この規格ページの目次
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Z 3920 : 2011
JIS Z 3001-3 溶接用語−第3部 : ろう接
JIS Z 3001-4 溶接用語−第4部 : 融接不完全部
JIS Z 3930 アーク溶接のヒューム発生量測定方法
JIS Z 3950 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法
3 用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 3001規格群によるほか,次による。
3.1
分析試料
分析を行うために採取したヒュームの全部又は一部。
3.2
主溶液
分析試料に各種の酸などを加え,加熱分解・抽出などを行った後,液量を一定とした溶液。
3.3
試料溶液
主溶液を分取し,試薬添加,抽出,洗浄,液性調整などの化学処理を行い,分析機器に導入できる状態
に調製した溶液。
3.4
空試験
分析対象成分の含有量ゼロのものを用いて(試料なしで始めることが多い。),全分析操作を忠実に行い,
ゼロであるべき値がどのように出るかを試す試験。通常は,空試験値を実測値から差し引いて真の値とす
る。普通,ブランクテストという。
4 一般事項
この規格において共通な一般事項は,次による。
a) 定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116,JIS K 0121及びJIS K 0127によ
る。
b) この規格で用いる水は,特に規定がある場合を除き,JIS K 0050の7.1(水及び試薬)に規定するA1
又はA2の水とする。
5 定量元素及び定量方法
定量元素及び定量方法は,表1による。
6 ヒュームの採取方法及び前処理方法
6.1 ヒュームの採取方法
6.1.1 ろ過材
ヒュームの採取に使用するろ過材は,次による。
a) ろ過材は,JIS K 0901の5.2(捕集率試験)に規定する性能試験方法による捕集率が,粒径0.3 μmの
エアロゾルに対して95 %以上であって,かつ,初期圧力損失が低く,ヒューム捕集に伴う圧力損失の
増加が少なく,吸湿性が低いものとする。
――――― [JIS Z 3920 pdf 6] ―――――
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b) ヒューム中のクロム(VI),全けい素及び結晶質シリカ以外の元素を定量する場合には,ガラス繊維
製又は石英繊維製のろ過材を使用する。
c) ヒューム中のクロム(VI)を定量する場合に用いるろ過材は,次による。
1) ヒュームの採取を6.1.3 a)又はb)によって行う場合には,ポリ塩化ビニール(PVC)メンブランフィ
ルタ,ポリフルオロエチレン(PFE)メンブランフィルタなどを用いる。
2) ヒュームの採取を6.1.3 c)によって行う場合には,石英繊維製ろ過材を用いる。
3) セルローズを用いているろ過材,ガラス繊維製ろ過材など,クロム(VI)と反応するおそれのある
材質のろ過材は,用いてはならない。
d) ヒューム中の全けい素を定量する場合に使用するろ過材は,次による。
1) ヒュームの採取を6.1.3 a)又はb)によって行う場合には,ポリ塩化ビニール(PVC)メンブランフィ
ルタ又はポリフルオロエチレン(PFE)メンブランフィルタを用いる。
2) ヒュームの採取を6.1.3 c)によって行う場合には,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ろ紙など
のろ過材を用いる。
3) ガラス繊維製ろ過材,石英繊維製ろ過材など,けい素を含む材質のろ過材は,用いてはならない。
e) ヒューム中の結晶質シリカを定量する場合に使用するろ過材は,次による。
1) ヒュームの採取を6.1.3 a)又はb)によって行う場合には,ふっ素樹脂処理ガラス繊維フィルタを用い
る。
2) ヒュームの採取を6.1.3 c)によって行う場合には,ガラス繊維製又は石英繊維製のろ過材を用いる。
表1−定量元素及び定量方法
溶 定量元素 定量方法
接 アスコルビン 吸光光度法 フレーム原 電気加熱原 ICP発光分 X線回折法
方 酸還元よう素 子吸光法 子吸光法 光法
法 酸カリウム逆
滴定法
ア 鉄 ○ ○a) ○ ○
ー マンガン ○ ○
ク 銅 ○ ○
溶
ニッケル ○ ○
接
バナジウム ○ ○
コバルト ○ ○
鉛 ○ ○
亜鉛 ○ ○
アルミニウム ○ ○
バリウム ○
クロム 全Cr ○ ○
Cr(VI) ○b) ) ○
ふっ素 ○d)
けい素 全けい素 ○e)
結晶質シ ○
リカ
――――― [JIS Z 3920 pdf 7] ―――――
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Z 3920 : 2011
表1−定量元素及び定量方法(続き)
溶 定量元素 定量方法
接 アスコルビン 吸光光度法 フレーム原 電気加熱原 ICP発光分 X線回折法
方 酸還元よう素 子吸光法 子吸光法 光法
法 酸カリウム逆
滴定法
ろ 銅 ○ ○ ○
う 亜鉛 ○ ○ ○
付 カドミウム ○ ○ ○
銀 ○ ○ ○
