JIS S 1049:2020 棚・収納家具を搭載した移動ラック

JIS S 1049:2020 規格概要

この規格 S1049は、棚及び/又は収納家具を収納部として搭載した,全高3・000 mm以下の移動ラックについて規定。ただし,収納部の下部にキャスターを取り付けただけのもの及びJIS Z 0620に規定するパレットラック用電動式移動ラックを除く。ここで,棚及び/又は収納家具とは,JIS S 1039による書架・物品棚及び/又はJIS S 1033によるオフィス用収納家具を台車部に搭載できる仕様にしたものをいう。また,移動ラックとは,収納部,台車部及び走行レール部からなり,ラックユニットを並べて構成するもので,主に,書庫,オフィス,倉庫などで,収納及び保管を目的として使用されるものをいう。

JISS1049 規格全文情報

規格番号
JIS S1049 
規格名称
棚・収納家具を搭載した移動ラック
規格名称英語訳
Movable racks with shelves and storage furniture
制定年月日
2020年8月20日
最新改正日
2020年8月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

97.140
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2020-08-20 制定
ページ
JIS S 1049:2020 PDF [32]
                                                                                   S 1049 : 2020

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  3.1 移動ラックの構成に関する用語・・・・[2]
  •  3.2 移動ラックの走行に関する用語・・・・[4]
  •  4 種類・・・・[6]
  •  4.1 形式による分類・・・・[6]
  •  4.2 用途による分類・・・・[6]
  •  5 寸法・・・・[7]
  •  6 品質・・・・[7]
  •  6.1 外観・・・・[7]
  •  6.2 性能・・・・[7]
  •  7 構造・・・・[9]
  •  7.1 一般・・・・[9]
  •  7.2 各部の構造・・・・[9]
  •  8 制御及び安全対策・・・・[13]
  •  8.1 一般・・・・[13]
  •  8.2 制御・・・・[13]
  •  8.3 安全対策・・・・[13]
  •  9 試験・・・・[15]
  •  9.1 一般・・・・[15]
  •  9.2 強度及び耐久性の試験・・・・[15]
  •  9.3 走行試験・・・・[18]
  •  9.4 表面処理試験・・・・[19]
  •  10 検査方法・・・・[21]
  •  10.1 製品検査・・・・[21]
  •  10.2 試運転検査・・・・[21]
  •  11 表示・・・・[21]
  •  12 取扱説明書・・・・[21]
  •  13 施工及び保守・・・・[22]
  •  附属書A(参考)移動ラックの寸法表示・・・・[23]
  •  附属書B(参考)転倒防止装置に作用する力の計算方法・・・・[24]
  •  附属書C(参考)施工及び保守の運用方法・・・・[26]
  •  附属書D(参考)危険源,危険状態及び対策に関する事項・・・・[27]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS S 1049 pdf 1] ―――――

           S 1049 : 2020

まえがき

  この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本オフィス家具協会(JOIFA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出
があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS S 1049 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                              S 1049 : 2020

棚·収納家具を搭載した移動ラック

Movable racks with shelves and storage furniture

1 適用範囲

 この規格は,棚及び/又は収納家具を収納部として搭載した,全高3 000 mm以下の移動ラックについ
て規定する。ただし,収納部の下部にキャスターを取り付けただけのもの及びJIS Z 0620に規定するパレ
ットラック用電動式移動ラックを除く。
  ここで,棚及び/又は収納家具とは,JIS S 1039による書架·物品棚及び/又はJIS S 1033によるオフ
ィス用収納家具を台車部に搭載できる仕様にしたものをいう。また,移動ラックとは,収納部,台車部及
び走行レール部からなり,ラックユニットを並べて構成するもので,主に,書庫,オフィス,倉庫などで,
収納及び保管を目的として使用されるものをいう。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS A 1531 家具−常温液体に対する表面抵抗の試験方法
    JIS A 5549 造作用接着剤
    JIS A 5905 繊維板
    JIS A 5908 パーティクルボード
    JIS B 9700 機械類の安全性−設計のための一般原則−リスクアセスメント及びリスク低減
    JIS B 9705-1 機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第1部 : 設計のための一般原則
    JIS B 9960-1 機械類の安全性−機械の電気装置−第1部 : 一般要求事項
    JIS B 9961 機械類の安全性−安全関連の電気·電子·プログラマブル電子制御システムの機能安全
    JIS H 8610 電気亜鉛めっき
    JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき
    JIS K 5961 家庭用屋内木床塗料
    JIS K 5962 家庭用木部金属部塗料
    JIS S 1033 オフィス家具−収納家具
    JIS S 1039 書架·物品棚
    JIS Z 0110 産業用ラック用語
    JIS Z 0620 産業用ラック
    JIS Z 1522 セロハン粘着テープ
    JIS Z 2101 木材の試験方法
    JIS Z 8703 試験場所の標準状態

