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T 60601-2-47 : 2018
202.6.2 イミュニティ
202.6.2.3 *放射RF電磁界
追加
ホルタ心電計は,保存したデータを失うことなく信号の記録を続けなければならない。
(試験)
適合性は,次の試験によって確認する。
a) ホルタ心電計を作動させる。
b) 試験後にホルタ心電計で保存したデータが再生できることを確認する。
注記 ひずみ試験では,データが破損する可能性がある。
202.6.2.3.2 試験
a)を修正
ホルタ心電計のケーブルは,誘導しないように長さを1 m折り返してまとめなければならない。信号ケ
ーブル(該当する場合)及び電源コード(該当する場合)は,図202.101に従い,ホルタ心電計から垂直,
水平に配置する。
附属書
通則の附属書も参照。
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T 60601-2-47 : 2018
附属書AA
(参考)
指針及び根拠
AA.1 概説
この附属書では,この規格の重要な要求事項に対する簡潔な理論的根拠を解説する。これは,規格の主
題については,よく知っているが,その原案作成に参加しなかった人々を意図している。規格を正しく適
用するためには,主要な要求事項に対する理由を理解することが不可欠である。さらに,診療上の慣習及
び技術が変化した場合は,現在の要求事項に対する理論的根拠は,これらの発展のために必要な今後の規
格改正を容易にすることになる。
AA.2 個別の箇条及び細分箇条に関する根拠
次からの記載事項は,この規格の箇条及び細分箇条の根拠であり,箇条及び細分箇条の該当する番号と
一致している。
注記 次の箇条又は細分箇条に付した“†”(タガーマーク)は,対応する要求事項に対する根拠であ
ることを示し,かつ,要求事項の文章でないことを容易に識別できるようにしたものである。
201.7.9.2.101† 追加の取扱説明書
ホルタ心電図システムは,取扱説明書だけか,又は追加の医師用のガイドと一緒に同こん(梱)されて
いるものもある。医師用のガイドが利用可能な場合,g)に記載している情報は,通常,医師用のガイドに
記載されている。
201.12.1.101† 心電図解析の試験
信頼性のある評価は,再現可能であることが求められている。この理由から,ホルタ心電図システムの
評価は,人の介入なしで行われる必要がある。すなわち,正確に再現可能な“手動作動不要”評価が要求
される(人が介入する場合は,原則的には,全時間記録の出力ができるホルタ心電図システムにおいて完
全な結果を実現可能である。人が介入する場合の評価は,操作者の粘り強さ及び技能を測るだけで,ホル
タ心電図システムの性能を評価するには,価値がないため,このような評価方法は,要求も推奨もしない。)。
アノテーションファイル生成手順の完全な公開は,独立(第三者)評価者がこの手順を使うことを可能
にし,その結果,同じ試験データを使用した場合の試験結果の検証が可能となる。また,評価者が,有効
なデータとして選択した追加試験データの使用が可能となる。
自動解析(201.12.1.101.2)の評価方法は,ホルタ心電図システムとインタフェースとの連結を必要とす
る。ホルタ心電図システムの出力を処理するインタフェースに重要な分析要素を盛り込むと,見掛け上の
性能は“向上”する。手順を完全に開示することで,インタフェースが標準のアノテーションファイルに,
ホルタ心電図システムの通常の出力を単純に変換する以外の処理を行うことを妨げる。
201.12.1.101.1.1† データベース
解析結果が個別の心電図の特性に大きく依存することから,評価は,ホルタ心電図システム間又は性能
基準との比較のための値をもつ標準の記録を使用する必要がある。
ほとんどのホルタ心電図システムは,基礎となるリズムを学ぶために一定の時間を必要とする。このた
めに,5分間の学習期間は,各記録の先頭に割り当てられ,計算した性能統計から除外する。AHA DBの
長いバージョン(30分間の試験期間に先行するアノテーションのない信号の2.5時間を含む。)を使用する
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T 60601-2-47 : 2018
場合,各記録の最後の35分(標準バージョンに相当)だけ被試験器に入力することができる。
201.12.1.101.1.1.2† 試験で除外する記録
ペースメーカ心電図の記録の除外は,ペースメーカパルスの記録が“なまっている”アナログの心電図
記録からペースメーカパルスの検出,又は強調することを解析するように設計されていないホルタ心電図
システムにだけ,許可している。なぜならば,元々のアナログテープは,“生の”信号に存在するパルス