ふっ素 ○d)
りん ○f)
注記 表中の○は,各元素の定量に適用する定量方法を示している。
注a) 塩化物抽出分離スルホサリチル酸吸光光度法
b) ジフェニルカルバジド吸光光度法
c) イオンクロマトグラフ分離ジフェニルカルバジド吸光光度法
d) 熱加水分解分離ランタンアリザリンコンプレキソン吸光光度法
e) モリブドけい酸青吸光光度法
f) モリブドバナドりん酸吸光光度法
6.1.2 ヒュームの採取量
ヒュームの採取量は,次による。
a) ヒュームの採取を6.1.3 a)又はb)によって行う場合 ヒュームの採取量は,約10 mgとする。ただし,
ろう付の場合のヒューム採取量は,約1 mgとする。
b) ヒュームの採取を6.1.3 c)によって行う場合 ヒュームの採取量は,約100 mgとする。ただし,ろう
付の場合のヒューム採取量は,約10 mgとし,また,7.1 a)の方法によってヒューム中の鉄を定量する
場合のヒューム採取量は,ヒューム中の鉄の含有率に応じて,表2に規定する量の分析試料をはかり
取るのに十分な量とする。
6.1.3 ヒュームの採取
ヒュームの採取は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 溶接作業環境中のヒュームの採取
1) IS Z 3950の5.1.1(分粒装置付きろ過捕集による測定方法)又はJIS Z 3950の5.2(総粉じんの質
量濃度測定方法)に規定するロウボリウムエアサンプラを使用する方法によって,ヒュームを採取
する。
2) ヒュームを採取したろ過材の質量からヒューム採取に使用する前のろ過材の質量を差し引いた質量
を,0.1 mgの桁まで求め,ヒューム採取量とする。
3) 採取したヒュームは,ろ過材を含めて分析試料とする。
b) 個人暴露のヒュームの採取
1) IS Z 3950の6.3.1(分粒装置付きろ過捕集による測定方法)又はJIS Z 3950の6.4(総粉じんの個
人ばく露質量濃度測定方法)に規定するろ過材を使用する方法によって,ヒュームを採取する。
2) ヒュームを採取したろ過材の質量からヒューム採取に使用する前のろ過材の質量を差し引いた質量
を,0.1 mgの桁まで求め,ヒューム採取量とする。
3) 採取したヒュームは,ろ過材を含めて分析試料とする。
――――― [JIS Z 3920 pdf 8] ―――――
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Z 3920 : 2011
c) ヒューム発生量測定時のヒュームの採取 ヒューム発生量測定時のヒュームの採取は,次のいずれか
による。
1) アーク溶接ヒュームの場合
1.1) IS Z 3930の4.3(ヒューム捕集装置)に規定するハイボリウムエアサンプラを使用する方法によ
って,ヒュームを採取する。
1.2) ヒュームを採取したろ過材の質量からヒューム採取に使用する前のろ過材の質量を差し引いた質
量を,0.1 mgの桁まで求め,ヒューム採取量とする。
1.3) ろ過材に採取したヒュームの一部(10 mg以上)を,はけなどを用いてろ過材及びはけの一部が混
入しないように注意しながら掃き落とし,デシケータ中で数時間放置した後,分析試料とする。
2) ろう付ヒュームの場合
2.1) IS Z 3930の4.3(ヒューム捕集装置)に規定するハイボリウムエアサンプラを使用する方法によ
って,ヒュームを採取する。
2.2) ヒュームを採取したろ過材の質量からヒューム採取に使用する前のろ過材の質量を差し引いた質
量を,0.1 mgの桁まで求め,ヒューム採取量とする。
2.3) ろ過材に捕集したヒュームは,ろ過材を含めて分析試料とする。
6.2 分析試料の前処理方法
6.2.1 適用
ここに規定する前処理方法は,表1に規定する各元素を定量するときの分析試料の前処理に適用する。
ただし,鉄[7.1 a)の方法によって定量する場合],クロム(VI),ふっ素,全けい素,結晶質シリカ及びり
んを定量するときの分析試料の前処理方法は,それぞれの定量方法に規定し,ここに規定する前処理方法
は,適用しない。
6.2.2 試薬
6.2.2.1 塩酸(1+1)
6.2.2.2 硝酸(1+1,1+2)
6.2.2.3 過塩素酸
6.2.2.4 ふっ化水素酸
6.2.2.5 炭酸ナトリウム(無水)
6.2.3 主溶液及び空試験溶液の調製
6.2.3.1 主溶液の調製
主溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) ヒュームの採取を6.1.3 a),b)又はc) 2)によって行った場合
1) アーク溶接ヒュームの場合
1.1) 6.1.3 a) 3)又はb) 3)で得た分析試料を,白金るつぼ(例えば,50番)又は白金皿(例えば,50番)
に移し入れる。硝酸(1+1)6 mL,過塩素酸5 mL及びふっ化水素酸10 mLを加え,穏やかに加
熱してヒューム及びろ過材を分解する。
1.2) 更に加熱を続けて過塩素酸の白煙を発生させ,液量が23 mLになるまで蒸発させる。
1.3) 室温まで放冷した後,塩酸(1+1)10 mLを加えて塩類を溶解し,常温まで冷却する。
なお,不溶解物が認められる場合は,不溶解物をろ紙(5種C)を用いてこし分け,温水で不溶