――――― [JIS S 1049 pdf 3] ―――――

           2
S 1049 : 2020
    JAS 1083 製材の日本農林規格
    合板の日本農林規格
    集成材の日本農林規格
    単板積層材の日本農林規格

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 1039,JIS S 1033及びJIS Z 0110によるほか,次による。
移動ラックの全体図(軌条式の例)を図1に,連及び列の構成例を図2に示す。

3.1 移動ラックの構成に関する用語

3.1.1
ラックユニット
  移動ラックの1列を構成するもの。移動ユニット及び固定ユニットの二通りがある。
3.1.1.1
移動ユニット
  ラックユニットのうち,走行する単位体。走行台車に収納部を搭載したもの。
3.1.1.2
固定ユニット
  移動ユニットから,走行に関わる機能を取り除いたもの。収納部と台枠とからなり,移動ラックの端部
などに設置される。
3.1.1.3
間口
  物品を出し入れする側。間口に平行な向きを間口方向という。
3.1.1.4
連
  収納部の間口方向の数え方の単位(図2参照)。
3.1.1.5
奥行き
  間口方向に対して直角な方向の側。奥行きに平行な向きを奥行き方向という。
3.1.1.6
列
  収納部の奥行き方向の数え方の単位(図2参照)。
3.1.2
収納部
  移動ラックにおける,物品などを収納する部分。棚及び収納家具の二通りがある。
3.1.2.1
棚
  支柱,ビーム,棚板,棚板支持具などの主要部材を組み合わせて構成する収納部。
3.1.2.2
収納家具
  天板,地板,側板,背板などの主要部材を組み合わせて構成する箱形構造の収納部。

――――― [JIS S 1049 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
                                                                                   S 1049 : 2020
3.1.2.3
支柱
  収納部の荷重を支えるための垂直材。
3.1.2.4
ビーム
  棚を構成する間口方向のはり材。
3.1.2.5
棚板
  収納部における,積載を目的とする板状の部材。固定式及び調節式がある。
3.1.2.6
棚板支持具
  棚板を支える部材。棚受ともいう。
3.1.2.7
上板(うわいた),天板
  収納部の最上部に取り付ける板状の部材。棚に取り付けるものを上板といい,収納家具に取り付けるも
のを天板という。いずれも収納を目的としない。
3.1.2.8
地板
  収納家具の最下部に取り付ける水平部材。収納を目的とする。
3.1.3
台車部
  ラックユニットの収納部を搭載する部分。走行台車と固定台車とがあり,これらを総称して台車という。
3.1.3.1
台枠
  台車部の基礎となる部分。収納部を支える構造をもつ。
3.1.3.2
走行台車
  移動ユニットの台車部。台枠,駆動装置,走行車輪などからなる,走行を目的とする台車。
3.1.3.3
固定台車
  固定ユニットの台車部。台枠に床固定用の部材をもつ,走行を目的としない台車。
3.1.4
走行レール部
  軌条式の移動ラックを設置する床面及び走行レールの総称。
3.1.4.1
走行レール
  軌条式の移動ユニットを走行させるため,床面に敷設するレール。
3.1.4.2
床面
  移動ラックを設置する面。

