JIS B 8821:2013 クレーン鋼構造部分の計算基準 | ページ 2

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6 荷重及び荷重の組合せ

  荷重及び荷重の組合せは,JIS B 8831による。

7 許容応力

7.1 基本許容応力

  基本許容応力σaは,箇条6に示すそれぞれの荷重の組合せに対し,材料の降伏点(又は0.2 %耐力)及
び引張強さを,表3の強度係数で除した値のうちいずれか小さい方の値とする。
表3−強度係数
負荷状態 強度係数
降伏点に対するもの 引張強さに対するもの
荷重の組合せ A 1.5 1.8
荷重の組合せ B 荷重の組合せAの値を 荷重の組合せAの値を
1.15で除した値 1.15で除した値
荷重の組合せ C 荷重の組合せAの値を 荷重の組合せAの値を
1.30で除した値 1.30で除した値

7.2 構造部材及び溶接部分の許容応力

  構造部材及び溶接部分の許容応力は,表4による。

――――― [JIS B 8821 pdf 6] ―――――

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表4−構造部材及び溶接部分の許容応力
区分 応力の種類 許容応力 計算に用いる断面
引張 σa 純断面
圧縮 σa/1.15 総断面
構 曲げ 引張側 σa 純断面

部 圧縮側 σa/1.15 総断面
材 せん断 σa/3 純断面
座屈 σa/1.15及び箇条11による 総断面
支圧 1.42σa 総断面
引張 鋼材種類A 0.840×σa のど厚
鋼材種類B 0.800×σa
圧縮 鋼材種類A 0.945×σa/1.15 のど厚
鋼材種類B 0.900×σa/1.15
突 曲げ 引張側 鋼材種類A 0.840×σa のど厚

せ 鋼材種類B 0.800×σa
圧縮側 鋼材種類A 0.840×σa/1.15 のど厚
鋼材種類B 0.800×σa/1.15

接 せん断 鋼材種類A 0.840×σa/3 のど厚
部 鋼材種類B 0.800×σa/3

引張 鋼材種類A 0.840×σa のど厚
鋼材種類B 0.800×σa
圧縮 鋼材種類A 0.840×σa/1.15 のど厚
す 鋼材種類B 0.800×σa/1.15

肉 曲げ 鋼材種類A − −
鋼材種類B −
せん断 鋼材種類A 0.840×σa/3 のど厚
鋼材種類B 0.800×σa/3
この表の補足説明を,次に示す。
− この表において,鋼材種類AはJIS G 3106,JIS G 3114,JIS G 3128,JIS G 3136のSN400B,
SN400C,SN490B及びSN490C,JIS G 3444のSTK490,JIS G 3445のSTKM18(A,B,C)
並びにJIS G 3466のSTKR490に適合する鋼材を,Bはこれらの鋼材以外の鋼材を表す。
− 純断面は,ボルト穴の断面積を除いた最小断面の位置とする。

7.3 溶接部分の許容応力

  溶接部分の許容応力は,7.2,表4による。ただし,放射線試験を行う際は,構造部分の溶接部(溶接加
工の方法が突合せ溶接である場合に限る。)が次に挙げる場合には,当該溶接部に係る計算に用いる許容応
力(許容引張応力,許容圧縮応力及び許容曲げ応力に限る。)の値は,構造部材と同一値としてもよい。
a) IS Z 3104に規定する第3種のきずがない場合。
b) IS Z 3104に規定する第1種及び第4種のきず又は第2種のきずのいずれかがあるとき,当該きずに
係るJIS Z 3104に規定するきず点数又はきず長さがそれぞれJIS Z 3104に規定する第1種及び第4種
の2類の許容限度を表す値又は第2種の2類の許容限度を表す値以下の場合。
c) IS Z 3104に規定する第1種及び第4種のきず並びに第2種のきずが混在するとき,当該きずに係る
JIS Z 3104に規定するきず点数,及びきず長さがそれぞれJIS Z 3104に規定する第1種及び第4種の
2類の許容限度を表す値及び第2種の2類の許容限度を表す値の2分の1以下の場合。

7.4 放射線試験

  放射線試験は,JIS Z 3104の規定によるほか,次による。

――――― [JIS B 8821 pdf 7] ―――――

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a) 構造部分の溶接部の全長の20 %以上の長さについて行う。
b) 構造部分の溶接部は,その余盛りが母材の表面と同一の面まで削られていなければならない。ただし,
余盛りの中央における高さが,表5の左欄に掲げる母材の厚さに応じて,それぞれ同表の右欄に掲げ
る高さ以下である場合には,余盛りが母材の表面と同一面まで削られている必要はない。
表5−余盛りの高さ
単位 mm
母材の厚さ 高さ
12以下 1.5
12を超え 25以下 2.5
25を超えるもの 3.0

