JIS Z 8704:1993 温度測定方法―電気的方法 | ページ 2

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する。
(4) 挿入長さによる誤差を避けるため,氷水に浸す長さは十分に大きくする。[13.3(1)参照]
10.3.3 電子冷却式基準接点 熱電素子によって密閉水槽を冷却し,水が氷に変わるときの体積変化を利用
して温度調節を行うことによって,基準接点の温度を氷点に保つものである。
10.3.4 補償式基準接点 補償式基準接点は,計測器の測定回路の一部に温度係数の大きい基準接点補償抵
抗又は半導体素子を用い,基準接点の温度変化による電圧変化を,熱電対の起電力に加えて補償するもの
である。
10.4 補償導線 補償導線は,JIS C 1610による。熱電対の種類に応じて補償導線の材料も異なるから,
使用する熱電対に応じた補償導線を用い,かつ,その極性を間違えないようにする。
補償導線の熱起電力特性と使用する熱電対の熱起電力特性とは完全には一致しないため,補償接点の温
度によってはある程度の誤差を伴う。したがって,高精度の温度測定には,補償導線を用いないb結線(10.6
の図1参照)によるか又は補償導線の誤差を補正する。
補償接点は,同種類の導線の接合点の場合を除き,+脚と−脚とのそれぞれの接点を同じ温度に保つこ
とが必要である。
10.5 計測器
10.5.1 計測器の種類 この測定方法に用いる計測器は,電位差計,ディジタル電圧計,自動平衡計器,ハ
イブリッド形計器,ディジタル温度計,温度伝送器又は可動コイル形計器とする(表6参照)。
10.5.2 電位差計 電位差計は,標準熱電対の校正などのように,良い精度を必要とする温度測定に用いる。
10.5.3 ディジタル電圧計 ディジタル電圧計は,測定電圧を数字で表示する計器であって,標準熱電対の
校正などのように,良い精度を必要とする温度測定に用いる。
10.5.4 自動平衡計器 自動平衡計器は,電位差計回路に自動平衡機構を組み合わせ,零位法によって温度
を表示するもので,一般の温度測定に用いる。
10.5.5 ハイブリッド形計器 ハイブリッド形計器は,マイクロプロセッサを備え,ディジタル処理によっ
て,アナログ記録及びディジタル印字を行う計器であって,一般の温度測定に用いる。
10.5.6 ディジタル温度計 ディジタル温度計は,熱電対からの信号を受け,温度値で表示する計器であっ
て,一般の温度測定に用いる。
10.5.7 温度伝送器 温度伝送器は,熱電対からの信号を受け,これを統一した信号に変え,他の受信器に
伝送するために用いる。
10.5.8 可動コイル形計器 可動コイル形計器は,一般の温度測定に用いる。
可動コイル形計器は,使用熱電対の熱起電力によって動作するものであるが,外部抵抗の調整,トルク
が小さいなどの欠点があるため,増幅器を内蔵して駆動トルクを大きくしたものもある。
10.6 測定回路の結線方式 測定回路に,熱電対・計測器のほかに,銅導線・補償導線を用いるかどうか
によって,結線方式をa結線,b結線,c結線及びd結線に分類する。各分類の熱電対,計測器,補償接点
及び基準接点の関係を図1に示す。
基準接点及び補償接点の二つの端子は,同種類の導線の接合点の場合を除き,それぞれ同一の温度に保
つ。

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図1 測定回路の結線図
10.7 測定方式の等級 測定方式は,その測定精度によって表8に示すA級,B級,C級及びD級の4等
級とする。
表8 熱電対を用いる測定方式の等級
等級 A級 B級 C級 D級
適用 標準の設定又は常用標 温度計の校正又はこれ 一般の温度測定一般の温度測定
準器の校正 に準じる温度測定
測定精度 約±1℃ 有効測定範囲の 有効測定範囲の 有効測定範囲の
約±0.5% 約±1±1.5% 約±2.5%
構成 熱電対 0.25級(±0.5℃の精 0.75級又はそれより精
0.4級又はそれより精 1.5級又はそれより精
度で校正したもの) 度が良いもの 度が良いもの 度が良いもの
基準接点 氷点式 氷点式 電子冷却式 補償式
電子冷却式 補償式
補償式
計測器 ±0.5 度で校 0.3級又は0.3級相当の 1.0級又は1.0級相当の 2.0級又は2.0級相当の
正した次のもの 次のもの 次のもの 次のもの
電位差計 ディジタル電圧計 自動平衡計器 ディジタル温度計
ティジタル電圧計 自動平衡計器 ディジタル温度計 温度伝送器
ハイブリッド形計器温度伝送器 可動コイル形計器
ディジタル温度計 可動コイル形計器
温度伝送器
結線方式 b b, c a, c, d a, c
備考 0.3級相当などの表現は,有効測定範囲での百分率誤差の最大値で表した計測器の精度の目安を意味す
る。