――――― [JIS S 1049 pdf 5] ―――――

           4
S 1049 : 2020

3.2 移動ラックの走行に関する用語

3.2.1
軌条式
  床面に敷設した走行レール上に,移動ユニットを走行させる形式。
3.2.2
無軌条式
  床面に走行レールを敷設せず,直接床面上に,移動ユニットを走行させる形式。
3.2.3
電動式
  モータの動力によって,移動ユニットを走行させる形式。
3.2.4
手動式
  人の力によって,移動ユニットを走行させる形式。ハンドル式及び押し引き式の二通りがある。
3.2.4.1
ハンドル式
  手動式のうち,回転ハンドルなどの操作装置によって力を伝え,走行させる形式。
3.2.4.2
押し引き式
  手動式のうち,取っ手などを用い,直接移動ユニットを押し引きし,走行させる形式。手押し式又は手
引き式ともいう。間口方向に走行させる横引き式,及び奥行き方向に走行させる縦引き式の二通りがある。
3.2.5
走行装置
  移動ユニットの走行に関わる装置(図3参照)の総称。走行台車,駆動装置,操作装置,走行レールな
どからなる。
3.2.5.1
走行車輪
  移動ユニットを走行させる車輪及び車軸。走行台車の台枠に取り付ける。
3.2.5.2
操作装置
  移動ユニットの起動,走行及び停止を操作する装置。電動式の場合は,操作スイッチ,手動式の場合は,
回転ハンドル,取っ手などをいう。

――――― [JIS S 1049 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
                                                                                   S 1049 : 2020
1 操作スイッチ
2 通路進入検知装置
3 障害物検知装置
4 駆動装置
   [モータ,シャフト(駆動軸,伝動軸など),スプロケットなど]
                             図1−移動ラックの全体図(軌条式の例)

――――― [JIS S 1049 pdf 7] ―――――

           6
S 1049 : 2020
                                                          1 固定ユニット
                                                          2 移動ユニット
                                                          3 ストッパ(台車 緩衝材)
                          a) 移動ラックの配列図の例(固定1列·移動5列)
             b) 収納部が棚の3連図例             c) 収納部が収納家具の3連図例(1連目片側の扉開放)
                               図2−移動ラックの連及び列の構成例

4 種類

4.1 形式による分類

  形式による分類は,次による。形式記号は,表1による。
a) 走行レールの有無によって,軌条式と無軌条式とに区分する。
b) 駆動方式は,電動式又は手動式とし,手動式は,ハンドル式又は押し引き式とする。
                                       表1−形式よる分類
                           区分     形式記号         駆動方式
                        軌条式         A     電動式
                                        B     手動式   ハンドル式
                                        C               押し引き式
                        無軌条式       D     電動式
                                        E     手動式   ハンドル式

4.2 用途による分類

  用途による分類は,次による。種類及び積載質量は,表2による。

――――― [JIS S 1049 pdf 8] ―――――

                                                                                             7
                                                                                   S 1049 : 2020
                                      表2−用途による分類
                  区分          種類             棚板1段当たりの積載質量a)
              棚 書架          1種       40 kgに耐えるもの
                                 2種       60 kgに耐えるもの
                                 3種       80 kgに耐えるもの
                  物品棚        4種       100 kgに耐えるもの
                                 5種       150 kgに耐えるもの
                                 6種       200 kgに耐えるもの
                                 7種       250 kgに耐えるもの
                                 8種       300 kgに耐えるもの
                                 9種       350 kgに耐えるもの
                                 10種      400 kgに耐えるもの
                                 11種      450 kgに耐えるもの
                                 12種      500 kgに耐えるもの
              収納家具          13種      dm2当たり1.5 kgに耐えるもの
              注a) 棚板1段当たりの積載質量に棚数を乗じた値を最大積載質量とする。