7.5 ボルト及びピン

  ボルト及びピンの許容応力は,表6による。
表6−ボルト及びピンの許容応力
種類 材質 応力の種類 許容応力 計算に用いる径
高力ボルト F8T,F10T 見掛けせん断 0.21σa ボルト幹径
高力グリップボルト 見掛けせん断 0.24σa ボルト幹径
リーマボルト SS400 せん断 σa/3 ボルト幹径
S20C 支圧 1.42σa
ピン結合 S35C せん断 σa/3 ピン径
S45C 支圧 1.42σa (ピンが微動する場合は,支圧許容
曲げ σa 応力だけ左記の50 %とする。)
基礎ボルト SS400 引張 0.6σa ねじ底径
S20C せん断 0.35σa
この表の補足説明を,次に示す。
− 高力ボルトは,ねじ底径における応力が,材料の耐力の75 %,また,高力グリップボルトの場合は,
85 %で締め付けられているものとする。
− 高力ボルト又は高力グリップボルトを用いた継手にあっては,構造部材の摩擦面は,油,塗料などがな
く清浄であり,かつ,黒皮はサンドブラストなどによって除去された状態にあるものとする。
− 支圧許容応力については,結合部材及び支持部材のσaのうち小さい方をとる。
− 材質については,表6によるか,又はこれと同等以上のものとする。
注記1 見掛けせん断とは,摩擦接合で伝達される荷重をボルトのせん断に置き換えたものとする。
注記2 高力ボルト及び高力グリップボルトとも,基本許容応力の算出に当たっては,降伏点の代わりに,
耐力を基準としてもよい。

7.6 疲れ許容応力

  疲れ許容応力は,箇条10による。

8 強度設計

8.1 記号

  箇条8の中で用いる記号は,次による。
A : 腹板及びフランジの中心線で囲まれた面積(mm2)
AF : 引張フランジの総断面積(mm2)
AFn : 引張フランジの純断面積(mm2)

――――― [JIS B 8821 pdf 8] ―――――

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AWn : せん断を受ける腹板の純断面積(mm2)
An : 純断面積(mm2)
ec : 中立軸から圧縮へりまでの距離(mm)
et : 中立軸から引張へりまでの距離(mm)
FB : 曲げによるせん断力(N)
FJ : 継目箇所での最大せん断力(N)
f : 係数(表7参照)
h : 腹板結合ボルトの最外側間の距離(mm)(表7参照)
I : 断面二次モーメント(mm4)
IG : ガーダの総断面の中立軸回りの断面二次モーメント(mm4)
IW : ガーダの総断面の中立軸回りの腹板の断面二次モーメント(mm4)
M : 曲げモーメント(N・mm)
MJ : 継目箇所のガーダの受ける曲げモーメント(N・mm)
MW : 腹板の受ける曲げモーメント(N・mm)
N : 軸方向引張力(N)
n : 接合線の片側にある継目ボルトの総数
R : ynにおける1個のボルトに作用する合力(N)
T : せん断中心回りのねじりモーメント(N・mm)
t : 腹板又はフランジの厚さ(mm)
yn : 中立軸から最も遠いボルトまでの距離(mm)(図5参照)
Σy2 : 接合線の片側にある継目ボルトから中立軸までの距離の二乗の総和(mm2)
σca : 箇条7による許容圧縮応力(N/mm2)
σce : 圧縮へり応力(N/mm2)
σt : 引張応力(N/mm2)
σta : 箇条7による許容引張応力(N/mm2)
σte : 引張へり応力(N/mm2)
τ : 曲げによるせん断応力(N/mm2)
τa : 箇条7による許容せん断応力(N/mm2)
τt : ねじりモーメントによるせん断応力(N/mm2)

8.2 引張材の計算

  引張応力は,ボルト穴を除いた有効な純断面積で式(1)によって計算する。
N
t ≦ ta (1)
An
ここに, σt : 引張応力(N/mm2)
An : 純断面積(mm2)
N : 軸方向引張力(N)
σta : 箇条7による許容引張応力(N/mm2)
なお,時間の周期的な関数として応力の値が変化する交番応力を受ける場合には,箇条10に示す疲れ強
さを検討する。
引張材の有効な純断面積を求めるには,ボルトの位置によって適切にボルト穴を減じなければならない。

――――― [JIS B 8821 pdf 9] ―――――

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図1においてボルト穴を減じたa−c−c−a断面がa−a断面より小さければ,部材断面積から4個のボル
ト穴を減じなければならない。
山形鋼及びみぞ形鋼で,偏心のない構造の場合は,脚及びフランジを展開して上記に準じるものとする。
図1−有効純断面積

8.3 圧縮材の計算

  圧縮材の計算は,箇条11による。

8.4 軸方向に曲げを伴う部材の計算

  軸方向に曲げを伴う部材の計算は,箇条11による。

8.5 曲げ及びねじりを受けるボックスガーダの計算

  曲げ及びねじりを受けるボックスガーダは,曲げ及びねじりに対してそれぞれa)   c)によって計算する。
ただし,普通の天井クレーンでは,(スパン)/(ガーダの幅)が40を超えなければ,曲げによる横倒れ座
屈は考慮しなくてもよい。
a) 曲げ応力及びせん断応力の計算 引張へり応力,圧縮へり応力及び曲げによるせん断応力は式(2)式
(4)による。
M AF
te et ≦ta (2)
I AFn
M
ce ec ≦ ca (3)
I
FB
≦ a (4)
AWn
ここに, σte : 引張へり応力(N/mm2)
σce : 圧縮へり応力(N/mm2)
τ : 曲げによるせん断応力(N/mm2)
M : 曲げモーメント(N・mm)
I : 断面二次モーメント(mm4)
AF : 引張フランジの総断面積(mm2)
AFn : 引張フランジの純断面積(mm2)
ec : 中立軸から圧縮へりまでの距離(mm)(図2参照)
et : 中立軸から引張へりまでの距離(mm)(図2参照)
FB : 曲げによるせん断力(N)
AWn : せん断を受ける腹板の純断面積(mm2)
σta : 箇条7による許容引張応力(N/mm2)
σca : 箇条7による許容圧縮応力(N/mm2)
τa : 箇条7による許容せん断応力(N/mm2)

――――― [JIS B 8821 pdf 10] ―――――

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