この規格ページの目次
42
Z 3920 : 2011
16.2 フレーム原子吸光法
16.2.1 要旨
分析試料を硝酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸
光度を測定する。
16.2.2 試薬
16.2.2.1 カドミウム標準液(Cd : 50 μg/mL)
カドミウム[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gをはかり取り,ビーカー(100 mL)に移し入れ,硝酸(1
+1)10 mLを加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカー
の内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線
まで薄めて原液(Cd : 1 000 μg/mL)とする。この原液5.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに
取り,硝酸(1+1)5 mLを加えた後,水で標線まで薄めてカドミウム標準液とする。
16.2.2.2 カドミウム標準液(Cd : 5.0 μg/mL)
カドミウム標準液(16.2.2.1)10.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに取り,硝酸(1+1)5 mL
を加えた後,水で標線まで薄める。
16.2.3 操作
16.2.3.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.2.3.1 a) 2) 2.3)で得た主溶液を,カドミウム量が5200 μgになるように分取し,100 mLの全量フラ
スコに移し入れる。
b) 水で標線まで薄める。
16.2.3.2 吸光度の測定
16.2.3.1 b)で得た溶液の一部を,水でゼロ点を調整した空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長228.8
nmにおける吸光度を測定する。
16.2.4 空試験
6.2.3.2 a)で得た空試験溶液を,16.2.3.1 a)で分取した主溶液と同量分取し,100 mLの全量フラスコに移
し入れる。以下,16.2.3.1 b)及び16.2.3.2の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行う。
16.2.5 検量線の作成
カドミウム標準液(16.2.2.1)及びカドミウム標準液(16.2.2.2)の各種液量(カドミウムとして0200 μg)
を段階的に数個の100 mLの全量フラスコに取る。以下,16.2.3.1 b)及び16.2.3.2の手順に従って,主溶液
と同じ操作を主溶液と並行して行い,得た吸光度とカドミウム量との関係線を作成し,その関係線を原点
を通るように平行移動して検量線とする。
16.2.6 計算
16.2.3.2及び16.2.4で得た吸光度と16.2.5で作成した検量線とからカドミウム量を求め,次の式によって,
ヒューム中のカドミウム含有率を算出する。
(A19 A20 )
Cd 100
B24
m3
100
ここに, Cd : ヒューム中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
A19 : 試料溶液中のカドミウム検出量(mg)
A20 : 空試験でのカドミウム検出量(mg)
――――― [JIS Z 3920 pdf 46] ―――――
43
Z 3920 : 2011
m3 : 6.1.3 a) 2),b) 2)又はc) 2) 2.2)で得たヒューム採取
量(mg)
B24 : 16.2.3.1 a)及び16.2.4でそれぞれ分取した主溶液及
び空試験溶液の量(mL)
16.3 電気加熱原子吸光法
16.3.1 要旨
分析試料を硝酸で分解する。硝酸を加えた後,溶液を電気加熱原子吸光光度計の電気加熱炉に注入し,
その吸光度を測定する。
16.3.2 水
試薬の調製及び定量操作に用いる水は,JIS K 0050の7.1(水及び試薬)に規定するA3の水とする。
16.3.3 試薬
16.3.3.1 硝酸(1+1)
硝酸(JIS K 9901)を用いて調製する。
16.3.3.2 カドミウム標準液(Cd : 1.0 μg/mL)
カドミウム[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gをはかり取り,ビーカー(100 mL)に移し入れ,硝酸(1
+1)(16.3.3.1)10 mLを加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及
びビーカーの内壁を水(16.3.2)で洗って時計皿を取り除く。溶液を1 000 mLの全量フラスコに水(16.3.2)
を用いて移し入れ,硝酸(1+1)(16.3.3.1)40 mLを加えた後,水(16.3.2)で標線まで薄め,原液(Cd :
100 μg/mL)とする。この原液1.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに取り,硝酸(1+1)(16.3.3.1)
2 mLを加えた後,水(16.3.2)で標線まで薄めてカドミウム標準液とする。
16.3.3.3 カドミウム標準液(Cd : 0.1 μg/mL)
カドミウム標準液(16.3.3.2)10.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに取り,硝酸(1+1)(16.3.3.1)
2 mLを加えた後,水(16.3.2)で標線まで薄める。
16.3.4 器具
器具は,次による。
16.3.4.1 マイクロピぺット
JIS K 0970に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計,又は自動注入装置を用いる。
16.3.5 操作
16.3.5.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 検量線法によって定量する場合