5 寸法

  移動ラック各部の寸法は,実寸法又は呼び寸法によることとし,受渡当事者間の協定による。移動ラッ
クの寸法表示方法を,参考として附属書Aに示す。

6 品質

6.1 外観

6.1.1 収納部及び台車部
  収納部及び台車部の外観は,次を満足しなければならない。
a) きず,くるい,さび,曲がり,ねじれ,凹凸などの著しい欠陥がない。
b) 人体及び衣類に触れる部分には,鋭い角,突起及びささくれがない。
c) 塗装面の見えがかり部分には,塗りむら,たれなどがなく,光沢及び色調にばらつきがない。
d) 接合及び結合部には,ひずみ,隙間,緩み,溶接不良などの使用上有害な欠陥がない。
6.1.2 走行レール部
  走行レール部の外観は,表面処理を含め,受渡当事者間の協定による。

6.2 性能

  移動ラックの性能は,次による。
a) 移動ラックに搭載する,収納部の安定性,強度及び耐久性に関わる性能は,表2に示す収納部の区分
    によって,JIS S 1039の6.2(性能)又はJIS S 1033の5.2(性能)に適合しなければならない。
b)   )以外の強度,耐久性,走行性及び表面処理の性能については,箇条9の試験を行ったとき,表3の
    それぞれの項目に適合しなければならない。
c) 移動ラックの制御及び安全対策については,箇条8に適合しなければならない。
d) 表4に該当する材料を用いるときは,それぞれ表4の性能を満たしたものを用いなければならない。

――――― [JIS S 1049 pdf 9] ―――――

           8
S 1049 : 2020
                                        表3−性能(1)
           項目                                     性能                            適用箇条
 強度及び 鉛直荷重     a) 台枠底面のたわみ量は,車輪間距離の1/300以下とする。      9.2.3
 耐久性                 b) たわみ量に関係なく移動ユニットの走行に支障があってはならない。
                         c) 台車部各部における,使用上支障がある破損,変形及び外れがない。
           水平力       a) 試験おもりを負荷したとき,移動ユニットの転倒がない。     9.2.4
                         b) 台車部と収納部との接合部に外れがなく,台車部各部における,使用
                            上支障がある破損,変形及び外れがない。
 走行性                 a) 走行試験中,次を満足しなければならない。                 9.3
                           1) 移動ユニットは,8.3.1に規定する速度で安定走行し,また,転倒が
                              なく,走行装置からの異音がない。
                           2) 棚板支持具,棚板などの主要部材に使用上支障がある破損がなく,
                              収納物の落下がない。無軌条式の場合,使用上支障がある蛇行がな
                              い。
                           3) 電動式の場合,インタロック機能,緊急停止機能,過負荷保護機能
                              及び障害物検知機能並びに受渡当事者間の協定で備えた機能が正
                              常に作動する。
                         b) 走行試験終了後,次を満足しなければならない。
                           1) 移動ユニット各接合部は,著しい破損,変形及び外れがなく,棚板
                              支持具,棚板などの主要部材に使用上支障がある破損がない。
                           2) 走行装置の著しい損傷,摩耗,異音及びひずみがない。
 表面処理 常温液体に対すJIS A 1531に規定する等級3以上とする。                       9.4.3
 a)
           る表面抵抗性
           塗膜密着性   塗膜のがれがない。                                          9.4.4
           金属部塗膜防せきずの両側3 mmの部分より外側に膨れ及びさびが認められない。  9.4.5
           い(錆)性
           塗膜厚さ     20 μm以上とする。                                          9.4.6
           金属部のめっき                                                            9.4.7
                         JIS H 8610に規定する表1(めっきの等級及びめっきの最小厚さ)の2級
           厚さ         以上,又はJIS H 8617に規定する表1(種類,等級及び記号)の2級以上
                         若しくは表2(種類,等級及び記号)の2級以上とする。
 注a) 表面処理試験は,見え隠れ部分を除く。
                                        表4−性能(2)
                 項目                            性能                    適用試験規格
 材 製材             含水率         製材の日本農林規格などに規定JAS 1083
 料                                   するもので,含水率は12 %以下
                                       で,割れ,変形,虫食いなどの著
                                       しい欠点がない。
                                       なお,含水率の測定は,JIS Z 2101
                                       に規定する方法による。
     木質材料         ホルムアルデヒ                             JIS A 5905又はJIS A 5908
                                       ホルムアルデヒド放散量は,F☆
     合板             ド放散量       ☆☆等級の規定値以下とする。合板の日本農林規格
     集成材                                                       集成材の日本農林規格
     単板積層材(LVL)                                            単板積層材の日本農林規格
     接着剤           ホルムアルデヒ ホルムアルデヒド放散速度又はJIS A 5549
     塗料             ド放散速度又は 放散量は,F☆☆☆等級の規定値
                                                                   JIS K 5961又はJIS K 5962
                       放散量         以下とする。