を一般的な技術で認識するのに,満足できる信頼性をもってペースメーカのパルスを再生できないからで
ある。試験に使用する記録を,表AA.1に示す。
表AA.1−完全な試験に使う記録
データベース 記録ID 説明 記録数
AHAデータベース 12011210 VEBsなし。 10
(試験に使う記録ID番号) 2201,22032210 単形性単発VEBs 9
32013210 多形性単発VEBs 10
42014210 二段脈 10
52015210 R-on-T VEBs 10
62016210 心室二連発 10
72017210 心室頻拍 10
82018204,82068210 心室細動 9
AHAデータベース 78
(試験に使わない記録ID番号) 2202,8205 ペースメーカ心電図 2
MIT-BIHデータベース 20
100,101,103,105,106,108,109, 不整脈がないか,一般的な不
(試験に使う記録ID番号) 111119,121124 整脈を含む記録
200203,205,207210,212215, 一般的ではないが,臨床的に 24
219223,228,230234 重要な不整脈を含む記録
MIT-BIHデータベース 44
(試験に使わない記録ID番号) 102,104,107,217 ペースメーカ心電図 4
NSTデータベース 雑音負荷試験データベース
118e00,119e00,118e06,119e06, 12
(試験に使う記録ID番号) 118e12,119e12,118e18,119e18,
118e24,119e24,118e6,119e6
CUデータベース cu01-cu35 心室頻拍データベース 35
(試験に使う記録ID番号)
注記 指定したAHAの記録ID番号は,AHAデータベースの35分版を示す。ID番号の左から2桁目は,3時間と
同じ記録の(“2”ではなく)“0”である。3時間の記録を使用する場合,3時間の記録の最後の35分間(35
分の記録に相当)は,完全な試験の一部として心電図解析に提示してもよい。
201.12.1.101.1.2† 試験の要求事項
ESC DBの90件の不整脈及び異所性心拍の,発生率及び種類では,QRS波の検出及び分類の性能を評
価する目的のために,AHA及びMIT-BIHデータベースの代替として機能するには不十分である。しかし,
ESC DBの90件を使用した同じ心拍ごとの比較及びランごとの比較プロトコルによる評価は,必要なAHA
及びMIT-BIHデータベースの評価を補完することができる。この試験は,ST部分及びT波の変化を伴う
QRS波の検出及び分類の性能の安定性を評価するために特に有用である。
AHA,MIT-BIH,NST,CU及びESCデータベースは,基準となる心拍変動(HRV)の値を伴わない。
HRV計算の精度は,最高に正確な基準HRVパラメータを予測できるように制御した入力で評価する。デ
ータベースは,HRV解析のための一般的で,現実的で,簡単に利用できる標準の入力シーケンスとして使
用することができる時間及びラベルを定義したQRS波のセットを提供する。異なる二つのHRV解析があ
る場合には,HRVの結果の等価性を比較する。不一致が観察される場合には,解析の実装又はラベルの定
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義の違いについて検討することが望ましい。HRVの全て明確に定義したインデックスに対して正しい結果
の合意できるセットを時間をかけて進化させることが望ましい。
この推奨する方法は,この文書の発行時点で,使用中又は将来的に発明されるかもしれないHRVの全
ての計算値に対応することはできない。しかし,ここに記載した試験方法及び報告要件は,他の指標の測
定値を評価するには十分であると考えられる。
HRV解析の診断ユーティリティは,まだ決定していない。HRV解析についての推奨案の要件は,診断
上有用な測定のための基準の定義として解釈しないことが望ましい。これらの要件の唯一の目的は,特定
のホルタ心電図システムの出力における数値の正確性を評価するための標準的な方法論を確立すること
であり,これらの出力に任意の診断値を定めることではない。診断値は,この推奨案の適応範囲外であり,
臨床研究に基づいてだけ定義することが望ましい。
AHA及びMIT-BIHデータベースにおけるVFの発生率及び種類では,201.12.1.101.2.5の目的のために
CU DBの代替とするには不十分である。CU DBは,VFの誤検出を招くような十分なサンプルを含んでい
ないので,AHA DBの80件及びMIT-BIH DBの48件を使用したVF検出の評価で,CU DBの評価を補完
することが望ましい。
201.12.1.101.1.3† 試験環境
