この規格ページの目次
- 制御用小形電磁リレーの試験方法
- 1. 適用範囲
- 2. 用語の定義
- 3. 基本的試験条件
- 3.1 試験の状態
- 3.2 標準試験電源
- 4. 電気的性能試験
- 4.1 絶縁抵抗試験
- 4.1.1 目的
- 4.1.2 装置
- 4.1.3 前処理
- 4.1.4 試験
- 4.1.5 個別規格に規定する事項
- 4.2 耐電圧試験(商用周波数)
- 4.2.1 目的
- 4.2.2 装置
- 4.2.3 前処理
- 4.2.4 試験
- 4.2.5 個別規格に規定する事項
- 4.3 耐電圧試験(インパルス電圧)
- 4.3.1 目的
- 4.3.2 印加電圧波形及び装置
- JIS C 5442:1996の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS C 5442:1996の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS C 5442:1996の関連規格と引用規格一覧
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C 5442-1996
制御用小形電磁リレーの試験方法
Test methods of low power electromagnetic relays for industrial control circuits
1. 適用範囲
この規格は,電子機器及び工業用制御回路の主として信号伝送に用いる制御用小形電磁リ
レー(1)(以下,リレーという)の試験方法について規定する。
注(1) 制御用小形電磁リレーとは,周波数50Hz又は60Hzの交流又は直流で電圧250V以下及び電流30A
以下の電気回路に使用するヒンジ形並びにリード形の電磁リレーをいう。
備考1. リレーは,電磁継電器ともいう。
2. この規格の引用規格を,付表1に示す。
3. この規格の国際対応規格を,次に示す。
IEC 255-7 (1991) Electrical relays. Part 7 : Test and measurement procedures for electromechanical
all-or-nothing relays
2. 用語の定義
この規格で用いる用語の定義は,JIS C 0010及びJIS Z 8115の規格によるほか,次によ
る。
(1) リレーの種類及び機能に関する用語
(a) 単安定リレー(シングルステイブルリレー) (Monostable relay)コイルに励磁入力を加えたとき
動作し,励磁入力を除去したとき復帰するリレー。
コイルに励磁入力を加えたとき動作又は復帰
(b) 双安定リレー(ラッチングリレー) (Bistable relay)
し,励磁入力を除去した後もその状態を保つリレー。一巻線形と二巻線形がある。
(c) 有極リレー (Polarized relay)コイルの励磁入力に極性があるリレー。
(d) 無極リレー (Non-polarized relay)コイルの励磁入力に極性がないリレー。
(e) 動作 リレーが復帰状態から動作状態に移行すること。この用語は,単安定リレーにも双安定リレ
ーにも適用される。
(f) 復帰 リレーが動作状態から復帰状態に移行すること。この用語は,単安定リレーにも双安定リレ
ーにも適用される。
(g) 動作状態 すべての常時閉路接点が開き,すべての常時開路接点が閉じ,機械的に安定している状
態。
(h) 保持状態 リレーを動作させた後,コイル電圧又は電流の変動幅内で,いかなる接点も復帰しない
状態。
(i) 復帰状態 すべての常時開路接点が開き,及び(又は)すべての常時閉路接点が閉じ,機械的に安
定している状態。
――――― [JIS C 5442 pdf 6] ―――――
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C 5442-1996
(j) 過渡状態 接点が,開離を始めバウンスを終了して,動作状態又は復帰状態になるまでの状態。
(k) 初期状態 初期無励磁又は復帰したリレーが無励磁になった状態。
(2) リレーの構成要素に関する用語
(a) 接点 (Contact) 電気回路の接続又は開閉する機能をもつ電気的接点。コンタクトともいう。
(b) コイル リレーを動作状態にし,又は保持状態に維持するための電磁力供給部分。
なお,これは,主に巻線で構成される。