――――― [JIS S 1049 pdf 10] ―――――

                                                                                             9
                                                                                   S 1049 : 2020

7 構造

7.1 一般

  移動ラックの構造は,次による。その構成を図3に示す。
a) 収納部の最大積載質量は,表2による。
b) 設置する場所の温度及び湿度並びに使用頻度に耐え得るものでなければならない。
c) ラックユニットを配列するとき,通路の幅は,通常,900 mmとする(図2参照)。
d) 各接合部は,溶接,接着,ねじ止め,その他の方法によって,堅ろうに結合し,がれ又は緩みが生
    じてはならない。また,収納部は,ラックユニットの台車部に確実に固定されるものとし,専用金具
    などを用いて接合してもよい。
e) 木材及び木質材料を用いる場合,組み立て後,割れ,くるいなどの欠陥が生じてはならない。
                                     図3−移動ラックの構成

7.2 各部の構造

7.2.1 収納部
  収納部の構造は,次による。
a) 棚 JIS S 1039の箇条7(構造)による。
b) 収納家具 JIS S 1033の箇条6(構造)による。
7.2.2 台車部
7.2.2.1 一般
  台車は,走行台車及び固定台車とする。台車部の基礎となる台枠は,鋼製とする。
  なお,走行台車の走行によって,台車同士が直接接触しないように台枠の側面に緩衝部材を取り付けて
もよい(図2参照)。
7.2.2.2 走行台車
  走行台車は,台枠に駆動装置及び走行車輪を取り付けた構造とし,駆動方式によって,電動式又は手動
式とする(表1参照)。駆動装置は,次によるものとし,構造の例を図4に示す。走行車輪の取付位置は,

――――― [JIS S 1049 pdf 11] ―――――

           10
S 1049 : 2020
レールの敷設位置に合わせることとし,受渡当事者間の協定による。
a) 電動式 モータ,駆動ギヤ,駆動軸,伝動軸などで構成する。駆動装置を取り付ける台枠の位置,モ
    ータの台数及び定格は,移動ユニットの質量に最大積載質量を加えた質量を考慮し,移動ユニットの
    走行に支障がでない構造とする。
b) 手動式 駆動力の伝達方式は,次による。
      初期の駆動に必要な力は,片手で操作できる程度でなければならない。
  1) ハンドル式 手動によるハンドルの回転で動力を発生させ,伝動チェーン,伝動軸,駆動軸などに
      よって,車輪に動力を伝える構造とする。
  2) 押し引き式 走行台車に取り付けた取っ手などを押し引きし,車輪に動力を伝える構造とする。
        間口方向に走行する“横引き式”及び奥行き方向に走行する“縦引き式”がある。
                a) 電動式                b) ハンドル式             c) 押し引き式
      1 台枠                      7 車軸
      2 車輪                      8 回転ハンドル
      3 ローラ枠                  9 伝動軸
      4 モータ                    10 伝動チェーン
      5 駆動ギヤ                  11 駆動軸
      6 駆動軸又は伝動軸
                               図4−走行台車の構造の例(平面図)
7.2.2.3 固定台車
  固定台車は,台枠だけで構成し,走行に関わる装置をもたない。固定金具などによって,床面などに堅
ろうに固定できる構造とする。
7.2.3 走行装置
7.2.3.1 走行車輪
  走行車輪は,車輪及び車軸で構成され,次による。
a) 走行車輪の取付位置 車輪を台枠に取り付ける位置は,取り付ける車輪の個数及びレールの敷設位置
    を考慮し,受渡当事者間の協定による(図1参照)。
b) 車輪の強度 車輪1輪当たりにかかる荷重を求め,これに耐えるとともに,初期トルクに影響を及ぼ
    す永久ひずみなどの変形があってはならない。車輪1輪当たりにかかる荷重は,移動ユニットの質量
    に,最大積載質量を加えた質量を車輪の個数で除し,受渡当事者間で協定した安全率を乗じて求める。
c) 材質及び形状 車輪の材質及び形状は,移動ラックの区分によって,次による。移動ラックの車輪が
    走行する床面の例を,図5に示す。
  1) 軌条式 フラット車輪又はガイド車輪1)とし,金属などの耐久性のある材質のものを用いる。

