JIS A 1460:2015 建築用ボード類のホルムアルデヒド放散量の試験方法―デシケーター法 | ページ 2

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f) ガラス結晶皿 蒸留水又はイオン交換水を入れるガラス結晶皿は,外径120 mm,内径115±1 mm,
深さ60±2 mmのものとする。
なお,こぼし口があるものが望ましい。
g) 全量フラスコ 全量フラスコは,JIS R 3505に規定する呼び容量100 mL及び1 000 mLのものとする。
h) 全量ピペット 全量ピペットは,JIS R 3505に規定する呼び容量5 mL,10 mL,15 mL,20 mL,25 mL,
50 mL,100 mLの全量ピペット(20 ℃で調整された)又は同等の品質をもつ自動ピペットとする。
i) ビュレット ビュレットは,JIS R 3505に規定するビュレット又は自動計量装置とする。
j) 共栓付きフラスコ 共栓付きフラスコは,JIS R 3503に規定する呼び容量100 mLの共通すり合わせ
三角フラスコとする。
k) 試験片支持金物 図2に示す,デシケーター内で試験片を固定する試験片支持金物は,ステンレス製
とする。
l) ステンレス製金網 デシケーター内で試験片を取り付けた試験片支持金物を置く金網は,ステンレス
製ワイヤ部分の網目の間隔が15 mmより大きく作られた直径240 mmのものとする。

6 試薬の調製

  試薬の調製は,次による。
a) よう素溶液(0.05 mol/L) JIS K 8913に規定するよう化カリウム40 gを水25 mLに溶かし,これに
JIS K 8920に規定するよう素13 gを溶かした後,これを全量フラスコ1 000 mLに移し入れ,JIS K 8180
に規定する塩酸3滴を加えた後,水を標線まで加えて調製した溶液。
b) チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1 mol/L) JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物26 g及び
JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウム0.2 gを溶存酸素を含まない水1 000 mLに溶かし,2日間放置
した後,JIS K 8005に規定するよう素酸カリウムを用いて,JIS K 8001のJA.6.4 t) 2) によって標定を
行った溶液。
c) 水酸化ナトリウム溶液(1 mol/L) JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム40 gを水200 mLに溶か
し,これを全量フラスコ1 000 mLに移し入れ,水を標線まで加えて調製した溶液。
d) 硫酸溶液(1 mol/L) JIS K 8951に規定する硫酸56 mLを水200 mLに溶かし,これを全量フラスコ1
000 mLに移し入れ,水を標線まで加えて調製した溶液。
e) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定するでんぷん(溶性)1 gを水10 mLとよく混和し,熱水200 mL中
にかき混ぜながら加える。約1分間煮沸し,冷却した後,ろ過した溶液。
f) ホルムアルデヒド標準原液 JIS K 8872に規定するホルムアルデヒド液1 mLを全量フラスコ1 000
mLに入れ,水を標線まで加えて調製した溶液。
この溶液のホルムアルデヒド濃度は,次の要領で求める。
上記,ホルムアルデヒド標準原液20 mLを100 mLの共通すり合わせ三角フラスコに分取し,JIS K
8920に規定するよう素を用いて調製した0.05 mol/Lのよう素溶液25 ml及び1 mol/Lの水酸化ナトリ
ウム溶液10 mLを加え,遮光した状態で15分間室温に放置する。次いで,1 mol/Lの硫酸溶液15 mL
を加え,遊離したよう素を直ちに0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。溶液が淡黄色にな
ってから,でんぷん溶液1 mLを指示薬として加え,更に滴定する。別に水20 mLを用いて空試験を
行い,次の式によってホルムアルデヒド濃度を求める。
C=1.5×(V0−V)×f×1 000/20
ここに, C : ホルムアルデヒド標準原液中のホルムアルデヒド濃度(mg/L)

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V : ホルムアルデヒド標準原液中の0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウ
ム溶液の滴定量(mL)
V0 : 空試験における0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量
(mL)
f : 0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
1.5 : 0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液1 mLに相当するホルムア
ルデヒド量(mg)
g) ホルムアルデヒド標準溶液 ホルムアルデヒド標準原液を水1 000 mL中に3 mgのホルムアルデヒド
を含むように,全量フラスコ1 000 mLに適量とり,水を標線まで加えて調製した溶液。
h) アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液 アセチルアセトン−酢酸アンモニウム溶液は,150 gの
JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウムを800 mLの水に溶かし,これに3 mLのJIS K 8355に規定す
る氷酢酸及び2 mLのJIS K 8027に規定するアセチルアセトンを加え,溶液の中で十分混合させ,更
に水を加えて調製し,1 000 mLとした溶液。直ちに測定ができない場合は,010 ℃の冷暗所に調製
後3日を超えない間保管することができる。

7 試験片

7.1 試験片の切出し

  試験片の切出しは,合理的な抜取検査方法によって選定されたボードについて,端部を避けるなど,建
築用ボード類の特性を検査するうえで必要な要件を考慮して行う。
なお,試験片の切出しについてはJIS A 1902-1の箇条4(サンプルの採取,包装及び保管)及び箇条5
(試験片の作製)による。