(c) 接極子 コイルの励磁入力によって接点を駆動する可動磁性片。
(d) コイルサージ抑制部品 (Coil transient suppression device)サージ抑制のためにリレーコイルに接
続される部品。
なお,サージ抑制ダイオードは,コイルのサージ抑制部品の一例である。
(e) 極数 一操作で切り換えられる回路切換部の数。
(f) 単投 一つの接触位置でだけ回路を閉成する接点組。
(g) 双投 二つの接触位置をもち,それぞれの接触位置でそれぞれの回路を閉成する接点組。
(h) 常時開路接点 (Make contact) 復帰状態で開路となり,動作状態及び保持状態で閉路となる接点。
メーク接点又はa接点ともいう。
(i) 常時閉路接点 (Break contact)復帰状態で閉路となり,動作状態及び保持状態で開路となる接点。
ブレーク接点又はb接点ともいう。
(j) 切換接点 常時開路接点と常時閉路接点を共に備えた接点構造で,可動接点の導電部が共通の接点。
閉じる前に開く切換接点をトランスファー接点又はc接点,開く前に閉じる切換接点をコンテニア
ス接点(メークビフォア ブレーク接点)ともいう。
(3) リレーの特性に関する用語
(a) 動作(感動)電圧 リレーが動作する最小の電圧。
(b) 動作(感動)電流 リレーが動作する最小の電流。
(c) 復帰(開放)電圧 電圧を急激に降下又は徐々に減少させたとき,リレーが復帰する最大の電圧。
(d) 復帰(開放)電流 電流を急激に降下又は徐々に減少させたとき,リレーが復帰する最大の電流。
(e) 動作時間 (Operate time) リレーのコイルに定格の励磁入力を加えた時点から,接点が動作するま
での時間。ただし,複数個の接点をもつリレーの場合には,ほかに規定がなければ一番遅い接点が
動作するまでの時間とする。
(f) 復帰時間 (Release time) リレーのコイルに定格の励磁入力を取り除いた時点から,接点が復帰す
るまでの時間。ただし,複数個の接点をもつリレーの場合には,ほかに規定がなければ一番遅い接
点が復帰するまでの時間とする。
(g) 切換時間 (Transit time)閉じる前に開く切換接点の場合は,両方の接点回路が開いている時間。
開く前に閉じる切換接点の場合は,一つの接点回路が閉じる瞬間
(h) ブリッジ時間 (Bredging time)
と他の接点回路が開く瞬間との間の時間的間隔。
(i) バウンス (Bounce) リレーの可動部分(接極子)が鉄心やバックストップへ衝突したり,又は接
点相互が衝突することによって生じる衝撃,振動などに起因する接点間の異常な間欠的開閉現象。
(j) チャタリング リレーに加わる外部からの衝撃,振動などに起因する接点間の異常な間欠開閉現象。
(k) 開閉現象 接点が開路状態及び閉路状態を交互に繰り返す現象。ここでの開路状態とは,境界抵抗
を福間内接触抵抗値に対して,抵抗比が106以上になったときをいい,それ未満を閉路状態という。
(l) うなり 交流リレーの場合,磁極間の整合状態によって動作状態及び保持状態での発生する騒音。
――――― [JIS C 5442 pdf 7] ―――――
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(m) 静的接触抵抗 接点が安定に閉じた状態での,接触部の電気抵抗。
(n) 動的接触抵抗 接点の連続開閉中での,接触部の電気抵抗。
(o) 閉路期間 連続開閉中の接点が接触を開始してから開離するまでの期間。
(p) 定格電圧 リレーを通常使用するために,コイルに加わる基準となる電圧。
(q) 定格電流 リレーを通常使用するために,コイルに加わる基準となる電流。
(r) 定格接点電圧 リレーを通常使用する場合,その接点が開閉できる基準となる負荷電圧。
(s) 定格接点電流 リレーを通常使用する場合,その接点が開閉できる基準となる負荷電流。
(t) 定格通電電流 接点を開閉することなしに,温度上昇限度を超えることなく連続して開閉部に通電
できる電流。
(u) 定格絶縁電圧 絶縁設計の基準となる電圧。
(v) 使用率 1時間中の総通電時間の総和の1時間に対する比。パーセント (%) で表す。
参考 括弧の中の英文は,IEC 255-7に用いられている用語である。
3. 基本的試験条件
3.1 試験の状態
試験の状態は,次による。
(1) 標準状態 試験及び測定は,規定がない限り,JIS C 0010の5.3[測定及び試験のための標準大気条件