1) 6.2.3.1 a) 2) 2.3)で得た主溶液を,カドミウム量が0.12 μgになるように分取し,100 mLの全量フ
ラスコに移し入れる。
2) 硝酸(1+1)(16.3.3.1)10 mLを加えた後,水(16.3.2)で標線まで薄める。
b) 標準添加法によって定量する場合
1) 4個以上の100 mLの全量フラスコを用意し,そのそれぞれに,6.2.3.1 a) 2) 2.3)で得た主溶液を,同
量ずつ分取する。
なお,主溶液の分取量は,分取した主溶液中のカドミウム量が0.1 μg未満とならない量とする。
2) 1個の全量フラスコを除いた他の全量フラスコに,カドミウム標準液(16.3.3.2)及び/又はカドミ
ウム標準液(16.3.3.3)を,フラスコの溶液中のカドミウム量が0.12 μgとなるように段階的に加
――――― [JIS Z 3920 pdf 47] ―――――
44
Z 3920 : 2011
える。全ての全量フラスコに硝酸(1+1)(16.3.3.1)10 mLを加えた後,水(16.3.2)で標線まで薄
める。
16.3.5.2 吸光度の測定
吸光度の測定は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 検量線法によって定量する場合
1) 16.3.5.1 a) 2)で得た溶液の一部(例えば,1050 μL)を,マイクロピペット(16.3.4.1)を用いて電
気加熱原子吸光光度計の電気加熱炉に注入する。
2) 乾燥(100120 ℃で3040秒間),灰化(約600 ℃で3040秒間)及び原子化(約2 000 ℃で4
6秒間)を行い,波長228.8 nmにおける吸光度を測定する。
なお,吸光度測定時には,バックグラウンド補正を行う。また,乾燥,灰化及び原子化の条件は,
装置,試料溶液の注入量,試料溶液中の塩類濃度などによって異なるので,あらかじめ最適な条件
を求めておく。
b) 標準添加法によって定量する場合
1) 16.3.5.1 b) 2)で得た溶液の一部(例えば,1050 μL)を,マイクロピペット(16.3.4.1)を用いて電
気加熱原子吸光光度計の電気加熱炉に注入する。
2) ) 2)の操作を行う。
16.3.6 空試験
空試験は,次のいずれかによる。
a) 検量線法によって定量する場合 6.2.3.2 a)で得た空試験溶液を,16.3.5.1 a) 1)で分取した主溶液と同量
分取し,100 mLの全量フラスコに移し入れる。以下,16.3.5.1 a) 2)及び16.3.5.2 a)の手順に従って,主
溶液と同じ操作を主溶液と並行して行う。
b) 標準添加法によって定量する場合 4個以上の100 mLの全量フラスコを用意し,そのそれぞれに,
6.2.3.2 a)で得た空試験溶液を,16.3.5.1 b) 1)で分取した主溶液と同量ずつ分取する。以下,16.3.5.1 b) 2)
及び16.3.5.2 b)の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行う。
16.3.7 検量線の作成
検量線の作成は,次のいずれかによる。
a) 検量線法によって定量する場合 カドミウム標準液(16.3.3.2)及び/又はカドミウム標準液(16.3.3.3)
の各種液量(カドミウムとして02 μg)を段階的に数個の100 mLの全量フラスコに取る。以下,
16.3.5.1 a) 2)及び16.3.5.2 a)の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行い,得た吸光度
とカドミウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
b) 標準添加法によって定量する場合
1) 試料溶液用検量線 16.3.5.2 b) 2)で得た吸光度と16.3.5.1 b) 2)でカドミウム標準液として添加した
カドミウム量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
2) 空試験用検量線 16.3.6 b)で得た吸光度と16.3.6 b)でカドミウム標準液として添加したカドミウム
量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
16.3.8 計算
計算は,次のいずれかによる。
a) 検量線法によって定量する場合 16.3.5.2 a) 2)及び16.3.6 a)で得た吸光度と16.3.7 a)で作成した検量線
とからカドミウム量を求め,次の式によって,ヒューム中のカドミウム含有率を算出する。
――――― [JIS Z 3920 pdf 48] ―――――
45
Z 3920 : 2011
(A19 A20 )
Cd 100
B25
m3
100
ここに, Cd : ヒューム中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
A19 : 試料溶液中のカドミウム検出量(mg)
A20 : 空試験でのカドミウム検出量(mg)
m3 : 6.1.3 a) 2),b) 2)又はc) 2) 2.2)で得たヒューム採取
量(mg)
B25 : 16.3.5.1 a) 1)及び16.3.6 a)でそれぞれ分取した主溶
液及び空試験溶液の量(mL)
b) 標準添加法によって定量する場合 16.3.5.2 b) 2)で得たカドミウム標準液を添加しなかった試料溶液
の吸光度と16.3.7 b) 1)で作成した検量線とから,及び16.3.6 b)で得たカドミウム標準液を添加しなか
った空試験の吸光度と16.3.7 b) 2)で作成した検量線とから,それぞれカドミウム量を求め,次の式に
よって,ヒューム中のカドミウム含有率を算出する。
(A19 A20 )
Cd 100
B26
m3
100
ここに, Cd : ヒューム中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
A19 : 試料溶液中のカドミウム検出量(mg)
