JIS M 8203:2017 マンガン鉱石―分析方法通則 | ページ 2

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なお,試料の保管に際しては,試料が変質を起こさないように温度,直射日光,水分などの影響のない
場所に保管する。

5.2 成分試験試料のはかりとり

5.2.1  含有率算出基準
マンガン鉱石の各成分の含有率は,乾量基準(105 ℃で恒量となるまで乾燥した試料の質量を基準にし
た品質特性の算出基準)によって求める。そのため,成分試験試料は,105 ℃で乾燥するか,又は105 ℃
で乾燥したときに揮散する水分量を補正して,そのはかりとり量を決定する。
5.2.2 成分試験試料のはかりとり方法
成分試験試料は,5.1で採取,調製及び保管した成分試験試料を室内に放置して,室内条件で平衡させた
もの(以下,大気平衡試料という。)又は105110 ℃で乾燥したものとする。試料をはかりとる前に混合
するなどして,はかりとった試料の組成が成分試験試料の平均組成となるようにする。はかりとった試料
の質量がマンガン鉱石分析方法規格群の各定量方法規格に規定しているはかりとり量の表示桁に丸めたと
きに規定を満たすようにはかりとり,その質量を0.1 mgの桁まで読み取る。ただし,熱的分析方法などマ
ンガン鉱石分析方法規格群の各定量方法規格に読取り桁数が規定されている場合には,その規定に規定し
た桁までの読取りでよく,この場合に用いるはかりは,4.1 c)の規定を満たさなくてもよい。
5.2.3 吸湿水補正方法
大気平衡試料を用いて分析する場合には,各成分の定量と併行して,試料2個を用いて附属書JAに従
って吸湿水含有率を求め,得られた2個の値を平均して吸湿水含有率とする。ただし,りん,硫黄,銅及
びほう素含有率の定量の場合には,試料1個でよい。
各成分含有率を乾量基準に換算するためには,換算係数Kを次の計算式を用いて小数第3位まで求め,
Kを分析値に乗じて,水分量を補正する。
K
A
ここに, A : 附属書JAに従って定量した吸湿水含有率[%(質量分率)]

6 分析値のまとめ方

6.1 空試験

  分析においては,全操作を通じて空試験を行い,分析値を補正する。

6.2 分析回数

  分析回数は,同一成分試験試料について室内再現条件で2回実施する。

6.3 分析値の採択

  7.2の分析値の精確さの検討,特に7.2.1の真度の検討を行って検討結果が満足できる場合にだけ分析値
を採択することが望ましい。

6.4 分析値の表示

  分析値は,はかりとった試料の質量に対する質量分率で表し,百分率を示す%を用いて表示する。
分析値の報告桁は,分析方法の精度を考慮して決定するか又は表1による。数値の丸め方は,JIS Z 8401
による。

――――― [JIS M 8203 pdf 6] ―――――

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表1−分析値の表示桁数
成分名 小数点以下の表示桁数
化合水 第2位
マンガン
活性酸素

けい素
アルミニウム
カルシウム
ナトリウム
カリウム
マグネシウム
りん 第3位
硫黄

ほう素

7 許容差の取扱い方

7.1 許容差

  許容差は,マンガン鉱石分析方法規格群の各定量方法規格に規定する。マンガン鉱石分析方法規格群に
許容差を規定していない場合には,7.3による。

7.2 分析値の精確さの検討

7.2.1  真度の検討
分析試料と化学特性とが近似し,認証値が成分試験試料の予想含有率に近い認証標準物質を一つ選んで,
分析試料と併行して分析し,得られた認証標準物質の分析結果と認証値との差の絶対値が,その分析方法
規格の対標準物質許容差を超えなければ,同時に分析して得られた分析試料の分析値の真度は,満足でき
るものと判断する。複数の組成の異なる試料について,分析操作が同一の場合は,それらの試料に対し,
一つの認証標準物質によって真度の検討を行ってもよい。
対標準物質許容差の求め方は,次のいずれかによる。
a) 各定量方法規格に対標準物質許容差が規定されている場合 対標準物質許容差は,その規定に従う。
b) 各定量方法規格に対標準物質許容差の規定がなく,室間再現許容差が規定されている場合 対標準物
質許容差C(質量分率)は,次のいずれかの方法によって求める。室間再現許容差が式で規定されて
いる場合は,室間再現許容差の式に認証値を代入して室間再現許容差を求め,得た値に0.357 1(=
1.0/2.8)を乗じた値を室間再現標準偏差として式(1)又は式(2)に代入して対標準物質許容差Cを求める。
室間再現許容差が数値の表で示されている場合は,認証値における室間再現許容差を補間法によって
求め,得た値に0.357 1(=1.0/2.8)を乗じた値を室間再現標準偏差として式(1)又は式(2)に代入して対
標準物質許容差Cを求める。
なお,補間法とは,例えば,隣り合った2点間に一次式を求め,この一次式から許容差を近似する
ことをいう。
1) 使用した認証標準物質の認証書に個々のデータが記載され,認証値決定時の分析値の標準偏差が求
められる場合は,式(1)によって求める。