この試験環境では,デジタル又はアナログの心電図のデータベースを使用する。MIT-BIH DB及びAHA
DBは,60時間以上の心電図があり,追加のデータベースで更に時間が増加する。外部からの様々な雑音
の影響によって,分析を妨害する可能性があるため,ホルタ心電計にアナログ心電図を供給することは,
時間がかかり,エラーが発生しやすくなる。
デジタルの心電図データベースで心電図解析を試験することには,幾つかの利点がある。利点は,周囲
の外乱の影響を受けないことによる,短い試験時間(場合によっては数秒)及び再現性である。
201.12.4.4.101から201.12.4.4.112までは,ホルタ心電計のアナログ部分の特性を保証している。別々に行
った心電図解析試験とアナログ部分の試験とを合わせると,ホルタ心電計にアナログ心電図を入力した全
体的な試験に相当する。
201.12.1.101.1.5† 評価報告書の要求事項
検出器がイベント又はイベントなしのいずれかを提示した実験で四つの結果が考えられる。
− 真陽性(TP) 正しく検出したイベント
− 偽陰性(FN) 誤ってイベントとしなかった部分
− 偽陽性(FP) イベントのない部分を誤検出したイベント
− 真陰性(TN) 正しくイベントをなしとした部分
多くの問題があり,イベントのない部分を数えることはできず,真陰性の数を定義することもできない。
このような問題では,一般的に検出器の性能を測定するには,感度(Se。全イベントから正しく検出した
割合)及び陽性一致率(+P。検出した全体に含まれる正しいイベントの割合)を使用する。
TP TP
Se P
TP FN TP FP
201.12.1.101.1.5.1† 必要な統計
総じてデータベース全体に対して検出器の性能を記載するために総統計を定義することは,イベントの
合計数が少ない場合に特に有用である。総統計の二つのタイプを一般的に使用する。合計統計は,各イベ
ント又は検出に等しい重みを与え,平均統計は,各記録(被検者)に等しい重みを与える。イベント及び
検出の発生率が,全ての記録で同等であった場合は,これらの統計は,同等となる。
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(例えば,細動,ST変位のエピソードなど)持続性のイベントの検出統計を考慮する場合は,検出した
事象の全持続時間だけでなく検出するエピソードの数を知ることは重要である。イベントの統計は,長さ
に関係なく,各エピソードに等しい重みを与える。時間の統計は,その持続時間に比例して,各イベント
又は検出に重みを与える。このように,持続性のイベントのためのイベントの統計は,個別のイベントの
平均統計とほぼ類似しており,時間の統計は,合計統計と同様に類似している。
MIT-BIH DBは1980年から,及びAHA DBは1982年から利用されてきたが,心電図解析の性能の最小
許容レベルを決定することは,困難な課題のままである。操作者は,これらのホルタ心電図システムの診
断出力が無批判に受け入れることができないことを明確に理解しておく必要がある。どんな場合でもレビ
ューが必要であるとすると,操作者がホルタ心電図システムの出力の正確さの評価にどの程度努力するか
によって“許容できる”性能の範囲が決まってくる(操作者に要求される労力は,言い換えれば,ホルタ
心電図システムが提供するレビュー及び編集機能の性能に依存する。)。
性能は,多くの場合,多くの記録をまとめたホルタ心電図システムの性能の便利な要約を提供する総統
計,という点で特徴付けられる。データベース開発者による選択基準は,臨床現場での対象集団とは異な
るので,実際の性能を総統計から推定することは難しい。平均統計(各々の記録を等しく重み付けする。)
が合計統計より良い現実の性能を占うものであると予想されるかもしれない。各々の記録のイベント数が
少ない場合は,平均統計の各記録の統計は,しばしば信頼できない。その結果,平均統計は,単一の誤差
に非常に敏感で,イベントの大きな数値に基づいている総統計よりも通常は性能の強固でない推定となる。
このため,報告要件のほとんどは,合計統計として指定しており,このような平均VEB陽性一致率など
の統計のための報告要件は,意図的に省略した。
各DBの記録ごとの解析結果を検討した内容は,臨床現場をある程度反映し現実の性能を予測するため
の幾分良好な根拠となる。より確かな内容が判明している限られた対象を試験した結果のほうが,ただ数
多くの対象を試験した結果よりも,試験していない対象の結果をより良く予測できることは明らかである。
しかし,これらの分布は,正規(ガウス)分布とはいえず,古典的なパラメトリックモデル(例えば,標
本分散などの対策)は,それらを特徴付ける又は比較するには,不適切である。ブートストラップ推定は,
この問題に適用された性能上の信頼限界を決定するためのノンパラメトリック手法である。異なる統計の
