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9 低温特性
9.1 原理
テープで銅の導体を被覆し,低温で調整した後,屈曲試験を行う。試料に,クラック又ははがれがある
かどうかを確かめる。
9.2 試験片
直径約1.6 mm導線(最高許容導体温度75 ℃)から成る長さ300 mmの熱可塑性樹脂絶縁ケーブル(湿
潤場所でのばく露配線に適したタイプ)の銅の導体の中央50 mmを露出させる。露出した部分は,絶縁物
が被覆されている両端部まで確実に被覆されるようテープ(1本のテープを用いて)を,ハーフラップで3
回巻き付ける。テープは,重ね合わせ部分に追従するように,最小の張力で滑らかに巻く。
9.3 手順
用意した試験片を低温室に放置し,表1に規定する温度で3時間調整する。調整後,試験片はそのまま
の温度で9.4に規定する柔軟性試験を行う。柔軟性試験に続き,試験片を23±2 ℃で4時間調整し,9.5
に規定する絶縁耐力試験を行う。試験片は,破壊することなく,この試験に耐えなければならない。
9.4 柔軟性
テープが巻かれた部分を直径8 mmのマンドレルの円周に沿って180°折り曲げ,それから真っ直ぐに伸
ばす。次に,折り曲げ面が逆になるように折り返す。この手順を1回半行う(図7参照)。
試験は,30秒以内に行わなければならない。次にテープの層にクラック又は,はがれがあるかどうかを
調べる。
図7−折り曲げの順序
9.5 絶縁耐力
柔軟性試験に続き,試料の両端部を除く折り曲げ部分を23±2 ℃の水道水に1時間浸す(図8参照)。
次に,銅導体と水との間に交流1 500 Vの電圧を1分間印加する。電気的装置は,JIS C 2110-1の箇条5
に規定するものを用いる。
9.6 結果
クラック,はがれ及び絶縁破壊の有無を記録する。
――――― [JIS C 2107 pdf 16] ―――――
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図8−水中での絶縁耐力試験
表1−低温特性の温度調整
単位 ℃
テープの低温 調整温度
温度定格
+10 +3±1
0 −3±1
−7 −10±1
−10 −18±1
−18 −26±1
−26 −33±1
−33 −40±1
10 昇温貫通抵抗力
10.1 装置
厚さ3 mm,幅30 mm及び長さ100 mmの耐腐食性鋼板の上に置いた試験片の表面に,直径1.5±0.1 mm
の鋼球を規定した状態で押し付けたとき,貫通を感知できる装置,及び30±5 ℃/hの速度で装置を昇温で
きるオーブンを用いる。
図9に装置の一例を示す。
下端にくぼみのある磁化した鋼鉄製ロッド(図9の10)は,直径1.5 mmの鋼球(図9の11)を保持する
ためのものである。
各測定には新しい鋼球を使用する。鋼鉄製ロッドは,カウンターバランスを備えたC形クランプ(鋼鉄
製ピボットアーム)(図9の2)に固定されており,必要な回転が自由にできるようになっている。
カウンターバランスは,C形クランプの下の脚部におもり(図9の16)がないとき,鋼板に対して鋼球
の圧力が加わらないよう,可動分銅(図9の6)で調節する。使用時には,このC形クランプの下の脚部
におもりをかけることで,水平に置かれている耐腐食性鋼板に垂直下向きに10 Nの力を加えることができ
る。
装置は,鋼球と鋼板とが接触し,通電したことを表示する機能を備えている。電源は,低電圧のものを
選ぶ。鋼板の温度は,試験片の圧力がかかる部分にできるだけ近い点で測定する。熱電対を使用するのが
よい。
――――― [JIS C 2107 pdf 17] ―――――
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10.2 試験片
供試ロールから300 mm以上の間隔で,長さ25 mmの試験片を5枚採取する。テープを巻き戻す場合は,
伸びを最小限に抑えるように注意する。
試験片は,試験開始前に伸びを緩和するために,放置したほうがよい。
放置時間は,伸びが5 %未満のテープでは5分以上,550 %のテープでは30分以上,50 %超えのテー