――――― [JIS M 8203 pdf 7] ―――――

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sC 2
C 2 sR (1)
NC
ここに, sC : 試料と併行して分析した認証標準物質の認証値決定時の分
析の標準偏差(標準偏差を求める個々のデータは,認証値決
定試験参加分析室ごとの平均値)(質量分率)
NC : 用いた標準物質の認証値決定試験参加分析室数
sR : 室間再現標準偏差(質量分率)
2) 使用した認証標準物質の認証書に個々のデータの記載がなく,不確かさの値だけが記載されている
場合は,式(2)によって求める。
2
C 2 (UCRM / k) 2
sR (2)
ここに, UCRM : 使用した認証標準物質の認証値の不確かさ
k : 包含係数。JIS K 0211に規定され,拡張不確かさを得るため
に合成標準不確かさに乗じる係数で,通常は23の値をと
る。
c) 各定量方法規格に対標準物質許容差及び室間再現許容差が規定されていない場合 式(3)において
mCRMに認証値[%(質量分率)]を入れて室間再現標準偏差を求め,その値をb)の式(1)又は式(2)に代
入して対標準物質許容差Cを求める。
なお,各定量方法規格に併行許容差だけが数値の表で規定されている場合には,認証値における併
行許容差を補間法によって求め,1.2倍して,室間許容差とし,7.2.1 b)に従って,対標準許容差を求
めてもよい。
0.633 8
sR 0.023 1mCRM (3)

7.3 許容差が規定されていない場合の取扱い方

  分析方法規格に許容差又は分析精度が規定されていない場合の許容差,又は分析方法規格の定量範囲に
対して許容差若しくは分析精度の適用範囲が狭い場合の適用範囲外の許容差は,次の式によって算出する。
a) 室内再現許容差
0.628 9
Rw 0.028 8m1 (4)
ここに, Rw : 室内再現許容差[%(質量分率)]
m1 : 室内再現許容差を求める二つの分析結果の平均値[%(質量分
率)]
b) 室間再現許容差
0.633 8
R 0.064 7 m2 (5)
ここに, R : 室間再現許容差[%(質量分率)]
m2 : 室間再現許容差を求める二つの分析結果の平均値[%(質量分
率)]

7.4 許容差の判定方法

  室内再現許容差及び室間再現許容差の判定は,各々の分析結果の報告桁を報告桁の一番少ない結果に合
わせてその差を求め,許容差も分析結果の報告桁に丸めて比較する。対標準物質許容差の判定は,分析結
果の報告桁を認証値の表示桁に合わせてから認証値との差を求めて比較する。ただし,分析結果の報告桁
数が少なく,認証値の表示桁に合わせることができない場合は,認証値及び許容差を分析結果の報告桁に
丸めて比較する。
許容差を分析結果の報告桁に丸めるとゼロとなる場合は,その報告桁の値が1となる値を許容差とする。

――――― [JIS M 8203 pdf 8] ―――――

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8 定量値の計量計測トレーサビリティ

  マンガン鉱石分析方法規格群によって得た定量値は,7.2.1に規定された真度を満足していれば,適用し
た分析法の国際単位系(SI)への計量計測トレーサビリティが得られている。

9 マンガン鉱石分析方法規格群の規格の様式

  マンガン鉱石分析方法規格群の規格の様式及び作成方法は,JIS Z 8301によるが,細部については,JIS
G 1301の附属書A(フェロアロイ分析方法規格群の規格作成における参考情報)を参照して作成すること
が望ましい。

――――― [JIS M 8203 pdf 9] ―――――

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附属書JA
(規定)
成分試験試料中の吸湿水分定量方法
JA.1 原理
あらかじめ大気中で平衡とした分析試料を,105110 ℃の電気乾燥器中で恒温になるまで乾燥して,そ
の減量を求める。
JA.2 装置
JA.2.1 ひょう量びん 蓋付きのもの。
JA.2.2 電気乾燥器 105110 ℃を維持できるもの。
JA.3 試料
試料採取方法及び調製方法は,JIS M 8108による。試料は,大気平衡試料を用いる。
注記 試料採取方法及び調製方法の国際規格はISO 4296-1:1984及びISO 4296-2:1983である。
JA.4 操作
JA.4.1 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,2.0 gとする。
JA.4.2 操作
操作は,次の手順によって行う。
a) 105110 ℃に調節した電気乾燥器(JA.2.2)であらかじめ乾燥したひょう量びん(JA.2.1)を蓋とと
もに0.1 mgの桁まではかる。
b) )で乾燥したひょう量びんに試料をとり,蓋とともに0.1 mgの桁まではかる。この質量から,a)で求
めたひょう量びん及び蓋の質量を差し引いて,はかりとった試料の質量を求める。
c) 試料の入ったひょう量びんを,蓋とともに105110 ℃に調節した電気乾燥器(JA.2.2)中で,約2
時間放置する。ひょう量びんの蓋をして,デシケーター中で2030分間放冷する。ひょう量びんを蓋
とともにデシケーターから取り出し,僅かに蓋を開け,再び直ちに閉じて質量をはかる。
d) )の操作を恒量(質量差が0.3 mg以下)になるまで繰り返す。
JA.5 結果の表示
JA.5.1 計算
吸湿水含有率[%(質量分率)]は,次の式を用いて計算する。
(m2 m3 )100
A
m1
ここに, A : 吸湿水分含有率[%(質量分率)]
m1 : 試料はかりとり量(g)
m2 : 乾燥前のはかりとり試料,ひょう量びん及び蓋の質量(g)
m3 : 乾燥後のはかりとり試料,ひょう量びん及び蓋の質量(g)

――――― [JIS M 8203 pdf 10] ―――――

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JIS M 8203:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4297:1978(MOD)

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