7.2 試験片の寸法・枚数

  試験片の寸法・枚数は,次による。
a) 試験片は,長さ150±1 mm,幅は50±1 mmとする。
b) 試験片の枚数は,木口面及び表裏面の合計面積が,1 800 cm2に最も近い相当枚数とする。これを2組
作製する。

7.3 養生

  養生は,次による。
a) 試験片は,JIS Z 8703に規定する温度20±2 ℃,相対湿度(65±5)%の標準状態で,恒量になるまで
養生する。この恒量とは,24時間ごとに行う質量測定において,その前後の試験片の質量差が0.1 %
以下に達したときとする。
なお,養生開始後1週間をもって恒量とみなすことができる。
b) 養生方法 各試験片は,a)に示す標準状態の下で全表面に空気が自由に接触できるように互いに25
mm以上離さなければならない。また,ホルムアルデヒドの放散量が低レベルの試験片は,周辺環境
のホルムアルデヒドを吸収するおそれがあるので,養生に注意する。

8 試験方法

8.1 試験装置の準備

  試験装置の準備は,次による。
a) デシケーター及びガラス結晶皿を複数個(通常,3個)用意し,各々を試験前に水で十分洗浄し乾燥
させる。

――――― [JIS A 1460 pdf 7] ―――――

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b) 各ガラス結晶皿に300±1 mLの水を入れ,当該デシケーターの底の中央部に設置する。
c) 図1のように,デシケーター内のガラス結晶皿の上に,ステンレス製金網を置き,その上に試験片支
持金物を図2に示すように置く。
d) 複数のデシケーターは,その内部温度が20±0.5 ℃となるように調節された試験場所に静置する。

8.2 測定試料の装着

  測定試料の装着は,次による。
a) 養生した所定枚数の試験片を,試験片支持金物に装着する。
なお,1個のデシケーターには,試験片を装着しない。
b) デシケーターに蓋をして,放散試験を開始する。

8.3 試験条件の状態監視

8.3.1  温度
試験片を装着しないデシケーターを用いて,デシケーター内部の温度を連続的に又は15分を超えない間
隔で測定し,その温度を試験期間中記録する。温度は,デシケーター付近の試験環境で,熱電対などを取
り付けて測定してもよい。
8.3.2 バックグラウンドのホルムアルデヒド濃度測定(空試験)
バックグラウンドのホルムアルデヒド濃度測定は,試験片を装着しないデシケーターを用いて測定する。
バックグラウンドのホルムアルデヒド濃度は,0.05 mg/Lを超えてはならない。

8.4 試験時間

  1回の放散試験に要する時間は,24時間±5分とする。

8.5 試験用溶液の採取

  ガラス結晶皿のホルムアルデヒドを吸収した水を試験用溶液とする。24時間が経過したら,まず,この
溶液を十分混合する。100 mL共通すり合わせ三角フラスコをこの試験用溶液で洗浄した後,この溶液で満
たしガラス共栓を施す。試験用溶液のホルムアルデヒド濃度を直ちに測定できない場合は,当該試験用溶
液を測定するまで05 ℃で最大30時間保管できる。

8.6 試験用溶液中のホルムアルデヒド濃度測定

  定量操作試験用溶液中のホルムアルデヒド濃度は,アセチルアセトン吸光光度法によって測定する。
8.5に示す試験用溶液25 mLを共通すり合わせ三角フラスコに入れ,次に,アセチルアセトン−酢酸ア
ンモニウム溶液25 mLを加え,軽く栓をして混合する。この共通すり合わせ三角フラスコを,65±2 ℃の
水中で10分間加温した後,この溶液を室温になるまで遮光した状態で静置する。この溶液を吸収セルにと
り,水を対照として,波長412 nmで分光光度計で吸光度を測定する。
なお,同様にバックグラウンドのホルムアルデヒドについても測定する。412 nm以外の波長で最大吸収
が発生する場合は,検量線作成を含む全ての測定はこの波長で測定してもよい。
注記 試験用溶液中のホルムアルデヒド濃度が検量線の範囲を超えた場合には,適宜希釈した試験用
溶液を8.6に従って測定することによって希釈液中のホルムアルデヒド濃度を求めることがで
きる。

8.7 検量線の作成

  検量線は,ホルムアルデヒド標準溶液を,ピペットで0 mL,5 mL,10 mL,20 mL,50 mL及び100 mL
とり,別々の100 mLの全量フラスコに入れた後,水を標線まで加え,検量線作成用ホルムアルデヒド溶
液とする。それぞれの検量線作成用溶液から25 mL分取し,8.6の操作を行い,ホルムアルデヒド量(0
3 mg)と吸光度との関係線を作成する。そのときの傾き(F)は,グラフ又は計算によって求める。

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なお,検量線の作成は少なくとも1か月に1回以上行うこととする。