――――― [JIS S 1049 pdf 12] ―――――

                                                                                            11
                                                                                   S 1049 : 2020
        注1) ガイド車輪には,中つば(鍔)車輪及び外つば(両つば又は片つば)車輪がある(図7参
              照)。
  2) 無軌条式 通常,フラット車輪とし,床面の損傷を防ぐため,樹脂などの材質のものを用いる。
                      a) 軌条式                        b) 無軌条式
                            図5−移動ラックの車輪が走行する床面の例
7.2.3.2 操作装置
  操作装置は,次によるものとし,フロントパネルなどに取り付ける。
a) 電動式 操作スイッチは,押しボタン又はタッチパネル形式とする。
b) 手動式
  1) ハンドル式 回転ハンドルは,円形又はクランク形式とする。
  2) 押し引き式 取っ手は,握り棒など片手で操作できる形式とする。
7.2.3.3 制御装置
  制御装置は,電動式の移動ユニットの走行を制御し,かつ,各種安全装置の機器類を制御する。使用中,
走行に支障を来す異常が生じてはならない。
  なお,リモコンなどの外部操作装置及び電線引き込み部は,この規格では規定しない。
a) 人が制御装置に触れるおそれがある場合,金属,樹脂などで全周囲を外囲いする。
b) 外囲いは,移動ラックのきょう(筐)体と兼用してもよい。
c) 電源は,JIS B 9960-1の4.3(電源)によるものとし,通常,JIS B 9960-1の12.6(可とうケーブル)
    による給電ケーブルで接続する構造とする。
7.2.3.4 走行レール部
7.2.3.4.1 一般
  軌条式の場合,走行レール及びその敷設に関わる周辺部材並びに床面で構成する。構造は,スロープ式,
パネル床上げ式,埋め込み式などとし,それぞれの例を図6に示す。また,敷設するレールの本数は,移
動ユニットの質量に最大積載質量を加えた質量及び間口寸法に適した本数とする。
             a) スロープ式            b) パネル床上げ式             c) 埋め込み式
      1 走行レール
      2 床面
                                  図6−走行レール部の構造の例

――――― [JIS S 1049 pdf 13] ―――――

           12
S 1049 : 2020
7.2.3.4.2 走行レール
  走行レールは,炭素鋼などの材質のものを用い,移動ユニットの質量に最大積載質量を加えた質量に耐
え,かつ,車輪の走行によって,容易に摩耗,劣化などが生じない強度とする。走行レールは,車輪の種
類によって,次のいずれかとする。また,8.3.3のa) 2)の転倒防止金具(図7参照)及びエンドストッパ2)
(図1参照)の取付けの有無は,受渡当事者間の協定とする。
    注2) エンドストッパとは,ビス止めによって,走行レールと一体化した樹脂製などのストッパをい
          う。
a) フラットレール
b) 中つば車輪用溝付きガイドレール
                   a) フラットレール               b) 中つば車輪用溝付きガイドレール
           1 台枠
           2 車軸
           3 走行レール
           4 転倒防止金具
           5 外つば車輪
           6 中つば車輪
                                   図7−走行レールの構造の例
7.2.3.4.3 床面
a) 移動ラックの走行に支障がない強度をもつ平面とする。ただし,床面の施工が施主側による場合は,
    受渡当事者間の協定による。
b) 経年による著しい変化が生じない構造とする。
c) 移動ユニットの質量に最大積載質量を加えた質量によって,床面の平方メートル(m2)当たりの荷重
    を求め,それに耐えるものとする。ただし,移動ラックの用途が明確な場合には,最大積載質量を平
    均積載質量に代えてもよい。平均積載質量は,収納する最大積載質量に積載率(ce)を乗じたものと
    する。
d) 走行レール上面と床面との段差は,スロープなどによって,荷役作業などへの影響がでない構造とす
    る(図6参照)。

