JIS C 4526-1:2020 機器用スイッチ―第1部:通則 | ページ 18

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附属書D
(参考)
スイッチ使用上のガイド
D.1 一般
実際の使用において,スイッチは広範囲の電流にわたって多くの異なる種類の回路を制御している。全
ての使用負荷について,全てのスイッチを試験することは経済的に実行不可能である。認証のために行う
試験の目的において,使用される代表的な回路として,標準試験回路が制定されており,かつ,スイッチ
の電気定格は,標準回路条件を用いて証明されることとなる。次のガイドラインは,ある特定のスイッチ
定格が実際の使用において回路を制御するために適するかどうかを判定するために用いることができる。
D.2 抵抗負荷電流定格
D.2.1 抵抗負荷電流定格は,力率0.9以上の実質的な抵抗負荷を使用して検証する。
D.2.2 抵抗負荷定格をもつスイッチは,次のいずれかの条件を満たす場合には,誘導負荷を制御するため
に使用できる。
− 力率が0.8以上であり,電動機負荷電流がスイッチの抵抗負荷電流定格の60 %以下であり,かつ,突
入電流が抵抗負荷電流定格以下である。
− 力率が0.6以上であり,電動機負荷電流はそのスイッチの抵抗負荷電流定格の16 %以下である。
D.2.3 抵抗負荷定格をもつスイッチは,白熱電球負荷の定常電流が,そのスイッチの抵抗負荷電流定格の
10 %以下である場合に限り,白熱電球負荷を制御するために使用できる。
D.3 抵抗負荷及び/又は電動機負荷電流定格
D.3.1 電動機負荷電流定格は,投入するときは力率0.6の負荷,さらに,遮断するときは力率0.9の負荷
を使用して検証する。
D.3.2 抵抗負荷定格及び電動機負荷定格の両方をもつスイッチは,全抵抗負荷に全電動機負荷を加えた組
合せ負荷を開閉するには適さない。このスイッチは,抵抗負荷電流及び電動機定常電流の6倍とのベクト
ル和が,抵抗負荷電流定格又は電動機負荷定格の6倍のうちいずれか大きい方を超えないという条件で,
組合せ負荷を開閉するために使用することができる。この抵抗負荷電流及び電動機の定常電流のベクトル
和は,抵抗負荷電流定格を超えてはならない。
注記 一例は,同一セットの接点が,ヒーター及び電動機の両方を組み込んだファンヒーターの中の
一つの回路を制御するスイッチである。
D.3.3 抵抗負荷定格及び電動機負荷定格の両方をもつスイッチは,白熱電球及び容量負荷の定常負荷電流
が,抵抗負荷電流定格の10 %又は電動機負荷定格の60 %のうち,いずれか大きい方を超えないという条
件で使用してもよい。
D.3.4 電動機負荷定格だけをもったスイッチは,次のいずれかのようにも分類することができる。
− 抵抗負荷は電動機負荷に等しいと製造業者が指定することによって,7.2.2に適合。
− 製造業者が指定した特定負荷用として,7.2.5に適合。

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D.4 容量と抵抗負荷との組合せ負荷定格
注記 テレビジョン及びラジオの中の回路が一例である。
D.5 製造業者が指定した特定負荷定格
注記1 蛍光灯負荷及び力率0.6未満の誘導負荷は,一例である。
注記2 機器の中に付けて提出されたスイッチは,その機器の回路を使用して試験する。製造業者が
指定した特定負荷として,7.2.5に分類することができる。
D.6 20 mA以下の電流定格
注記 この例は,放電管表示器及び他の信号表示灯を制御するスイッチである。
D.7 一般用途負荷
D.7.1 一般用途の負荷電流定格は誘導負荷を用い,力率は0.750.8である。
D.7.2 この誘導負荷は一般的な用途とし,電動機又はランプ負荷には適用されない。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 87] ―――――

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附属書E
(規定)
定格インパルス耐電圧,定格電圧及び過電圧カテゴリ間の関係
定格インパルス耐電圧,定格電圧及び過電圧カテゴリ間の関係は,表E.1による。
表E.1−低電圧用のスイッチの定格インパルス耐電圧
電源システムの公称電圧a) 公称電圧から出る電圧線− 定格インパルス耐電圧b) )
V 中性線間の交流又は直流電圧 kV
三相 単相 V 過電圧カテゴリ
I II III
50 0.33 0.5 0.8
100 d) 0.5 0.8 1.5
100,100/200 150 d) 0.8 1.5 2.5
200 300 1.5 2.5 4.0
注記1 定義の情報としてJIS C 60664-1:2009の4.3.3.2.2の過電圧カテゴリ参照。
注記2 一般的に機器のスイッチは,過電圧カテゴリIIに分類される。過電圧カテゴリIは,機器の内部に過
渡過電圧に対する特別な予防策が組み込まれている場合に適用される。
注a) “ / ”は,単相3線のシステムについて明示する。最低値は,電圧線−中性線。最高値は,電圧線間。
b) これらの定格インパルス耐電圧をもったスイッチは,JIS C 0365に従った設備に使用できる。
c) スイッチ端子での過電圧のスイッチ容量については,定格インパルス耐電圧が関連する機器の規格及び
製造業者の取扱説明書に従って使用されるとき,この値を超えた過電圧が発生してはならないというこ
とを意味する。
d) 我が国においては,給電系統の公称(対地)電圧100 Vは,150 Vの欄を適用する。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 88] ―――――

