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C 1010-2-32 : 2015
附属書BB
(参考)
特定の環境下で実施する測定に起因するハザード
BB.1 一般
この附属書は,特定の環境下で電気的な量を測定することを意図する機器に対して考慮することが望ま
しいハザードについて,機器の製造業者にガイドを提供するものである。ハザードリストが,全てを網羅
したものであるとみなしてはならない。他のハザードは,特定の環境及び他の環境で間違いなく存在する。
BB.2 主電源回路
BB.2.1 一般
試験及び測定回路は,試験又は測定中に接続する回路から動作電圧及び過渡ストレスを受ける。主電源
の測定に測定回路を用いる場合は,測定を行う設備内の場所によって,過渡ストレスを推定することがで
きる。
活電状態の主電源の測定に測定回路を用いる場合は,アークせん光爆発のリスクがある。測定カテゴリ
(附属書AA参照)は,アークせん光に与える有効エネルギー量を規定している。アークせん光が起こり
得る場合には,取扱説明書では,アークせん光からの衝撃及びやけどに関するハザードを軽減するために
付加的予防策を指定する必要がある。
BB.2.2 感電
主電源回路は,感電のハザードになる。電圧及び電流は,許容限度(6.3参照)を超え,かつ,測定を行
うために,回路への接近が通常,必要になる。製造業者は,操作者に感電のハザードを知らせる適切な情
報を提供し,この規格及び他の関連規格(例えば,電圧プローブアセンブリに対するJIS C 1010-31)の設
計要求事項を満たすことを保証することが望ましい。
BB.2.3 アークせん光
アークせん光は,プローブチップ又は低インピーダンス測定回路のような導体が一時的に二つの高エネ
ルギー導体を橋絡し,次に離すか又は取り去るときに起こる。これが,空気をイオン化するアークになり
得る。イオン化した空気は,導電性であり,導体の近傍で継続して電流が流れる。十分な有効エネルギー
がある場合には,空気のイオン化は広がり続け,空気中を流れる電流は増え続ける。その結果は爆発に似
ており,操作者又は近くにいる人を重傷又は死に至らしめるおそれがある。アークせん光を引き起こすお
それのある電圧及びエネルギーレベルについては,附属書AAの測定カテゴリの記述を参照する。
BB.3 やけど
二つの高エネルギーの導体を接続するどのような導体(例えば,装飾金属)も,その導体を介して流れ
る電流で熱くなるおそれがある。これは,その導体付近の皮膚にやけどをもたらし得る。
BB.4 電気通信網
電気通信網に連続的に存在する電圧及び電流は,危険な活電状態とみなすレベル未満である。しかし,
リング電圧(受話器が着呼の合図を示すために電気通信線に重畳する電圧)は,通常は交流90 V近辺で危
険な活電状態とみなす。着呼中に,技術者がその導体に接触する場合には,技術者は感電し得る。
――――― [JIS C 1010-2-32 pdf 36] ―――――
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C 1010-2-32 : 2015
EN 41003:1999は,電気通信網に接続する機器に対する安全要求事項を規定している。それは,電気通
信導体への接触による感電の可能性を取り扱っており,コネクタによる接近制限によって,リスクは無視
できるレベルまで軽減すると結論付けている。しかし,試験又は測定の過程で導体が完全に接触可能にな
っている場合には,感電の可能性がある。
電気通信網の試験及び測定のために用いられる機器の製造業者は,リング電圧のハザードを知り,ハザ
ードを軽減する適切な方法(可能な場合は,その導体への接近制限による。他の場合は,操作者に対する
適切な指示及び警告による。)を採ることが望ましい。危険な活電電圧で用いられる電圧プローブに対しバ
リアを規定するJIS C 1010-31も参照する。
BB.5 誘導性回路における電流測定
電流測定デバイスを誘導性回路に直列に挿入する場合は,その回路が突然,開回路になったとき(例え
ば,プローブが離れ落ちる又はヒューズが溶断する。),ハザードになるおそれがある。そのような突然の
出来事は,想定しない開回路間に誘導性電圧スパイクを生じさせ得る。このスパイクは,回路の動作電圧
の大きさの何倍にもなり,かつ,絶縁破壊又は操作者に感電をもたらし得る。
製造業者は,電流測定デバイスを誘導性回路に直列に用いない,又は直列に用いることが必要な場合に
は,電圧スパイクによる感電のハザードを緩和するために予防策を採ることを確実にするための適切な指
示を操作者に提供することが望ましい。
BB.6 電池で駆動する回路
電池類は,電池又は電池に関連する回路の試験者への電気的ハザード,爆発のハザード又は火災のハザ
ードになり得る。予備電源用又はモータを動作させるために用いる電池類が,その例である。
感電のハザード,電池の端子類の短絡による爆発のハザード又は充電サイクル中に電池から放出したガ
スへのアーク着火による爆発のハザードが生じるおそれがある。
BB.7 高い周波数での測定
測定機器には,被測定回路への接続が誘導性結合によるものがある。この場合の測定回路の挙動は,被
測定信号の周波数に依存する。測定デバイスを設計よりも高い周波数を測定するために用いる場合は,流
れる電流は,測定デバイスの幾つかの導電性部分の非常な発熱を引き起こし得る。
製造業者は,そのようなデバイスの使用に対する適切な指示を提供することが望ましい。
――――― [JIS C 1010-2-32 pdf 37] ―――――
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C 1010-2-32 : 2015
参考文献
参考文献は,JIS C 1010-1によるほか,次による。
JIS C 1010-2-33 測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性−第2-33部 : 主電源電圧が測定可能な
家庭用及び専門家用の手持形マルチメータ及び他のメータに対する個別要求事項
注記 対応国際規格 : IEC 61010-2-033,Safety requirements for electrical equipment for measurement,
control, and laboratory use−Part 2-033: Particular requirements for hand-held multimeters and other
meters, for domestic and professional use, capable of measuring mains voltage(MOD)
EN 41003:1999,Particular safety requirements for equipment to be connected to telecommunications networks
――――― [JIS C 1010-2-32 pdf 38] ―――――
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C 1010-2-32 : 2015
C1
6
附属書JA
01
(参考)
0-
2-3
JISと対応国際規格との対比表
2 : 2015
IEC 61010-2-032:2012,Safety requirements for electrical equipment for measurement,
JIS C 1010-2-32:2015 測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性−第2-32部 :
control and laboratory use−Part 2-032: Particular requirements for hand-held and hand
