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7.2 アスコルビン酸還元よう素酸カリウム逆滴定法
7.2.1 要旨
分析試料を塩酸と塩化すず(II)とで分解し,過酸化水素を加えて鉄を鉄(III)に酸化した後,煮沸し
て残留する過酸化水素を分解する。一定量のアスコルビン酸標準液を加えて鉄(III)を鉄(II)に還元し
た後,過剰量のアスコルビン酸をよう素酸カリウム標準液で滴定する。
7.2.2 試薬
7.2.2.1 塩酸(1+1)
7.2.2.2 過酸化水素
7.2.2.3 ふっ化ナトリウム
7.2.2.4 塩化すず(II)溶液
金属すず[99.9 %以上(質量分率)]130 gを塩酸に溶解し,塩酸で液量を1 000 mLとした後,褐色瓶に
入れて保存する。
7.2.2.5 アスコルビン酸標準液
L(+)−アスコルビン酸9 gを水に溶解し,エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物約
100 mg及びぎ酸4 mLを加えた後,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで
薄める。この溶液のファクターを,使用の都度,次の操作によって求める。
アスコルビン酸標準液10.0 mLをビーカー(300 mL)に取り,水で液量を約150 mLとし,塩酸(1+1)
10 mL及び指示薬としてでん粉溶液(7.2.2.7)2 mLを加えた後,よう素酸カリウム標準液(7.2.2.6)で滴
定し,溶液が僅かに青を呈した点を終点としてアスコルビン酸標準液の使用量を求め,次の式によって,
よう素酸カリウム標準液のファクターを求める。
F V
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ここに, F : アスコルビン酸標準液のファクター
V : よう素酸カリウム標準液の使用量(mL)
7.2.2.6 よう素酸カリウム標準液
あらかじめ120140 ℃で90120分間乾燥してデシケータ中で常温まで放冷したよう素酸カリウム
3.567 g及びよう化カリウム10 gを水酸化ナトリウム溶液(5 g/L)200 mLに溶解し,溶液を1 000 mLの全
量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液1 mLは,鉄0.005 585 gに相当する。
7.2.2.7 でん粉溶液
でん粉(溶性)1 gを水約10 mLとかき混ぜた後,100 mLの熱水中にかき混ぜながら加える。溶液を約
1分間煮沸した後,静置して室温まで冷却し,その上澄液を用いる。この溶液は,使用の都度調製する。
7.2.3 操作
7.2.3.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.1.3 c) 1) 1.3)で得た分析試料を,その鉄含有率に応じて,表2に規定する量をはかり取り,ビーカー
(300 mL)に移し入れ,塩酸(1+1)15 mL及び塩化すず(II)溶液(7.2.2.4)5 mLを加え,時計皿
で覆い,沸騰しない程度に加熱し,時々穏やかに振り混ぜながら分解する。
なお,溶液中に不溶解残さがあるとき又は溶液が懸濁しているときは,適量のふっ化ナトリウム(100
mg以下)を加える。
b) 時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗い,温水を加えて液量を約80 mLとする。過酸化水
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素1 mLを加え,再び加熱し,数分間煮沸して残留している過酸化水素を完全に分解する。時計皿の
下面及びビーカーの内壁を少量の熱水で洗って時計皿を取り除く。
表2−分析試料のはかり取り量及びアスコルビン酸標準液の添加量
分析試料中の鉄含有率 分析試料のはかり取り量 アスコルビン酸標準液の添加量
%(質量分率) mg mL
2以上10未満 300 10.0
10以上30未満 200 15.0
30以上60未満 100 15.0
60以上 100 20.0
7.2.3.2 滴定
7.2.3.1 b)で得た試料溶液(熱溶液)に,表2に規定する量のアスコルビン酸標準液(7.2.2.5)を加え,
水で液量を200 mLとした後,約10分間流水中に浸し,室温まで冷却する。次に,でん粉溶液(7.2.2.7)2
mLを指示薬として加え,よう素酸カリウム標準液(7.2.2.6)で滴定し,溶液が僅かに青を呈した点を終点
としてアスコルビン酸標準液の使用量を求める。
7.2.4 空試験
空試験は,行わない。
7.2.5 計算
ヒューム中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
(V1 F V2 ).0005 585
Fe 100
m
ここに, Fe : 6.1.3 c) 1)で採取したヒューム中の鉄含有率[%(質量分
率)]
V1 : 7.2.3.2で添加したアスコルビン酸標準液の量(mL)
F : アスコルビン酸標準液のファクター
V2 : 7.2.3.2で得たよう素酸カリウム標準液の使用量(mL)
m : 7.2.3.1 a)ではかり取った分析試料の量(g)
7.3 塩化物抽出分離スルホサリチル酸吸光光度法
7.3.1 要旨
分析試料を,硝酸・過塩素酸・ふっ化水素酸で分解する。塩酸を加え,生成する鉄(III)の塩化物錯体
を酢酸3-メチルブチル・4-メチル-2-ペンタノンで抽出し,水で逆抽出した後,スルホサリチル酸を加えて
スルホサリチル酸鉄錯体を生成させ,光度計を用いて,その吸光度を測定する。
7.3.2 試薬
7.3.2.1 塩酸
7.3.2.2 アンモニア水(1+1)
7.3.2.3 塩化アンモニウム溶液(100 g/L)
7.3.2.4 スルホサリチル酸溶液
5-スルホサリチル酸二水和物50 gを水に溶解し,水で液量を1 000 mLとする。