解物及びろ紙を洗浄し,ろ液及び洗液を合わせて保存する(以下,これをA液という。)。不溶解
物をろ紙とともに白金るつぼ(例えば,20番)に入れ,穏やかに加熱してろ紙を乾燥した後,強
――――― [JIS Z 3920 pdf 9] ―――――
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熱してろ紙を灰化する。炭酸ナトリウム(無水)1.0 gを加え,強熱して融解した後,室温まで放
冷する。少量の水を加え,加熱して融成物を溶解する。注意しながら塩酸(1+1)を滴加して溶
液を微酸性とし,常温まで冷却した後,溶液を保存しておいたA液に少量の水を用いて合わせる。
1.4) 溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて主溶液とする。
2) ろう付ヒュームの場合
2.1) 6.1.3 a) 3),b) 3)又はc) 2) 2.3)で得た分析試料をビーカー(200 mL)に入れる。硝酸(1+2)40 mL
を加え,時計皿で覆い,穏やかに加熱してヒュームを分解する。
なお,分析試料は,必要ならば,セラミック製はさみを用いてろ過材を切断して小片とした後,
ビーカー(200 mL)に入れる。
2.2) 室温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を
ろ紙(5種A)を用いてろ過し,ろ過材及びろ紙を水で十分に洗浄し,ろ液と洗液とを合わせる。
2.3) 常温まで冷却した後,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて
主溶液とする。
b) ヒュームの採取を6.1.3 c) 1)によって行った場合 6.1.3 c) 1) 1.3)で得た分析試料約10 mgを正確に0.1
mgの桁まではかり取り,白金るつぼ(例えば,50番)又は白金皿(例えば,50番)に移し入れる。
硝酸(1+1)6 mL,過塩素酸5 mL及びふっ化水素酸10 mLを加え,穏やかに加熱して分解する。以
下,a) 1)の1.2)1.4)の手順に従って操作する。
6.2.3.2 空試験溶液の調製
空試験溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) ヒュームの採取を6.1.3 a),b)又はc) 2)によって行った場合 6.1.3 a),b)又はc) 2)でヒュームの採取に
用いたろ過材と同じろ過材を分析試料の代わりに用いて,6.2.3.1 a) 1)又は2)の手順に従って,分析試
料と同じ操作を分析試料と並行して行い,得た溶液を空試験溶液とする。
b) ヒュームの採取を6.1.3 c) 1)によって行った場合 分析試料を用いないで,6.2.3.1 b)の手順に従って,
分析試料と同じ操作を分析試料と並行して行い,得た溶液を空試験溶液とする。
7 鉄定量方法
7.1 定量方法の区分
鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
なお,アスコルビン酸還元よう素酸カリウム逆滴定法は,6.1.3 c) 1)によって採取した分析試料にだけ適
用する。
a) アスコルビン酸還元よう素酸カリウム逆滴定法 この方法は,試料溶液中の6 mg以上100 mg以下の
鉄の定量に適用する。
なお,この方法は,6.1.3 c) 1)によって採取した分析試料にだけ適用する。
b) 塩化物抽出分離スルフォサリチル酸吸光光度法 この方法は,試料溶液中の濃度が1 μg/mL以上10
μg/mL以下の鉄の定量に適用する。
c) フレーム原子吸光法 この方法は,試料溶液中の濃度が0.3 μg/mL以上6 μg/mL以下の鉄の定量に適
用する。
d) CP発光分光法 この方法は,試料溶液中の濃度が0.1 μg/mL以上5 μg/mL以下の鉄の定量に適用す
る。
――――― [JIS Z 3920 pdf 10] ―――――
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JIS Z 3920:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.20 : 溶接材料
JIS Z 3920:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0901:1991
- 気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISZ3001-1:2018
- 溶接用語―第1部:一般
- JISZ3001-2:2018
- 溶接用語―第2部:溶接方法
- JISZ3001-3:2008
- 溶接用語―第3部:ろう接
- JISZ3001-4:2013
- 溶接用語―第4部:溶接不完全部
- JISZ3930:2013
- アーク溶接のヒューム発生量測定方法及び分析用ヒューム採取方法
- JISZ3950:2005
- 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法
- JISZ3950:2021
- 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法