電気的試験及び測定のための手持形及び手で操作する電流センサに対する個別要求
事項 -manipulated current sensors for electrical test and measurement
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際規格 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
8機械的 8.1 一般 8.1 JISとほぼ同じ。 追加 “注記 適合性は,1)3)に加 適合性の確認方法を明瞭にした。
ストレス えて101)を外装に対して行う
に対する ことによって確認する。”を追
耐性 加した。
14 部品及 14.101 主電源の測 14.101 JISとほぼ同じ。 追加 例を追加した。 主電源電圧とインパルス電圧の関
びサブア 定に用いる測定回 係を明瞭にした。
センブリ 路で,過渡過電圧制
限デバイスとして
用いる回路又は部
品
表104 インパルス 表104 JISとほぼ同じ。 追加 “注 我が国では,公称電圧が我が国の配電事情を考慮した。
電圧 100 Vの場合に,150 Vまでの
インパルス電圧を適用する。”
を追加した。
附属書K K.101.2 空間距離 K.101.2 JISとほぼ同じ。 追加 JIS C 1010-1に合わせた。技術的差
“基礎絶縁,補強絶縁及び強化
(規定) 絶縁に対する”を追加した。 異はない。
表K.101 測定カテ 表K.101 JISとほぼ同じ。 追加 “注 我が国では,公称電圧が我が国の配電事情を考慮した。
ゴリII,III及びIV 100 Vの場合に,150 Vまでの
の測定回路に対す 空間距離を適用する。”を追加
る空間距離 した。
K.101.4.1 一般 K.101.4.1 プリント配線板の内層 変更 適切な表現に変更した。技術的差
“プリント配線板の絶縁層”に
変更した。 異はない。
――――― [JIS C 1010-2-32 pdf 39] ―――――
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C 1010-2-32 : 2015
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差異
国際規格 ごとの評価及びその内容 の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
附属書K K.101.4.3 プリント K.101.4.3 プリント配線板の内部絶変更 適切な表現に変更した。技術的差
“プリント配線板の絶縁層”に
(規定) 配線板の絶縁層 縁層 変更した。 異はない。
(続き)
附属書BB BB.7 高い周波数で BB.7 より高い周波数での測定 削除 “より”を削除した。 適切な表現に変更した。技術的差
(参考) の測定 異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価 : IEC 61010-2-032:2012,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除·················· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加·················· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更·················· 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD··············· 国際規格を修正している。
C1 010-
2-32 : 2015
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JIS C 1010-2-32:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61010-2-032:2012(MOD)
JIS C 1010-2-32:2015の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 1010-2-32:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0448:1997
- 表示装置(表示部)及び操作機器(操作部)のための色及び補助手段に関する規準
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC1010-31:2019
- 測定用,制御用及び試験室用電気機器の安全性―第31部:電気的試験及び測定のための手持形及び手で操作するプローブアセンブリに対する安全要求事項
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC3665-1-2:2007
- 電気ケーブル及び光ファイバケーブルの燃焼試験―第1-2部:絶縁電線又はケーブルの一条垂直燃焼試験―1kW混合ガス炎による方法
- JISC60068-2-14:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-14部:温度変化試験方法(試験記号:N)
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC60364-4-44:2011
- 低圧電気設備―第4-44部:安全保護―妨害電圧及び電磁妨害に対する保護
- JISC6065:2016
- オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器―安全性要求事項
- JISC60664-1:2009
- 低圧系統内機器の絶縁協調―第1部:基本原則,要求事項及び試験
- JISC60664-3:2019
- 低圧系統内機器の絶縁協調―第3部:汚損保護のためのコーティング,ポッティング及びモールディングの使用
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC6802:2014
- レーザ製品の安全基準
- JISC8201-1:2020
- 低圧開閉装置及び制御装置―第1部:通則
- JISC8201-3:2009
- 低圧開閉装置及び制御装置―第3部:開閉器,断路器,断路用開閉器及びヒューズ組みユニット
- JISC8286:2013
- 電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
- JISC8286:2021
- 電気アクセサリ―電源コードセット及び相互接続コードセット
- JISC9335-2-24:2017
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-24部:冷却用機器,アイスクリーム機器及び製氷機の個別要求事項
- JISC9335-2-89:2005
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-89部:業務用冷凍冷蔵機器の個別要求事項
- JISC9335-2-89:2021
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-89部:業務用冷凍冷蔵機器及び製氷機の個別要求事項
- JISZ8202:1985
- 量記号,単位記号及び化学記号
- JISZ8736-1:1999
- 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定