(標準状態)]での標準状態(温度1535℃,相対湿度2575%,気圧86106kPa)のもとで行う。
ただし,この標準状態での測定による判定に疑義が生じた場合,又は要求された場合は(3)による。
なお,標準状態で測定することが困難な場合は,判定に疑義が生じない限り,標準状態以外の状態
で試験や測定を行ってもよい。
(2) 基準状態 基準状態は,JIS C 0010の5.1[標準基準大気条件(基準状態)]での基準状態(温度20℃,
気圧101.3kPa)とする。ただし,温度だけで基準状態としてもよい。
(3) 判定状態 判定状態は,JIS C 0010の5.2[判定測定,及び判定試験のための標準大気条件(判定状態)]
での温度20±1℃,湿度6367%,気圧86106kPaとするか,又は温度23±1℃,相対湿度 (50±2) %
とする。
3.2 標準試験電源
リレーの特性測定のための電源は,規定がない限り表1による。
表1 標準試験電源
項目 直流電流 交流電流
(1) 電圧変動 ±2%以内
(2) 電流変動 ±2%以内
(3) 周波数変動 − ±2%以内
(4) リプル率(2) 3%以下 −
(5) 波形率 − 0.951.25
Umax Udc
注(2) r
Udc
ここに, r : リプル率
Umax : 脈流の最大電圧
Udc : 直流電圧(平均値)
4. 電気的性能試験
――――― [JIS C 5442 pdf 8] ―――――
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4.1 絶縁抵抗試験
4.1.1 目的
この試験は,開路状態にしたリレーに直流電圧を加えたとき,絶縁部分の表面及び体積方向
に流れる漏れ電流を検知し,その抵抗値を測定することを目的とする。
4.1.2 装置
装置は,JIS C 1302及びJIS C 1303に規定する絶縁抵抗計又はこれらと同等以上のものとす
る。
なお,試験電圧は表2による。
表2 試験電圧
単位 V
リレーの定格絶縁電圧 試験電圧
30以下 100
30を超え 60以下 250
60を超え 250以下 500
4.1.3 前処理
試験に先立って,供試リレーを3.1(1)標準状態に30分間以上放置する。
4.1.4 試験
試験は,次の箇所に試験電圧を印加後,抵抗値が一定値となったとき,又は電圧を印加後少
なくとも5秒経過後の抵抗値をとることとする。ただし,判定に疑義を生じない場合は,印加直後に測定
してもよい。
なお,同一箇所を2回以上測定することが規定されている場合には,必ず極性を同一にする。
(1) リレーの端子と露出した非充電金属部との間
(2) リレーの端子相互間
4.1.5 個別規格に規定する事項
個別規格には,次の事項を規定する。
(1) 絶縁抵抗の測定回数(4.1.4参照)
4.2 耐電圧試験(商用周波数)
4.2.1 目的
この試験は,リレーに用いる絶縁材料や部品の間隔が適切であり,一時的な電圧に耐え,し
かもその後支障なく使用できるかどうかを調べることを目的とする。
4.2.2 装置
装置は,一般に耐電圧用として作られた正弦波又はこれに近い波形の交流50Hz又は60Hz
の試験電圧を発生させることができる電力容量500VA以上の耐電圧試験器で,負荷条件によって著しい波
形ひずみや電圧変動を生じないものとする。
4.2.3 前処理
試験に先立って,供試リレーを3.1(1)標準状態で30分間以上放置する。
なお,絶縁抵抗試験と合わせてこの試験を行う場合は,絶縁抵抗試験を先に行い,前処理を省略しても
よい。
4.2.4 試験
試験は,次の箇所に表3に示す試験電圧を印加したとき供試リレーにフラッシュ試験電圧の
1以下の電圧を加え,電圧計の指示を読みながら規定の試験電圧まで徐々に上昇させ,試験電圧に達した
3
後1分間保持する。ただし,判定に疑義を生じない場合は,試験電圧の110%を1秒間加えて試験しても
よい。
(1) リレーの端子と露出した非充電金属部との間
(2) リレーの端子相互間
――――― [JIS C 5442 pdf 9] ―――――
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C 5442-1996
表3 試験電圧
単位 V
試験電圧(実効値)
250 500 1 000 1 500 2 000 2 500 3 000 4 000 5 000
4.2.5 個別規格に規定する事項
個別規格には,次の事項を規定する。
(1) 試験電圧(4.2.4参照)
