許容範囲
℃ %
屋内仕様 +5+40 −13+18
屋外仕様 −10+40 −13+18

5.11 温度衝撃特性

  温度衝撃特性は,7.2.12によって試験したとき,指示値の変化は−13 %+18 %でなければならない。

5.12 低温度時起動特性

  低温度時起動特性は,7.2.13によって試験したとき,電源が入り,正常に動作しなければならない。

5.13 湿度特性

  湿度特性は,7.2.14によって試験したとき,指示値の変化は−9 %+11 %でなければならない。

5.14 外部電磁界特性

  外部電磁界特性は,7.2.15によって試験したとき,指示値の変化は0.7H0以下でなければならない。
線量計の指示値が外部電磁界に影響される場合は,取扱説明書に記載しなければならない。
電磁界の影響が認められない場合は,製造業者は試験した電磁波の周波数,タイプ及び最大強度を示さ
なければならない。

5.15 電源周波数磁界イミュニティ特性

  電源周波数磁界イミュニティ特性は,7.2.16によって試験したとき,指示値の変化は0.7H0以下でなけれ
ばならない。
線量計の指示値が電源周波数磁界イミュニティ試験に影響される場合は,取扱説明書に記載しなければ
ならない。

5.16 静電気放電特性

  静電気放電特性は,7.2.17によって試験したとき,指示値の変化は0.7H0以下でなければならない。

5.17 電気的ファストトランジェント及びバーストイミュニティ特性

  電気的ファストトランジェント及びバーストイミュニティ特性は,7.2.18によって試験したとき,指示
値の変化は0.7H0以下でなければならない。
なお,この規定は,読取装置がある場合にだけ適用する。

5.18 サージイミュニティ特性

  サージイミュニティ特性は,7.2.19によって試験したとき,指示値の変化は0.7H0以下でなければならな
い。
なお,この規定は,読取装置がある場合にだけ適用する。

5.19 無線周波電磁界によって誘導された伝導妨害に対するイミュニティ特性

  無線周波電磁界によって誘導された伝導妨害に対するイミュニティ特性は,7.2.20によって試験したと

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き,指示値の変化は0.7H0以下でなければならない。
なお,この規定は,読取装置がある場合にだけ適用する。

5.20 電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ特性

  電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ特性は,7.2.21によって試験したとき,
指示値の変化は0.7H0以下でなければならない。
なお,この規定は,読取装置がある場合にだけ適用する。

5.21 耐衝撃特性

  耐衝撃特性は,7.2.22によって試験したとき,指示値の変化は表6に適合しなければならない。また,
試験後に外観及び動作に異常があってはならない。
等級1の線量計の場合,試験後に記憶情報が失われてはならない。
表6−落下に対する許容範囲
種類 落下試験方法 許容範囲
D1形 1.0 m,1回,各面(6面) ±0.7H0
D2形 1.5 m,1回,各面(6面) ±10 %
D3形 0.05 m,5回,各面(6面) ±20 %

5.22 耐振動特性

  耐振動特性は,7.2.23によって試験したとき,指示値の変化は表7に適合しなければならない。また,
試験後に外観及び動作に異常があってはならない。
等級1の線量計の場合,試験後に記憶情報が失われてはならない。
表7−振動に対する許容範囲
種類 許容範囲
V1形 ±0.7H0
V2形 ±15 %

5.23 耐微小振動特性

  耐微小振動特性は,7.2.24によって試験したとき,指示値の変化は0.7H0以下でなければならない。また,
試験後に外観及び動作に異常があってはならない。
等級1の線量計の場合,試験後に記憶情報が失われてはならない。

5.24 電源電圧の変動に対する安定性

5.24.1 一次電池
電源電圧の変動に対する安定性は,7.2.25.2によって試験したとき,指示値の変化は−9 %+11 %でな
ければならない。警報機能付き線量計の場合,未使用の電池では,警報は少なくとも15分間持続しなけれ
ばならない。
なお,この規定は,一次電池を用いる線量計だけに適用する。
5.24.2 二次電池
電源電圧の変動に対する安定性は,7.2.25.3によって試験したとき,指示値の変化は−9 %+11 %でな
ければならない。警報機能付き線量計の場合,再充電後,警報は少なくとも15分間持続しなければならな
い。電池は,12時間以内に完全に充電できなければならない。
なお,この規定は,二次電池を用いる線量計だけに適用する。

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5.24.3 電池残量性能
電池残量性能は,7.2.25.4によって試験したとき,指示値の変化は−9 %+11 %とする。警報機能付き
線量計の場合,警報は少なくとも1分間持続しなければならない。