7.3.2.5 混合溶媒
酢酸3-メチルブチルと4-メチル-2-ペンタノンとを等量ずつ混合する。
7.3.2.6 鉄標準液(100 μg/mL)
鉄[99.9 %(質量分率)以上]を正確に1.00 gはかり取り,ビーカー(200 mL)に移し入れ,塩酸(1
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+1)50 mLを加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカー
の内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線
まで薄めて原液(Fe : 1 000 μg/mL)とする。この原液10.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに
取り,塩酸(1+1)5 mLを加えた後,水で標線まで薄めて鉄標準液とする。
7.3.3 操作
7.3.3.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.2.3.1 a) 1) 1.4)又はb)で得た主溶液を,鉄量が0.11.0 mgとなるように分取し,分液漏斗(200 mL)
に移し入れる。
b) 塩酸25 mLを加えた後,水を加えて液量を50 mLとする。室温まで放冷した後,混合溶媒(7.3.2.5)
50 mLを加え,3分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離した後,下層の水相を捨てる。分液漏
斗の内壁に付いている水相は,分液漏斗を振り動かして分離し,完全に除去する。
c) 有機相に水30 mLを加え,3分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離した後,下層の水相をビー
カー(100 mL)に移し入れる。分液漏斗に少量の水を加え,分液漏斗の脚部などに残っている水相を,
先の水相が入っているビーカーに洗い移す。有機相は捨てる。
d) 溶液を加熱して水相に混入した混合溶媒を蒸発させ,溶液面に混合溶媒が認められなくなるまで除去
する。常温まで冷却した後,溶液を100 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で液量を約50 mL
とする。
e) 塩化アンモニウム溶液10 mL及びスルホサリチル酸溶液(7.3.2.4)5 mLを加えた後,アンモニア水(1
+1)を溶液の色が赤紫から黄になるまで滴加し,更に過剰に0.20.4 mL加える。常温まで冷却した
後,水で標線まで薄める。
7.3.3.2 吸光度の測定
7.3.3.1 e)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル(10 mm)に取り,水を対照液として,波長420 nm付近
の吸光度を測定する。
7.3.4 空試験
6.2.3.2 a)又はb)で得た空試験溶液を,7.3.3.1 a)で分取した主溶液と同量分取し,分液漏斗(200 mL)に
移し入れる。以下,7.3.3.1 b)7.3.3.2の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行う。
7.3.5 検量線の作成
鉄標準液(7.3.2.6)010.0 mL(鉄として01.0 mg)を段階的に数個の分液漏斗(200 mL)に取る。以
下,7.3.3.1 b)7.3.3.2の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行い,得た吸光度と鉄量と
の関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
7.3.6 計算
計算は,次のいずれかによる。
a) ヒュームの採取を6.1.3 a)又はb)によって行った場合 7.3.3.2及び7.3.4で得た吸光度と7.3.5で作成し
た検量線とから鉄量を求め,次の式によって,ヒューム中の鉄含有率を算出する。
(A1 A2 )
Fe 100
B1
m1
100
ここに, Fe : ヒューム中の鉄含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の鉄検出量(mg)
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A2 : 空試験での鉄検出量(mg)
m1 : 6.1.3 a) 2)又はb) 2)で得たヒューム採取量(mg)
B1 : 7.3.3.1 a)及び7.3.4でそれぞれ分取した主溶液及び
空試験溶液の量(mL)
b) ヒュームの採取を6.1.3 c) 1)によって行った場合 7.3.3.2及び7.3.4で得た吸光度と7.3.5で作成した検
量線とから鉄量を求め,次の式によって,ヒューム中の鉄含有率を算出する。
(A1 A2 )
Fe 100
B1
m2
100
ここに, Fe : ヒューム中の鉄含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の鉄検出量(mg)
A2 : 空試験での鉄検出量(mg)
m2 : 6.2.3.1 b)ではかり取った分析試料の量(mg)
B1 : 7.3.3.1 a)及び7.3.4でそれぞれ分取した主溶液及び
空試験溶液の量(mL)
7.4 フレーム原子吸光法
7.4.1 要旨
分析試料を,硝酸・過塩素酸・ふっ化水素酸で分解する。塩酸を加えた後,溶液を原子吸光光度計の空
気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。
7.4.2 試薬
7.4.2.1 塩酸(1+1)
7.4.2.2 鉄標準液(Fe : 100 μg/mL)
鉄[99.9 %(質量分率)以上]0.100 gをはかり取り,ビーカー(100 mL)に移し入れ,硝酸(1+1)10