――――― [JIS S 1049 pdf 14] ―――――

                                                                                            13
                                                                                   S 1049 : 2020

8 制御及び安全対策

8.1 一般

  使用者の安全を確保するために,移動ラックに次の機能を備えなければならない。また,JIS B 9700に
よるリスクアセスメントを実施する。
  なお,危険源,危険状態及び対策に関する事項の例を附属書Dに示す。

8.2 制御

8.2.1 制御関係の一般要求事項
  特に指定がない限り,電動式移動ラックにおける,電気及び制御機器関係の要求事項は,JIS B 9960-1
による。また,制御機器関係の機能安全は,JIS B 9705-1及びJIS B 9961による。
8.2.2 通路形成
  移動ラックの通路形成は,次による。
a) 電動式 操作スイッチの操作によって,規定の通路を形成し停止する機能を備える。移動ユニットを
    任意の場所に停止させる必要が生じた場合,手動によって操作ができる機能を備えなければならない。
b) 手動式 開放したい通路の移動ユニットを,ハンドル操作又は手で直接押し引きし,任意の場所に停
    止させて通路を形成する機能を備えなければならない。
8.2.3 異常時の機能
  異常時の安全対策として,次の機能を備える。
a) 保護装置 電動式移動ラックの通電中の過電流の発生に備え,受電側に電源断路器を設けなければな
    らない。
b) 強制移動 電動式の場合,意図しない停止などを考慮し,強制移動できる機能を備えなければならな
    い。ただし,強制移動を行うときは目視などによって周囲の安全確認が必要であることを,警告ラベ
    ルなどによって表示しなければならない。

8.3 安全対策

8.3.1 走行速度
  移動ユニットの走行速度は,使用者に危険が及ぶことがないものとし,電動式の場合は,15 m/min以下,
手動式の場合は,人がゆっくり歩く程度とする。
8.3.2 操作時の安全対策
  操作時の安全対策として,次の機能を備える。
a) 電動式 電動式の場合,インタロック機能,緊急停止機能,過負荷保護機能及び障害物検知機能を必
    ず備えなければならない。その他の機能は,受渡当事者間の協定による。
  1) インタロック機能 8.2.2のa)によって形成した通路は,自動でロックされ,形成された通路を挟む
      移動ユニットの走行をできなくする機能。この機能は,容易に無効化できてはならない。
  2) 非常停止機能 走行中の移動ユニットを非常停止させることができる機能。停止カテゴリの選択は,
      通常,JIS B 9960-1の9.2.2(停止機能のカテゴリ)における0,1又は2のうち,いずれかとし,リ
      スクアセスメントを実施した結果を考慮に入れる。この機能は,通常の運転モードにおいては,他
      の機能よりも優先し,また,容易に無効化できてはならない。非常停止後の再起動は,非常停止条
      件の排除後,再起動操作されるまでは,通常の操作が無効になる機能を備えなければならない。
  2.1) 緊急停止機能 緊急停止の必要が生じたとき,オペレータ又は近接する人の強制操作によって,
        移動ユニットの走行を停止させることができる機能。この機能は,操作装置と併用してもよい。
  2.2) 過負荷保護機能 モータの過負荷などによって過電流が流れたことを検知し,移動ユニットの走

――――― [JIS S 1049 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS S 1049:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS S 1049:2020の関連規格と引用規格一覧

JIS ハンドブックから規格の検索、規格番号や名称が調べて探すことができます。
JIS ハンドブック 一覧 規格 種類別