A20 : 空試験でのカドミウム検出量(mg)
m3 : 6.1.3 a) 2),b) 2)又はc) 2) 2.2)で得たヒューム採取
量(mg)
B26 : 16.3.5.1 b) 1)及び16.3.6 b)でそれぞれ分取した主溶
液及び空試験溶液の量(mL)
16.4 ICP発光分光法
16.4.1 要旨
分析試料を硝酸で分解した後,溶液を発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測
定する。
16.4.2 試薬
16.4.2.1 カドミウム標準液(Cd : 200 μg/mL)
16.2.2.1で調製した原液(Cd : 1 000 μg/mL)5.0 mLを100 mLの全量フラスコに取り,硝酸(1+1)5 mL
を加えた後,水で標線まで薄める。
16.4.2.2 カドミウム標準液(Cd : 10 μg/mL)
カドミウム標準液(16.4.2.1)5.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに取り,硝酸(1+1)5 mL
を加えた後,水で標線まで薄める。
16.4.3 操作
16.4.3.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.2.3.1 a) 2) 2.3)で得た主溶液を,カドミウム量が103 000 μgになるように分取し,100 mLの全量フ
ラスコに移し入れる。
b) 水を加えて標線まで薄める。
――――― [JIS Z 3920 pdf 49] ―――――
46
Z 3920 : 2011
16.4.3.2 発光強度の測定
16.4.3.1 b)で得た溶液の一部を,発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長214.438 nmにおけ
る発光強度を測定する。
なお,214.438 nmにおけるカドミウムの発光強度が共存元素の影響を受ける場合は,影響を受けない他
の測定波長を選定する。また,必要に応じてバックグラウンド補正を行う。他の測定波長の選定及び/又
はバックグラウンド補正が必要かどうかは,あらかじめ予備測定を行って決定する。
16.4.4 空試験
6.2.3.2 a)で得た空試験溶液を,16.4.3.1 a)で分取した主溶液と同量分取し,100 mLの全量フラスコに移
し入れる。以下,16.4.3.1 b)及び16.4.3.2の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行う。
16.4.5 検量線の作成
カドミウム標準液(16.4.2.1)及び/又はカドミウム標準液(16.4.2.2)の各種液量(カドミウムとして0
3 000 μg)を段階的に数個の100 mLの全量フラスコに取る。以下,16.4.3.1 b)及び16.4.3.2の手順に従っ
て,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行い,得た発光強度とカドミウム量との関係線を作成し,その
関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
16.4.6 計算
16.4.3.2及び16.4.4で得た発光強度と16.4.5で作成した検量線とからカドミウム量を求め,次の式によっ
て,ヒューム中のカドミウム含有率を算出する。
(A19 A20 )
Cd 100
B27
m3
100
ここに, Cd : ヒューム中のカドミウム含有率[%(質量分率)]
A19 : 試料溶液中のカドミウム検出量(mg)
A20 : 空試験でのカドミウム検出量(mg)
m3 : 6.1.3 a) 2),b) 2)又はc) 2) 2.2)で得たヒューム採取
量(mg)
B27 : 16.4.3.1 a)及び16.4.4でそれぞれ分取した主溶液及
び空試験溶液の量(mL)
17 銀定量方法
17.1 定量方法の区分
銀の定量方法は,次のいずれかによる。
a) フレーム原子吸光法 この方法は,試料溶液中の濃度が0.1 μg/mL以上5 μg/mL以下の銀の定量に適
用する。
b) 電気加熱原子吸光法 この方法は,試料溶液中の濃度が0.001 μg/mL以上0.02 μg/mL以下の銀の定量
に適用する。ただし,試料溶液中に共存する元素,塩類などが銀の吸光度に影響を及ぼす場合には,
この方法で規定する検量線法は,適用してはならない。
c) CP発光分光法 この方法は,試料溶液中の濃度が0.1 μg/mL以上50 μg/mL以下の銀の定量に適用す
る。
17.2 フレーム原子吸光法
17.2.1 要旨
分析試料を硝酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸
――――― [JIS Z 3920 pdf 50] ―――――
次のページ PDF 51
JIS Z 3920:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.20 : 溶接材料
JIS Z 3920:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0901:1991
- 気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISZ3001-1:2018
- 溶接用語―第1部:一般
- JISZ3001-2:2018
- 溶接用語―第2部:溶接方法
- JISZ3001-3:2008
- 溶接用語―第3部:ろう接
- JISZ3001-4:2013
- 溶接用語―第4部:溶接不完全部
- JISZ3930:2013
- アーク溶接のヒューム発生量測定方法及び分析用ヒューム採取方法
- JISZ3950:2005
- 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法
- JISZ3950:2021
- 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法