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附属書F
(規定)
汚損度
環境は,絶縁体に及ぼす汚染の影響を決定する。しかし,マクロ環境は,ミクロ環境を検討するときに,
考慮に入れなければならない。
一般的に,マクロ環境はスイッチの外側にあり,ミクロ環境はスイッチの内部にある。
スイッチの中で,特定汚損度について設計された,きょう(筐)体又はシーリングは,低い汚損度に適
切な空間距離及び沿面距離の利用ができるように設けることができる。汚染を減少させるための手段は,
スイッチを結露にさらしたときに,有効でないことがある。
小さな空間距離は,固体粒子,ほこり(埃)及び水によって完全に橋絡することができるので,ミクロ
環境で汚染が存在することのある箇所には最小空間距離を規定する。
注記 汚染は,湿気の存在で導電性になる。汚染された水,ばい(煤)煙,金属又は炭素粉末によっ
て引き起こる汚染は,本質的に導電性である。
沿面距離及び空間距離を評価するために,ミクロ環境において,次の三つの汚損度が規定されている。
− 汚損度1 汚染なし又は乾燥だけの,非導電性汚染が起こる。この汚染は影響しない。
− 汚損度2 時折結露によって引き起こされた暫定的導電性が予期される点は除き,非導電性汚染だけ
が起こる。
− 汚損度3 導電性汚染又は乾燥非導電性汚染が起こる。これは予期される結露によって導電性になる。
イオン化気体及び金属蒸着による導電性汚染は,スイッチのアークチャンバで発生することがある。こ
の種の汚染では,汚損度は規定しない。安全面は,箇条17の試験中に判定する。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 89] ―――――

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附属書G
(規定)
インパルス電圧試験
この試験の目的は,空間距離が規定の過渡過電圧に耐えることを確認することである。インパルス耐電
圧試験は,IEC 60060-1に規定した1.2/50 秒の波形をもつ電圧で実施し,空電を起源とする過電圧を模擬
することを意図している。低電圧装置の切換えによる過電圧もカバーする。
この試験は,パルスとパルスとの間が1秒以上の間隔で,各極性が最低三つのインパルスに対して行わ
なければならない。
インパルスジェネレータの出力インピーダンスは,500 Ωを超えてはならない。試験回路両端に構成部
品を組み込んで試料を試験するときには,より低い出力インピーダンスを使用することができる。
試料内部にサージ抑制機能をもつときには,インパルスに次の特性がなければならない。
− 表G.1の値に等しい振幅の無負荷電圧に対しては波形1.2/50 秒。
− 適切なサージ電流に対しては波形8/20 秒。
試験電圧源の電圧波形は,試料がサージ抑制機能を装備しているかどうかにかかわらず適用可能である。
試料にサージ抑制機能をもつ場合には,インパルス電圧波を細断することもあるが,試料は,試験後に再
び動作する状態でなければならない。
試料にサージ抑制機能がなく,かつ,インパルス電圧に耐える場合には,波形は著しくひずまない。
表G.1−海抜0での空間距離を検証するための試験電圧
定格インパルス耐電圧 海抜0でのインパルス試験電圧
U U
kV kV
0.33 0.35
0.5 0.55
0.8 0.91
1.5 1.75
2.5 2.95
4.0 4.8
6.0 7.3
注記1 空間距離の試験を行うとき,組み合う固体絶縁にも試験電圧を加える。この表のインパルス試
験電圧は,定格インパルス耐電圧よりも増加しているので,固体絶縁はそれに応じて設計する
ことになる。この結果として,固体絶縁の耐インパルス容量を増加させなければならない。
注記2 試験は,2 000 m(80 kPa)の標高に一致した値に調整した気圧及び20 ℃の条件において,定
格インパルス耐電圧に一致した試験電圧で行ってもよい。この場合,固体絶縁は海抜0での試
験と同じ耐力要求にはならない。
注記3 空間距離の絶縁耐力の影響要素(空気圧,標高,温度及び湿度)に関する説明は,JIS C
60664-1:2009の6.1.2.2.1.3で規定される。

――――― [JIS C 4526-1 pdf 90] ―――――

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JIS C 4526-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61058-1:2016(MOD)

JIS C 4526-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4526-1:2020の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC4526-1-1:2020
機器用スイッチ―第1-1部:機械式スイッチの要求事項
JISC4526-1-2:2020
機器用スイッチ―第1-2部:電子式スイッチの要求事項
JISC5101-14:2014
電子機器用固定コンデンサ―第14部:品種別通則:電源用電磁障害防止固定コンデンサ
JISC60068-2-75:2019
環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
JISC60695-10-2:2018
耐火性試験―電気・電子―第10-2部:異常発生熱―ボールプレッシャー試験方法
JISC60695-11-10:2015
耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
JISC60695-11-20:2018
耐火性試験―電気・電子―第11-20部:試験炎―500W試験炎による燃焼試験方法
JISC60695-2-11:2016
耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
JISC61000-3-2:2019
電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器)
JISC61000-4-11:2008
電磁両立性―第4-11部:試験及び測定技術―電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験
JISC61000-4-2:2012
電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
JISC61000-4-3:2012
電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
JISC61000-4-4:2015
電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
JISC61000-4-5:2018
電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
JISC61000-4-8:2016
電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験
JISC6691:2019
温度ヒューズ―要求事項及び適用の指針
JISQ9000:2015
品質マネジメントシステム―基本及び用語