JIS A 8340-1:2011 土工機械―安全―第1部:一般要求事項 | ページ 4

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4.5.7 遠隔操縦
(対応国際規格の規定を不採用とした。)
4.5.8 操作盤,計器類及び識別記号
4.5.8.1 操作盤
運転員は,昼夜を問わず,機械の機能が適切か否かを確認するため,運転席から必要な計器類を見るこ
とができるようにし,計器のまぶしい反射を最小限にしなければならない。
4.5.8.2 計器類
機械の安全かつ適切な運転のために,操縦計器類はJIS A 8336に従った色彩及び要求事項に従わなけれ
ばならない。
4.5.8.3 識別記号
土工機械の操縦装置及びその他の表示器に用いる識別記号は,例えば,JIS A 8310-1:2006,JIS A 8310-2
などに従わなければならない。
4.5.9 地上から接近可能な搭乗式機械の操作
地上から接近可能な操作装置をもつ搭乗式機械では,地上から操作できる可能性を最小にするための手
段を備えなければならない。
例 施錠できる扉,ガード又はインタロック装置による防護

4.6 かじ取り装置

4.6.1  一般
かじ取り装置の操作方向は,JIS A 8919:2007に従って意図したかじ取りの方向と一致するものでなけれ
ばならない。
4.6.2 車輪(ゴムタイヤ)式機械
前後進速度が20 km/hを超える車輪式機械のかじ取り装置は,JIS A 8314に適合しなければならない。
4.6.3 履帯式機械
前後進速度が20 km/hを超える履帯式機械のかじ取り装置は,かじ取りレバーの操作量に応じてかじ取
り量が変化しなければならない。

4.7 制動装置

  土工機械は,その意図した用途に従い,全ての作業,負荷,速度,地勢及び斜面においても有効な主制
動装置,二次制動装置及び駐車制動装置を備えていなければならない。
制動装置は,次に適合しなければならない。
a) 車輪式機械は,附属書JFによる。
b) 履帯式機械は,JIS A 8325による。
c) ハンドガイド式機械は,附属書JGによる。
上記に加え,公道を走行しない機械のブレーキ装置は,労働安全衛生法の車両系建設機械構造規格に,
また,公道を走行する機械のブレーキ装置は,道路運送車両法の保安基準に適合しなければならない。

4.8 視界

4.8.1  運転員の視界
土工機械は,その意図する用途に応じて,運転員が運転席から走行及び作業範囲に対して,JIS A 8311
に従った十分な視界が得られるよう設計しなければならない。
注記1 JIS A 8311に従った走行モードは,走行モード及び作業モードの両方の評価試験を代表する
ものとみなす。

――――― [JIS A 8340-1 pdf 16] ―――――

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土工機械は,JIS A 8333-1及びJIS A 8333-2に適合した後写鏡を備えなければならない。
注記2 意図する用途の中で,視界に最も厳しい条件のアタッチメント仕様で,測定するのがよい。
4.8.2 照明灯,信号灯及び表示灯,並びに反射器
照明灯,信号灯及び表示灯,並びに反射器は,ISO 12509:2004の該当する項目に適合しなければならな
い。

4.9 警笛及び安全標識

  土工機械には,次のものを装備しなければならない。
− JIS A 8411-1に規定する本体の前端から7 m地点で,93 dB (A)以上の音圧レベルをもち,運転席から
操作できる警笛(ホーン)。試験方法はJIS A 8327による。
− 附属書JCに規定する安全標識(6.1も参照)。

4.10 タイヤ及びリム

  車輪式土工機械は,目的及び用途に沿ったタイヤ及びリム負荷性能をもたなければならない。リムは,
4.10Aに従って識別が容易でなければならない。
4.10A リムの識別
4.10A.1 次のa) c)を識別するためにコードを使用する。
a) リム規定径(表0B参照)
b) フランジ間の公称幅
c) フランジ高さの公称値又はリムの輪郭の呼び
4.10A.2 次のa)及びb)のコードを使用してリムに表示しなければならない。
a) リム規定径
b) フランジ間の公称幅
表示は,タイヤを装着後も識別できる位置とする。
リム・ホイールの製造業者がディスクを取り付ける場合は,ディスク又はリムのいずれかに表示しなけ
ればならない。
分離形のフランジは,外側の外部から見える表面に表示しなければならない。表示は,高さ及び径の公
称値を示さなければならない。