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11. 抵抗式測温体を用いる方法
11.1 測定回路の構成 この測定方法の測定回路は,抵抗式測温体,計測器,電源,互換用抵抗及びこれ
らを結ぶ導線からなり,それぞれの用途に適した構造及び性能(機械的強度・電気的性能・耐久性など)
をもつものとする。
11.2 抵抗式測温体 抵抗式測温体は,指定の温度範囲以外の温度で使用してはならない。
測温抵抗体は,JIS C 1604又はJIS C 1606に,また,サーミスタ測温体は,JIS C 1611による。
11.3 計測器
11.3.1 計測器の種類 この測定方法に用いる計測器は,ブリッジ,電位差計,ディジタル電圧計,自動平
衡計器,ハイブリッド形計器,ディジタル温度計,温度伝送器又は可動コイル形計器とする(表6参照)。
11.3.2 ブリッジ・電位差計 ブリッジ及び電位差計は,いずれも標準抵抗温度計の校正などの,良い精度
を必要とする温度測定に用いる(図2参照)。
11.3.3 ディジタル電圧計 ディジタル電圧計は,測定電圧を数字で表示する計器であって,標準抵抗温度
計の校正などの,良い精度を必要とする温度測定に用いる。
11.3.4 自動平衡計器 自動平衡計器は,ブリッジ回路に自動平衡機構を組み合わせ,零位法によって温度
を表示するもので,一般の温度測定に用いる。
11.3.5 ハイブリッド形計器 ハイブリッド形計器は,マイクロプロセッサを搭載し,ディジタル処理によ
って,アナログ記録及びディジタル印字を行う計器であって,一般の温度測定に用いる。
11.3.6 ディジタル温度計 ディジタル温度計は,抵抗式測温体からの信号を受け,これを温度値の数字で
表示する計器であって,一般の温度測定に用いる。
11.3.7 温度伝送器 温度伝送器は,抵抗式測温体からの信号を受け,これを統一した信号に変え,他の受
信器に伝送するために用いる。
11.3.8 可動コイル形計器 可動コイル形計器は,一般の温度測定に用いる。増幅回路を組み合わせたもの
で,入力インピーダンスが高く外部抵抗の調整を必要としないものを用いるか,又は指示機構のトルクが
大きい計器を用いる。
11.4 電源 抵抗式測温体の校正の場合には,電圧変動が少ない電源を用いる。
11.5 抵抗式測温体の結線方式
11.5.1 抵抗式測温体の結線方式の種類 結線方式は,計測器の種類のほか,使用する抵抗式測温体の種類
が測温抵抗体の場合はその導線形式によって,4線式結線,3線式結線又は2線式結線とする。
サーミスタ測温体の場合は,通常,2線式結線とする。
11.5.2 4線式結線 4線式結線は,ブリッジ,電位差計又はディジタル電圧計と4導線式の測温抵抗体と
を4本の導線で結線したものをいう(図2参照)。
この方式は,測温抵抗体の導線抵抗による誤差を補償することができるので,標準抵抗温度計の校正な
どの,極めて精度の良い温度測定に用いる。
11.5.3 3線式結線 3線式結線は,ブリッジ,自動平衡計器,ハイブリッド形計器,ディジタル温度計,
温度伝送器又は可動コイル形計器と3導線式の測温抵抗体とを結線したものをいう(図2参照)。この場合
の導線は,材質,線径,長さ及び電気抵抗が等しく,かつ全長にわたって同じ温度分布になるように並べ
なければならない。
この方式は,計測器に記載された外部抵抗(5)値以内であれば測温抵抗体の導線抵抗による誤差の補償が
実用的には十分な精度で行えるので,一般の温度測定に用いる。
注(5) 計測器の測定端子の外側に接続される導線,抵抗式測温体の内部導線などからなる回路部分の