6 構造

6.1 構造一般

  構造一般は,次による。
a) サイズは,クリップなど保持用具を除き長さ15 cm,厚さ3 cm,幅8 cm以下とする。容積は,クリッ
プなど固定用具を除きX線,γ線及び中性子を同時に測定する線量計については300 cm3,その他は
250 cm3以下とする。
b) 質量は,X線,γ線及び中性子を同時に測定する線量計,並びにX線,γ線,中性子及びβ線を同時
に測定する線量計は350 g以下,中性子用は300 g以下,その他は200 g以下とする。
c) ケースは,滑らか,頑丈で衝撃に耐え,耐粉じん(塵),防滴構造であることが望ましい。防じん(塵)・
防滴(水)構造で製作したものは,等級を明示しなければならない。
d) 線量計を装着するためのクリップ,リング,かけひもなどを用意しなければならない。
e) スイッチは,誤操作又は故意の操作を防止できる構造とする。また,そのスイッチは,線量計の機能
を損なってはならない。さらに,プラスチックバッグ及び手袋をはめた状態で操作可能でなければな
らない。
f) 人体に装着したとき,検出器及び警報表示が最適の方向に向くように設計することが望ましい。
g) 検出器の基準点及び着用時の基準の向きを線量計上に示さなければならない。
h) 線量計は,汚染しにくい構造とし,汚染した場合も簡単に除染できなければならない。
i) 線量計は,厳しい環境下において,少なくとも3か月保管した後でも正常に動作するよう設計されて
いなければならない。

6.2 指示計器

  指示計器は,次の各項に適合しなければならない。
a) 指示値が直読できるものとする。mSv,mSv/hなどの線量当量,線量当量率の単位で表示するものと
する。装着者が指示値を容易に読み取れなければならない。
b) 指示値は,有効測定範囲の一桁下から表示しなければならない。
注記 有効測定範囲の下限値が1のとき,指示値は0.1から表示される。
c) 電池電圧低下,検出器不良などによって指示値が正しくない場合,動作不良を表示しなければならな
い。

6.3 警報

  警報機能をもつ線量計は,次による。
a) 警報設定値は,直接又は読取装置によって確認できなければならない。
b) 警報設定値は,許可なく変更できない構造でなければならない。
c) 警報設定値は,線量計の有効測定範囲にわたって任意の値に設定が可能か,又は各デカードについて
少なくとも一点のレベル設定(例えば,3 μSv,30 μSv,0.3 mSv,3 mSv,30 mSv,300 mSv)が可能
でなければならない。
d) 線量計を装着したとき,警報音又は光(LEDなど)によって警報が確認できなければならない。
e) 警報音の周波数は,1 000 Hz5 000 Hzとする。断続警報音のときは,警報音間隔が2秒を超えては

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ならない。
線量計の警報音量は,表8による。
表8−警報の音量範囲
種類 警報音量
BZ1形 30 cmの距離において80 dB(A)100 dB(A)
BZ2形 20 cmの距離において55 dB(A)100 dB(A)
BZ3形 20 cmの距離において100 dB(A)以上
f) 高騒音環境下で警報が分かるように,表示又はイヤホンを使用できる構造をもつことが望ましい。

6.4 電源

  電源は,次による。
a) 電源は電池式とする。
b) 電池が正しい極性で接続されるように線量計に電池の向きを明示しなければならない。

7 試験

7.1 試験条件

7.1.1  共通試験条件
基準条件は,表9による。特に,指定のある場合を除き,この規格における標準試験条件は,表9によ
る。
表9−共通試験条件
項目 基準条件 標準試験条件
137Cs又は60Co a) 137Cs又は60Co a)
基準X線,基準γ線
実効エネルギー65 keV付近のX線又は 実効エネルギー55 keV65 keVのX線又
241Am b)
は241Am b)
90Sr/90Y 90Sr/90Y
基準β線
241Am-Be又は252Cf c) 241Am-Be又は252Cf c)
基準中性子
入射角度 基準の向き 基準の向き±5°
線量
Hp(10) 0.3 mSv 0.1 mSv10 mSv d)
Hp(0.07) 3 mSv 0.5 mSv50 mSv d)
線量率

Hp(10)

0.3 mSv/h 0.1 mSv/h10 mSv/h d)
Hp(0.07) 3 mSv/h 0.5 mSv/h50 mSv/h d)
安定化時間 15分 15分以上
環境温度 20 ℃ 18 ℃22 ℃ e)
相対湿度 65 % 50 %75 % e)
気圧 101.3 kPa 86.0 kPa106.6 kPa e)
電池電圧 公称電圧 最大測定時間の半分以内f)
外部電磁波 無視できるレベル 影響の認められるレベル以下
外部磁気誘導 無視できるレベル 地球磁界の2倍以内
線量計の制御 正常状態にセット 正常状態にセット
バックグラウンド線量率 周辺線量当量率 周辺線量当量率
2 μSv/日 0.25 μSv/h以下
放射性物質による汚染 無視できるレベル 無視できるレベル

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JIS Z 4312:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61526:2010(MOD)

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