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表0B−土工機械用タイヤのリム径
単位 mm
リム径コード 規定径,D
24TG 614.4
25 635.0
29 736.6
33 838.2
35 889.0
39 990.6
43 1092.2
45 1143.0
49 1244.6
51 1295.4
56.5 1435.1
57 1447.8
59.5 1511.3
63 1600.2

4.11 安定性

  作業装置をもつ土工機械は,オプションも含めて,製造業者が指定する全ての意図した運転条件におい
て,十分な安定性をもつよう設計・製造しなければならない。この要求事項に関する技術的方法について
は,JIS A 8340の規格群の当該機種の部による。
作業状態において土工機械の安定性を増すための装置(例えば,アウトリガ,アクスル揺動固定装置)
は,たとえホースが破損してもその位置に保持するインタロック装置,例えば逆止弁などを備えなければ
ならない。
土工機械の安定性については,この規格の規定のほかに,労働安全衛生法第42条の規定に基づく車両系
建設機械構造規格にも適合しなければならない。

4.12 荷扱い

  土工機械を使用する荷のつ(吊)り上げは,法令によって用途外使用として禁止されている。ただし,
労働安全衛生法に基づく“移動式クレーン構造規格”に適合する機械を除く。

4.13 騒音

4.13.1 騒音低減
機械は,できるだけ低騒音に設計・製造する。低騒音型建設機械指定基準については,JIS A 8340の規
格群の当該機種の部による。
4.13.2 騒音測定
4.13.2.1 音響パワーレベル
音響パワーレベルは,JIS A 8340の規格群の機種別の部において規定がない限り,JIS A 8317-1に従って
測定しなければならない。
4.13.2.2 運転員位置における放射音圧レベル
運転員位置における放射音圧レベルの測定については,JIS A 8340の規格群の機種別の部での規定がな
い限り,JIS A 8317-2に従って測定しなければならない。
キャブを装着した機械では,運転席におけるA特性放射音圧レベルは,85 dBを超えないことが望まし
い。

――――― [JIS A 8340-1 pdf 18] ―――――

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4.14 防護

4.14.1 汚染区域
汚染された環境の中で土工機械を使用しなければならず,かつ,危険源が存在する場合は,運転員を保
護する特別予防措置(空気清浄化フィルタ装置,空気加圧装置など)を備えなければならない(4.3.1.1も
参照)。
4.14.2 高温部
常用出入口,運転席及び整備領域の近傍にあり,運転中高温となる部分は,それら高温部及び/又は表
面に接触するリスクを最小にするよう,JIS A 8307に従って設計・製造,配置し,又は防護装置を備えな
ければならない。
高温表面に対する限界温度を設定するための人間工学データについては,ISO 13732-1を参照。
4.14.3 可動部
危険源となり得る全ての可動部は,押しつぶし,せん断及び切断のリスクを最小にするよう設計・製造,
配置し,又は防護装置を備えなければならない。
4.14.4 ガード
ガードは,JIS A 8307:2006に適合しなければならない。
ガードは,その場所にしっかりと保持し,危険領域及び/又は危険部分への接近を防止するよう設計し
なければならない。
エンジンルームのパネル類は,防護装置とみなす。
可動式ガードは,開けたときでもできる限り機械に取り付いていなければならない。可動式ガードは,
最大風速8 m/sまで開けたまま確実に保持できる支持装置(例えば,ばね,ガスシリンダ)とともに取り
付けなければならない。
4.14.5 車体屈折フレームの固定装置
車体屈折式機械は,JIS A 8346に従った車体屈折フレームの固定装置を備えなければならない。
4.14.6 鋭端部及び鋭角部
アタッチメントの領域以外で,運転中及び日常の整備で接近する領域内の鋭利な端部及び鋭い角部は,
JIS A 8323で規定する要求事項に適合しなければならない(4.3.1.6も参照)。
4.14.7 フェンダ
キャブのない土工機械は,JIS A 8319で定義した走行速度が25 km/hを超える土工機械で,車輪又は履
帯から石片などが飛んでくるリスクがある場合には,運転席を防護するJIS A 8307:2006に従ったフェンダ
を備えなければならない。