堅ろう(牢)性を比較する際にも有用である。
幾つかの問題は,既存の試験方法では,適切に対処することができない。P波の自動検出は望ましいが,
体表面誘導による心電図解析の最先端技術を超えている。MIT-BIH DBは,心室への伝導のないP波のア
ノテーションのついた五つの記録がある。他のP波のアノテーションは,利用可能なデータベースのいず
れにも存在しない。同様に,T波のアノテーションは,ESC DB内のT波形態の極端な変化を示すアノテ
ーションだけである。MIT-BIH DBの9件及びEuropeanST-T DBの2件には,伝導障害があり,アノテー
ションが付けられているが,これだけで伝導障害の分析精度を測定することができるかは明らかではない。
接合部調律(MIT-BIH DBの3件にアノテーションあり。)及び上室頻拍(SVTA。MIT-BIH DBの7件及び
ESC DBの3件にアノテーションあり。)についても同様の懸念がある。ペースメーカ心拍を含む記録にお
ける不整脈検出機能の評価は問題であり,当然,ペースメーカ作動解析及びペースメーカ誤作動解析の評
価も問題である。現代のデータベースはこのような問題に対処するために,ペースメーカ誤作動例を含む
高い再現精度をもつペースメーカ心電図記録が必要である。
201.12.1.101.1.5.2† 全ての不整脈解析に対する要求事項
QRS感度及びQRS陽性一致率は,心拍ごとの比較を用い,201.12.1.101.2.3で定義している表形式を使
用して,QRS感度及びQRS陽性一致率を次から導く。計算に使用するパラメータを,表AA.4に示す。
――――― [JIS T 60601-2-47 pdf 40] ―――――
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JIS T 60601-2-47:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60601-2-47:2012(MOD)
JIS T 60601-2-47:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS T 60601-2-47:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7761-3:2007
- 手腕系振動―第3部:測定及び評価に関する一般要求事項
- JISC0445:1999
- 文字数字の表記に関する一般則を含む機器の端子及び識別指定された電線端末の識別法
- JISC0447:1997
- マンマシンインタフェース(MMI)―操作の基準
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1509-2:2018
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第2部:型式評価試験
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC60079-0:2010
- 爆発性雰囲気―第0部:電気機器―一般要件
- JISC60079-2:2008
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第2部:内圧防爆構造“p”
- JISC60079-6:2004
- 爆発性雰囲気で使用する電気機械器具―第6部:油入防爆構造“o”
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60695-11-10:2015
- 耐火性試験―電気・電子―第11-10部:試験炎―50W試験炎による水平及び垂直燃焼試験方法
- JISC6965:2007
- ブラウン管の機械的安全性
- JISC8282-1:2019
- 家庭用及びこれに類する用途のプラグ及びコンセント―第1部:一般要求事項
- JISC8303:2007
- 配線用差込接続器
- JIST0601-1-3:2012
- 医用電気機器―第1-3部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:診断用X線装置における放射線防護
- JIST60601-1-8:2012
- 医用電気機器―第1-8部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項―副通則:医用電気機器及び医用電気システムのアラームシステムに関する一般要求事項,試験方法及び適用指針
- JISZ8736-1:1999
- 音響―音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第1部:離散点による測定