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抵抗をいい,抵抗素子の抵抗を含まない。測定端子の内側に調整抵抗をもつものでは,上記の
抵抗に調整抵抗を加えたものである。
11.5.4 2線式結線 2線式結線は,ディジタル温度計,自動平衡計器,又は可動コイル形計器と,2導線
式の測温抵抗体又はサーミスタ測温体とを結線したものをいう(図2参照)。
この方式は,導線抵抗による誤差を除き得ないので,この影響を小さくするため,導線抵抗は,抵抗式
測温体の抵抗に比べて十分に小さくする。
また,外部抵抗(5)を計測器に記載されている公称値に調整する。ただし,サーミスタ測温体は,抵抗値
も温度係数も大きいので,通常は外部抵抗(5)の影響を無視することができる。
サーミスタ測温体の結線方式は,通常2線式結線であるが,結合方式による回路上の性格から,素子互
換式サーミスタ測温体及び合成抵抗式サーミスタ測温体は2端子の,また,比率式サーミスタ測温体では
3端子の結線方式を用いる。
なお,測温抵抗体を用いる2線式結線は,良い精度の温度測定には,適さない。
図2 結線の例
備考1. 図2の二点鎖線内は測温抵抗体を示し,記号A及びBは,JIS C 1604, C 1606の測温抵抗体の端子の記号と合
わせてある。
2. 図2に示す記号は,次による。
S : 測温抵抗体の抵抗素子

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Rs : 標準抵抗
Rh : 電流調整用抵抗
11.6 測定方式の等級 測定方式は,その測定精度によって表9に示すA級,B級,C級及びD級の4等
級とする。
表9 抵抗式測温体を用いる標準測定方式
A級 B級 C級 D級
適用 一般の温度測定
標準の設定又は常用 温度計の校正又はこ 一般の温度測定
標準器の校正 れに準じる温度測定
測定精度 約±0.1℃ 有効測定範囲の 有効測定範囲の 有効測定範囲の
約±0.5% 約±1±1.5% 約±2.5%
構成 抵抗式測 測温抵抗体のA級 測温抵抗体のA級 測温抵抗体のA級又 サーミスタ測温体の
温体 (±0.1℃の精度で はB級 1.5級又はそれより
校正したもの) 精度の良いもの
計測器 0.01%以内の精度 0.3級又は0.3級相当 1.0級又は1.0級相当 2.0級又は2.0級相当
の次のもの
で校正した次のもの の次のもの の次のもの
ブリッジ ディジタル電圧計 自動平衡計器 ディジタル温度計
電位差計 自動平衡計器 ディジタル温度計 温度伝送器
ディジタル電圧計 温度伝送器 可動コイル形計器
可動コイル形計器
結線方式 測温抵抗体
4線式 4線式又は3線式 3線式又は2線式 −
サーミスタ測温体
4線式 2線式 2線式 2線式
備考 0.3級相当などの表現は,有効測定範囲での百分率誤差の最大値をもって表した計測器の精度の
目安を意味する。
12. 特殊な温度計による測定
12.1 特殊な温度計による測定一般 測定しようとする対象によって種々の温度計が作られているが,こ
れらを使用する場合は,測定対象,測定条件及び温度計の特性に注意する。
12.2 吸引高温計 高温の気体の温度を正確に測定するためには,吸引高温計を用いる。これは熱電対を
入れた保護管と外管との間の気体を,適当な速度で吸引することによって,放射熱による誤差[13.3(5)参
照]を少なくするものである。
これを使うに当たって,気体にごみなどが含まれている場合は,気体の通路をふさぐおそれがあるから,
度々つまりの状況を調べて必要に応じて取り除く。
12.3 消耗形浸せき温度計 これは熱電対の先端部分だけを,短時間測定対象の中に挿入して,計測器の
指示温度が一定値を示した後,取り出して温度を求めるもので,熱伝導による誤差などが小さい。検出部
の先端部分を消耗品として1回の測定ごとに取り換えるもので,高温の溶融金属の温度を測定するのに適
する。
12.4 表面温度計 物体の表面温度の測定に用いられる測温体は,検出部の熱容量が小さく,測定面との
熱接触を十分によくし,その存在によって測温箇所の温度分布をできる限り変えないようにする。
この目的のために,静止固体表面用,回転又は移動固体表面用,はり付け用,挟み込み用等多くの表面
温度計があるが,使用に当たっては,被測定物の種類,表面の形状・粗さ・熱伝導率・熱容量等を被測定
条件と同じにして,あらかじめ校正しておかないと,大きな誤差を生じることがある。

――――― [JIS Z 8704 pdf 10] ―――――

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JIS Z 8704:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8704:1993の関連規格と引用規格一覧