4.15 (機械の)救出,輸送,つり上げ及びけん引

4.15.1 共用
機械の構成によって許容される場合には,救出,固縛,つり上げ及びけん引のための装置は,共用とし
てもよい。
注記 ISO 15818 2) 参照。
注2) 今後,発行予定。
4.15.2 (機械の)救出
救出用ワイヤ掛け位置は,JIS A 8331に従い,土工機械の前部及び/又は後部に備えなければならない。
ワイヤ掛け位置は,その許容力及び正しい使い方とともに取扱説明書に明記しなければならない。

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4.15.3 固縛
土工機械を安全に輸送するために,例えばトレーラ上に機械を固定する固縛装置を備えるものとし,か
つ,その位置を機械の上に明確に表示しなければならない(JIS A 8310-1:2006の7.27参照)。
それらの使用の要領は,取扱説明書に明記しなければならない。
4.15.4 つり上げ
つり上げ装置は,最も重い構成の運転質量で設計して機械に備えるものとし,機械全体をつり上げると
きのつり上げ位置を機械又は構成部品の上に明確に表示しなければならない。重い機械の作業装置,構成
部品及び本体のつり上げ方法は,取扱説明書に明記しなければならない(6.2参照)。
つり上げの識別記号については,JIS A 8310-1:2006の7.23による。
4.15.5 けん引
けん引装置又はワイヤ掛け位置がある場合,それはJIS A 8331に適合しなければならない。
それらの位置,許容力及びけん引するときの正しい使い方,並びに最大けん引速度及び距離は,取扱説
明書に明記しなければならない。ピンがけん引装置の一部である場合は,そのピンは常時けん引装置に取
り付けられているものとし,ピンを固定する装置は,切り離し可能であってはならない。
4.15.6 輸送
輸送又は自走中に危険源となり得るスタビライザ,アウトリガ又は他の可動装置は,それらの輸送姿勢
で確実に固定しなければならない。
固定方法についての指示は,取扱説明書に記載しなければならない。

4.16 電磁両立性(EMC)

  土工機械は,JIS A 8316で規定する電磁両立性の要求事項に適合しなければならない。

4.17 電気及び電子装置

4.17.1 一般
電気構成部品及び導線は,機械の意図する用途において,環境条件にさらされることによって劣化の原
因となる損傷を受けないような方法で取り付けなければならない。電気構成部品の絶縁材は,難燃性をも
たせなければならない。フレーム又は隔壁を貫通する通し配線は,被覆が擦りむけないように防護しなけ
ればならない。
過電流防護装置によって防護されていない電気配線及び/又はケーブルは,燃料を含む配管及びホース
に直接接触する形で縛り付けてはならない。
電子構成部品を用いた安全関連の制御システムは,ISO 15998又は同等の基準を規定した他の規格に適
合しなければならない。
4.17.2 防護等級
電気及び電子構成部品の配置及び/又は取付けによって,次の防護等級を満足しなければならない。
a) 機械の外側に配置されるか又は外部環境に直接さらされる全ての構成部品は,JIS C 0920のIP55に相
当する最小限の防護等級をもたなければならない。
b) 運転室内に取り付けられているか又は外部環境に対して防護されている全ての構成部品に対し,予想
及び意図する条件において正しく機能が発揮できるよう防護処置がとられていなければならない。
4.17.3 電気回路
電気配線及びケーブルが誤って接続されることがないよう,電気回路に使用される接続構成部品は印付
けされ識別できなければならない。JIS A 8324によることが望ましい。
この要求事項は,盗難対抗装置の電気回路には適用しない。

――――― [JIS A 8340-1 pdf 20] ―――――

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JIS A 8340-1:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 20474-1:2008(MOD)