mLを加え,時計皿で覆い,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁
を水で洗って時計皿を取り除く。溶液を1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,硝酸(1+1)40
mLを加えた後,水で標線まで薄める。
7.4.2.3 鉄標準液(Fe : 10 μg/mL)
鉄標準液(7.4.2.2)10.0 mLを,使用の都度,100 mLの全量フラスコに取り,硝酸(1+1)5 mLを加え
た後,水で標線まで薄める。
7.4.3 操作
7.4.3.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.2.3.1 a) 1) 1.4)又はb)で得た主溶液を,鉄量が30600 μgになるように分取し,100 mLの全量フラ
スコに移し入れる。
b) 塩酸(1+1)10 mLを加えた後,水で標線まで薄める。
7.4.3.2 吸光度の測定
7.4.3.1 b)で得た溶液の一部を,水でゼロ点を調整した空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長248.3
nmにおける吸光度を測定する。
7.4.4 空試験
6.2.3.2 a)又はb)で得た空試験溶液を,7.4.3.1 a)で分取した主溶液と同量分取し,100 mLの全量フラスコ
に移し入れる。以下,7.4.3.1 b)及び7.4.3.2の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液と並行して行う。
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7.4.5 検量線の作成
鉄標準液(7.4.2.2)及び/又は鉄標準液(7.4.2.3)の各種液量(鉄として0600 μg)を段階的に数個の
100 mLの全量フラスコに取る。以下,7.4.3.1 b)及び7.4.3.2の手順に従って,主溶液と同じ操作を主溶液
と並行して行い,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検
量線とする。
7.4.6 計算
計算は,次のいずれかによる。
a) ヒュームの採取を6.1.3 a)又はb)によって行った場合 7.4.3.2及び7.4.4で得た吸光度と7.4.5で作成し
た検量線とから鉄量を求め,次の式によって,ヒューム中の鉄含有率を算出する。
(A1 A2 )
Fe 100
B2
m1
100
ここに, Fe : ヒューム中の鉄含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の鉄検出量(mg)
A2 : 空試験での鉄検出量(mg)
m1 : 6.1.3 a) 2)又はb) 2)で得たヒューム採取量(mg)
B2 : 7.4.3.1 a)及び7.4.4でそれぞれ分取した主溶液及び
空試験溶液の量(mL)
b) ヒュームの採取を6.1.3 c) 1)によって行った場合 7.4.3.2及び7.4.4で得た吸光度と7.4.5で作成した検
量線とから鉄量を求め,次の式によって,ヒューム中の鉄含有率を算出する。
(A1 A2 )
Fe 100
B2
m2
100
ここに, Fe : ヒューム中の鉄含有率[%(質量分率)]
A1 : 試料溶液中の鉄検出量(mg)
A2 : 空試験での鉄検出量(mg)
m2 : 6.2.3.1 b)ではかり取った分析試料の量(mg)
B2 : 7.4.3.1 a)及び7.4.4でそれぞれ分取した主溶液及び
空試験溶液の量(mL)
7.5 ICP発光分光法
7.5.1 要旨
分析試料を,硝酸・過塩素酸・ふっ化水素酸で分解する。溶液を発光分光装置のアルゴンプラズマ中に
噴霧し,その発光強度を測定する。
7.5.2 試薬
7.5.2.1 鉄標準液(Fe : 100 μg/mL)
7.4.2.2による。
7.5.2.2 鉄標準液(Fe : 10 μg/mL)
7.4.2.3による。
7.5.3 操作
7.5.3.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 6.2.3.1 a) 1) 1.4)又はb)で得た主溶液を,鉄量が10500 μgになるように分取し,100 mLの全量フラ
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JIS Z 3920:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.20 : 溶接材料
JIS Z 3920:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0127:2013
- イオンクロマトグラフィー通則
- JISK0901:1991
- 気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状,寸法並びに性能試験方法
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISZ3001-1:2018
- 溶接用語―第1部:一般
- JISZ3001-2:2018
- 溶接用語―第2部:溶接方法
- JISZ3001-3:2008
- 溶接用語―第3部:ろう接
- JISZ3001-4:2013
- 溶接用語―第4部:溶接不完全部
- JISZ3930:2013
- アーク溶接のヒューム発生量測定方法及び分析用ヒューム採取方法
- JISZ3950:2005
- 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法
- JISZ3950:2021
- 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法