プでは23時間が望ましい。
10.3 手順
貫通球に負荷がかからないよう,各試験片を室温で球の下に置く。装置は,注意深くオーブンに入れ,
23±2 ℃で10分放置した後,試験片に10 Nの荷重がかかるよう球に荷重を加える。次に貫通するまで30
±5 ℃/hの一定速度で装置の温度を上昇させる。
10.4 結果
貫通時における5枚の測定温度の平均値をセルシウス度(℃)で記録する。
1 鋼鉄製架台 10 鋼鉄製ロッド
○ ○
2 C形クランプ 11 鋼球
○ ○
3 鋼鉄製ピポットブロック取付ねじ 12 試験片
○ ○
4 取外し容易なステンレス鋼 13 ステンレス鋼板固定ビス
○ ○
5 絶縁ブロック 14 電気接続用ねじ
○ ○
6 可動分銅 15 導線
○ ○
7 鋼鉄製ピボットブロック 16 おもり
○ ○
8 調整用ピボットピン 17 熱電対差込み孔
○ ○
9 ビス及びナット
○
図9−貫通試験器の見取図
――――― [JIS C 2107 pdf 18] ―――――
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11 粘着力
11.1 原理
図10に示す試験板に測定するテープを貼り,引張試験機の片方のチャックに垂直に固定する。もう一方
のチャックに,テープを180°に折り返したタブの一端を固定する。
粘着力は,テープを連続して試験板から引きはがすのに要する力(試験法A-1参照),又はテープの背面
から引きはがすのに要する力(試験法A-2参照)として測定する。テープを引きはがす場合,粘着面と試
験板との境界線は,引きはがす方向と垂直になる。
11.1.1 試験法 A-1−片面粘着テープの180°引きはがし粘着力 試験片を標準試験板(又は関連する試験
板表面)に附属書Aで規定する圧力で貼り付ける。引きはがし粘着力は,テープを特定の速さで試験板か
ら180°の角度で引きはがすために必要な力として,測定する。
11.1.2 試験法 A-2−片面粘着テープ背面への粘着力 試験片と同じテープを,試験板に貼る。次に測定す
る試験片を試験板に貼ったテープの背面に貼り,引きはがし粘着力を試験法A-1と同じように測定する。
11.2 装置
11.2.1 引張試験装置
引張試験機は,JIS B 7721に規定する引張試験機(試験機の等級1 : 相対指示誤差±1.0 %)又はこれと
同等の引張試験機を用いる。
試験機の容量は,測定値がその容量の15 %85 %の範囲以内に入るものを用いる。引張速度は,
5±0.2 mm/sで,読取り公差は,2 %以下とする。測定値の表示方法は,アナログ式,デジタル式,デジタ
ル記録式及びチャート記録式のいずれを用いてもよい。
ただし,テープの引きはがし長さ1 mm以下の間隔で読み取る自動式の装置であることが望ましい。
11.2.2 試験板
試験板は,JIS G 4305に規定するSUS304鋼板で,表面仕上げBA(冷間圧延後,光輝熱処理)の鋼板を
使用し,表面粗さは,JIS B 0601に規定するRa : 50±25 nmとする。試験板の寸法は,厚さ1.1 mm以上,
幅約50 mm,長さ約125 mmとする。汚れ,変色及び多数のスクラッチきずが見られるものは,用いては
ならない。
11.2.3 圧着装置
圧着装置は,附属書Aに規定するいずれかを選定する。
11.3 試験片
試料がロール状に巻かれたテープの場合は,試験片採取前に最低でも3層,最大でも6層まで巻き戻し,
外側のテープを切り取って捨てておく。試験片の採取は,ロールから500750 mm/sの速さで巻き戻す。
試験片は,幅24±0.5 mm,長さ約300 mmとする。一つの試験に試験片を一枚採る。テープの幅が24 mm
以上の場合は,試験片の端をきず付けないように鋭利な刃物で中央部分から幅24 mmに切断する。
テープの幅が24 mm未満の場合は,試験片の幅は,そのテープの幅とする。
試験する部分の粘着面には,ほこり(埃)の付着があってはならない。また,粘着面に素手で触れたり
他の異物に触れたりしてはならない。高速で巻き戻すことができないテープの場合は,できるだけ
500 mm/sに近い速度で巻き戻す。