JIS A 8340-1:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 8340-1:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISA8301:1952
モータグレーダ用切刃
JISA8301:2000
土工機械―整備用開口部最小寸法
JISA8302:2017
土工機械―運転員及び整備員の乗降用・移動用設備
JISA8304:2001
土工機械―運転員の座席の振動評価試験
JISA8310-2:2019
土工機械―操縦装置及び表示用図記号―第2部:特定機種,作業装置及び附属品図記号
JISA8311:2018
土工機械―運転員の視野―測定方法及び性能基準
JISA8313:2001
土工機械―製品識別番号(PIN)
JISA8314:2013
土工機械―ゴムタイヤ式機械―かじ取り装置要求事項
JISA8316:2010
土工機械―電磁両立性(EMC)
JISA8317-1:2010
土工機械―音響パワーレベルの決定―動的試験条件
JISA8317-2:2010
土工機械―運転員位置における放射音圧レベルの決定―動的試験条件
JISA8318:2001
土工機械―座席基準点(SIP)
JISA8319:2001
土工機械―走行速度の測定方法
JISA8320:2001
土工機械―機械全体,作業装置及び構成部品の質量測定方法
JISA8322:2001
土工機械―寸法,性能及び容量の単位並びに測定の正確さ
JISA8323:2001
土工機械―運転席及び整備領域―端部の丸み
JISA8324:2001
土工機械―電線及びケーブル―識別の原則
JISA8325:2010
土工機械―履帯式機械―制動装置の性能要求事項及び試験方法
JISA8327:2017
土工機械―機械装着警報ブザー類及び警音器―試験方法及び性能基準
JISA8328:2003
土工機械―リフトアーム支持具
JISA8330-2:2004
土工機械―運転室内環境―第2部:空気ろ過試験
JISA8330-3:2004
土工機械―運転室内環境―第3部:運転室加圧試験方法
JISA8330-4:2004
土工機械―運転室内環境―第4部:運転室換気,暖房及び/又は空気調和試験方法
JISA8330-5:2006
土工機械―運転室内環境―第5部:前面窓ガラスデフロスタ試験方法
JISA8331:2005
土工機械―機械装着救出装置―性能要求事項
JISA8332:2005
土工機械―ダンパ荷台支持装置及び運転室傾斜支持装置
JISA8333-1:2005
土工機械―後写鏡及び補助ミラーの視野―第1部:試験方法
JISA8333-2:2005
土工機械―後写鏡及び補助ミラーの視野―第2部:性能基準
JISA8334:2006
土工機械―取扱説明書―内容及び様式
JISA8335:2017
土工機械―非金属製燃料タンクの性能要求事項
JISA8336:2009
土工機械―表示機器
JISA8340-3:2012
土工機械―安全―第3部:ローダの要求事項
JISA8345:2004
土工機械―キーロック始動装置
JISA8346:2004
土工機械―車体屈折フレームの固定装置―性能要求事項
JISA8407:2000
土工機械―操縦装置の操作範囲及び位置
JISA8411-1:2006
土工機械―寸法及びコードの定義―第1部:本体
JISA8911:2007
土工機械―シートベルト及びその取付部―性能要求事項及び試験方法
JISA8920:2009
土工機械―落下物保護構造―台上試験及び性能要求事項
JISA8921-2:2011
土工機械―ショベル系掘削機保護構造の台上試験及び性能要求事項―第2部:6トンを超える油圧ショベルの転倒時保護構造(ROPS)
JISB8265:2017
圧力容器の構造―一般事項
JISB8361:2013
油圧―システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項
JISB9700-1:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第1部:基本用語,方法論
JISB9700-2:2004
機械類の安全性―設計のための基本概念,一般原則―第2部:技術原則
JISB9705-1:2019
機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
JISC0920:2003
電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JISC3663-4:2007
定格電圧450/750V以下のゴム絶縁ケーブル―第4部:コード及び可とうケーブル
JISC3663-4:2021
定格電圧450/750V以下のゴム絶縁ケーブル―第4部:コード及び可とうケーブル
JISC3664:2007
絶縁ケーブルの導体
JISC8269-1:2016
低電圧ヒューズ―第1部:通則
JISD1201:1998
自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法
JISD5301:2019
始動用鉛蓄電池
JISZ9101:2018
図記号―安全色及び安全標識―安全標識及び安全マーキングのデザイン通則