8.8 計算

  試験片についてデシケーター内のガラス結晶皿中の水に吸収されたホルムアルデヒドの濃度は,次の式
によって計算する。
G=F×(Ad−Ab)×1 800/A
ここに, G : 試験片を入れたデシケーター内の試験用溶液のホルムアルデ
ヒド濃度(mg/L)
Ad : 試験片を入れたデシケーター内の試験用溶液の吸光度
Ab : バックグラウンド用デシケーター内の試験用溶液の吸光度
F : ホルムアルデヒド標準溶液についての検量線の傾き(mg/L)
A : 試験片の表面積(cm2)
ホルムアルデヒド濃度は,2組の試験片について各々算定し(mg/L)で表示し,小数点以下1桁にJIS Z
8401に従って丸める。ただし,この際,2組の試験結果がその平均値に対して20 %以上の差異があっては
ならない。

8.9 試験結果の表示

  試験結果は,2組の測定値の平均を求めて表示する。

9 報告

  試験報告は,次の内容を記載する。
a) ボードのタイプ,その厚さ(mm)及び密度(kg/m3)
b) 試験片の切出し位置(例えば,ボードからの切出し位置の図示)
c) 試験片の数
d) ホルムアルデヒド放散量(8.9で求めたホルムアルデヒド濃度の平均値),各測定の個々の値,バック
グラウンドの値を含む。
e) 試験日
f) 試験場所の温度及び湿度
g) 試験機関名
h) 試験実施担当者名
次の事項は,通常,試験報告に記載するものとする。
i) 生産者の名前,製造場所,生産年月又は製造ロット番号。
j) 生産後検査までの材料の保存条件,特にホルムアルデヒドの気中放散に大きく関わる事項,すなわち,
温度,湿度,材料のシール状況,保存状況など。
k) 抜取検査方法及び抜取日
l) 工場又は建物から試験片の抜取り若しくは建物,家具などからの採取の場所1)及び状態2)。
m) 試験片の養生状態の温度,湿度及びその時間。
その他,この試験方法によらない場合は,試験に関する全ての事項(調製,温度など)。
注1) 例えば,工場など,又は施工されたボードの場合には,天井,床,壁など。
2) 例えば,含水率,表面塗装,仕上げなど。
参考文献 ISO 12460-4:2011,Wood-based panels−Determination of formaldehyde release−Part 4: Desiccator
method

――――― [JIS A 1460 pdf 9] ―――――

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A1
2
附属書A
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(参考)
0 : 2
技術上重要な改正に関する新旧対照表
0 15
現行規格(JIS A 1460:2015) 旧規格(JIS A 1460:2001) 改正理由
箇条番号 内容 箇条番号 内容
及び題名 及び題名
4.2 共通 この規格で用いる水は,JIS K 0557に規定するA14.2 共通 この規格で用いる水は,JIS K 0557に規定するA1実態調査で,JIS K 0557と同
の条件 A4の水,又はJIS K 0557のA1A4と同等の品質 の条件 からA4の水とする。 等品の水も使用対象として
b) 水 となるイオン交換水又は蒸留水とする。 b) 水 追加してほしいとの要望が
あり,委員会で審議の結果,
追加することとした。
5 装置及 分光光度計は,410415 nmの範囲での吸光波長が 5. 装置及 分光光度計は,410415 nmの範囲での吸光波長が 関連国際規格にセルの光路
び器具 測定可能なものとする。 び器具 測定可能なものとする。 長について言及があったの
b) 分光光 注記 50 mm以上の光路長のセルを使用すること b) 分光光 で,試験機関の実態を鑑み,
度計 が望ましい。 度計 注記として文言の追加を行
った。
5 装置及 5. 装置及
蒸留水又はイオン交換水を入れるガラス結晶皿は, ガラス結晶皿の深さ範囲を,
蒸留水又は脱イオン水を入れるガラス結晶皿は,外
び器具 外径120 mm,内径115±1 mm,深さ60±2 mmのもの び器具 径120 mm,内径115±1 mm,深さ6065 mmのこぼ 関連国際規格に統一した。
f) ガラス とする。 f) ガラス し口付きのものとする。 “脱イオン水”という用語を
結晶皿 なお,こぼし口があるものが望ましい。 結晶皿 JIS K 0211に従い“イオン交
換水”に変更した。
こぼし口に関しては“なお,
望ましい。”という記載と
し,こぼし口の有無にかかわ
らず試験に用いることが可
能なようにした。
7.1 試験 7.1 試験
試験片の切出しは,合理的な抜取検査方法によって 試験片の切出しだけでなく,
試験片の切出しは,合理的な抜取検査方法によって
片の切出 片の切出
選定されたボードについて,端部を避けるなど,建築 採取時期,保管についても言
選定されたボードについて,端部を避けるなど,建築
し し
用ボード類の特性を検査するうえで必要な要件を考慮 及しているためにJIS A
用ボード類の特性を検査するうえで必要な要件を考慮
して行う。 して行う。 1902-1の箇条4及び箇条5
なお,試験片の切出しについてはJIS A 1902-1の箇 を引用した。
条4(サンプルの採取,包装及び保管)及び箇条5(試
験片の作製)による。

――――― [JIS A 1460 pdf 10] ―――――

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JIS A 1460:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1460:2015の関連規格と引用規格一覧