(2) 電圧印加時間(1分間以外の場合)(4.2.4参照)
(3) 漏れ電流
4.3 耐電圧試験(インパルス電圧)
4.3.1 目的
この試験は,リレーに用いる絶縁材料や部品の間隔が適切であり,一時的なインパルス状の
過電圧に耐え,しかもその後支障なく使用できるかどうかを調べることを目的とする。
4.3.2 印加電圧波形及び装置
この試験に用いる装置は,図1及び表4に規定するインパルス波を発生す
るもので,その回路の一例を図2に示す。
なお,波高値Upは,表5のとおりとする。
実際の試験では図1(2)のように多少ひずんだ波形となる場合がある。この場合には波高値の30%に達し
た点(A点)及び90%に達した点(B点)の間の時間(図の直線AB間)を0.6で割った値をtrとし,直
線ABが時間軸と交わる点(0点)をインパルス波の開始点とする。
また,図1(3)のように最高波高値付近に振動電圧が重なる場合もあるが,この場合には,振動の振幅の
中央を通る曲線を図の破線のように引いてその波高値(P点)を求め,図1(2)の場合と同様にしてtf及び
trを求める。
表4 電圧波形の形状パラメータ
波形の種類 tf tr
A 1.2 30% 50 20%
B 10 30% 160 20%
C 10 30% 700 20%
D 100 30% 700 20%
表5 電圧波高値(標準値)
単位 kV
0%
波高値 (Up)
−10
1 1.5 2 5 10
――――― [JIS C 5442 pdf 10] ―――――
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JIS C 5442:1996の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60255-7:1991(NEQ)
JIS C 5442:1996の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 5442:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0025:1988
- 環境試験方法(電気・電子)温度変化試験方法
- JISC1302:2018
- 絶縁抵抗計
- JISC1303:1972
- 高絶縁抵抗計
- JISC1601:1983
- 指示熱電温度計
- JISC1603:1983
- 指示抵抗温度計
- JISC2809:2014
- 平形接続子
- JISC3301:2000
- ゴムコード
- JISC3306:2000
- ビニルコード
- JISC3307:2000
- 600Vビニル絶縁電線(IV)
- JISC5003:1974
- 電子部品の故障率試験方法通則
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-17:2001
- 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-20:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-20部:試験―試験T―端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-21:2009
- 環境試験方法―電気・電子―第2-21部:試験―試験U:端子強度試験方法
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-3:1987
- 環境試験方法(電気・電子)高温高湿(定常)試験方法
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC60068-2-38:2013
- 環境試験方法―電気・電子―第2-38部:温湿度組合せ(サイクル)試験方法(試験記号:Z/AD)
- JISC60068-2-52:2020
- 環境試験方法―電気・電子―第2-52部:塩水噴霧サイクル試験方法(塩化ナトリウム水溶液)(試験記号:Kb)
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISK8101:2006
- エタノール(99.5)(試薬)
- JISK8839:2007
- 2-プロパノール(試薬)
- JISZ3282:2017
- はんだ―化学成分及び形状
- JISZ8115:2019
- ディペンダビリティ(総合信頼性)用語