幅17 mm以上の試験片は,質量2 kgの圧着ローラを用い,17 mm未満の試験片は,質量1 kgの圧着ロ
ーラを用いることができる。
11.4 試験手順
11.4.1 標準試験条件
――――― [JIS C 2107 pdf 19] ―――――
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試験は,前処理も含め特に指定のない限り,温度23±1 ℃及び湿度(50±5)%で行う。これらの許容
範囲が維持できない場合には,維持可能な許容範囲で行い,報告に記載する。
11.4.2 試験板の洗浄
試験板の洗浄は,次による。
a) 試験板の洗浄溶剤は,ジアセトンアルコール(4ヒドロキシ-4メチル-2ペンタノン),メタノール,メ
チルエチルケトン,アセトン及びn-ヘプタンの中から一つ以上選択して使用する。
なお,溶剤は,試薬用又は残さのない工業用薬品以上の品質とする。
b) 洗浄用の布などは,手術用ガーゼ,脱脂綿,ティシュペーパーなどとする。使用中に糸くず及びほこ
りが発生せず,柔らかくて吸収性があり,a)に挙げる溶剤に溶ける添加剤を含まず,かつ,未使用の
ものが適している。
c) 洗浄方法の手順は,a)の中から選んだ溶剤を布などにしみ込ませ,試験板の表面を拭く。乾いてから,
更に新しい布などで乾燥するまでよく拭く。このように溶剤での洗浄を目視によって清浄になったと
みられるまで3回以上繰り返して行う。
d) 新しい試験板は,a)の中から選んだ溶剤を布などにしみ込ませ,10回以上拭く。さらに,使用前にc)
に規定する方法で洗浄する。最終的な拭取りはメチルエチルケトン又はアセトンで行う。洗浄後の試
験板は10分間以上乾燥し,また,10時間以内に使用しなかった試験板は再洗浄しなければならない。
なお,汚れ,変色,又は多数のきずが見られる試験板は廃棄する。また,試験板表面を指で触れな
いようにし,損傷又は汚染しないよう試験板を保管する。
11.4.3 粘着力試験手順
粘着力試験手順は,次による。
a) 試験板に対する粘着力を試験する場合の手順 試験片は,11.3に規定する手順で採取後5分以内に試
験板に貼る。タブを形成するため試験片の一端を粘着剤と粘着剤とが付くように12 mm折り,もう一
方の端は試験板の端に貼る。試験板と接触させないように,試験板の上で試験片のタブ部分を持ち,
自動又は手動のローラで縦方向に圧着しながらテープを試験板に貼る。これによって粘着剤と試験板
との間に空気が入るのを防ぐ。空気が入った場合は,この試験は無効とする。ローラは,10±0.5 mm/s
の速度で合計2往復行い,圧着中に荷重を増加してはならない。
試験片はローラで圧着後,1分以内に引きはがし試験を行う。
注記1 圧着後の放置時間は,目的によって意図的に長い時間を選択してもよい。これは,次の
b)の試験手順にも適用できる。
b) テープ背面に対する粘着力を試験する場合の手順 背面を試験するテープを11.3に規定する手順で
300 mm採取する。これを試験板にローラで圧着し,試験板に貼られているテープ以外のところは,切
り落とす。次に,試験片を同じように300 mm採取し,タブを形成するため試験片の一端を粘着剤と
粘着剤とが付くように12 mm折り,もう一方の端は,背面を試験するテープの一端の上に貼り,縦方
向に2往復,自動又は手動のローラで圧着する。このとき,後から貼る試験片が最初に貼った試験片
と直線上に重なるように貼る。これによって二つの試験片の間に空気が入るのを防ぐ。空気が入った
場合は,無効とする。試験片はローラ圧着後,1分以内に引きはがし試験を行う。
c) 測定手順 試験片又は背面を試験するテープをはがすときは,テープ背面が重なるようにテープの端
を持って180°に折り返し,試験板から25 mmはがす。引張試験機の片方のチャックにそのはがした
部分の試験板の片端を固定し,もう片方のチャックにテープを固定する。次に,試験機を,5.0±0.2 mm/s
で稼動し,測定を開始する。
――――― [JIS C 2107 pdf 20] ―――――
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